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語り:Yushi Oshitari
わいらがホグワーツに来て約2週間がたった。
しかもちゃんと同じ寮に入れて、嬉しいことばかりや。
だがな、最近どうも気になることがあんねん。
それはな・・・・・・・・・・・・・・・
今は授業中・・・・・・
わいは、授業の合間にもちゃん見てたんや・・・・・
「ねぇ、国光・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「さ・・・・・・・」
「なに?リョーマ」
「〜〜〜〜〜〜(抱き)」
「もう、いきなり抱きつかないでよ!英二」
「英二、ちゃんが困ってるだろ・・・・」
「へっへ〜んだ、秀一郎には関係にゃいもんね〜〜〜」
「言ったな〜〜〜、こいつ」
「vv」
「なに?周助vv」
「そういえば、薫・・・・・・・」
「そうっすか、貞治先輩・・・・・・」
「おい、桃・・・・・・・」
「なんすか、隆先輩」
なんでか知らへんけど、青学の13人は俺らと違い、苗字じゃなく名前で呼び合ってる。
ちゃんらはどうかは解らへんけど、手塚らが名前で呼び合ってるのには疑問に思えた。
聞いたほうがええんやろうか・・・・・・
俺は跡部に問いかけた。
「なぁ、跡部・・・・・・・」
「アーン、なんだよ・・・・」
「最近、思うんやけど・・・・・なんでちゃんら、名前で呼び合ってるんやろうな?」
俺の言葉に気になったのか、跡部は周りを見渡し始めた。
「そうだな・・・・だが、達だけじゃなさそうだぞ・・・・」
跡部はそういうとちゃんのほうに指を指した。
そこを見てみると、ちゃんの双子の妹のひのき、橘の妹の杏ちゃんも名前で呼び合っていたんや。
「俺らには普通に苗字で呼ばれてんのにな・・・・・」
「お前、そんなに気になるのか?」
「そりゃ、そうや!出来ればちゃんに名前で呼ばれたいわ!!」
俺が小さく握りこぶしを作って、跡部に言ったんや。
「跡部先輩、忍足先輩。何はなしてるんですか?」
俺らの話しに入ってきたのは、同じ寮の鳳やった。
俺は鳳にも問いかけた。
「なぁ、お前は知ってるんかいな?ちゃんらが名前で呼び合ってることを・・・」
「はい、知ってましたよ。それが何か・・・・・」
「なんで、名前で呼び合ってるんやろうな??」
「一度、聞いてみたらどうです?」
「それが出来たら苦労せんわ!!」
そんな話をしてたら、あっという間に授業は終わってしもうた。
俺が大広間に下りると、ちゃんらは必ずピアノの前にいるんや。
いつもは4人やったが、今日は鳳も何故かそこにいた。
鳳はちゃんと何かを話していた。
「鳳君って、ピアノ上手いのね」()
「いえ、さんには負けてますよ」
「でも、鳳君の音色ってなんか落ち着く」()
「そうそう、それに男の子が弾くって言うのも絵になるしね」()
「鳳君って小さい頃からやってたの?」()
「はい、物心ついたときにはいつもピアノの前にいましたから・・・・」
「なら、ちゃんと同じようなもんだな・・・・」
いつの間にかひのきもピアノの前にいた。
「それよりもさ、あそこの忍足はどうしたんだよ?」
ひのきがなんやらちゃんらと話し、わいを見たんや。
「忍足先輩。そこに立ってないでこっちに着たらどうです?」
鳳が誘っとるんやが、行ってもええんやろうか?
俺が悩んどる間に、ひのきがきて俺を引っ張ってピアノまで連れて行った。
「お前、いつもなら『ちゃん!!』って迫ってくるのに、何かあったのか?」
ひのきの問いかけに俺はつい溜息を着いた。
―――せやな・・・・いつもの俺なら・・・
なんや、今日は消極的やな・・・・
「忍足君、なにかあったの?」
俺の溜息を気にしたんやろうか、ちゃんが問いかけてきたんや。
「悩みがあるなら、相談のるよ?」
「そんな顔したら、せっかくのカッコいい顔が台無しだよ」
「私たちに話してみてよ」
ちゃんに続き、さん、さん、さんも俺に優しく声をかけてくれた。
―――優しいんやな・・・・・
しみじみ、彼女たちの優しさに浸ってしもうた。
それで、俺は相談したんや。
「あんな。なんでちゃんら青学は名前で呼び合ってんの?」
俺の問いかけに吃驚し、クスクスと笑ったんや。
「そんなに俺の質問、おもろかった?」
「ううん、そうじゃない・・・・いきなりなに聞くかと思ったら・・・・・」()
「ちょっとは吃驚したけどね・・・・・」()
「やっぱり違和感あったのかな?」()
「教えてあげるよ・・・・なんであたし達が名前で呼び合ってるのかを・・・・」()
さんがすべてを話してくれたんや。
「へぇ〜、それで呼び合ってるんですね」(鳳)
「俺は達だけ名前で呼んでるけどな・・・・」(ひのき)
「それって俺らにも名前で呼んでもいいって事なんやな?」
「私は構わないけど・・・・・」
「「あたしも・・・・・」」
さんらはOKだしたんやけど、ちゃんが一人で悩んでいた。
「ちゃんはダメなんやろうか・・・・」
俺はちゃんに問いかけてみた。
「別に、構わないけど・・・・・・その代わり条件があるわ」
―――条件?なんやろ・・・・・
「なんや?」
俺は恐る恐る聞いてみた。
「名前で呼ぶ代わりに、もう私にアプローチを止めること」
「な・なんでや!!」
「だって、私にはもう国光がいるんだし・・・いい加減諦めて欲しかったし・・・・」
「せやけど・・・・・・」
「忍足君たちの気持ちは嬉しいよ。でも私にはもう大切な人がいる」
ちゃんの言葉に、俺は言葉を失ってしもうた・・・・・・
「忍足先輩・・・・・」
「鳳・・・・・・」
俺を気遣ってか、鳳が慰めに来た。
「諦めましょうよ。きっといい人が現われますよ・・・・」
―――せやな・・・・・・ちゃんにこだわり過ぎとったかもしれへん
「解ったわ。その条件に乗ったろう!」
「よかった。これからは友達としてね」
「もちろんや!!」
それから俺のことをちゃんは名前で呼んでくれてるんや。
さすがの手塚も眉間に皺を深めていたが、そこはちゃんがフォローしてくれてる。
跡部も相変わらずちゃんにアプローチを続けている。
ジローはしらへんけど、なんだかちゃんと仲がいい。
「おい、忍足。お前を諦めたんだな・・・・」
「せや。でも友達になったで」
「これでライバルが減ったな」
「跡部も諦めたらどうや?そうしたらちゃんに名前で呼んでもらえるで」
「アーン、何言ってんだ!俺様は絶対諦めるものか」
「勝手にしい・・・・」
「でも侑士君が条件のんでくれてよかったね」()
「うん、これからは仲のいい友達として接していくつもり」()
「残りは跡部君と芥川君だね」()
「でも芥川君も条件に乗りそうだけどね・・・・・」()
その後、橘、伊武、神尾、不二(裕)、千石、壇、向日、宍戸、鳳、樺地もそれぞれ名前で呼び始めた。
「それにしても名前で呼ばれるっていいっすね♪」(アキラ)
「そうだね・・・・・でもさ、それに乗らない奴もいるけどね・・・・」(深司)
「ぼやくんじゃない、深司」(桔平)
「うん、これで信密度UPだね☆」(清純)
「はいです!でも亜久津先輩が・・・・」(太一)
「仕方ないわよ・・・・暫く様子を見て見ましょうよ」(杏)
「どうせあいつらもこっちに来るだろうし・・・・」(ひのき)
「これからもよろしくお願いします」(裕太)
「もちろん、裕太くん」()
「僕もだよ、裕太」(周助)
「兄貴は関係ねーだろ!!」
「酷いな・・・・・」
「周助の裕太君に対する嫌われ率50と言ったところか・・・・」(貞治)
「おい、それくらいにしておけよ」(秀一郎)
「そうだよ、データを取るのは別にいいけど周助を刺激するだけはよしてくれよ」(隆)
「もう遅いよ・・・・・」
周助は貞治にむけ猛吹雪の風を食らわせていた。
「うわ〜〜〜おっかね〜〜〜」(岳人)
「周助は怒らせないようにしなくちゃな・・・・」(亮)
「ウスッ!」(崇弘)
「でもあの吹雪、どこから・・・・・」(長太郎)
「せやな・・・・周助が何かやってるんやろうか・・・・・」(侑士)
「そういえば、は?」()
「手塚もいないにゃ〜〜〜〜」(英二)
「ホント・・・・どこ行ったのかな?」()
「国光先輩ならコートに行ったっすよ」(リョーマ)
「早速練習ってか・・・・国光先輩もやるな」(桃)
「ふしゅ〜〜〜〜」(薫)
そのころは・・・・・・・
11月の中旬、久々の暖かい日なので外で本を読んでいた。
木にすがり、本を読んでいたが隣から寝息が聞こえてきた。
「ん??」
が覗いてみると、そこにはジローがすやすやと眠っていた。
「芥川君・・・・・」
起こすのも悪いと思い、そのまま寝かせていた。
暫く時間がたち、少し目覚めた。
「ふぁ〜〜〜〜、あれ?ちゃんだ〜〜」
寝ぼけたままに話しかけた。
「起きたんだ、こんなとこで寝たら風邪引いちゃうよ」
「優C〜ね、ちゃん」
そういいながらまた眠り始めた。
「ふぁ〜〜〜〜〜お休み、ちゃん・・・・・」
ジローはそういいながらの膝に頭を乗せ、熟睡した。
「芥川君・・・///まぁ、悪気は無いと思うし・・・・いいか・・・・」
はそのまま寝かせ、本を読み始めた。
が本を読んでいると、ウェア姿で彼女の前に現われた人物がいた。
「・・・・」
名前を呼ばれ、頭を上げてみると国光が立っていた。
「国光・・・・・どうしたの?」
「いや・・・・が見えたから来てみた・・・・ところで、これは・・・・」
の膝元にジローが寝ているのにムスッとする国光。
「うん、本を読んでたら芥川君がこっちにきてそのままここで熟睡しちゃって・・・・・
彼も悪気は無いんだし・・・・・ねっ?」
「ああ・・・・・」
2人が話している途中、ジローが目を覚ました。
「ふぁ〜〜〜〜よく寝た・・・・・あれ、手塚もいる〜〜。
ちゃん、膝枕ありがとう」
「ううん、いきなり膝に頭のせるから吃驚はしたけど・・・・・悪気は無いんだよね?」
「あったりまえ!!」
「ならいいけど・・・・・」
「そういえば、ちゃんと手塚ってラブラブなんだよね?」
ジローの問いかけに、2人は顔を赤らめた。
「そうだが・・・・・」
答えたのは国光だった。
「羨まC〜な・・・・ねぇ、ちゃん。俺じゃダメ?」
「ゴメンね・・・・・芥川君の気持ちは嬉しいけど・・・・・」
「そっか・・・・・でも友達にはなれる?」
「うん、友達でいいんなら」
「よっしゃ〜〜〜〜!!なら俺のことジロって呼んで!!」
「解った、ジロくん」
「嬉しC〜〜〜〜、もちろん手塚もな」
「ああ」
こうしてジローも諦めたのであった。
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