組み分けの儀式



ホグワーツ特急はとうとう、ホグワーツに到着した。
13人は外に出ると、夜の冷たい風に身震いした。
やがて生徒たちの頭上にゆらゆらとランプが近づいてきて、彼らの耳に懐かしい声が聞こえた。

「イッチ(一)年生、イッチ年生はこっち!ハリー、元気か」

ハグリッドの大きなひげ面が、ずらりと揃った生徒の頭の向こうから笑いかけた。
「13人とも久しぶりだな。元気だったか?」
「お久しぶり、ハグリッド」()
「おう、13人とも元気だな。今日から頑張れよ」
「ありがとう」()

「さぁ、ついてこいよ−−−あとイッチ年生はいないかな?
 足元に気をつけろよ。いいか、イッチ年生、ついてこい!」

彼らはハグリッドについていった。
滑ったり、つまずいたりしながら、険しくて狭い小道を、降りていった。

「みんな、ホグワーツがまもなく見えるぞ」
ハグリッドが振り返りながら言った。
「この角を曲がったらだ」
「うおーっ!!」
いっせいに声が沸き起こった。
狭い小道が急に開け、大きな湖のほとりに出た。そして向こう岸には高い山がそびえ、
そのてっぺんに壮大な城が見えた。大小さまざまな塔が立ち並び、
キラキラと輝く窓が星空に浮かび上がっていた。

「すっご〜い」()
「城だね・・・・・」(周助)
「ああ、ここがホグワーツ」(大石)
「中はどうなってるのか、楽しみだ」(貞治)
「貞治・・・・・」(隆)
「すっげ〜な・・・・すっげーよ」(桃)
「ふしゅ〜(凄い・・・・)」(薫)


「四人ずつボートに乗って!」
ハグリッドはつながれた小船を指差した。
1年生はどんどんとボートに乗っていく。
そして13人もボートに乗り込んだ。

「みんな乗ったか?」
ハグリッドは大声出して確認した。
「よーし、では進めえ!」
ボートは船団は一斉に動き出し、鏡のような湖面をすべるように進んだ。

「うわ〜、これも魔法なんだ・・・・」()
「そうみたいだにゃ〜」(英二)
「こんなのあり?」(リョーマ)
「ありなんでしょ・・・・魔法だもん」()
「ここで学ぶんだね・・・・」()
「ああ」(国光)

向こうの岸の崖に近づくに連れて、城が頭上にのしかかってきた。
「頭、下げぇ〜!」
先頭の何層かが崖下に到着した時、ハグリッドが掛け声をかけた。
生徒は一斉に頭を下げると、ボート船団は蔦のカーテンをくぐり、
その陰に隠れてぽっかりと空いている崖の入り口へと進んだ。
城の真下と思われるくらいトンネルをくぐると、地下の船着場に到着した。
全員が岩と小石の上に降り立ち、ゴツゴツした岩の路を登り、湿った滑らかな草むらの城影のなかにたどり着いた。

「みんな、いるか?」
再度確認をし、ハグリッドは大きな握りこぶしを振り上げ、城のドアを3回叩いた。


扉がパッと開き、エメラルド色のローブを着た黒髪の魔女が現れた。
「マクゴナガル教授、イッチ年生の皆さんです」
「ご苦労様、ハグリッド。ここからは私が預かりましょう」
マクゴナガル先生は扉を開き、玄関ホールを横切り、生徒をある部屋へと連れて行った。

「ホグワーツ入学おめでとう」まずは挨拶をした先生。

「まもなく新入生の歓迎会が始まりますが、大広間の席に着く前に、皆さんが入る寮を決めます。
 寮の組分けはとても大事な儀式です。ホグワーツにいる間、寮生が学校でのみなさんの家族のようなものです。
 教室でも、寮生と一緒に勉強し、寝るのも寮、自由時間は寮の談話室で過ごすことになります。
 寮は4つ。グリフィンドールハッフルパフレイブンクロースリザリン
 ホグワーツにいる間、皆さんのよい行いは、自分の属する寮の得点になり、
 反対に規則違反したときは寮の原点になります。学年末には、最高得点の寮に大変名誉ある寮杯が与えられます。
 その寮に入るにしても、皆さん一人一人が寮にとって誇りとなるよう望みます。
 さて、もうまもなく前項列席の前で組分けの儀式が始まります。待っている間、出来るだけ身なりを整えておきなさい。
 準備が出来次第、戻ってきますから、静かに待っていなさい」

そう言い、先生は部屋から出て行った。

「組分けって、どうやるんすかね?国光先輩」(リョーマ)
「俺に聞くな、俺にだって分からん」(国光)
「そうだよ、リョーマ君。誰だって分からないんだから」()
「うんうん。あとで分かるんだし・・・・もう少し待ってようよ」()
「そうだね・・・・」

そんな話をしていると、先生が戻ってきた。
「さぁ、行きますよ。一列に並んで、ついてきなさい」
一年生は再び玄関ホールに戻り、そこから二重扉を通って、大広間に入った。

そこには彼らが見たことのない、不思議で素晴らしい光景が広がっていた。
天井には夜空が広がり、何千本というロウソクが中に浮かび、4つの長テーブルを照らしていた。
マクゴナガル先生は上座のテーブルまで引率し、上級生の方に顔を向け、先生に背を向けるかっこうで並ばせた。
上座のテーブルの前に4本足の古びた椅子と、帽子が置いてあった。
生徒は疑問を浮かばせながら、帽子のほうを見てると、つばのへりの破れが、まるで口のように開き、歌いだした。


歌が終わると広間にいた全員が拍手喝さいをした。お辞儀をした帽子は再び静かになる。
マクゴナガル先生は羊皮紙の巻紙を手に前に進みだした。
「名前を呼ばれたら、椅子に座り帽子をかぶって、組分けを受けて下さい。まずは特待生から」
そういわれ、緊張が走る13人。

「乾貞治!」
貞治は椅子に座り、帽子をかぶった。
一瞬の沈黙の後すぐに
スリザリン!』と帽子が叫んだ。
声の上がったほうに移動する貞治。

「越前リョーマ!」
すぐに組分けされた。
グリフィンドール!
移動するリョーマ。
「リョーマ、グリフィンドールか・・・・同じ寮だったらいいな・・・・」()
「大丈夫よ、信じてイコ」()
「うん」


「大石秀一郎!」
ハッフルパフ!

「海堂薫!」
ハッフルパフ!

「河村隆!」
ハッフルパフ!

「菊丸英二!」
グリフィンドール!
「英二は、リョーマ君と一緒か・・・・」()
「一緒の寮になれればいいね」(
「それはもいっしょでしょ?」
「まーねー」


!」
はゆっくりと前に行き、帽子をかぶった。
(できるなら英二と同じ寮!!)
そう思っていたら帽子が叫んだ。
グリフィンドール!
は嬉しそうに英二のもとへ行った。

!」
ゆっくりと前に出た。そのときダンブルドア先生に手招きされた。
「力の方はどうじゃ?」
「はい、皆、制御できてます」
「そうか、携帯の方はどうじゃ?」
「そっちのほうも大丈夫です」
「そうかそうか、ならよい。組分けを行いなさい」
「はい」
は椅子に座り、ゆっくりと帽子をかぶった。
少し時間はかかったが、帽子が叫んだ。
レイブンクロー!
レイブンクローから歓声が上がった。

「手塚国光!」
レイブンクロー!
また歓声が上がった。
手塚はのもとへ行き、「一緒だな」と言った。
「うん」
はにっこりと微笑んだ。

!」
は堂々と椅子に座り、帽子をかぶる。
スリザリン!
そういわれ、貞治のところへ行った。

!」
はおどおどしながら、椅子に座り帽子をかぶった。
(リョーマと一緒の寮になりたい!!)
その願いが届いたのか、帽子は
グリフィンドール!』と叫んだ。
はにっこり微笑んでリョーマのところへ行った。

「不二周助!」
周助はいつもと同じ微笑で帽子をかぶった。
と同じ寮にしないと、燃やしちゃうぞ(開眼))
そう思いながら、帽子に訴えた。
ス・スリザリン!
何故か帽子は怯んだように叫んだが、周助はにっこりと笑い、のところへ行った。

「桃城武!」
グリフィンドール!


「それではABC順に呼びますので、彼らと同じように組分けを行って下さい」

残りの生徒の組分けが始まった。

その頃彼らは・・・・・

グリフィンドール机では・・・・
「君達5人も来てくれて嬉しいよ。僕は監督生のパーシー・ウィーズリーだ。よろしく」
「俺はフレッド。5人とも年齢違うんだろ?」
「俺はジョージ。教えてくれよ〜」
5人は彼らに自己紹介した。
「オレは越前リョーマ。12歳」
「俺、菊丸英二。14歳だにゃ」
「俺は桃城武。桃って呼んでくれればいいっす。14歳だぜ」
「私は。15歳よ」
「あたしは。14歳だよ」
「なるほど・・・・一番一年生に近いのはリョーマか・・・・」
リョーマはむすっとした顔をした。

ハッフルパフ机では・・・・・
「歓迎するよ、3人とも。僕はセドリック・ディゴリー。よろしく」
「ああ、ありがとう。大石秀一郎だ」
「俺は河村隆。よろしく、セドリック」
「海堂薫・・・・よろしくっす・・・・・」
「秀一郎に、隆、薫だな。3人ともクディッチは知ってるかい?」
「「「いいや」」」
「そうか。面白いよ、クディッチは・・・・・・」


レイブンクロー机では・・・・・
「あなた達を歓迎するわ。私はペネロピー・クリアウォーター。監督生よ」
「ありがとう、です」
「手塚国光です、よろしく」
「ねぇ、と国光って同級生なの?あっ私はチョウ・チャンよ。」
「うん。同じ14歳よ。よろしく、チョウ」
「こちらこそ。それにしても国光って歳の割りに大人っぽいのね」
その言葉に国光は眉間に皺をよせた。
「あはは・・・・・(苦笑)チョウ、国光の前ではそれ、あまり言わないでね・・・・」
「そうみたいね」


スリザリン机では・・・・・
「ここはマグル出身者は入れないんだけど、異例のことだ。一応歓迎する」
「ありがとう、です」
「俺は乾貞治。ここは面白いことばっかりだな」
「僕は不二周助。お手柔らかにね・・・・・」



どんどん組分けされていく。
その中・・・・・
「ハーマイオニー・グレンジャー!」
彼女は待ちきれないように椅子に座り、帽子をかぶった。
グリフィンドール!
と帽子が叫び、グリフィンドール机に向っていった。

更に組分けは進んでいく。
マルフォイは帽子をかぶる前に、組分けされスリザリンに決まった。
彼は満足そうに席の方に向かって行った。


そして、ついに−−−
「ハリー・ポッター!」
ハリーの名前を呼ばれたとき、周りがざわめき出した。
「あのハリー・ポッターなの?」
そういう声も上がっていた。
ハリーはゆっくりと前に出て、帽子をかぶった。
なぜか、帽子は悩んでいた。
悩んだあげく『グリフィンドール!』と叫んだ。
組分けに今までない歓声が上がる。
ふらふらになりながらもハリーは寮生の机に向った。
監督生のパーシーも立ち上がり、力強く握手を交わす。
そしてリョーマの隣に座ったハリー。
「よかったじゃん。同じ寮で」(リョーマ)
「これから、よろしくね」()
「うん。よろしく」

そしてロンも組分けをし、グリフィンドールに決まった。

全員の組分けが終了し、マクゴナガル先生は椅子と帽子を片付けた。
そして、ダンブルドアが立ち上がり、腕を大きく広げ、皆に会えるのがこの上もない喜びだというように、
にっこりと笑った。

「新入生、そして特待生の諸君。入学、おめでとう。いくつかの注意点を言っておくかの。
 一年生に注意しておくが、構内にある森には絶対に入ってはいけません。これは上級生にも特に注意しておきます。
 二つめは、管理人のフィルチさんから授業のあいまに廊下で魔法を使わないようにと言う注意がありました。
 今学期は2週目にクディッチの予選があります。寮のチームに参加したい人はマダム・フーチに連絡して下さい。
 最後に、とても痛い死に方をしたくない人は、今年いっぱい4回の右側の廊下に入ってはいけません。
 以上だ。さぁ、宴を始めよう!!」

そういうとテーブルにいっぱいの食事が出てきた。
生徒達は無我夢中で食事を始めた。
13人も見たことない食事に興味津々で少しずつとっていき食べていく。
どれもこれもおいしかった。
だが、リョーマと国光は和食派であり、すこし不満げがあった。


そして時間は刻々と過ぎていき、再びダンブルドアが立ち上がった。
「では、寝る前に校歌を歌いましょう」
そういうと杖をふり、金のリボンが長々と流れ出し、テーブルの上で蛇のようにクネクネと曲がって文字を書いた。
「皆んな自分の好きなメロディーで。では、さん、し、はい!」
そういうと生徒全員が一斉に大声でうなった。
歌ってる生徒を見て吃驚する13人。
好きなメロディーと言われ、明るい曲から暗い曲までさまざまだった。
みんなバラバラに歌い終わった。
ダンブルドアは、最後の人が歌い終わった時に誰にも負けないくらい大きな拍手をした。
「ああ、音楽とは何にもまさる魔法じゃ」
感激の涙をぬぐいながらそういった。
「さあ、諸君、就寝時間。かけ足!」
そういわれ生徒は寮の方に向った。

そして各寮の入り口についた。
入り口は肖像画があり、

『『『『合言葉は?』』』』
と問いかけ、寮の監督生は各寮で決めた合言葉を放った。

勇気」(←グリフィンドール)
忍耐強さ」(←ハッフルパフ)
機知と学び」(←レイブンクロー)
純血」(←スリザリン)

そう答えると肖像画は開き奥に続く路が現れた。
そして監督生は1年生に寮のことを教えた。
それぞれの監督生は特待生である13人に言った。
「君達は特待生として、君達専用の部屋が用意されている。
 そっちの方を使うように。荷物はもう届いている」
そういわれ、生徒は全員部屋へと入った。
そして明日の朝を迎える。

ではでは、彼女達のメールのやり取りを見て見ましょう。

「Dear
 4人とも寮がバラバラになっちゃったね。でも授業とかも一緒だし
 大丈夫だよね。それにしてもさっきの校歌は吃驚しちゃった
 From


 でも大好きな人と一緒だから別にいいじゃない。明日の授業が楽しみだね。
 あたしも驚いたよ。みんな大声で歌うんだもん。
 より」

「Dear
 私も驚いたよ。フレッドとジョージなんて1番暗い曲で最後まで歌ってたんだよ。
 でもダンブルドアって、音楽好きなんだね。私達が目の前でコーラスしたらどうなるんだろう?
 From


 みんないいな〜。スリザリンなんて結構やな奴ばっかりでさ〜。でも周助がいるからいいけどねvv
 多分、感激の涙で洪水が起こったりして・・・・・そんなことないよね?
 より」

のメールをみて3人はこう思った。

(((起きたりしてね・・・・・(汗))))

そして眠りについた。

第6話に行く

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