6月に入り、学年末試験の日がやってくる。




学年末試験と4階の右側の廊下




ハリーの行動に眼を向けながらも、学年末試験の日が近づいていた。
これはいわゆる進学試験でもあり、落第となれば次の1年も1年生として過さなきゃいけない。
それだけは何とか阻止しようと、今日も大広間で特待生たちは勉強に励んでいた。
だが・・・・・・・




「ああ〜〜〜〜!!もう、頭が割れそうだ!!」
勉強に嫌気が差したのか、ひのきが大声を上げた。
「俺も限界だにゃ〜〜」
「同じく・・・」
勉強の苦手な英二、アキラも机に頭を乗せる。
亮は長太郎を横に着け、なんとか頑張っている。
桃はう〜んと言いながら、羽ペンを持って唸る。
ジロは相変わらず、寝ているし・・・・・


「じゃ、ひのきは来年度も1年生ね・・・」(
「いいの、英二?それでも・・・」(
「よくないよね・・・そんな事になったら俺たちの後輩になるってことだけど・・・」(深司)
声をあげた3人に、挑発するかのようにそういうと、諦めて勉強を再開し始めた。


「おい、ジロー」(岳人)
「いい加減に起きいや・・・ジロー、また1年生やるつもりかいな?」(侑士)
「ふぁ〜〜〜〜・・・」(ジロ)
「起きやがれ!!樺地!!」(景吾)
「ウスッ!」(崇弘)
景吾の言葉とともに、崇弘はジローを持ち上げ、無理矢理起こした。
「どあ!!寝かしてくれよ・・・」
「そうはいかへんで・・・ええん?また1年やるようになっても・・・・」
侑士の言葉にジロは真っ青な顔をすると、勉強道具を持っての所へかけって行った。


ちゃ〜〜〜ん。ここ、教えて!!」


「なんで向こう行くんだ?」(景吾)
「なんか羨ましいわ・・・・ジローが・・・」(侑士)



それからジローはひのきとともにの指導の下、勉強に励んだ。







時は過ぎ、とうとう学年末試験の日がやってきた。

さすがにこの季節は、うだるような暑さで教室なんて空調管理が全く行っておらず、
蒸し暑いといっても良いだろう。
学年末試験には、筆記試験と実技試験がある。

筆記試験には、カンニング防止の魔法のかけられた特別な羽ペンが配られた。
実技試験はそれぞれの教科によってそれぞれだ。

フリトウィック先生は、生徒を1人ずつ教室に呼び入れ、パイナップルを
机の端から端までタップダンスさせられるかどうかの試験。

マクゴナガル先生の試験は、ねずみを『嗅ぎたばこ入れ』に変えることだった。
美しい箱は点数が高く、ひげのはえた箱は減点。

スネイプは『忘れ薬』の作り方。
思い出そうとする皆の後ろからマジマジと監視するスネイプに、みんなはドキマギした。

魔法史の試験は、『鍋が勝手に中身を掻き混ぜる大鍋』を発明した風変わりな
老魔法使い達についての筆記。


こうして約3日にかけて、試験がようやく終わった。

「ふぅ〜〜、やっと終わったね・・・」(
「ホント・・・1年分一気にやるから、範囲が広いし・・・」(
「でも、無事に終わったんだからそれでいいじゃない」(
「そうですよ。あとは結果を待つだけですし・・・」(杏)
「杏ちゃん、余裕だな・・・俺、スネイプの試験の時、マジやばかった」(ひのき)
「他の試験はともかく、魔法薬の試験の時はもう私でもドキドキだった。
 思い出そうとしたときに後ろから監視されてて緊張したもん」(

6人が大広間に移動している時、いつもの3人はハーマイオニーを先頭に
試験の話をしていた。


「さすが、ハーマイオニーだぜ。余裕ぶっこいてるぜ」(桃)
「まぁ、それだけ勉強してるってことでしょ」(リョーマ)
「凄いね、彼女・・・」(周助)
「うん・・・寮にいても本ばっか読んでるしね〜〜」(英二)
「英二も見習ったらどうだ?」(秀一郎)
「うえ〜〜〜」
「あはは・・・でも、本を読むことも大切だよね」(隆)
「そうっすね・・・」(薫)
「ああ。さすがにこっちのは辞書がなければいけないが、向こうに戻ったときに
 仕入れてもいいだろう」(貞治)
「ところで、桃。英二。試験の方は大丈夫だろうな・・・・」(国光)
国光の低い声に、2人は冷や汗をだらだらと流す。

「だ、大丈夫ッしょ・・・」
「そうっすよ。いざとなったら補修でも何でも受けてやるっす」
そう言いながらも、自信がなさそうだ。


「アキラ、落ちるってことは無いよね・・・」(深司)
「うッ・・・」(神尾)
「まっ、落ちたとしても同級生面しないでよね・・・」
「深司!!そういうな。アキラも頑張ったんだろ、なら自信を持て」(桔平)
「はい・・・」


「何だかんだって言って、やれば出来るものですね」(裕太)
「僕にしては簡単でしたけどね」(はじめ)
「あっくん、出来た?」(清純)
「ケッ・・・たりーよ」(亜久津)
「そういわないで下さいよ〜〜。亜久津先輩」(太一)



「試験が何だろうが、俺様には関係ないぜ。なぁ、樺地?」(景吾)
「ウスッ!」(崇弘)
「相変わらずの自信だな・・・景吾」(亮)
「あーん。お前、出来たんだろうな?」
「やることはやったぜ・・・」
「そうですよ。亮さんなら必ず進級できますよ」(長太郎)
「長太郎は優しいんやな・・・。岳人はどないだった?」(侑士)
「バッチリ!!とは言えねーけど、頑張ったぜ」(岳人)
「ほな、ジローは?」
ちゃんのお陰で、全部出来た・・・ZZZzzzz・・・」(ジロ)



試験が終わり、いつもの学校生活が再開された。
彼らはテニスコート、彼女達は大広間。
夕食時、彼らは適度に取ると寮に戻ろうとして動く階段に足を踏み入れた。

寮の別れ道は大体5階の廊下から。

「今の所、ハリーたちに大きなことはないし・・・大丈夫そうね」(
「ああ。だが、あの3人のことだ。まだ動くこともあるだろう」(国光)
「まだ、油断は出来ないってことッスね」(桃)
「ああ、英二達は寮が一緒だからしっかり見ててくれよ」(秀一郎)
「了解だにゃ」(英二)
「でも、あの3人いつ動くのかがわからないときがあるんだけど・・・」(
「そうだよね・・・部屋も別々だし・・・」(
「リョーマの眼力でもダメなのかい?」(隆)
「さすがにそれは無理ッス・・・部屋が遠すぎて・・・」(リョーマ)
「これは今以上に警戒しなきゃいけないね」(周助)
「そうだな・・・」(貞治)

3階から4階への階段に差し掛かると、階段が違う方向についた。
「うわっ!!階段が・・・」(
「こっちに上がるしかないっすね・・・」(薫)
13人は階段を上りきると、警告されていたあの4回の右側の廊下についてしまった。


「ここって・・・入っちゃいけない所じゃん・・・」(リョーマ)
「こっちから寮に帰れないのかな?」(
「兎に角行って見ましょうよ?」(桃)
「そだね・・・他の階段はこっちに着てにゃいし・・・」(英二)
桃と英二が重いドアを開けると、そこは暗く湿った空気が流れている。
「何か、気味が悪い・・・」(
「それに・・・寮への路が繋がってるの?」(
「う〜ん・・・どうだろう・・・?」(周助)
「この部屋のデータは揃ってない・・・残念ながら、俺にも解らないよ」(貞治)
ドアを閉め、そう話していると・・・・・・


『おやおや、特待生13人が立入禁止の場所でなにしてるのかな?』

「「「「「「「「「「「「「ピーブス!!」」」」」」」」」」」」」

そう、彼らの前に現われたのは生徒に悪戯する、ポルターガイスト。(ちなみに幽霊じゃない)

『こんな所で13人もいるなんて・・・悪い子達だね』
そう言いながらもピーブスはケラケラと笑う。

「どうしよう・・」(隆)
「ピーブスのことだから、嫌なことがありそうだ・・・」(秀一郎)
「そうっすね・・・」(薫)

『フィルチに言おう。言わなくちゃ。君たちのためになることだものね』

「どうしよう・・・国光・・・」()
「仕方ない・・・逃げるぞ!!」(国光)
国光の言葉とともに、13人は湿った廊下を奥へと走った。

『生徒が立入禁止の部屋に入ったぞ!!』
彼らの態度にピーブスはとうとう大声を上げた。



「もう、なんでこんな時にピーブスがいるのよ!!」
が息を上げながら、喋ると後ろから走ってくる足音が聞こえてきた。
「そんな事言ってる暇ないよ。フィルチが来た見たい・・・」
リョーマはの手を引き、ドンドン置くに進んでいく。
「くっそ〜〜〜!!ピーブスのせいだ!!」(英二)
「言ってる暇ないって!!これ以上減点されちゃ、大変だよ」()
「って・・・・行き止まりじゃないっすか!!」(桃)
奥に進むと、1つのドアがあった。
「ダメッす。鍵が掛かってるっす」
薫がドアを開けようとするが、鍵が掛かっていた。
「どうしよう・・・」
「フィルチに掴まってしまう・・・」
隆はオドオドしだす、秀一郎は後ろを見て冷や汗をかいている。

「どいて・・・」
が割って入り、ドアに杖をむけると
『アロホモラ!!』
呪文を唱え、鍵を開けた。

「なるほど、そういう手があったか・・・」(貞治)
「って・・・時間ないよ。早く」(
13人が全員部屋に入ると、国光と周助、貞治でドアを閉めまた鍵を掛けた。

ドアに耳を澄ませると、ピーブスとフィルチがなにやら話していたが、
鍵が掛かっているのを確かめると、とっとと去っていった。

「なんとか助かったね・・・」(周助)
「そうだな・・・・」(国光)
「皆・・・もう、行ったから大丈夫・・・・」
周助がドアに耳を傾けたまま、そういうとにローブを引っ張られる。
?どうしたの・・・・・」
周助がを見ると、真っ青な顔をし前を見ていた。
の視線にあわせると、周助も目の前にある生き物に唖然としてしまう。

「あっ・・・・・・」
周助の声に、国光も振り向くが無言としてしまう。



それもそうだろう。なんせ目の前にいたのは・・・・・


怪獣のような犬の目・・・・・・床から天井までの空間全部がその犬で埋まっている。
頭が3つで、血走った3組のギョロ目。3つの鼻がそれぞれの方向にヒクヒク、ピクピクしている。
3つの口から黄色い牙をむきだし、その間からヌメヌメとした縄のように、
ダラリとよだれが垂れ下がっている。


「「「「「「「「「「「「「「ああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」」」」」」」」」」」」」
13人は我を忘れ、鍵を豪快にあけ、怪物犬からなんとか逃れ、
動く階段まで全力疾走したのだ。


「な・何なの!!あれは・・・・」(
「犬みたいだったけど・・・あんなのあり?」(英二)
「俺たち、生きてるんだよな・・・」(秀一郎)
「そう見たいっすね・・・」(リョーマ)
「なんかもう疲れた・・・」()
「俺もッス」(桃)
「今日はもう解散しよう」(隆)
「そうだね・・・ちょうど階段も寮へいけるようになってるし・・・」(周助)
「ホントだ・・・」()
5階の上がり、それぞれの寮へと戻っていった。
「それじゃ、おやすみ」(貞治)
「おやすみなさい」(薫)



寮にもどり、就寝したが・・・・・

「ねぇ、国光・・・あの3頭犬・・・どう思う?」
「ん?」
の言葉に耳を傾ける。
「あんな狭い場所に3頭犬・・・何かがあると思わない?」
「そうだな・・・不自然にも思う」
「ホグワーツに何かあるのかしら?」
「さぁな・・・そろそろ部屋に戻るぞ」
「そだね・・・」

第27話に行く

Parallel Topに戻る