只今、青学の1勝勝ちでリードしている。





「俺の番か・・・」
柳はバッグからラケットを取り出す。
「さて、。俺のプレーをしっかり見ててくれ。
 退屈はさせない。立海大の勝利は我々のものだ」
そう言いきり、コートに入っていく。



「次はシングルス3だね・・・」
不二がにっこりと微笑みながらそういう。
「行って来る・・・」
乾は眼鏡を逆光させ、ラケットを握りコートに入った。

コートに入っていく乾の背中を見送りながらが問いかけてきた。
「なぁ、乾って強いん?」
の言葉に、全員の視線がに向けられる。
「な・何?あたし変なこと言ったかいな?」

「いや・・・そないなことあらへん」(忍足)
「あいつのテニス、イヤなんだよな〜〜〜」(向日)
「イヤって・・・どういうこと・・・?」(
「まぁ、見てれば解るよ・・・あいつのテニスは凄いから」(河村)
「そうですね・・・乾さんもそうですが、柳さんも・・・」(鳳)
「隙がねーからな・・・2人とも」(宍戸)
「それに、柳さんにとってはこのシングルス3はリベンジマッチっすからね」(桃城)
「ああ」(大石)




「貞治。去年の屈辱、ここで晴らせてもらう」
「残念だが蓮司。今回も勝たせてもらうよ・・・・」


『1セットマッチ、柳 トゥサーブ!!』
審判のコールが鳴り響き、試合が開始された。


また試合は長々と続いていき、お互い一歩も引かない。
『ゲーム、乾。6−5』

「よーっし、乾がリードしてる。あと1ゲーム」(菊丸)
「相変わらずのデータテニスっすね。乾先輩と柳さん」(越前)
「そうだね・・・それも、去年以上に磨きが掛かっている」(不二)


話している間にラストゲームはデュースに入っていた。
何回のデュースを繰り返し・・・・・・・

『ゲーム、柳。6−6 両者引き分け』
という結果に終わった。



「引き分けか・・・」
「タイブレークがあったらどうなってたか解らないさ。蓮司」
「そうだな・・・有意義な試合だった。貞治」
2人はネットを挟み、固く握手する。
そしてコートから出た。


「やれやれ・・・引き分けになってしまった。、退屈ではなかったか?」
からタオルとドリンクを受け取りながら、問いかける。
「退屈なんて・・・今までの試合で退屈なんて言葉は無いよ」
そう言い、にっこりと微笑む。
の一言に、連中は顔を歪ませる。
真田は連中を見て、込め髪に亀裂マークをつけてる。
幸村はそんな真田を見てクスクスと笑っていた。


一方・・・・
「なんや、乾。強いやん」
汗を拭っている乾にが声をかけた。
「それは褒めているのか?」
「当たり前や!!見てて凄かった」
「そうか・・・礼を言おう。ありがとう」









さてさて・・・・・・・・

「次は俺だな・・・」
橘はジャージを脱ぎ、ラケットを手にした。
「おい、橘・・・」
気合十分な橘に、ひのきが声をかけた。
「なんだ?」
「お前・・・・・・絶対に・・・・・」
ひのきは下に俯いたまま、途切れ途切れに言う。
そして・・・・

「オヤジになんか負けんなよ!!大仏の何かけて!!」

と大声で拳を上げながらそう言いきった。
「お前は・・・・・・・」
橘の怒り度100%・・・・




ゴツッ!!




久々に橘の鉄拳がひのきに降った。
「いって〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
それを見た・・・・・・
「ひのきったら・・・・」
「相変わらずだな・・・・」
と手塚が横目でため息をついていた。
そして・・・・・

「あははっ!あのひのきに鉄拳を降す人が、もう1人いたんだ」
と幸村は2人の行動に思わず笑っていた。
「ねぇ、真田・・・・」
「幸村・・・・行ってくる」
真田はラケットを持ち、コートへと歩いていく。
「真田君!!」
彼の背中を見ながら、つい呼び止めてしまった。
「なんだ」
「頑張ってね」
は親指を立て、真田にエールを送った。
「ああ」
のエールを見た、立海大連中は・・・・


「なんで真田になんかエール送っちゃうの〜〜〜!!」(丸井)
「信じられんなーーーー」(仁王)
「我々にはエールすら送ってもらえなかったのに・・・」(柳生)
「弦一朗は特別なのか?・・・・・」(柳)
と、真田に嫉妬心をメラメラと燃やしていたのだった。



『1セットマッチ、真田トゥサーブ!!』
審判のコールが鳴り響き、シングルス2の試合が開始された。
さすがシングルス2にもなると、高校テニスを思いっきり越したプレーが繰り出される。
最初はお互い、まだ探り状態で1−1になった。

「真田、負けちまえ!!」
「お前だけちゃんのエールもらえるなんて、卑怯だぜ!!」
「この試合は練習の一環ですから、大いに負けてください」
「弦一朗だけ、いい思いはさせない」
嫉妬心から真田に『負けろ〜〜〜』コールが立海大サイドから出る。

「貴様ら・・・たるんどるぞ!!」
彼らのブーイングに真田の怒りは頂点に立つ。
その隙に、橘がポイントを取った。
「なっ!?」
「わーい、真田のバーカ!!それくらい取れよ!!」
丸井の挑発に柳、柳生、仁王は『そうだ、そうだ』と更に煽る。



「おい、コレはテニスの試合だよな・・・あーん?」
立海大サイドを見ながら、跡部が問いかける。
だが、誰も答えようとはしなかった。
それもそうだろう・・・・あの、皇帝と呼ばれた真田が、彼らの掛け声に対し、
反発を見せ、ポイントを取られてしまったのだから・・・・


「仕方がない・・・あれをやるしかない・・・」
真田はサーブを打ち、橘のリターンが来ると・・・・・





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・







一瞬で真田にポイントが入った。
たった一瞬で『負けろ』コールが静まった。

「風林火山か・・・」
乾がノートを広げながら、そう言った。
「なんや?風林火山って・・・」
が問いかけると、乾は解説し始めた。

「真田の究極奥義―――『風林火山』。
 
 疾(はや)きこと『風』の如く
 
 徐(しず)かなること『林』の如く
 
 侵掠(しんりゃく)すること『火』の如く
 
 動かざること『山』の如し
 
 それぞれ相手の最も得意な戦い方であえて叩き潰しに来る。
 真っ向勝負というのが、彼のテニス哲学。
 しかしそれは圧倒的強さがあってこそ成り立つ戦い方だ。
 これが発動したら最後、相手は戦意すら失う」

乾の解説に周りは黙り込む。

「去年、越前が望んだ時は『風』『火』が出された。
 俺のデータによると、あの跡部でも『山』を崩すことが出来なかった。」

「おい・・・・橘、勝てんのかよ・・・」
ひのきがコートを見ながら、問いかけると・・・・
「彼次第だ・・・」と乾は眼鏡を逆光させた。


それから真田の快進撃が続き、橘も喰らいついていく。
そして・・・・・

『ゲームセット!ウォンバイ立海大、真田。6−2』
あれから1ポイントも与えず、真田が堂々と勝利を収めた。


「有意義な試合だった」
「さすがだな・・・」
真田と橘が握手をすると、それぞれコートを出た。

「お疲れ様、真田君」
コートを出るとが待っていた。
「本気を出してしまった」
「良い試合だったよ・・・」
「ありがとう・・・」
「ところで、貴様ら・・・帰ったら覚悟しておくんだな・・・」
真田は4人に思いっきり威嚇をし、そう言った。
その言葉に4人はいや〜〜〜〜な顔をする。
「これは自業自得だね・・・それじゃ行ってくる」
彼らの姿を見て、幸村はジャージを脱ぎラケットを持った。


「これで1勝1敗、2引き分け。公式の試合だったら次で決まりッスね」(越前)
「ああ。しかも次は手塚先輩だぜ。いくら立海の元部長とは言えど、
 手塚先輩には敵わないと思うぜ」(桃城)
そういい、青学サイドは手塚に視線を向ける。

「行ってくる・・・・」
手塚は左手にラケットを握り、コートへ歩き始めた。
「国光・・・・頑張ってね」
が手塚にエールを送ると、「ああ」といいコートに入った。


「手塚とは初対戦だね。よろしく」
「ああ」

『1セットマッチ、青学手塚、トゥサーブ!!』
シングルス1の試合が開始された。
手塚はセンターギリギリにサーブを叩き込んだ。
「フフッ。最初は・・・・」
幸村はクロスにリターンをする。
それから熾烈なラリーが続いた。

『ゲーム青学手塚!1−0。チェンジコート』
まずは手塚がサービスキープをした。


それからそれぞれ力を出し切っていく。
幸村のポイントが決まれば、手塚が取り返していく。




そして・・・・・・
手塚の零式ドロップショットが決まり、ゲームが終了した。
『ゲームセット。ウォンバイ青学手塚!6−4』


「やられたな・・・」
「いや、こちらも危なかった・・・」
そう言い握手を交わす。



これにて、試合は終了・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・














とはいかなかった。



『それでは、これより女子シングルスを行います。
 立海大付属 。青学 ・・・・・・・・・・』
審判の言葉に青学サイドは?マークを浮かばせる。

「えっ、女子シングルスやるの?」(
「ってか選手は誰?」()
「高等部の女テニいないし・・・」()
「それじゃ、先輩?先輩?」()
「ちょっと待って!!あたしたち何にも聞いてない!!」()
「そうよ!!試合するなら事前に聞いているし・・」()
「ほな、誰なん?」()
彼女達がそう話していると・・・・・・・

『青学 ・・・・・・・・・・・・・』
双子の名前が上がり、視線が向けられる。
「「へっ?」」
いきなり名前を呼ばれ、双子は頭が真っ白になる。
ちゃん、オレたちのどっちなのか?」
「というより、どういうことなの?」
双子はその場でパニくりだす。

そんな双子を見て・・・・
「手塚、何か聞いてないの?」
不二が試合を終えたばかりの手塚に問いかけた。
「いや・・・・」
「そんじゃこの試合はにゃに?」(菊丸)
「というより、女子シングルスをやるなんて聞いてないぞ」(大石)
「それにさんの名前まで・・・」(河村)
「これは面白くなりそうだ・・・・」(乾)
さんか、ひのきか・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(橘)


そして・・・・・と審判は名前を挙げた。

「う・うそ・・・・」
名前を挙げられたことに、は冷や汗をだらだらかいていた。
ちゃん・・・・」
を呼ぶと、は声を張り上げた。
「ちょっと待ってください、審判!!これはどういうことですか?
 私は何も聞いていません!!」
『そういわれても、オーダーには君の名前が記入されているんだ・・・』
審判の答えに、はつかさず・・・・・

「国光!!どういうことなの!?説明して!!」
手塚に問い詰め始めた。
「落ち着け・・・俺も知らんことだ・・・」
「じゃあ・・・なんで・・・」
が悩み始めると・・・・「俺だよ」と後ろから声がした。
振り向くと、首にタオルをかけた幸村。
「精市君・・・どうして・・・・」
「だってのテニス、見たかったし・・・」
そういいにっこりと微笑む。
「私、テニス全然やってないのよ・・・ブランクありすぎ・・・」
「でも、やってくれるよね?ちゃん、強いよ・・・・」
そう言い、立海大サイドに目線を向ける。
「そういわれても・・・ラケットもウェアもシューズも持ってないのよ。
 どうやって試合しろっていうのよ?」
そう言いながらも、少しやる気を見せ始める
「あれ、青学の部長が用意しますって言ってたけど?」

青学の部長・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?





あっ!!大和先輩!!






「国光!!大和先輩は!?」
「今日はいらしてないぞ・・・」
「も〜〜〜〜〜〜!!」
そういい、は深くため息をついた。
そんなやり取りをしていると・・・・・・

「手塚先輩。ありましたよ、先輩用のレギュラウェア・・・」
桃城と越前は2人のやり取りの中、大石から鍵を借り部室に入って
大和部長のメモと、ウェアがテーブルに置いてあったのだ。
「それとこれ・・・・・」
越前がにメモを渡した。



―――今日の練習試合で女子シングルスを急にやることになりましてね・・・・
   さんには大変な想いをさせてしまいますが、頑張って下さい。
   ハハハ・・・・・―――



大和部長のメモに2人は唖然とした。
「これって・・・・強制!ってこと?」
「だろうな・・・どうする?」
「はぁ〜〜〜・・・棄権したいけど・・・そうも行かないみたい・・・」
はそう言いながら、のほうを見る。
「ああ・・・着替えて来い・・・」
「うん・・・シューズは・・・さん、さん。一緒に来て」
をつれ、部室に向っていった。
もちろん、達もそれを追っていく。

「楽しみだな・・・」
そういい幸村は立海大サイドに戻っていった。

「精ちゃんのヤツ、何考えてんだ・・・」
そんな幸村の背中を見ながら、ひのきが呟いた。
「どうした、ひのき?」
「いや・・・あの精ちゃんがなにか企んでる気がしてな・・・」
「そうか・・・それより、さんは強いのか?」
橘の質問に、ひのきは一瞬きょとんとした顔をするが、すぐ真っ青になった。
ちゃん・・・つえーぜ・・・オレより・・・」




はい、男子の試合を全て終らせました。試合書くのは難しい・・・なのに、この展開は!?
それとこのドリームのメインである真田さんを勝たせちゃいました。ゴメンね、たっちー!!
出ましたよ、『風林火山』!!原作じゃ物凄いことになってますからね・・・
勝ってほしいですね。頑張れ、リョマたん!!

はい、次で連載終了です。彼女たちの戦いぶりを楽しみにしていて下さい。
このドリームに関するご意見、ご感想等をBbsにて受け付けています。
気軽に書き込んでいってくださいね。よろしくお願いします。

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