夏休みが始まって、1週間が過ぎた。



戻ってこない手紙




特待生たち30人は日本に帰国し、それぞれ夏休みを過していた。
あるものは大量の宿題をしたり、テニスに打ち込んだり、様々である。
だが・・・


「手紙送ってからもう1週間・・・そろそろ返事が返ってきてもいいんだけど・・・」
窓を開け、空を見上げながらは呟く。
ちゃん。また空見てんの?」
「ひのき・・・」
「パタが戻ってきてもう3日か・・・ハリーのヤツ、何やってんだ?」
「そうね・・・ハリーが居候しているダーズリー一家って相当魔法を嫌ってるみたいだし・・」
「そうだそうだ!!ハリーがホグワーツに来る前って、階段の物置にいたんだって!!」
「まさか、帰って来た早々・・・」
「ってそんな暗い話、止めようぜ!!今日だろ、久々に青学行くの!!」
「ひのきにしては上出来じゃない・・・覚えてたなんて・・・」
「ひっでーー!!行こうぜ!!」
「うん」


そう、は日本に戻ってからすぐに自分のフクロウ『パタ』を使い、
イギリスに住んでいるハリーに早速手紙を送ったのだが・・・・
パタは何も持たず、日本に帰って来たのだ。



時は7月中旬。まだ日本の学校は夏休みではなかった。
特待生たちは、懐かしい中学の制服を纏い、青学に足を運んだ。


「あっ、!!ひのちゃん!!」
いつものように会議室が用意され、双子が入るといつものこえが上がった。
「オーッス!!。元気だったか?」
「もちろん」
「なら良かった。リョーマ君も久しぶり」
「チーッス」
それからゾクゾクと特待生たちは集まってきた。

〜〜!!」()
「久しぶり〜」()
「お久しぶり!!皆元気そうでよかった」()
「ホントホント」()
「おっ、周助と英二も一緒に来たんだな・・・・」(ひのき)
「当ったり前だにゃ〜。と俺はラブラブだから〜vvお久〜」(英二)
「僕も英二と同じだよ。リョーマも早いね」(周助)
「オレはと来たし・・・それより先輩!国光先輩は?」(リョーマ)

リョーマが問いかけると、鶴の一声が・・・・

「俺がなんだ、リョーマ?」
「いや・・・・なんでもないっす・・・」
国光の登場に、リョーマは一歩下がった。

「国光・・・昨日ぶり」
そんなリョーマを見ながら、は国光に声をかけた。
「ああ。それより手紙は来たのか?」
国光の問いかけに、は下に俯く。
そんな素振りに、「まだか・・・・」と言いながら、国光はため息をついた。


それから数十分後、特待生全員が揃った。
それと同時に、校内に終了のチャイムが鳴り響いた。




「さて、皆。1年目は楽しかったかの?向こうからは君たちの事を色々と聞いている。
 特に学年最後の日に得点を貰った生徒もいたそうで・・・先生は嬉しいよ」
そう言いながら、青学校長は感激する。

それから長々と校長の話は続いていき、聞き飽きた頃、
窓の向こうからフクロウが向ってきていた。
そして・・・・・・・


バンッ!!



フクロウは窓に直撃。へろへろと落ちていく。

「危ないな・・・誰のフクロウだろ・・・」
落ちていくフクロウを長太郎が間一髪で助け、窓を閉める。
「おい、長太郎。そいつ手紙持っているぞ」
「本当だ。誰からだろう・・・」
長太郎は手紙を取り、あて先を見た。

「あっ、さん。ロンからですよ」
そう言い、手紙を渡した。
「ありがとう、長太郎君」
は受け取ると、封を切った。


手紙を読んでいくにつれ、の表情も暗くなる。
それを察したのか、国光も手紙を見る。

「そうか・・・ロンもハーマイオニーもハリーからの返事が無いのか・・・」(国光)
「うん。このフクロウはウィーズリー家のエロールだって」()
「ハリーのヤツ、何やってんのさ・・・」(リョーマ)
「もしかして居候先で何かあったのかな?」()
「そーかもね・・・ホグワーツでかなり居候先のこと話してたし」(英二)
「また階段下に押し込められてるのかな・・・」()
「それは解らないよ」(周助)
「そうよね・・ハリーだってそれなりの魔力はあるんだし・・・」()
「恐れられているってこともありだよな」(秀一郎)
「だけどハグリッドの話じゃ、最低のマグルって話じゃないっすか!?」(桃)
「だけど、俺たちはどうすることも出来ないよ・・・」(隆)
「そうっすね・・・」(薫)



「おい、ちゃん。まだ続き書いてあんじゃん」(ひのき)
「そうなんですか?だったら読んで下さいよ」(アキラ)
「早く話してよね・・・何書いているか気になるし・・・」(深司)
「ぼやくんじゃない、深司」(桔平)
「すんまそん・・・」
さん、読んで下さい」(杏)


それからは手紙の続きを読んでいった。


手紙の内容はこう書かれてあった。


『ハリーが浮遊の魔法を使ったらしいんだ。それで魔法省から注意を受けたってパパが言ってた。
 それでハリーがいるダーズリー家で閉じ込められているらしいよ。
 僕と、双子で7/31の夜にハリーを助けにいく。上手くいったらまた知らせるよ・・・・・ロンより』



「ハリーが魔法を使った・・・」(裕太)
「確かにこっちの世界では魔法は禁止されてましたが・・・魔法省に注意を受けるとは・・・」(はじめ)
「それより、ハリーは監禁されてるですか!?」(太一)
「手紙に書いてあることが、ホントのことならね・・・」(清純)
「ケッ・・・」(亜久津)

「けどよ、ロンたちが助けに行くってどうするんだよ?」(岳人)
「せやな・・・なんかあるんやろうか?」(侑士)
「どうだろうな・・・俺たちが理解できないことだったりしてな」(亮)
「理解できないことですか・・・上手く行くんでしょうか・・?」(長太郎)
「どーだろうねーー・・・・・・zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzZZZZZZZZZZZZZZ」(ジロ)
「また寝るのかよ・・・まぁ、あいつらの報告を待つしかねーよ。なぁ、樺地」(景吾)
「ウスッ!」(崇弘)




周りで話が上がっている中、は手紙の返事を書いていた。

「よし、出来た。エロール、急いでロンに渡して」
エロールに手紙を渡すと、ヒョロヒョロと空に飛んでいった。
「だ・大丈夫かな・・・?」()
「かなり老いが来てるみたいだし・・・」()
「届くかな・・・?」()
「まっ、届くんじゃねーの?ここまで来たんだしよ」(ひのき)




それから、先生方から魔法省の話があり1人前じゃない魔法使いは、
こっちの世界で魔法は禁止。使えば、注意又は警告されることを知った。
酷いことがあれば、杖を奪われることもあると聞かされた。




「おい、てめーら。俺様の話を聞け!!」
先生方の話が終わり、退出を見届けた景吾は声をあげた。
その声に、28人は景吾に視線を向ける。
「なんだよ、景吾!!」
ひのきが問いかけると・・・・・・・・・・・・・・・


「お前ら、残りの夏休み。俺様の別荘にこねーか?」


この言葉にまた復活?『ブルジョワめ・・・・・』
という目が数個・・・・

「なんや、景吾。また軽井沢かいな・・・」(侑士)
「はん。俺様をなめんなよ・・・今回は海だ!!」
「俺、サンセー!!海行きたい!!」(岳人)
「どうせ景吾のことだ・・・そこにもテニスコートあるんだろうよ・・・」(亮)
「ですね・・・俺も賛成です」(長太郎)



それから全員が参加することになった。



夏休みはまだこれから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あとがき

第2話に行く

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