跡部の島に来て2日目





ある人物が朝も早くから、せっせと何かの準備に入っていた。
「採寸はあってる・・・もう少しやで・・・・」




朝7時に、各部屋にモーニングコールが鳴りそれぞれ目覚めていた。


「やっぱ豪勢だよな・・・」
「どうせ跡部のことだから・・・・」
岳人がそういっていると・・・・
「やはりオードブルとデザートが無いと、食事とはいえねーよな」
とお決まりの言葉を景吾は放っていた。


それから各自、宿題やほかの事をするということになり今日1日は
フリーとなった。



「なぁなぁ、ひのき〜〜〜」
ひのきに猫撫で声で問いかけてきた人物がいた。
「あ゛〜ん。誰だよ・・・・って侑士!!なんだよ・・・」
「俺な、ひのきにお願いがあるねん」
「なっ、何だよ・・・」
「ここでは話せへん。こっち来いや」
侑士はひのきを自分の部屋に招きいれた。

「んで、なんだよ」
ひのきは腕を組み、問いかけてきた。
「ひのき、錬金術はやってもかまへんのやろ?」
「んまぁ〜、そうだな・・・何か作ってほしいのか?」
そう問いかけると、侑士はあるものを出してきた。
それは・・・・・・・・・・・・・・・・


「なんだ、これ・・・・・・・・・・・・・・・・」



ひのきが思わず唖然とする。
それもそうだろう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なんと、侑士が出してきたのは6着色違いの服、三角ハット、ブーツ、手袋。
そして、幼い女の子が喜んで持っていそうなおもちゃが6つ。


「おおおおお、おい!!侑士!!これなんだよ!?」
「この材料であるもん作って欲しいねん」
侑士はニマニマ顔でひのきに迫る。
「なっ、何作るんだよ・・・?」
「これや」
侑士はテレビをつけ、ある番組を見せた。

「まっ、魔女っ子アニメ・・・・・」
「材料は全部用意したで。あとはひのきの力が必要なんや」
「お前・・・・・オタクだったのか?」
「そないなこと言わんといて。マニアや」
そう言い張る侑士に、ひのきはズサズサと後ろに下がる。
「魔女っ子は最高や。もうなんやろうな、俺の心をくすぐるちゅうか・・・」
侑士は自分の世界に入ったのか、どんどん述べていく。

「せっかく俺らも魔法使いになったんや。こんな機会めったにないで!!」
そういい、握りこぶしを上に上げる。
侑士が暴走の中、アニメは変身シーンに入った。

「あっ、これだな。あいつが作れって言ったのは・・・・」
ひのきは1つのおもちゃを手に、そう言う。
「だけど6つって・・・おい、オタリ!!」
「オタリはないやろ・・・なんや?」
「オレの予想ははるかに当たってそうだけど、聞くぜ。
 これ、誰に渡すつもりだ?あ゛〜ん!!」
ひのきの問いかけに、侑士はメガネをキラリと光らせ・・・・


「そんなん決まっとる!!ちゃんらや!!あっ、ひのきのもあんで」
そういい、にま〜〜〜〜っと微笑む。
「おおおおおおおっ、オレのはいらない!!作れば良いんだな・・・
 構築はわかったから・・・・・・」
そういい、パンッと両手を合わせ材料に手をかざした。
光が放ち、服等がおもちゃと融合し1つのものになった。

「ありがとうな、ひのき」
出来上がると侑士は6つ手にする。
「そんじゃ、オレ戻る・・・・」
「待ちいな。これはお礼や」
侑士はさっき出来上がったおもちゃの1つをひのきに渡した。
「いらねーよ!!ってか他のと違うじゃねーか!!」
「特別や。受け取っとき」
無理矢理ひのきにコンパクトを渡した。


これより、侑士の暴走は始まった。

「オレ、しらねーからな・・・どうなっても・・・・・」





その頃・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
達、女の子たちは1つの部屋に集まり宿題を片付けていた。
暫くたつと、真っ青な顔をしたひのきが入ってきた。

「ひのき、どこいってたの?」
ちゃん・・・・オレ、侑士の行動が怖い・・・」
ひのきの放った言葉に5人は
「「「「「はぁ!?」」」」」
と思わず声をあげた。

「侑士君がどうかしたの?」(
誰が問いかけても、ひのきは何も言わなかった。
「何があったんですかね?ひのきさん・・・」(杏)
「さぁ・・・でもなんで侑士君?」()
「解んない・・・」()
そんな話をしていると・・・・・・・・・
ドアを叩く音がした。
「はい」
が答えると、話題となった侑士が顔を出してきた。
それとともに、ひのきはの後ろに隠れる。

「どーも。お邪魔すんで」
「侑士君・・・どうしたの?」
が問いかけると、侑士は『これあげる』とさっき出来上がったおもちゃを彼女達に渡した。
「コロン?」()
「これ、どうしたの?」()
「知り合いから貰ったんや。オレ、使わへんし・・・」(侑士)
「わぁ〜、ありがとう」(
「ありがとうございます」(杏)
「あれ、ひのちゃん。どうしての後ろにいるの?」()
「なっ、なんでもねーよ・・・(マジで渡しに来るとは・・・)」(ひのき)



「ちょっとつけてみよう・・・」
がシュッと吹きかけた瞬間、の周りに光が纏い始める。
それとともに周助たちが部屋に入ってきた。

「お邪魔するよ。ってなにこれ?」(周助)
「凄い光だにゃ〜」(英二)
「なんすか?これ・・・・」(リョーマ)
「解らん・・・だが、眩しくて何も見えん」(国光)


光の中、曲が流れ始める。
「ええっ!?何これ・・・・」
光が静まると・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
に視線が集まる。

・・・・・」
「ん、なに?周助・・・・・・・・・」
周助はに近づき、
「カワイイよ、・・・」
そういい夢中でを抱き締めた。。
「しゅっ、周助・・・・」
そしても今の現状に気づく。

頭には三角ハットをかぶり、さっきまで着ていた服は変わっている。
部屋の中なのにブーツを履き、両手には手袋。
そして終いにはさっきもらったコロンが胸についている。

「なにこれ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
は思わず大声を上げる。


「うっそ・・・・これって・・・・」()
「まっ、魔法!?」(杏)
「でも魔法は禁止・・・・」()
「そうよ、こんなことできるって言ったら・・・・・ひのき!!」()
「オレはオタリに頼まれただけだ〜〜〜〜〜〜」(ひのき)



「「「「「「「「「オタリ!?」」」」」」」」」




「オタリって誰ッスか?」(リョーマ)
「こいつだよ、こいつ!!」
「侑士君かい。でもどうして・・・・」(周助)
の胸にあるコロン、あいつが渡したんだって!!」
「ほう・・・」(国光)
たちももらったんだ〜〜。ってことは・・・・・ちゃんみたいになるの?」(英二)
ちゃんだけや無い。ここにいる女の子全員にあげたんやから」(侑士)
そう言い、彼女達をみる。


「どっ、どうする?」()
「もしかして、みたいにやるとあんなふうに・・・・」()
「でも、これってどこかで・・・・・」(杏)
「見たことがある・・・私も・・・・」()
「当たり前だぜ。これアニメから出来てるもんだから・・・・・」(ひのき)
ひのきがテレビをつけると、タイミングよくそのアニメが放送されていた。



「ほえ〜〜、もあんなふうににゃるんだ〜」
「えっ、英二!!」

「こういうのオタクっていうんだよね。でもが着たらいいと思う・・・」
「リョーマ!!」

「お前たちは・・・・・」
「なぁ、ちゃんもやってみてー」
「い、いや・・・・・」


「あたし、やってみようかな・・・」
杏が思わず言葉を放つと、全員の視線が杏に向けられる。
その拍子に侑士以外は唖然とする。
「是非やってーな」
杏は意を決し、コロンをシュッシュッと自分に振りかけた。
それと同時にまた光と曲が流れ出し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

杏は同様、変身してしまった。


「めっちゃカワイイな〜〜〜」
侑士は鼻の下伸ばしながら、杏とを見回す。
そんな時・・もう1人やってきた。

「杏・・・いるか・・・?」
桔平がそう言いながら目線を杏にあわせると彼もあんぐりした顔をする。
「お兄ちゃん、なに?」
「あああああああっ、杏・・・・なのか?」
「そうよ?変かな・・・・?」
「何故・・・そんな格好を・・・」
「まぁ道楽って所かしら・・・・」
「まさか・・・・・・・・・・・・・・・」

そのあと桔平はひのきに問い詰めるが、上と同じ答えになるのでカット・・・・・



「ほら、ちゃんらもやろうや・・・」
侑士は達に変身を望み始める。
しかもニマニマ顔で・・・・・・・


3人は後ろにずるずると下がっていく。


「どっ、どうしよう・・・」()
「侑士君、目が逝っちゃってるし・・・・」()
「やるしかないの・・・・?」()
そういっていると、3人の指はとっさにシュッと押してしまい・・・・・

「「「キャッ!!」」」
3人に光が纏い、曲が流れ出した。
それとともに、侑士はちいさくガッツポーズをしていた。
暫くたち・・・・・・・


「わぁ〜〜〜〜vvカワイイにゃ〜」
「結構良いもんだね・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「これで5人揃った。あとはひのきだけや」


「「「うっそ〜〜〜〜〜〜〜!!」」」
3人は・杏同様同じ服に変身していた。
「お・オレぜってーーーーーやんねーーーー!!」
「そないなこと言わんといてーな。ほら、やってみて」
「いやだ〜〜〜〜〜〜〜!!」
ひのきが部屋から逃げようとすると・・・・・・・・・・・

「ひのちゃん、逃がさないよ・・・」()
「私たちだけこんな姿にしたんだし・・・」()
「いや、あれは・・・・」
「ひのきも加わったんでしょ?」()
「やるべきよね・・・自分で作ったんだから・・・」()
4人に追い詰められ、ひのきが持っていたコンパクトが開き、光を放った。

「ゲッ!!」
たちまち光はひのきに纏い、5人とは違う曲が流れた。
暫くたつと・・・・・・・・・・・・・・


「なっ、なんだよ!?このフリフリ!?」
なんとひのきが変身した服は達とは全く違っていたのだった。

「おい、オタリ。どういうことだよ!?」
「この分は、特別バージョンやで。それにしても、よう似合ってんで」
「ってオタリ笑ってんじゃねーか!!」

その後その場にいたメンバーはひのきの姿に笑いが止まらなかったらしい・・・・・


たかが数時間でこんなことが起きるなんて、凄いね・・・・・この世の中・・・(By周助)

あとがき

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