Yet the earth does move.4
入学式から数日が経過した。
友達の###とお昼ご飯を食べていたonpuは、はっとあることに気がついた。
「###ちゃん…次の時間の英語って辞書いるよね?」
「うん。あ、もしかしてonpuちゃん…忘れたの?」
「うん…(ぐすん。)」
「違うクラスの子に借りてくる?って言ってもまだ知り合いいないよね?」
「うぅ…(泣)あ、お兄ちゃんに借りればいいんだ♪」
onpuはふと3年1組にいる兄を思い出した。
「お兄ちゃんこの学校にいるの?」
「うん!ちょっと行って来るね〜」
「いってらっしゃい〜」
onpuは3年1組の教室へと向かった。
「確かココを曲がった先って少し行った所に教室があるはず…。」
そう言って曲がろうとした瞬間、onpuは誰かにぶつかった。
「いてぇな!」
ちょっと怖そうな男子だった。
「す…すいません!」
「ん…(お、可愛い女子v)彼女一緒にお茶しない?」
なんとも古い口説き文句である。
「なんでいきなり見ず知らずの人とお茶飲まなきゃいけないんですか!」
「そんなこと言うなよ♪あ、俺は2年7組日野剛☆これで知らない人じゃないよね?」
「言いたいことはそれだけですか?私は今急いでいるので失礼します。」
そういって立ち去ろうとした瞬間
「なら力づくになっちゃうよ〜?」
そう言ってonpuの腕を掴んだ
「放してください!!(誰か助けて!)」
「嫌だね。」
そこへやたら目付きの悪い男子生徒が来た。
「嫌がってんだからやめろよ」
睨みながらその男子生徒は言った。
「…けっ。胸クソ悪りぃ。」
日野はそう言うと手を離して去っていった。
「ありがとうございます。えっと…お名前は?」
「海堂…。(改めてみるとちょっと可愛いかも…)」
「海堂先輩ありがとうございました!!」
onpuは笑顔で礼を述べた。
「お前の…名は?」
「あ、申し遅れました!私は手塚onpuといいます。」
「手塚!?もしかして部長の血縁か?」
「あ、部長って男子テニス部のですか?」
「そうだ。俺は男子テニス部に所属している…。」
「えっと…手塚国光の妹です!」
「フシュ〜。(部長の妹…マジかよ…。)」
「あ、お兄ちゃんに辞書借りに来たんだった!」
どうやらonpuは本来の目的を忘れていたらしい。
「では、失礼します。」
海堂に軽く一礼するとonpuは今度こそ3年1組の教室へと向かった。
ドキドキ…onpuは緊張していた。
「(うわ〜みんな大きくて…なんか怖いよ〜)」
勇気を出して扉の一番近くにいた女子生徒に声をかけた。
「あの〜、手塚国光はいらっしゃいますでしょうか?」
その言葉を聞いた途端女子生徒が殺気を放った。
「アンタ手塚君に何の用?」
「え…(何々〜?怖いよう〜!)」
「見た所1年みたいだけどもう手塚君に告りに来たってわけ!?」
それを聞いた女子生徒が集まってくる。
「手塚君にはファンがいっぱいいるのよ!」
「たかが入学して数日なのにいい度胸してるわね〜!」
「アンタ何様?」
さすがにonpu頭に来た。
「手塚国光の妹のつもりです!!」
「手塚君の妹!?」
それを聞きつけてか手塚が来た。
「まさかとは思うが妹が来て…」
「あ、国光兄ちゃん!」
女子生徒は凍りついた。
「マジっすか…」
「onpu。何しに来たんだ?」
「英語の辞書借りに来たの〜v」
「わかった。今持って来る。」
そう言うと手塚は自分の席に辞書を取りに言った。
「…ごめんなさいね」
女子生徒たちは言った。
「手塚君の妹さんとは知らずに…」
「いつも手塚君目当てで来るファンの子かと思ったわ。」
「昨日も1年っぽい子がココで門前払いされてたけどね☆」
なんか急に女子生徒の態度が変わった。
「(お兄ちゃんって女の子にすごいモテるんだ…ふ〜ん♪)」
onpuは自分のお兄ちゃんを自慢げに思えた。
「onpu。これでいいのか?」
「ありがとう国光兄ちゃん!!」
onpuはお礼を言うと、さっさと自分のクラスに戻った。
「(なんか変なことで時間くっちゃったな…。)」
教室についた瞬間チャイムが鳴った。
「ぎりぎりセーフだねっ☆」
onpuが悪戯っぽく言う。
「ちょっと途中で色々あってね…。時間くっちゃった。」
「ふ〜ん。あ、先生来たから後で聞かせてね♪」
そうして英語の授業も無事に終わって放課後になった。(展開早っ!)
「あ、辞書返しに行かなくっちゃ。」
急いで3年1組の教室に行ったがまだ帰りのSHR(ショートホームルーム)が終わっていないらしい。
「(早く終わんないかな〜。また変な人に声かけられたらやだし…。)」
そのとき教室から『さようなら〜』という声が聞こえてきた。
「(あ、終わったみたいだ。よ〜し!)」
扉に近い人に声をかける。どうやら昼休みの時の人ではないみたいだ。
「あの、手塚国光を呼んでいただけますか?」
「あ、君はもしかして手塚君の妹さん!?」
急な台詞にびびるonpu。
「あ…はいっ!」
「なんか今うちのクラスで話題なんだよ〜♪」
「えぇ!?///」
「くすっ。手塚く〜ん!妹様の御指名よ〜!」
クラス中がざわめく。
「君が手塚君の妹なんだ…。」
「お…可愛いじゃねぇか!」
「あの…えっと…」
さっきっから視線がonpuに集まっている。
「悪いがどいてくれ。」
その一声でonpuと手塚の間にいた人は避けた。
「お兄ちゃん!辞書返しに来ました!」
「役にたったか?」
「とってもv」
手塚兄妹ワールドにはもう誰もついていけないためか。
はてまたただ単に人が帰ったためかほとんど教室に人はいなくなった。
「今日は一緒に帰れる?」
onpuは手塚に尋ねた。
「すまない。部活で…。」
「お兄ちゃんは部長だもんね〜」
「しかも今日から仮入部が始まるんだ。」
「部活かぁ〜…私は何に入ろう…。」
「onpuがやりたいものをやればいい。」
「うん!あ、今日男テニの見学に行っていい?」
「いいが…なぜ女テニではないんだ?」
「お兄ちゃんの勇姿を見て一緒に帰るためv」
「…(照)わかった。ただし気をつけろよ。」
「え?何にですか?」
「なんだかテニス部員をどこかのアイドルと勘違いする奴らが多くてな…」
「わかった!じゃあまた後でね!」
「あぁ。テニスコートはこの間教えた場所だからな」
「はいっ!」
続く。