跡部島にやってきて、数週間がたった。




久々の再開と、新たなる教師




夏休みも下旬に入り、特待生たちは残りの休みをエンジョイしていた。
もちろん、その中にテニスもある。
そんななか、のふくろう『パタ』が1通の手紙を持ってきた。
その内容は、ハリーは無事ウィーズリー家につきロンたちと夏休みを過している
という、報告だった。
そして、次の水曜日にダイアゴン横丁で会わないかという誘い・・・


「でもダイアゴン横丁は青学まで戻らなきゃいけないんでしょ?」()
「だよな〜っ!!あそこしか入り口ねーんだし」(岳人)
「せやけど、どないするん?こっからやと結構距離あんで」(侑士)
「やっぱり戻るしかないよね・・・扉は1つだし・・・」()
「次の水曜だよね。景吾君、どうする?」(清純)
「んなの、決まってんだろ!!火曜日に戻るぞ」(景吾)

景吾がそう言い放つと、どこからか声が聞こえてきた。


『その必要は無い・・・・・・』



その声に30人は周りをキョロキョロと見渡し始めた。

「なんだ?この声!?」(ひのき)
「誰?ってか何処からしゃべってんの・・・」(深司)
その言葉から、深司のボヤキが永遠と始まった。
「あ〜、ボヤクんじゃねーよ」(桃)
「深司はほっておいてくれ。それより、誰なんだ!?」(桔平)
「隠れてないで出てきたら?」(リョーマ)


『では、全員下がりたまえ・・・・』

声に2・3歩後ろに下がった。

「なぁ、長太郎・・・」(亮)
「やっぱり亮さんも同じこと考えてたんですね・・・あのこえの主・・・」(長太郎)
「ウスッ」(崇弘)

30人の前に煙が立ち昇る。
そして、煙の向こうからは・・・・・・・・・

「榊先生!!」()
そう、現われたのは氷帝テニス部顧問の榊太郎(43)。
しかも、いつもと変わりなしのスーツ姿・・・・・

「榊先生だったんですね〜」(太一)
「でもどっから来たの〜?」(英二)
「不思議だ・・・」(秀一郎)
「そうでもないんじゃない・・・?榊先生も魔法使いだ・・・」(周助)
「ああ。多分、あれも魔法だろう・・・」(貞治)
「ふしゅ〜〜〜」(薫)
「ケッ」(亜久津)


「皆、久しぶりだな・・」
榊は周りを見渡しながらそういう。
「榊先生、さっきその必要は無いとおっしゃってましたが、どういうことでしょうか?」(国光)
国光が問いかけると、榊は思い出すように話し始めた。

「お前たちがここで夏を過すと聞いて、我々は君たちにあるものを用意した。
 跡部、ここでレンガ造りの壁はあるか?」
「はい、こっちです」
景吾は、ドアを開け案内を始める。
「ついてきてくれ」

31人はぞろぞろとレンガ造りの壁まで歩いていった。


「さがって」
榊に言われ、また30人は何歩か後ろに下がった。
榊は杖を取り出し、5つのレンガを順番に杖で叩いていった。
5つのレンガを叩くと、レンガは次第にゆっくりと動き出し見覚えのある街のまえにでた。

「ここって、ダイアゴン横丁・・・」(杏)
「うわ〜っ、相変わらず人多い・・・」()
「って言うことは・・・」(アキラ)
「ここからダイアゴン横丁へ行けって言うことですね・・・」(はじめ)
「その通りだ・・・」(榊)
「これなら戻らなくても大丈夫だな・・」(裕太)
「スッゴイね・・・・ZZZZZZZZZZZZZzzzzzzzzzzzzzz」(ジロ)
「あーあ、また眠っちゃったよ・・・」(隆)



榊は用を済ませると、また魔法を使い30人の前から消え去った。




そして、水曜日・・・・
朝早くに朝食を済ませ、30人は出かける準備をした。
そして魔法がかけられたレンガの壁に全員が揃うと、景吾が杖を取り出し
榊に教えてもらったとおり、5つのレンガを杖で叩いた。
数日前と同様、レンガはゆっくりと動いていきダイアゴン横丁への入り口となった。
去年は竜崎先生等に引張られ入ったが、今年はそのような態度は誰も見られない。
堂々とダイアゴン横丁に入っていった。

さすがに30人という団体で街中を歩くのには・・・という意見もあり、
各寮ごとに分かれて移動することになった。
といってもグリフィンドール生は他の寮生と違い人数も多いので2つに分かれた。
5つのグループはそれぞれの店で新学期に向けての買出しが開始された。
もちろん、1時間後にフローリッシュ・アンド・ブロッツ書店で落ち合うことにした。


グリフィンドール生は町の中を探索するって飛び出した。
ハッフルパフ生は足りないものを調達。
スリザリン生はそれぞれ移動するということになり、バラバラになった。
そして・・・・・

レイブンクロー生はグリンゴッツにいた。
自分の持ち金を金貨等に両替してもらい、出ようとしたとき

!!」
と上から声をかけてきた人物がいた。
がふっと上を見ると、にっこりと微笑み
「ハーマイオニー」
彼女の名前を呼び、手を振った。
ハーマイオニーが階段を下りてくると、彼女達は話し込み始めた。

「ハリーから聞いてたの。達も誘ったって・・・でもこんなに早く逢えるなんて思わなかった」
「そうなの?でも、ハーマイオニーも元気そうで良かった」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


彼女たちの話は永遠と続くのかと言いたいくらい、喋っている。

「なんや、話終わりそうもないやん・・」(侑士)
「そうですね・・・それに・・・」(長太郎)
「俺様たちがいること、すっかり忘れてやがる」(景吾)
「ウスッ」(崇弘)
「これではキリが無いな・・」(国光)
国光が割り入っていこうとすると、後ろからまた声がかけられる。

「あれっ、国光。なにしてるの?」

国光が後ろを振り向くと、ボロボロのハリーがいた。
「ハリー・・・」
「久しぶり」
ボロボロでも国光に微笑むハリーに、国光の眉間に皺が寄る。
「どうした、その格好は・・・?」
「ああ、これは・・・・・・」
ハリーが解釈しようとすると、喋っていた彼女達もハリーの姿を見て、駆け寄ってきた。

「ハリー、どうしたの?その格好」()
「しかもボロボロ・・・」(ハーマイオニー)




それからウィーズリー一家とも合流し、一向はフローリッシュ・アンド・ブロッツ書店に移動した。
その間にも、特待生にあれこれと興味心身にマグルについて聞いてくる。
もちろん、グレンジャー夫妻にも・・・

書店に着くと、魔女で書店を覆いつくしていた。

「なんだ、これは。あーん?」(景吾)
「何かあるんですかね?」(長太郎)
周りを見渡す限り、魔女の大群・・・・・・・・・

「ウスッ!!」
崇弘が何かを見つけ、声を出す。
「なんや・・・これ?」
崇弘が見つけたものを、侑士も見る・・・・が・・・・・・
そこに書いてあるものに、呆然してしまった。

『サイン会 ギルデロイ・ロックハート 自伝【私はマジックだ】

 本日午後12:30〜4:30』



「やっと彼に逢えるわww」
ハーマイオニーも周りの魔女同様、黄色い声をあげる。
もちろん、ウィーズリー婦人も。


そして・・・魔女たちの歓声の中、奥の部屋からある人物が現われた。
ロックハートが現われると、ともに予言者新聞の記者2人が割って入ってくる。
「日刊予言者新聞です」
そう言い、大きな黒いカメラで写真を撮り出す。
それにあわせ、彼もポーズを取っていく。
ロックハートがカメラに目線をあわせると、

「もしや、ハリー・ポッターでは?」
興奮したささやき声があがり、人垣がパッと割れて道をあけた。
ロックハートが列に飛び込み、ハリーの腕を取り正面に引き出した。
それとともに拍手が喝采。
「ハリー、にっこり笑って!」
輝く白い歯を見せながらそう言い、
「一緒にうつれば、私と君とで一面大見出し記事ですよ」
パシャッと写真を撮られ、ハリーは戻ろうとするが、ロックハートはハリーの肩を
腕にまわし、がっちりと自分のそばに締めつけた。

「みなさん」
ロックハートは声を張り上げ、手で静粛にという合図を出す。
「何と記念すべき瞬間でしょう!私がここしばらく伏せていたことを発表するのに、
 これほど相応しい瞬間はまたとありますまい!
 ハリー君が、フローリッシュ・アンド・ブロッツ書店に本日脚を踏み入れたとき、
 この若者は私の自伝を買うことだけを欲していたわけであります―――
 それで今、喜んで彼にプレゼントいたします。無料で―――」
人垣がまた拍手をする。
「―――この彼が思いもつかなかったことではありますが―――」
彼の演説はまだ続く。
だが・・・・

「私、教科書取りに行ってくる・・・」
は呆れた様子で、団体からすり抜けて言った。
それに続き、国光たちも彼女を追う。

「すみません、ここにある本の日本語版をお願いします」
店主にリストを渡し、ため息をついた。
「はい、5人分ですね・・・」
店主はそう言い、店の奥に行った。

「おい、・・あいつの話きかねーのか?」(景吾)
景吾の問いかけに、はただ首を横に振るだけ。
「せやけど、また何か話してる見たいやで・・・向こう」(侑士)
「興味ないわ・・・」(
そういっていると、人垣から歓声が沸く。
それとともに、話を聞いていた長太郎と崇弘が戻ってきた。
「大変ですよ!!あのロックハーとって人、今年の『闇の魔術に対する防衛術』
 担当教師をやるって・・・」(長太郎)
「ウスッ」(崇弘)
2人の言葉に、は深いため息をついてしまう。
「そうか・・・クィレルの後任があの人か」(国光)


「私・・・ああいうナルシスト、好きじゃない・・・」



そう呟くと、店主が戻ってきて教科書を受け取りすぐ書店を去った。


それから特待生全員が、教科書を受け取るとすぐダイアゴン横丁を去ったのであった。
だが、ロックハートの名は跡部島でも持ちきりだった・・・・・・・・・・・


その頃のハリーたちは、ドラコとその父親ルシウス・マルフォイと逢っていた。

あとがき

第4話に行く

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