やっと・・・・・・・・・・・



と貴久が空港に着いたのは夜に近かった。
空港に入り、は息を切らしながら周りを見渡す。

「ハァハァ・・・いた・・・」
手塚を見つけ、微笑むに貴久はポンッと背中を押し、
「行っておいで・・・」
「うん!!」


手塚は側に荷物を置き、周りを見渡している。


【タタタタタタタタ・・・・・・ギュっ!!】

は、手塚の背後から抱き締める。
さすがにいきなりのことで手塚はビックリするが、ここでこんなことをするのはただ1人・・・


・・・・」
首を振り向かせ、抱きついた本人の名前を呼ぶ。

「エヘヘ・・・国光、逢いたかった」
「俺もだ・・・」
互いの存在を確かめ合うように抱き合う。




「おーーーい・・・パパを忘れないでくれ・・・」





そのあと、3人はホテルに戻り手塚のチェックインを済ませ・・・・

「じゃ、国光君。部屋は・・・と同室!!」
貴久の言葉に・・・はまたか・・・とため息をつくが、反面嬉しかった。
「国光君の荷物を置いたら、夕食にしよう」
「解った・・・」
「はい・・・」
貴久をロビーに残し、手塚とはエレベーターに乗り込んだ。

「あっ!!」
エレベーターに乗った瞬間、はあることを思い出した。
「どうした・・・?」
「・・・・・・・ううん・・・なんでも・・・・」
明らかに何か隠していると確信した手塚は・・・・
・・・・」
と低く声を出した。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・部屋に入ったら・・・解るよ・・・うん」
そういっている間に、部屋のある階につき、エレベーターを降りた。


部屋の前に着き、はさっと鍵をだし鍵を開けた。
「はい、どうぞ・・・見て驚かないでね・・・」
は手塚にそう言い、部屋に通した。
「驚くなと言われても・・・・・・!?!!!?!?!?」
部屋に入り、ベッドが目に入る・・・が、やはり手塚はベッドの上にあるものに唖然した。


「コレは・・・・・」
はベッドの上にあるぬいぐるみを抱き・・・
「そっくりでしょ・・・くにみつ人形」
「あっ、ああ・・・この事だったんだな・・・」
「うん・・・別れてから・・・なんか寂しくて・・・思わず作って・・・」
は下に俯きながら、ぬいぐるみを抱き締める。
そんな姿に、手塚はポンッと手を頭の上に置き、撫でる。
「でもね、こっちに持ってくる予定はなかったのよ!!なのにパパが・・・」
「もういい・・・今は、俺本人がいる・・・」
手塚の言葉に、コクリと頷く。



貴重品を持ち、2人はロビーで待ってる貴久のもとへと戻った。
ロビーに行くと、撮影スタッフやGRAYの4人も待っていた。
ホテルのレストランに入り、今日の撮影話と手塚の紹介が終り食事を楽しんだ。


「んでも、手塚も追っかけてくるとはな〜〜」(KAZU)
「それだけ、愛も寛大ってことでしょ・・」(HISA)
手塚との居る席にはGRAYと貴久が一緒に相席していた。
「まぁ、そう言うなって!!手塚、お前ドイツは初めてか?」(TAKU)
「いえ、去年の夏に1度・・・」
「去年の夏か・・・やっぱ観光?」(TERUKI)
「TERUKIさん!!!」
TERUKIの発言に、が声をあげる。

「なんだ・・・俺、言っちゃいけなかったか?」
がそう声を高々に出す人間じゃないことはGRAYの誰しもが知っている。
そんな声を出すほどということは、ヤバイってことに繋がってしまう。

「いえ・・・そんなことはありません」
手塚は落ち着かせようと、の頭をなでながら話した。
「俺は、去年・・跡部との試合で肩を痛めて、ドイツに療養しにきたんです」
そう話すと、は悲しそうな顔をする。
それもそうだろう・・・去年、その試合を目の前で見たのだから・・・


「ドイツは有名なスポーツドクターが多いからね・・・それにトレーナーも・・・」
貴久の言葉に手塚はコクリと頷き、ちゃんと完治していることを話した。




〜〜〜、俺が悪かった。ほら、あま〜いケーキやるよ」
TERUKIは謝りながら、スイーツをに差し出した。
「私がそんなので引っ掛かるとでも思う?」
の言葉に、TAKU、HISA、KAZU、貴久が・・・

「甘いケーキ好きだろ?」(TAKU)
「本当は欲しいくせに・・・」(HISA)
「無理はよくないぜ」(KAZU)
「ほらほら・・・」(貴久)


5人がかりでにケーキを差し出す。


「あのね〜〜〜!!」
がため息を着こうとした瞬間、隣から・・・
・・・」
「なぁに・・・んっ!!」
口のあいたままのに、手塚はさっとケーキを入れ込んだ。
「ふにみちゅ・・・」
「美味いか?」
口の中のケーキを食べ、コクリと頷いた。



「「「「「その手があったか・・・・」」」」」



GRAY+貴久VS手塚・・・・勝者、手塚!!





そして、時間は過ぎていき部屋に戻るとシャワーを浴びそのまま2人とも就寝した。



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