全ての授業が終わり、週末・・・・




あの事件の後、ダンブルドア先生の口から出来事を全て話した。
それを聞いた生徒達は、唖然、黙り込み等色々な態度が見られた。
スリザリンに所属しているマルフォイだけは、いつもと同じだった。
それからハリーへの崇拝でお菓子等でベッドいっぱいだった。
そんな事もありながら、とうとう今年度最後の週末がやってきた。


大広間にはグリーンとシルバーのスリザリンカラーで飾られている。
スリザリンの蛇を描いた巨大な横断幕が、ハイテーブルの後ろの壁を覆ってる。
全生徒が席に着くと、タイミングよくダンブルドア先生が現われた。

「また1年が過ぎた!」
先生はほがらかに言った。
「一同、ご馳走にかぶりつく前に、老いぼれのたわごとをお聞き願おう。
 なんという1年だった老。君たちの頭も以前に比べて少し何かが
 詰まっていればいいのじゃが・・・新学年を迎える前に君たちの頭が
 きれいさっぱり空っぽになる夏休みがやってくる。
 それでは、ここで寮対抗杯の表彰式を行うことになっとる。
 点数は次の通りじゃ・・・」


4位 グリフィンドール 312点

3位 ハッフルパフ 352点

2位 レイブンクロー 426点

1位 スリザリン 472点


発表にスリザリンのテーブルから嵐のような歓声と足踏みを鳴らす音があがった。
マルフォイなんか、嬉しさのあまりゴブレットでテーブルを叩いているのが見える。
それをみた特待生たちは、胸を悪くするような光景だった。

「よしよし、スリザリン。よくやった。
 しかし、つい最近の出来事も勘定にいれなくてはなるまいて」
ダンブルドア先生がそういうと、大広間全体がシーンと静まった。
スリザリンからの笑いが少し聞けた。
先生は咳払いをすると、
「かけ込みの点数をいくつか与えよう。最初は・・・・ロナルド・ウィーズリー。
 ここ何年か、ホグワーツで見ることが出来なかったような、最高の
 チェス・ゲームを見せてくれたことを称え、グリフィンドールに50点」
グリフィンドールに点が入ると、歓声が上がる。
監督生のパーシーなんか、『僕の兄弟さ!』と声を張り上げ大喜びしている。

「次に・・・ハーマイオニー・グレンジャー。火に囲まれながら、冷静な論理を用いて
 対処したことを称え、50点」

「3番目はハリー・ポッター」
大広間中が水を打ったようにシーンとなる。
「その完璧な精神力と、並外れた勇気を称え、グリフィンドールに60点」
耳をつんざく大騒音が沸きあがった。
グリフィンドールがとうとうスリザリンと同点に並んだ。
寮杯は引き分け・・・・と誰もが思ったそのとき、ダンブルドア先生が手を広げた。
広間の中が少しずつ静かになった。

「勇気にもいろいろある」
ダンブルドア先生は微笑んだ。
「敵に立ち向かっていくにも大いなる勇気がいる。しかし、味方の友人に
 立ち向かっていくにも同じくらいの勇気が必要じゃ。そこで・・・・

 越前リョーマ・菊丸英二・・桃城武に

 それぞれ10点ずつ与えたい」


「ふ〜ん・・・」(リョーマ)
「ってことは・・・」()
「これって・・・」()
「「グリフィンドールの勝ちだ!!」」(英二&桃)

大広間に爆発が起きたかのように大歓声が沸きあがる。
この結果にハッフルパフ、レイブンクローはスリザリンがトップからすべり落ちたことを
大いに祝った。
スリザリンでは嫌な雰囲気の中、マルフォイは金縛りにかかったかのように驚き、
恐れおののいた顔をしていた。


「おい、・・・てめー、なにかしたのか?」(景吾)
「せやで・・・ちゃん、何かしたん?」(侑士)
「教えてくださいよ」(長太郎)
「ウスッ」(崇弘)
「あったとしても、これは教えれない」()



次の日・・・・試験結果が出された。

「よっしゃ!!オレ、合格だ・・・」(ひのき)
「俺も合格しました・・・2年に上がれる♪」(アキラ)
「ほっ、これで安心だにゃ〜」(英二)
「やったっすね、英二先輩。俺も合格っす」(桃)
「俺も上がれたぜ」(亮)
試験にかなり危なかった6人はギリギリで進級できることになった。

「これでまた皆さんと一緒に勉強できますね」(太一)
「そうだね。でも夏休みに魔法が使えないのは残念」(清純)
「ケッ・・」(亜久津)
「それにしても・・・またなんです、この量は・・・」(はじめ)
「いくらなんでも、多いですよね・・・」(裕太)

そう、夏休みといったら大量の宿題。
もちろん、ホグワーツでも健在でありイースター以上にあった。

「なんか1年が早かった感じがする」(杏)
「俺たちは2ヶ月遅れて入ったからな・・・」(桔平)
「そうですね・・・でもよかった。俺たちだけ2ヶ月こっちに居れとかいわれたら・・・」(深司)
「ぼやかない、ぼやかない」(周助)
「これから夏休みだっていうのに・・・」()
「深司はいつもと一緒だな」(貞治)

「あーあ。絶対日本、こっちより暑いぜ・・」(岳人)
「そうですね・・・こっちは涼しいといって良いですから・・・」(長太郎)
「せやけど、向こうはまだ夏休みじゃないとちゃうん?」(侑士)
「確かに・・・」(薫)
「まぁ、俺たちは休みなんだから」(隆)
「ああ。気にすることはねーだろ、なぁ樺地?」(景吾)
「ウスッ」(崇弘)

帰りの準備を終え、生徒はホグワーツ特急に乗り込んだ。
喋ったり、笑ったりしているうちに、車窓の田園の緑が濃くなり、こぎれいになっていた。
汽車はマグルの町々を通り過ぎ、キングクロス駅9と3/4番線ホームに到着した。

「これから1日かけて日本に戻るのか・・・」(秀一郎)
「いつも思うっすけど、長いよね・・・」(リョーマ)
「それは仕方ないよ・・距離的にそうなっちゃうんだから・・」()
「うんうん。飛行機でも日本からイギリスまで10時間は掛かるしね。
 ましてやこっちは汽車。それだけ掛かるってこと」()
「ふしゅ〜〜〜」(薫)

そんな話をしていると、窓の外にハリーの姿を見つけた。
「ハリー!!」
は窓を開け、ハリーを呼び止めた。
「元気でね・・・ふくろう便、送るから」
「うん。も国光も元気でね・・・」
「ああ」
そう言いハリーはプラットホームを出て行った。


そして、ホグワーツ特急は一路日本を目指し、キングクロス駅から出発した。
日本につくまで、かなりの時間があり遊ぶもの、今のうちに宿題を済まそうとするもの、
寝ているものとそれぞれだが、時間を余すことなく過したのだった。


この1年、初めてこことばかりでいっぱいいっぱいだったか
いい1年になったといえる。


こうして30人の1年が終わった。

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