この日、奇跡が起きる・・・・・・




1/27の奇跡






1月の最後の週に入り、が倒れてもう1ヶ月がたった。
はゆっくりだが動いていることを確認した特待生たちに少しだが元気が戻ってきた。



26日
今日も特待生たちは授業を受けている。
医務室ではの検診をしているマダム・ポンフリーと、
眠っているの姿があった。
検診中・・・・・
急にのマグピが光り始めた。

「これは・・・・」
たった数秒間だったがすぐ光が治まった。
ポンフリーはすぐにの状態を調べ、すぐに医務室を去っていった。


《なんかさっきマグピから光が出たけど・・・なんだったの?》
意識が生きているは今の状況に吃驚していた。



そのあとすぐ、ポンフリーはダンブルドア先生を連れて戻ってきた。
「それは本当かの、ポピー?」
「ええ、彼女の魔力は格段に戻っていってます」
「なら目覚めるのは今夜か、明日だの」
「彼らに知らせましょうか?」
「授業が終わり次第、わしが教えよう」
「お願いします」
簡単に話したダンブルドア先生は医務室から去った。

《魔力が格段に戻ってる?そういえば、なんか力がみなぎってくる・・・》
さすが意識だけでも自分の魔力が戻っていることはわかるみたいだ。



今日の授業が終わり、ダンブルドア先生の話を聞いた特待生たちはすぐさま
医務室にやってきた。

「ポンフリー先生!!」
達が猛ダッシュで医務室に入ってきた。
「なんです?ここは医務室ですよ。静かにしなさい」
「ゴメンなさい、ダンブルドア先生に聞いて急いできたんです」
「焦らなくても大丈夫よ。まだ目覚めてないから」
ポンフリーは彼女達を落ち着かせ、のところへ行きなさいと言った。

「エヘヘ・・・怒られちゃった」()
「久々だよね、こういう風に怒られたの・・・」()
「でもがもう少しで目覚めるって聴いたらいても経ってもいられなくて」(
3人はに笑いながらそういう。

《ちゃんと見てたよ・・・》
がそう思うと、の口が少し動いた。

・・・」()
「あたし達の話し聞いて、面白かった?」(
《面白いというより、たちらしいなって思った》
「なんかが返事しているみたい」()
「「だね」」
《いや、意識だけでも返事してるって・・多分、私が思ったことが身体に表れるみたい・・・》


ちゃ〜〜〜ん!!」
ドカッ!!
ひのきが思いっきりのベッドにダイブした。
《お、重ッ!!ひのきのダイブまで感じ取れるようになったのね・・》
「おい、ひのき。どかないか!!さんが重そうな顔してるぞ・・・」
桔平がひのきを持ち上げ、ベッドから下ろす。
「な〜に言ってんだよ!!今のちゃんが表情出すわけ・・・・・ある・・・」
ひのきがの顔を見ると、苦しそうな表情をしていた。



「表情まで表れるようになったか・・・」
国光がそういいながら医務室に入ってきた。
《あっ、国光!!》
国光の声に反応し、の口元はまた微笑み始めた。
、今戻ってきた」
《お帰り、国光》
手を握ると、の目がにっこりと微笑む。
「あ〜あ、ちゃん幸せそうだから退散しよ・・・」(ひのき)
「そうだな・・・」(桔平)
2人は医務室から去った。


、僕たちを置いて行っちゃダメだよ?」
「そうだにゃ!!たちだけで行くにゃんて抜け駆けだにゃ」
「オレたちだって先輩の見舞いしたいんだから」

《あっ、その声は周助君に英二君、それにリョーマ君》


「チーッス、先輩」
《こんにちは、リョーマ君》
リョーマの問いかけにが問いかけると、口元が微笑む。
「あにゃ?ちゃん、表情が出てるにゃ!!」
「本当だね。目覚めるのはもう少しだね」
それからすぐに達も彼氏'sとともに医務室を去っていった。










時間は刻々と過ぎていき、就寝時間となった。
「ミスター手塚。就寝時間ですよ」
「先生。今日はここにいてはいけませんか?」
国光がポンフリーに問いかける。
「ですが・・・・」
はいつ目覚めてもいい状態です。もし目覚めた時に誰もいなかったら
 彼女は・・・・・」
「解りました。フリトウィック先生に言っておきましょう。
 今日は隣のベッドで寝なさい」
国光の熱意にポンフリーは了承し、ベッドの使用許可を出した。
「ありがとうございます、先生」
頭を下げると、ポンフリーは医務室を出た。



「今日はずっと一緒だ」
国光は椅子に座り、に語りかける。
《国光・・・・》
「いつお前が目覚めていいように俺は今日は眠るつもりはないからな」
《ちょっと・・・それじゃ国光に負担がかかる・・・・》
国光はの表情を見て
「“負担が掛かる”とか思っているな。俺はそんなことはない、心配するな」
といった。
《だけど・・・国光は明日も授業があるのよ!?少しでも寝て》
「そんな顔するな。俺は大丈夫だ」
そういいの手を握る。
《でも、無理はしないでね》
はそう思いながら国光の手を握り返す。
そのままの意識は眠りに入った。
国光はの表情が薄れるのを見て、
「眠りに入ったんだな・・・」
そう呟いた。
そして次第に国光にも睡魔がやってきて、手を握ったままその場で寝てしまった。


「あらあら・・・」
ポンフリーが医務室に帰ってきて、国光の姿を見ると毛布を出し
ふわりと掛けた。




27日の朝がやってきた。
朝日で目覚めた国光は
「寝てしまったのか・・・」
とそう呟き、を見る。


“まだ表情が表れないことは、眠っているんだな”


そう思っていると、
「おはよーさん」
「おはようございます」
侑士と長太郎が朝早くから医務室に顔を出しに来た。
「おはよう・・・」
「今日の授業道具、持ってきたで」
「悪いな」
国光は侑士から授業道具を受け取る。
「国光さん、朝食どうします?」
「そうだな、少し早いが取りに行くか・・・」
「それなら俺達も!!」
「せやな・・・今ならがら空きやし」


、大広間に行ってくる。あとで戻ってくるからな」
そう言い、軽くに口付けをした。
「朝からあっついですね、侑士さん」
「そうやな・・・羨ましいわ」
3人が医務室を出ようをすると、大きな光がを纏い始めた。



「な・なんや!?」
「光がさんを・・・・」
侑士と長太郎は何が起こったのか解らず、ただ慌てる。
っ!!」
国光は一目散にに駆け寄る。
「俺、先生呼んでくるわ」
侑士はポンフリーのところへ走っていった。

「国光さん・・・・」
「長太郎・・・すまないがこれで秀一郎たちを呼び出してくれ」
国光は携帯を取り出し、長太郎に渡す。
「解りました」
長太郎はすぐに秀一郎、周助、英二に電話をした。
電話のあと、特待生たちが猛ダッシュで医務室に駆け寄ってきた。



「「「!!」」」()
「一体何が起こっているんだ・・・」(秀一郎)
「そんなの解んにゃいよ」(英二)
「でも何かがさんの魔力を放出しているのか、または・・・」(貞治)
「なんすか、貞治先輩?」(桃)
「魔力が戻っているってことッスか?」(薫)
「そうかもしれないね・・・」(周助)
「それじゃちゃんが目覚めるかもしれない・・・」(隆)
「そうだといいけど・・・」(リョーマ)


さん、大丈夫かしら?」(杏)
「さぁな・・・俺たちには全く解んねー・・・」(亮)
「そうっすね・・・なんか見てるだけって悔しいっす」(裕太)
「でもそれは仕方ないことです・・・」(太一)
「そうだね。ちゃんが目覚めることを願おうよ☆」(清純)
「俺、ちゃんに起きてもらいたい」(ジロ)
「それは俺も同じだぜ」(岳人)


「先生、つれて来たで」
侑士が先生を引っ張り皆のもとへ戻ってきた。
「皆どいて頂戴!!」
ポンフリーは特待生をかき分けてを診断し始める。
「先生、は・・・」
国光が問いかけると、
「五分五分ね・・・また眠りに入るか、それとも目覚めるか・・・
 とにかくダンブルドア先生を呼んでくるから、あとお願いね」
そういい急いで出て行った。


「こんな時に跡部君は何をやってるんでしょうね」(はじめ)
「そういえば崇弘もいませんね・・・」(アキラ)
「ついでに亜久津も・・・」(深司)
そう話していると・・・・


「ウスッ!!跡部さん、連れて着ました・・・」
崇弘が跡部の腕を引いてやってきた。
「痛いぞ、樺地!!」
「スイマセン・・・あとこれも・・・」
崇弘は跡部のほかに亜久津も無理矢理だが連れて来たのだ。
「おい、これ呼ばれかよ・・・てめー、俺を誰だと思ってんだ?」
亜久津は崇弘に睨みつける。
・・・・」
跡部はの状況を見て、1ヶ月前のことを思い出した。
「あ・・・」
亜久津もその状況を見ていたため唖然としてしまう。
そして2人はただただ見ていた。
「おい、跡部に亜久津。大丈夫か?」
橘が問いかけても返事をしなかった。
そして・・・・・ひのきは光に纏われるに近づき・・・・


ちゃん!!お願いだから起きてくれよ!!」


と泣きながら大声で言うと、光がの身体に入っていった。
光が全部の中に入り、あたりはシーンとしてしまう。



国光がゆっくりとの顔をのぞくと・・・・
眉間がピクリと動き出した。
・・・・・」
に話しかけると、の目が薄っすら開き始めた。
ちゃん・・・」
今度はひのきが・・・そして亜久津意外の全員が
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「(ちゃん)(さん)(先輩)!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
に声を掛けるとは顔を横に向け



「く・・・・に・・・・み・・・・つ・・・・」
ゆっくりだが声を出して国光の名前を呼んだ。
!!」
国光は感激のあまり、を抱きしめた。
「ゴメンね・・・・心配・・・かけて・・・」
「いいんだ・・・もう・・・」
国光は更に抱き締め、声を出さず泣いてしまっていた。
その姿を見たほかの特待生たちは邪魔をしないように医務室から静かに出た。
医務室から出た特待生たちは涙するものと、安心した顔をする面々が見れる。


、もう俺から離れないでくれ」
「離れない・・・絶対に・・」
2人はお互いを確かめるかのごとく口付けを交わす。


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