通常の日常生活が戻ってきたある日・・・・





一時の帰還







以外の特待生たちはいつものように授業を受けていた。
ひとりで歩けるようになったが、イースター祭りまでは課題の
彼女1人、大広間で課題をこなしていた。



「う〜ん・・・終わった・・・」
今日の課題を済ませ、背伸びをする。
それとともにバサバサと音を立てながら、のふくろう
『パタ』が1通の手紙を持ってきた。


「パタ・・・ありがと」
パタから手紙を受け取り、中身を見る。



「えっ・・・・・」
は手紙のない様に呆然する。



呆然としている間に授業が終わる鐘がなり、生徒が大広間へとやってきた。
もちろん・・・・・・

!!課題、終わった?」
が声を掛けるが、返事を全く返さなかった。
おかしいと思い、が呼びながら身体を揺らした。
!?ってば!!」
「えっ・・・あっ、もう授業、終わったんだ・・・」
「そうだよ・・・それよりどうしたの?」
が問いかけると、は手紙を彼女達に見せた。

「なになに・・・・・・」
そして3人も同様、呆然としてしまった。


「これって・・・・」()
「うん・・・何があるかは解らないけど・・・・」()
「この時期に帰ってこいなんて・・・」(
「ちょっと無謀じゃない・・・イースターが終わったら学年末も近いのに」(
「「「だよね〜〜〜〜」」」




「どうしたの?何かあった」
彼女達に声を掛けたのは、リョーマ。
「あっ、リョーマ・・・」
リョーマに続き、英二と周助もやってきた。
「浮かない顔をしてるね。どうしたの?」
「それがね・・・・」
「いきなり帰って来いって・・・そんなの無謀だにゃ〜〜」
「私たちもそのことを話してたの・・・」
彼女達が話していると、もう1人やってきた。



「騒がしいが、何かあったのか?」
国光だ。
「国光・・・」
「どうした?」
「実はね・・・・・・・・・」
は手紙を見せた。





『皆、元気でやっているかい?突然の手紙で悪いんじゃが、すぐ返事を出して欲しいんじゃ。
 次のイースター休日に特待生30人一度日本へと戻ってきて欲しい。
 話は帰ってきてから話す。必ず返してくれ。以上じゃ。竜崎』






「そうか・・・竜崎先生が・・・」(国光)
「うん・・・どうする?イースターが終われば私たちは学年末に向けて忙しくなるし・・・」()
「そういえば、オレたちってクリスマス帰らなかったし・・・」(リョーマ)
「久しぶりに家族にも逢いたいよね・・」()
「そうだよね・・・一度くらい戻っても大丈夫じゃない?」(
「でも・・・イースター休日は勉強しようって決めたじゃない?」()
「そうだにゃ〜〜、学年末に落ちたらまた1年生やらにゃきゃいけにゃいのに〜〜」(英二)
「だけど竜崎先生が緊急で送って来たんだよ。そっちの方も気になるんだけどな・・・」(周助)


8人がそう話していると、構内放送が流れた。


『特待生30人、変身術の教室に集まりなさい』


「行こう」
8人は急いで変身術の教室へと行った。





「全員揃いましたね。今日、皆さんを呼んだのは・・・」
マクゴナガル先生が話し出した。
どうやら竜崎先生は校長先生の方にも手紙を送ったみたいだ。


「というわけです。この手紙にはミスにも届けたと書いてありますが・・・」
そう言いながらを見る。
「確かに受け取りました」
はコクリと頷き、マクゴナガル先生に言った。
「では、後はあなた方で話し合いなさい。結論が出次第、報告するように。
 それと・・・・・」
マクゴナガル先生はまた違う手紙を国光に渡すと、教室から出て行った。



「急に呼び出すなんて・・・何かあったんでしょうか?」(はじめ)
「さぁな。どうするよ?」(亮)
「戻ってもいいと思うけど・・・イースターが終わると学年末が近いしな・・・」(隆)
「そうだよね〜〜。日本とは違って一気に全部だもんね〜〜☆」(清純)
「大体範囲が広いんだよな・・・」(岳人)
「それは仕方ないよ・・・ここのやり方があるんだし」(秀一郎)
「でもさ〜〜〜、帰ってもいいけど落第だけはしたくにゃいんだよね〜」(英二)
「俺もっスよ、英二先輩」(桃)
英二と桃は同時にため息をつく。
「ふんっ、バカか・・・」(薫)
「んだと!?やんのか、マムシ!!」
「望むところだ・・・バカが・・・」
薫の言葉に桃はカチンときて、2人は威嚇し始めた。


「喧嘩はあかんで。喧嘩するために集まったんとちゃうから」(侑士)
「「・・・・・・・・・・・・・」」
「それより話を戻そう。帰るか、帰らないか・・・」(貞治)
「僕は帰るよ」(周助)
「周助が一緒ならあたしもvv」(
「俺も帰るほうに賛成っす」(アキラ)
「ふ〜ん・・・アキラはテスト余裕なんだ・・・」(深司)
「そ・そんな事・・・・あるわけねーだろ!!>3<」
「深司、そんなに攻めるな。今回、テストは余裕だと思うやつは手を挙げてくれ」(桔平)
桔平の言葉に景吾、侑士、崇弘、貞治、はじめが堂々と手を挙げた。


「おい、国光。お前、自信がないのか?」
あーん?と言いながら、問いかける景吾。
「いや、自信はあるが余裕は・・・」
「それより、いつもならさんも挙手してるはずなんですけど・・・」
長太郎がに問いかけると、
「ないない!!今回は全くないよ〜〜。今でもギリギリなのに・・・」
「まっ、仕方ないよな。オレたちと違ってちゃん授業受けてねーし」(ひのき)
「授業を受けてるひのきさんは余裕なんですか?」(太一)
「余裕の一欠けらもない!!(えっへん)」
「ひのきさんらしい・・・」(杏)
「確かにね〜〜〜」()


「ところで国光先輩、それ何?」(リョーマ)
が持ってるのとは違うよね?」(
「開けてみましょうよ?」(裕太)
「そうだな・・・・」
国光が手紙に手をかけようとすると、ひのきが「ゲッ!!」と声をあげた。

「どうした?」
桔平が問いかけるとひのきはビビリながらこう言った。










「今、国光が持ってんの『吼えメール』だ・・・」









ひのきの言葉に全員が?マークを出す。

「知ってるの?」
が問いかけると、コクリと頷く。
「ああ。あれ、開けると吼えるように声が飛び出てくるんだ。
 この前、フレッド達に来てたの見たし・・・あれ、凄いぜ・・・・」
その言葉に皆は国光から一歩ほど離れた。
国光は「開けるぞ」と言い、手紙に手をかけた。


そして開いた瞬間・・・・・・



『早く開けんか!!』

この一言に皆は呆然する。
そして吼えメールは続く。

『まぁ、今回は叱るために送ったわけじゃないからな・・・
 本題に入るよ。お前さんたち、一度日本へ戻っておいで。
 イースター休暇は宿題とかで忙しいじゃろうが、ちょっと野暮用でな。
 さすがに強制はしないよ。帰って来たいやつだけ帰ってくればいい。
 返事はすぐ返しておくれ。以上じゃ』




吼えメールは伝えることだけ伝えて、バリバリと破れていった。









「怖っ・・・」
ひのきの呟きに、皆はコクリと頷いた。



「戻るしかねーみたいだな・・・」(景吾)
「そうだな・・・」(国光)
こうして30人は竜崎先生の吼えメールにて一路、日本へ帰還することを決めた。
はすぐ、返事を書きパタに届けてもらった。








そして、イースター休暇前日。
授業に出ては大量の宿題を出された。
もちろん、課題をこなしているにも。



夜・・・30人は荷物を持ち、玄関を出た。
ホグズミートの駅まで、馬車にのる。
駅に着くと、ホグワーツエキスプレスが待っていた。

「気をつけていってくるんじゃよ」
ダンブルドア先生が見送りに着てくれた。
「はい、いってきます」
彼らがコンバートメントに入ろうとしたとき、「待って」と言う声。

「マクゴナガル先生?」
「お待ちなさい。あなた方にジャコピーを就けます。いいですね?」
「はい」
そしてホグワーツエキスプレスはホグズミート駅を出発した。

「ジャコピー」
「ミス・
とジャコピーは感動の再開をした。


それからジャコピーは自己紹介をし、自分の任務をいった。


時間は過ぎていき、30人は眠りに入った。






ロンドン時間 朝6時。

汽車は日本に向って走っている。
そして毎朝、規則正しく目覚めるものがいた。

「相変わらず早いな」
「ああ・・・・もう癖になってしまっている」
「そうだな・・・おはよう、国光」
「おはよう、秀一郎」

国光と秀一郎が話していると、隆も起きた。
「おはよう、早いね」
「おはよう、タカさん」
「なんだ、早いな」
桔平も目覚めて、挨拶を交わす。


その後続々と起きてきた。
「おはようさん」(侑士)
「おはよう☆」(清純)
「おはようございます」(裕太)





そして7時になっても起きないやつもいる。
ジロ、英二、岳人、桃、リョーマ、アキラ、深司、亜久津だ。

「やっぱり起きてこないね」(周助)
「ジローはいつものことだがな」(亮)
「そうですね・・・あと岳人先輩も・・・」(長太郎)
「仕方ねーな・・・力ずくで起こすしかねーな・・行け、樺地!!」(景吾)
「ウスッ!!」(崇弘)



景吾の命令とともに崇弘は寝ている連中をたたき起こした。

「んな〜〜!!なにすんだよ、くそくそ崇弘!!」(岳人)
「うにゃ〜〜〜、もう少し寝かしてにゃ〜〜」(英二)
「のぁ!!吃驚したぜ・・・」(桃)
「あと5分・・・・」(リョーマ)
「練習ない日くらい、寝かせてよね・・・」(深司)
「止めてくれ〜〜〜」(アキラ)
「てめー、俺の睡眠邪魔すんじゃねー!!」(亜久津)
「zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz・・・・・・」(ジロ)




無理矢理起こされた彼らは文句を言った。

「これはあれが必要だな・・・国光」(桔平)
「頼むぜ・・・」(景吾)
「ああ・・・・・・・」(国光)

国光は彼らが寝ている寝台の前で




「いい加減に起きないか!!今寝ている8人、日本に戻ったらグランド100周だ!!」



でた!!




「「「「「「「そんなのやだ!!」」」」」」」
「けっ・・・」



さすが国光の一声。寝るのが好きなジロまでしっかりと目覚めさせた。




一方・・・・・

「ひのきさん、もう朝ですよ」
杏が熟睡しているひのきを起こしている。だが全く持って目覚めない。
「杏、起きない?」
が問いかけると、頷いた。

仕方ないな・・・・
はひのきの寝台に行き、大きく深呼吸した。

そして4人に「耳をふさいで」と言った。
彼女達は言われるままに耳をふさいだ。


「いくよ・・・・」
そしての声が車両内を響かせた。







「ひのき!!いい加減、起きなさい!!いつまで寝てるつもりなの!?」







それもひのきの耳元で叫んだために、勢いよく起き上がった。


「うわ〜〜〜、ゴメ〜〜ン。ちゃ〜〜〜ん>△<」
「よし!!」










が大声を上げたとき、もちろん隣の車両にいる彼らにも聞こえていた。

「な・なんや?」(侑士)
「今のはさんですね・・・」(はじめ)
「またひのきか・・・」(国光)
「そーいえばー、ひのきも寝坊常習犯だったにゃ〜〜」(英二)
「リョーマとジローさんといい勝負してたしな」(桃)
「どういう意味ッスか?桃先輩・・・」(リョーマ)
「それより、ちゃんすっげー声だったな・・・」(岳人)
「今の声でバッチリ目が覚めちゃった〜〜」(ジロ)
「す・凄いです・・・先輩」(太一)
「そうだね、ここまで声が出るなんて・・・」(清純)
「あいつの声で目が覚めちまった・・・」(亜久津)
「ひのきさんって今までどうやって起きてたんでしょうね?」(アキラ)
「さぁね・・・でもひのきさんって寝てるときは静かなんだけどな・・・」(深司)
「日本にいた頃はさんだろう・・・だが向こうではどうしていたのか・・・」(桔平)
検討もつかない・・・・・


「うわ〜〜、の声まだ響いてるよ・・・」()
「でもあのひのきを一発で起こすなんて、さすがよね」(
「凄いです。さん」(杏)
「ホントホント」(
「日本にいたときはいつもこうだったのよ・・・あー朝から疲れた」()
「あーあ、また頭ガンガンする・・・」(ひのき)
「それはひのきが悪いんでしょ!!」
「ごもっとも・・・」




彼女達は身支度を済ませると、隣の車両に顔を出した。


「「「「「「おはよう(ございます)!!」」」」」」

「やっと来たか・・」(景吾)
「おはようございます」(長太郎)
「それよりさっきは凄かったっすね。先輩」(裕太)
「やっぱり聞こえてた?」()
「ふしゅ〜〜、ばっちしと・・・」(薫)
「もちろん。聞こえない方がおかしいよ」(周助)
「頭の中で響いてるよ。さんの声が」(貞治)
「ひのきちゃん、しっかりと朝は起きなくちゃ」(隆)
「へ〜い」(ひのき)
「これで全員揃ったな・・・」(亮)
「ウスッ!」(崇弘)
「そうだな・・・」(秀一郎)



ジャコピーがみんなの朝食を持ってきた。
食事を終えると、それぞれ宿題に取り掛かった。
車両内には・・・・・・・



ガリガリガリガリ・・・・・・と話し声だけ。




時間は過ぎ、日本時間夜の11時。
無事に青春駅に到着した。
さすがにこの時間はホームに誰もいなかった。
だが、駅を一歩でると彼らの帰還を待ちかねるように両親達が待っていた。
そしてそれぞれ久々に家へと帰っていった。

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