そして24日の朝・・・・





私達は朝から録音ブースで練習をしていた。
「国光君、もうすこし声出してみよう」
「はい」
パパにダメ出しをされながら、練習を続ける。

「おはようございま〜す」
GRAYの4人がブースに入ってきた。
「おっ、来たな。早速頼むよ。僕は準備があるから」
そういいパパは録音ブースから出て行った。


「久しぶりだな、に手塚」(TE)
「お久しぶりです」(手塚)
「早速練習してるんだな。感心、感心」(KA)
「今、どっちの練習してたの?」(HI)
「国光のソロだよ。TOSIKIさんとSHIGERUさんは?」()
「あの2人は仕事。扱くからな。覚悟しろよ、手塚?」(TA)


さすがトップアーティストだけあって、パパ以上のダメ出しを喰らう。
「よし、次はデュエットだ。、ブースに入れ」
TAKUさんに言われ、私はブースに入りマイクの調節をするとヘッドフォンをつける。
「準備OKだよ、TAKUさん」
「よし、一度通してやってみよう」
そして曲がヘッドフォンに流れ始める。






時間は刻々と過ぎていき、お昼を過ぎた。
「よし、こんなものだろう」
TAKUさんの扱きが終了し、私達は一息つく。
はまぁいいとして、手塚は歌に感情を込めろ。
 あとはそれだけだ」
「ですが・・・・」
国光はどう感情を入れたらいいのか悩んでいると、
「お前、この歌詞どう思う?」
TERUKIさんが国光に問いかける。
「・・・・・・・・・・・・」
「まるでお前の心って感じしないか?」
TERUKIさんの言葉に国光は頷く。
「お前なら誰を思って歌うんだ?」
「それは・・・・」
国光は頬を赤らめ、口ごもる。
TERUKIさんはにやりと微笑み
だろ?」
小声で言う。
「そいつを思いながら歌ってみろ。感情が思いっきり入るぞ」
そう言い、けらけらとからかうように笑う。





それから軽く昼食をとり、私達は再度練習に取り組んだ。
そして・・・・午後4時ごろになると、パーティーに参加する客が続々とやってくる。
ちゃ〜〜〜ん。練習はそこまでにしない?」
ママとおば様が録音ブースに顔を出し、猫撫で声で私に声を掛けた。
「ママ・・・それにおば様・・・」
「そろそろ準備に入りましょう。もちろん国光もよ」
「母さん・・・」
「国光君だけじゃないわよ。そこにいるTERUKI君たちもね」
「俺たちは30分もあれば十分ですよ。は行って来い」
「解った・・・国光は?」
「手塚も俺たちと一緒でいいだろう。ねっ、凪さん?」
「そうね、男はそんなに時間は掛からないし・・・行くわよ、
ママは私の手を引き、2階へとあがった。





「さ〜〜〜〜ってと、思いっきり可愛くしなきゃね」
「ママ・・・今年は異様に張り切ってるのね」
「もっちろん、今回は彩菜さんと合同作業よ>m<」
「それじゃ、眼鏡を取るわね」
そう言い、おば様は私の眼鏡を取った。
「私がヘアセットしている間に彩菜さんにはメイクをしてもらうから。
 じっとしてなさいよ」
「は〜い」
そして私のおしゃれ準備が開始された。
もちろん、私は眼鏡を取られていて今、どういう状況なのか全く解らない。
でも、会話はしっかりと聞き取れる。


、もう少し髪が長ければおだんご結び出来るのに・・・」
「凪さん、メイクは薄目がいいですよね?」
「ええ。彩菜さん、メイクお上手ですね」
「いえ、凪さんには負けますわ」
それから40分、メイクとヘアセットが完了した。

「さっ、終わったわよ」
「・・・・って言われても、何も見えない」
「そうだったわね・・・眼鏡を・・・」
「待って、彩菜さん。には・・・・」
「そうでしたね・・・」
ママが私のまぶたを押し、コンタクトを入れる。
片目ずつ、ゆっくりと。
「はい、終わった。見てみて」
私は瞬きを2・3度し、ゆっくりと目を開けた。



「・・・・・・・・・・・・・・・え!?」
そう鏡越しに見たのは、いつもの違う私の顔があった。
「今日は特別仕様よ。気に入った?」
「私も気合入れてメイクしたのよ」


「わ・私・・・?」
「「そうよ!!」」
なんだか別人が目の前に立っているように感じてしまう。
メイクは薄めでもしっかりしたメイクであり、ヘアは編みこみされ
後ろで白のポニー(ボンボン)でくくられていた。


「さっ、ドレス用意してあるから、着替えてきなさい」
私は言われるままにドレッサーに入った。
自分のドレスを見つけると、即座に着替えた。
そして低い白のヒールを履き、全体を見る。

「どう見ても別人・・・でも、私・・・・」
そしてドレッサーから出ると、メイクアップしたママとおば様が待っていた。


「遅かったわね、見つけにくいところでもあった?」
私は首を横に振るだけ。
「でもドレスと合わせて見ると一段といいですわね」
「ええ。、外は寒いから上着、着ていきなさいよ」
「解ってる」
私は持ち出した白いファー付きの上着を袖通した。
その時、

――コンコン
ドアを叩く音がした。
「はい」
ママが返事すると、パパとおじ様たちが入ってきた。
「準備は出来た?」
「完璧!見て、を」
パパは私をみて唖然とした。
そしておじ様もおじい様も固まった。
「綺麗だ・・・綺麗だよ、ちゃん」
「ああ、いい女子じゃ・・・」
「ありがとうございます、おじ様、おじい様」


「貴久さん、何かいってあげないの?」
ママの言葉にパパは私をいきなり抱き締めた。
「ぱ・パパ!?」
「さすが僕と凪のこども!!綺麗だよ、
「あ・ありがと・・・パパ」



「貴久さん、さっそくに抱擁してるし・・・」(HI)
「相変わらず親バカだよな・・・」(KA)
「それほどが可愛いんだろ。どれ?」(TA)
パパが私を離すと、私を見たTAKUさんたちまで固まってしまった。
「どうだ?これが僕の娘だ!!」
パパは自慢そうにTERUKIさん達に見せびらかす。
「「「「綺麗だ!!いつもはかわいいの方なのに今日は綺麗だ!!」」」」
4人は同時に声をあげた。
「ありがと・・・それより国光は?」
私は一応お礼を言い、国光のことを聞いた。
「ああ、もうすぐ来るさ。も驚くぞ」(TE)
そう私に耳打ちをしていた時、

「遅くなりました」
黒のタキシード姿の国光が私たちのところに来た。
・・・・・・・・・・・え!?
そして国光も私を見て固まった。



「ほら、国光。ちゃんに言う事ないの?」
「男ならしゃきっとせい!!」
おば様とおじい様に言われ、国光は我に戻る。


も、国光君に何か言わなきゃ」
「いい男じゃないか、国光君?」
ママとパパに言われ、私も我に戻った。



「か・カッコいいよ、国光・・・」
私は思ったままを言葉にした。
「綺麗だ・・・・・・」
国光も思うことを言葉にする。
そしてお互い顔を赤らめる。


「若いって事はいいね〜〜〜」(TE)
「俺も彼女がいればな・・・」(TA)
「俺たち、音楽一線だし・・」(HI)
「それを選んだのは俺らじゃん」(KA)
GRAYの4人はと手塚の姿に羨ましがる。
「「「「というより、手塚は本当に中学生かっていうの!?」」」」
4人は手塚の姿に声をあげる。
確かに姿見てからは、中学生とは誰も思わないだろう・・・



「それじゃ、会場に行こうか?凪」
「ええ、貴久さん」
パパとママは腕を組み、部屋を出た。


「彩菜・・・行こうか?」
「ええ」
おじ様とおば様もパパ達について部屋を出た。


「俺達も行こうぜ!!」(KA)
「そうだな、あっちで調整もあるしな」(TA)
「おじいさんもご一緒します?」(TE)
「いいぞい、若僧ども」
「俺たち、ちゃんとした名前あるんですけど・・・」(HI)
TERUKIさん達とおじい様も楽しく話をしながら部屋を出た。



「い・行くか?」
「うん///」
「どうした?」
「えっ?」
「いつものらしくないな・・・」
「そう?」
「ああ」
「多分・・・この格好だから・・・それに・・・国光、本当にカッコいいから///」
「格好だけだ。いつものままでいろ」
「うん。腕、組んでもいい?」
「ああ」
私は国光の腕に捕まるように組み、部屋を出た。









午後5時、パーティーが始まった。
パパとママは招待客に挨拶を交わしている。
おば様たちは適当な場所でくつろいでいた。
GRAYはセッションのためステージで楽器の調整中。



「凄いんだな・・・」
国光は招待客の人数に驚いていた。
「うん・・・パパの会社だけじゃなく、他の所からも来る人がいるから・・・」
実は私も毎年吃驚しているのだ。
お偉いさんの挨拶や色々あったが、私達は全く耳にしてなかった。
というより、歌詞を覚えていたといった方が正解だ。



「え〜、それでは今年もGRAYに曲のほうをお願いしましたので、お聴きください」
歓声と拍手の中、演奏が始まった。
ほとんどクリスマスにちなんだ曲が多かった。
何曲か歌い終わると・・・・・TERUKIさんがトークをし始めた。
「それでは、毎年恒例のアレに行きましょうか・・・・!!」
私の名前を呼ばれ、ステージに目を向けた。
「出番だ・・・手塚連れて上がって来い」
もうそんな時間なの?

「行こう」
「ああ」
私達はステージの前に行った。
「それでは貴久の娘、が今年も歌ってもらいましょう。
 今回はクリスマスとは関係ないですが、いい曲ですのでお聞き下さい」

私は一度礼をし、TAKUさんにコンタクトを取った。
TAKUさんは頷き、演奏が始まった。


♪〜FLY HIGH and SKY-HIGH さあ 夢よ羽ばたけ
  太陽に今キラメキあの空へ

  見上げれば ひこうき雲流れる
  永遠の今を熱く生きよう

  光になり 風さえ追い越す
  心に決めたときに夢は走り出す

  Idon't stop FLY HIGH and SKY-HIGH
  さあ 夢よ翔んでて 情熱でやけどしてもいい
  Idon't stop FLY HIGH and SKY-HIGH
  さあ 夢よ輝け まだ見ない 僕に出会う
  その奇跡 鮮やかに描こう 〜♪




そして最後まで歌い終わり・・・
「さすが、貴久さんの娘ですね。声がいい。それじゃ、
 ここで特別ゲスト。の彼氏の手塚君、上がってきなさい」
「ちょ・・TERUKIさん!!」
いつの間にか国光はステージに上がっていた。
「よしよし、今回は彼にも歌ってもらいます。
 彼が歌うのはもちろん、クリスマスソング!それではお聞き下さい」
国光はマイクを受け取り、曲が流れ始めた。


♪〜月明かりのシンフォニー 今年も雪は降らずに
  空に灯る輝きは キャンドルに変わる

  奇跡さえ起しそうな 金の音が鳴り響いて
  溢れ出した優しさが この胸に積もる

  あと長い針が一周すれば 伝えられるだろう
  少しずつ近くなるその時

  清らかな夜に 舞い降りて来たMessage
とき時間を止めてずっと 抱き締めていたい 〜♪




国光の声が会場に広がっていく。
そして、歌い終わると大歓声が起こる。


「いよ、手塚の声もいい線いってんのにな〜〜。
 それじゃ、ラストに2人でデュエットと行きましょう」
私達は一度深呼吸し、TAKUさんにOKサインを出した。

それとともに、曲が流れ出した。


♪〜人波にさらわれても たどり着ける 浜辺も無し
  思い出に もたれかかる 時の中で ひとり思う

  あれはいつか木漏れ日から 聞こえたあなたの声
  かすかな程 暖かくて 笑顔になれる気がした

  涙 枯れるまで 泣きたいと思うのは
  誰にすがろうと 同じ事だろう 同じ事だろう



  とめどなく そそぐ流れ 髪に触れた 夏の調べ
  過ぎ去りし 夢の跡に 何を求め ひとり想う

  あれはいつか黄昏へと 滲んだあなたの影
  霞む声を 追いかけてた 想い出届く気がした

  涙 枯れるまで 泣きたいと思うのは
  誰にすがろうと 同じ事だろう 同じ事だろう 〜♪



曲の間奏に入ると、国光は何かを私に小さく耳打ちをした。
そしてラストに入った。


♪〜涙 枯れるまで 泣きたいと思うのは
  誰にすがろうと 同じ事だろう 同じ事だろう 〜♪



歌い終わると、歌に浸った人々たちは盛大な拍手と歓声を上げた。
私たちは深くお辞儀をし、ステージから降りた。



「お疲れ様」
おば様が飲み物を持って、私たちのところへやってきた。
「ありがとうございます」
飲み物を受け取り、それを喉に通す。
「2人とも上手だったわよ」
「あれでも緊張してたんですよ・・・」
「あら、でもよかったわよ」
おば様はにっこりと微笑む。


それから私たちはパーティーを楽しんだ。




、国光君。ちょっと来てくれないか?」
パパに呼ばれ、私たちは移動した。
「なに?」
「こちら、カメラマンの妹尾さん。2人の写真を撮ってくれるそうだ」
「え!?」
パパの言うことに私はつい声をあげた。
「実はさっきの歌聴いて、ぜひ写真に収めたくてね。
 引き受けてくれないだろうか?」
妹尾さんがそういうと、私たちは相談しだした。

「どうしよう・・・国光・・・」
「そうだな・・写真は苦手なんだが・・・」
「実は私もちょっと・・・」
「断れそうか・・・」
「無理・・・」
「そうか・・・」



そして国光がこういった。
「俺たちでよければ・・・」
つまりOKと返事した。
「ありがとう、早速ツリーの前で撮ろう」
私たちはツリーの前に行き、写真を何枚か撮ってもらった。
「それじゃ最後に・・・」
妹尾さんが私たちに近づき、国光を動かし始めた。
「そう、ちゃんは国光君の腕をこう・・よし、これで撮ろう!」
その体勢は、国光が私を横から抱き締め、私がその腕の中で微笑む1シーンである。
そして撮影は終了した。

「お疲れ様、出来上がったら貴久さんに渡すからね。いい写真、ありがとう」
そういい妹尾さんは私たちの前から去っていった。
パーティー会場に戻ると人が少なくなっていた。
どうやらお開きらしい。

、国光君。もう部屋に戻っていいわよ」
ママが招待客を見送りながら私たちに言った。






「国光、戻る前にリビング行っていい?」
「ああ」
リビングに立ち寄り、私は小さなケーキと飲み物を手にし
部屋へと戻った。


「やっぱりクリスマスにはケーキがなきゃ」
「そうだが・・・俺は甘いものは・・・」
ケーキをみた国光は少し引き気味になる。
「大丈夫。甘さ、かなり抑えたから・・・私のお手製」
そういいながらケーキを国光に渡した。
恐る恐るケーキを口に運ぶ国光。

「程よい甘さだな。美味い」
「よかった。気に入ってもらえて」
本当はダメだと思ってた。でも喜んでもらえて嬉しい。


「あっ、いけない。大事なこと忘れてた!!」
「なんだ、いきなり・・・」
「うん、これ・・・クリスマスプレゼント!!」
私は国光にプレゼントを渡した。
「ありがとう・・・あけてもいいか?」
私は頷くと、国光は袋を開けていく。
「これは・・・・」
そう、私がプレゼントしたのは深緑色の手編みセーター。
2ヶ月掛けて、必死に作ったのだ。
「着てみてくれる?」
私がそういうと、国光は上着を脱ぎ、セーターに袖を通した。
「どう?サイズはピッタリ見たいだけど・・・」
「ああ、とても温かい・・・ありがとう」
「よかった、気に入ってもらえて」
私は満足し、にっこりと微笑むと・・・


「実は俺からもあるんだ・・・プレゼント・・・」
国光から意外な言葉を聞き、私は吃驚した。
国光は鞄から小さな箱を取り出し、私に渡した。
「あけていい?」
「ああ」
私はゆっくりと小さな箱を開けると、そこには1つのリングとチェーンがあった。
「これ!!」
「前から指輪が欲しいと言っていたことを思い出してな。
 いい機会だから、用意してみたんだが・・・・嫌だったか?」
嫌なわけないよ・・・嬉しいに決まってる・・・
私は首を横に振り、
「ううん、嬉しい」
「ならいい・・・貸してみろ」
そういい国光にリングを渡した。
そして・・・・



私の左薬指に指輪をはめてくれた。
「ありがとう、国光・・・」
「休みの日とかは指につけてもいいが、学校にいるときはネックレスにすればいいだろう。
 そのためのチェーンもあるんだ。お・俺も・・・今つけている・・・」
そういい、自分の首に掛けてあるチェーンを取り出し、指輪をはめた。
「国光・・・・」
「ペアリングだ・・・」
「うん」





「Merry Cristmas・・・・・・」
「Merry cristmas・・・国光・・・」
そして自然と口付けを交わした。




25日の朝、昨日の片づけをしたあと車で青春台へと戻った。
もちろん、私たちの指にはペアリングをつけて・・・・・

よし、手塚version完成>▽<ノ いやっほ〜い!!
ああ、どうしてこうも手塚になると話が長くなるんだろう・・・相当の手塚不足です。
だれかこの人間に手塚不足をどうにしかしてください。(他人頼りかよ)
はい、おさらいです。手塚はこんなにも大胆なんでしょうか?
なんかどんどん手塚が大胆になってる気が・・・まっ、それでもいいんだけどね>m<
眼鏡もそうですけど、とうとう父親登場ですよ。やっとだよ。
やっと出てきました。貴久パパ!!まぁ、彼女たちの家族構成を見てみると、わかりますよね。
名前をどこからつれてきたか・・・

このドリームに関するご意見、ご感想等をBbsにて受け付けてます。
気軽に書き込んでいってください。よろしくお願いします。

著者:瀬川音符

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