クリスマスの日、跡部とは・・・・・




跡部の思い、そして・・・・



2人は雪の積もる中庭にいた。
「悪いな、こんな寒いところまで来させてよ」
「それで話って何?」
の問いかけに跡部は黙り込み、沈黙が流れる。



「お前、樺地に『俺と友達になりたい』と言ったらしいな」
沈黙を破り、跡部は話し出した。
跡部の言葉には頷く。
「そうよ・・・」
「恋愛感情では駄目なのか?」
「私には国光がいる。跡部君の気持ちも嬉しいけど・・・・」
「だが!!」
跡部はの手首を掴む。
そして城の壁に押し当てる。


――ドンッ!!
「痛ッ」
「俺は・・・お前が・・・・」
好きでたまらない・・・・
そう呟きながら、に顔を近づける。
「いや・・・・やめて・・・跡部君・・・」
の言葉を聞かず、跡部は更に近づける。


「いや・・・・国光・・・いや〜〜〜〜〜〜〜!!」
が叫びあげると、から物凄い光が溢れ出した。

「な・なんだ・・・この光は!?」
跡部はから離れ、目を細める。



は我を忘れ、更に叫び光を放つ。
「やだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」



「おい、・・・」
もはやには跡部の声も届かない。


跡部がその場でおろおろしていると・・・・
「おい、五月蝿いぞ。おめーら」
亜久津が2人の前に現われた。
そして亜久津もの姿に唖然とする。
「なんだ、これは・・・・ま、眩しい」
目を細め、を見る。




そして数分後、から光がなくなり、ぐったりと雪の上に倒れた。
「おい、・・・」
跡部はゆっくりとに近づき、少し揺らすが全く反応がない。
「死んだんじゃねーのか?」
「おい、縁起でもねーこというんじゃねーよ。あーん?」
跡部と亜久津が威嚇し合っていると・・・・
「ねぇ、なにやってんの?」
リョーマが現われた。
「「越前(小僧)・・・」」
2人はリョーマを見て、威嚇を止めた。




「・・・って先輩、何やってんすか?」
倒れているにリョーマは問いかけるが何も答えない。
返事がないのに不安を抱き、リョーマは再度問いかける。
先輩?先輩!!」
リョーマが何度読んでも、返事がない。
おかしいと思い、リョーマは
「あんた達、先輩に何したのさ!?」
声をあげ、跡部と亜久津に問いかけた。
「俺は関係ねーよ。ここにきたらこいつがいたんだよ」
亜久津は跡部を指差した。
「じゃあ、跡部さんに聞く。先輩に何した!?」
リョーマは跡部を睨み、強く問いかけた。
「俺はと話していただけだ・・・少し強引的なこともしてしまったがな・・・
 そうしたら、いきなりから光が溢れ出てそれからこのありさまだ」


「兎に角、先輩を医務室に連れて行かなきゃね・・・
 もちろん、あんた達も付き合ってもらうよ。
 オレは国光先輩に連絡するから」
リョーマはそういうとローブから携帯を取り出した。
「おい、お前。携帯が使えるのか、ここでは?」
「オレたちだけっスよ・・・あっ、国光先輩・・・」
リョーマは簡単に起こったことを国光に話し電話を切った。

「それじゃ行こうか・・・先輩、丁重に扱ってよね」
リョーマは2人に言うと、先頭を取って歩き始めた。





3人はを連れ、城の中に入った。
「あっ、リョーマ!どこ行ってたの?」
入った途端、と遭遇した。
「ゴメン・・・外行ってたんだ・・」
「そう・・・・って!?」
は跡部に抱きかかえられているを見て、声をあげる。
「一体なにがあったの?」
不安そうにリョーマに問いかける。
「色々とね・・・あとで話すよ。それより・・・」
「医務室でしょ?あたしも行く!!」
も付き添い、医務室へと行った。
医務室に付くと、マダム・ポンフリーがいた。
そして跡部に近づき、
「まぁ、どうしたの!?」
を見て問いかけた。
「あとでお話します。兎に角ベッドに・・・」
跡部はそういうと、ポンフリーはベッドに案内した。
そして、をベッドへと移した。
ポンフリーは彼女の状態を調べ、一息つく。
「大丈夫よ。魔力が少なからず残ってるから、休めば時期に目を覚ますわ」
4人にそういうと、どこかへと行ってしまった。



「よかった〜〜〜」
は一安心し、の手を握る。
ポンフリーと入れ替わるように、国光と侑士、長太郎と崇弘が医務室に入ってきた。
「リョーマ!!は・・・・」
国光は血相を変え、リョーマに問いかける。
「大丈夫ッすよ。休んでれば時期に目を覚ますって・・・」
「そうか・・・ところで跡部!!お前という奴は・・・」
跡部の胸座を掴み、睨みつける。
「そこまでや!!喧嘩してもなにもならへん」
「そうですよ、ここで揉め事はやめましょうよ。国光さん」
「ウスッ!」
3人が国光を抑える。
「リョーマから事情は聴いた。お前には今後一切に近づかせない、いいな?」
「・・・・・・・・・」
「いいな!?」
「チィッ・・・わーったよ」


「ところで何でちゃん、倒れたん?」
まだ事情を知らない侑士が問いかける。
「オレが聴いた話では、跡部さんが先輩に無理やりせまったらしいっすよ。
 そうしたら先輩から光が溢れ出したんだって。
 そのあと亜久津がきて、オレが来た」
リョーマの説明には唖然とする。
「でもなんでさんから光が?」
「ウスッ・・・」
から光が出たということに悩む長太郎と崇弘。



「それはの魔力が放出されたからじゃ」
ダンブルドア先生が現われ、光の原因を話した。
「どういうことですか?」
が立ち上がり、問いかけた。
「おそらく、何かのショックでの魔力に異常な何かを発動させたんじゃろ。
 景吾や。は黄色い光を出さなかったかの?」
「そういえば、普通の光じゃなく異様に黄色だったな・・・」
「その黄色い光がの魔力がマグピの色と同調されたんじゃろう・・・
 魔力はそれぞれ違う色をしておるからの」
ダンブルドアはそういうとに近づき、頭を撫でる。
「おやおや、マグピが真っ二つになっておる」
そういいからマグピを取り、手にする。
や。悪いが、ひのきをここに呼んでおくれ」
「魔法じゃ直せないんですか?」
「これは普通の呪文じゃ直せないんじゃ・・・錬金術のできるひのきじゃないとな・・・」
「解りました・・・」
は携帯を取り出し、ひのきに電話をかけ始めた。


暫くしてひのきが走って医務室にやってきた。
「またせたな、・・・・ってちゃん!!」
ベッドで眠っているに近づき・・・
「一体何があったんだよ・・・おい、国光!!」
ひのきは声を上げ、国光に迫る。
今にも喧嘩を仕掛けそうになると・・・
「ひのちゃん、落ち着いて!!今回は国光君じゃないのよ」
「そうなのか?だけど・・・」
が止め、ひのきは落ち着きを戻すが、
「何でなんだよ・・・ちゃん・・・」
ひのきはボロボロと泣きなじめた。


「泣くのはあとじゃ・・・これを直してくれないかの?」
ダンブルドア先生はひのきにのマグピを渡す。
ひのきは涙を拭い、マグピを受け取る。


そしてテーブルにマグピを置き、両手をパンッと合わせ
マグピに手をかざした。
手をかざすと光を放ち、マグピは元に戻った。
ひのきはマグピを取り上げ、につけた。
ちゃん・・・いつ目を覚ますの?」
「さぁな・・・だが魔力は少しだが残っているらしい・・・」
「そっか・・・」
ひのきはを見ながらそう呟く。






それから数週間、は目覚めることはなかった。

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