クリスマス・・・今年は一緒に出来ないかも知れない・・・・



Cristmas song for・・・





クリスマス1週間前、私はの3人で越前君の誕生日プレゼントを買いに行った。
はついでに彼氏のクリスマスプレゼントも買っていた。
私の場合、もう用意してあるから大丈夫だけど・・・今年は・・・



その夜・・・
、ひの!ご飯よ〜」
ママの言葉に私達は下に降りた。
夕食時の時・・・
、ひのき。2人ともクリスマスはなにか予定入れているのか?」
久々に家族全員の食事にパパが問いかけてきた。
「オレはまだ入れてないけど、多分橘たちと遊ぶだろうな」
ひのきはひょうひょうとそう言った。
は?」
「う〜ん、まだ予定はないけど・・・何かあるの?」
クリスマス時、パパの仕事関係でパーティーがあることが多い。
「それがな、今度パパの会社主催のクリスマスパーティーが行われるんだ。
 出来れば家族全員参加で行きたいんだけどな・・・だが強制はしない」
「なるほど・・・パパの会社となるとTERUKIちゃんたちもいるな」
「そういうことだ・・・ちゃんと考えててくれよ、2人とも」
「「うん・・・」」



そして冬休みはいる前、達は彼氏たちとクリスマスを過ごすといい、はしゃいでいた。
まだ予定ないのは私だけか・・・・


その次の日曜日・・・
私はママと近くのスーパーで買い物をしていた。
その時・・・・
ちゃん!」
と私の名前を呼んだ女性の声が聞こえた。
振り向いてみると・・・国光の母親、彩菜さんがいた。
「おば様・・・こんにちは」
「こんにちは、お買い物?」
「はい、ま・・・母と・・・」
「そう」
そう挨拶していると・・・・
!!」
「あっ、ママ・・・」
ママが私のところに帰って来た。
「誰?」
ママが私にそっと耳打ちし、小声で・・・
「国光のお母さん」
それを聞いた途端・・・・
「初めまして、の母の凪です。娘がお世話に・・・」
「こちらこそ初めまして。国光の母の彩菜です」
2人の母親は娘をほっとき、話にのめりこんでいった。



「母さん、頼まれたものを・・・・」
おば様に声かけたのは、聞きなれた声だった。
振り向くと国光がいた。
「国光・・・」
・・・・」
「あら、国光。もう持ってきてくれたのね」
おば様は国光から受け取り、
「2人ともここの喫茶店で待ってなさい。あとで迎えに行くから」
とにっこり微笑み、そう言った。
「私達は2人で買い物するから、そっちは楽しくいなさい」
ママまでそういい、私たちから去って行った。
「「・・・・・・・・・・・・・・」」
ママたちのいきなりの行動に私達は呆然としてしまった。



「行くか?」
「うん」
私達は自然と手を繋ぎ、喫茶店へと移動した。
簡単に注文し、くつろいだ。
「でもまさかこんなところで国光に逢えるなんて思わなかった・・・」
私は悪戯口調で国光をからかった。
「今日はたまたまだ・・・」
「そう・・・」
会話が続かず、沈黙が流れる。


「ねぇ、国光はクリスマス・・・どうするの?」
沈黙をやぶり、私は問いかけた。
「まだ予定はないが、出来れば一緒に過ごしたいものだな・・・」
国光はあっさりとそう答え、私は口ごもってしまった。
――国光って意外と天然たらしなのよね・・・
そう思っていると・・・
「どうした、
と私の名前を呼ぶ。
「あっ、ゴメン・・・」
「いや・・・」
私は我に戻り、さっきの返事を返した。
「私も国光と過ごしたい・・・でも・・・」
「なんだ?」
「う〜ん、実はね・・・・」
私はパパとの会話を国光に話した。

「そうか・・・」
「うん・・・断ることも出来るんだけど・・・ひのきも行かなさそうだし・・・
 それに”家族で参加したい”というパパの想いも大事にしてあげたいし・・・」
私はそういうとそのまま俯いた。
国光はいきなり立ち上がり、私の隣に座った。
そして、私の頭に手を置き撫でた。
「今回は仕方のないことだ。が家族を大事にしていることはよく解る。
 俺のことは気にするな」
そう優しい言葉で私に話しかける。
「ゴメンね、国光・・・・」






「ゴメンね、遅くなっちゃった」
暫くして喫茶店にママたちが戻ってきた。
「別にいいよ、ゆっくりしてたし・・・」
「そう、彩菜さん。一緒に帰りません?」
ママはさっそくおば様に話しかけ始めた。
「いいんですの?」
「いいんですよ、車ですし」
「それじゃ、ご好意に甘えて・・・」
こうしてママの車で帰ることになった。
駐車場につき、
「彩菜さんは助手席に、国光君とは後ろね」
ママはそういい、車のドアをあけた。
車に乗り込み、家に向って走り出した。


「そうそう、
「なに?」
「国光君にクリスマスのこと話した?」
その言葉にドキッとした。
「うん・・・話したよ・・・」
「で、どうするの?」
ママの問いかけに私は口ごもってしまった。
「なんの話ですの?」
おば様は私たちの会話に疑問を持ったのか、問いかけてきた。
「実は、今度夫の仕事関係でクリスマスパーティーがあって、家族で参加しようとおもってる
 ですけど、まだ娘が悩んでいたようでしたから・・・」
「あら、いいお話じゃないですか。ねぇ、ちゃん?」
「あ・・はい・・・」
「でも、この娘は国光君とがいいとか考えてるんじゃないですかね・・・」
「もう、ママ!!」
ママのからかい口調に私は声をあげ、国光は座ったまま固まっていた。
「でもクリスマスは好きな人といたいというのが本能でしょうね」
おば様はクスクスと微笑みながら話を続けていた。
「そうですわね・・・、なんなら国光君連れて行く?」
「「えっ!?」」
ママの言葉に私と国光は同時に声をあげた。
「あらいいじゃない。国光、行ってらっしゃい」
「ですが・・・・」
「私たち家族を気にすることはないのよ」
そういいにっこりと国光に微笑んだおば様。
「どうせなら彩菜さんもどうです?ご家族で・・・」
「いいんですの?」
「ええ、何人増えても同じようなものですし・・・」
「そうですね・・・かえって主人に話してみますわ」
「じゃあ結論が出次第、連絡してください。こっちは夫に話しておきますから」
そういいママたちの話はどんどん進んでいく。
そして知らぬ間に国光の家に着いた。


「それじゃ、後ほど・・・」
「はい、いい返事を待ってます」


「あとでメールする」
「うん、解った」





そして夜・・・
ママは国光の家族をパーティーに誘っていいか、パパに相談していた。
「こっちは構わないぞ。今更何人増えようが関係ないしな」
「よかった。後は彩菜さんのところから返事が来るだけね」
2人の会話を聞いた私は思わずため息をついた。


♪〜〜〜〜♪〜〜〜〜
私の携帯が鳴った。
携帯を開いてみると『手塚国光』と表示されていた。

「はい・・・」
『今、大丈夫か?』
「うん、大丈夫・・・」
『そうか・・昼間の話だが・・ご好意を受けることにした』
その言葉に私は吃驚した。
「本当?」
『ああ、ちょっと変わってもらえないか?こっちも母さんと変わる』
「解った・・・ママ」
私はママに携帯を差し出し、
「国光たち、OKだって」
「そう」
そういい携帯を受け取った。



そして暫くママは話し込んでいた。
「はい、それじゃ23日にお迎えに行きますね」
そういい電話を切った。
の彼氏か・・・」
パパが呟く。
「カッコいいのよ、国光君。貴久さん、会ったことないのよね?」
「ああ、逢うのが楽しみだ。もちろん、ご家族にも」
「そうね」
2人の会話に入らないように私は2階へと上がっていった。







そして23日。
今日は祝日で朝から大忙しだった。
大体の荷物は車に詰め込んだ。
「ほんじゃ、楽しんできてよね」
ひのきがにっこりと笑いながら見送りに出てきた。

「ひのきがこれないのは残念だが、そっちでも楽しんで来い」
「もち!!」

「ひの、ちゃんと戸締りしてね」
「おう!!」

「ひのき・・・」
「なんだ、ちゃん・・・」
「ちゃんと受験勉強サボるんじゃないわよ」
「ウゲッ・・・わーってるよ・・・」


「それじゃ行ってくる」
「いってらっしゃ〜〜〜い」
そしてパパの運転する車が走り始めた。



数十分後、早々と国光の家に着いた。
車が到着と同時に国光たちが家から出てきた。
「おはようございます」
私達は車から降り、挨拶をした。
「おはようございます。今日からお世話になります」
ママと彩菜さんは早速話し出し、パパはおじ様たちと握手を交わしていた。
「先に荷物積んじゃおうか?」
「そうだな」
私は後ろの荷台を開け、荷物を積み始めた。


「これで最後?」
「ああ」
すべての荷物を積み込み、
「パパ、荷物の積み込み終わったよ」
私はパパに報告した。
「ああ、ありがとう。さぁ、出発しましょう。
 国晴さんは助手席に、凪と彩菜さん、国一さんは真ん中、
 と国光君は後ろに座って」
そういわれ、私達は車に乗り込んだ。
「そうそう、凪。2人にアレ渡してくれるか?」
「いいわよ。はい、これ」
ママが私と国光にMDウォークマンと歌詞カードを渡した。
私はハッと気がつき、
「パパ、どういうことよ!?」
「今年も頼むよ、わが娘vv」
「私はともかく何で国光まで!!」
「それは内緒だ。さぁ行くぞ」
そういい、車を走り始めた。



・・・」
「またやられた・・・嫌な予感はしてたけど・・・」
「これは・・・」
国光は不思議そうに私に問いかけてきた。
「よくやるのよ、貴久の娘が歌うって・・・毎年恒例にさせられちゃって・・・
 今年は何とか逃れられると思ったら、今度は国光まで巻き込むなんて・・・」
「そうか・・・」
「兎に角、一度聞いて見なきゃ・・・2人、同じ曲なのかな?」
私はそういいながら国光が持っている歌詞カードを覗いてみる。
「どうやら違うみたいだな・・・」
「そうね・・・でも2曲目は一緒・・・『想詩』か・・・」
そういい、ヘッドフォンをつけた。
国光も無難そうにヘッドフォンをつけ、流し始めた。


――歌詞的にはクリスマスソングじゃないわね・・・
歌詞カードを見て私はそう思った。
そしてMDを流し始めた。
流れた曲はリズム感のいい曲で・・・・
・・・・・・・・・・て・TERUKIさんの声!?
デモをTERUKIさんに録音してもらったのね・・・
でもいい曲・・・・
そう思い、私は曲にのめり込んでいった。


1曲聴き終わると、2曲目に入った。
国光と一緒の『想詩』・・・一体どういう曲なの?
そう思いながら歌詞カードを見る。
・・・・・・・・・・物凄い思いこもった曲
バラードでなぜか歌に涙を流していた。
そして知らぬ間に曲は終わってしまった。


ヘッドフォンを外し、横目で国光を見た。
国光も聞き終わったようで、流れる景色を見ていた。
「国光・・・聞いた?」
私は問いかけた。
「ああ、1曲目はクリスマスソングだった。2曲目だが・・・・」
「凄いよね・・・想詩・・・思わず涙流しちゃった・・・」
「ああ、の1曲目はどうなんだ?」
「クリスマスソングじゃないけど、いい曲だった」
「そうか・・・」
「これは向こうに着いたら少し練習しなきゃね」
「ああ」




数時間経ち、車は別荘へと到着した。
そこにはパパの会社関係のスタッフが何人か着ており、パーティーの準備に入っていた。
「部屋ですけど、国一さんは1号室に、国晴さんと彩菜さんは2号室。
 僕と凪は向かいの11号室でと国光君は・・・・ここの部屋だ」
そういいパパは私たちに1つの鍵を渡した。
「パパ・・・ここは・・・」
「そう、3階の天窓の部屋だ。仲良く使ってくれ」
パパはにっこりと笑いながらそう言った。
そして即座に部屋に荷物を置きにリビングから去っていった。
それにつられるようにおば様たちも部屋へと移動した。


「はぁ〜〜、またやられた・・・」
私は深くため息をついた。
「行くぞ」
国光は荷物を持ち、私に話しかけた。
「国光・・・」
「決まってしまったことには仕方がないことだ」
「うん・・・」
私達は3階に上がり鍵を開けた。
部屋には大きなキングサイズのベッドが1つとそれぞれ小物がおいてあった。
簡単に荷物を置き、私はベッドで横になった。

「あ〜あ、もうパパの考えてること解んなくなってきた」
「そういうな・・・俺はよかったけどな・・・」
「国光・・・」
国光の顔を見ると赤くなっているのに気づいた。
そうだ、今2人きりなんだ。
「そうだね・・・私も嬉しいよ・・・」
そういい国光の手を握った。
それから徐々に意識を失った。




いつの間にか眠っていたのか、目の前が見えなかった。
眼鏡、外れてる・・・
手探りで眼鏡を取り、掛ける。
「うわっ、何これ!?」
目の前がぼやける。度があってない?
また手探りでもう1つの眼鏡を見つけ、掛ける。
「あ〜〜〜、吃驚した。これ、国光の眼鏡なんだ・・・」
周りが見えるようになり、今自分の状況がよーく見える・・・・



え!?
な・な・なんで!?隣で国光が寝てる!?



確か、この部屋に来て・・・・それから、ベッドに寝転がって・・・・
そうか、寝ちゃったんだ。
今の時間は・・・・・5時か・・・結構寝ちゃったな・・・
そう思いながら、私は国光の寝顔を見た。
今気づけば、私たちに毛布が掛かっていた。


「国光って・・・・」
寝顔かわいい・・・いつもはあんなにクールなのに寝顔は無防備なんだね
そう思っていたとき、
「俺が何だ?」
と国光が起きた。
「あ・・・・」
「なんだ?」
「な・なんでもない」
「そうか・・・もうこんな時間になっていたのか」
そういいながら眼鏡を掛ける。
「う・うん・・国光って眼鏡の度がきついね。さっき間違えて私掛けちゃったの」
「そうか?」
「そうだよ。私よりきついんじゃないの?」
「なら貸してみろ」
そういうと自分の眼鏡を外し、私に手をかざす。
私も眼鏡を外し、国光に渡した。
「確かに俺のがきついな。、眼鏡なしで視力はどれくらいだ?」
「う〜ん、両目で0.3。国光は?」
「俺は、0.01だ」
「そうなの!?私より断然悪いじゃない」
「そうだな・・・、お前眼鏡なしで俺をどこくらいで見れる?」
そう問いかけられ、私は国光にグンッと近づき
「これ位かな?」
と言い、国光をみる。距離的に間7.8cmと言ったところ。
「そうか・・・俺はこれくらいだ」
そういい、私に眼鏡を返すと更に私に近づいた。
距離間1.2cm。
そして、次第に口付けを交わしていた。



お互い眼鏡をかけ、
「もしかしてこれがしたくて、仕掛けたの?」
私は問いかけた。
「ああ」
国光はあっさりと答える。
「降りるぞ」
「うん///」
私達は部屋を出て、1階まで降りリビングに入った。




「あら、2人とも起きたのね」
「様子見に行ったら、仲良く寝てるんですもの」
「「ねぇ〜〜〜」」
私たちを迎え入れたのはママたちだった。
「「・・・・・・・・・・・・・///」」
私達は照れて、何も言えなかった。
「だから私たちが2人の眼鏡を外して、毛布を掛けたのよ」
ママはにっこりと微笑みながら話し続ける。
「国光もそうだけど、ちゃんも眼鏡なしだとより一層かわいいのね」
おば様まで・・・・
「でもクリスマスパーティーでははコンタクトをさせますから、
 その顔を拝めますよ」
「そうなんですか!?国光のコンタクトレンズも作っておけばよかったわ」
ママたちの会話はどんどんエスカレートしていく。
もうついていけない・・・
そう思い、国光の腕を引きママたちから離れた。


「ママたちにはついていけない・・・」
「そうだな・・・」
私達は同士にため息をついた。
!国光君!こっち手伝ってくれないか!?」
今度はパパが私たちを呼び出した。
「なに?」
はスタッフと一緒にクリスマスツリーの飾り付けを頼む。
 国光君は僕と一緒にこっちを」
「了解!!」
「解りました」
私達は別れ、それぞれの仕事を始めた。



「悪いわね、手伝ってもらって」
「別にいいですよ。これくらい」
私はスタッフとともにクリスマスツリーの飾り付けを進めていく。



そのころ国光は・・・
「すまないがこれを庭まで運ぶのを手伝って欲しいんだ」
「解りました」
国光はパパとともにテーブルを庭まで運び始めた。


「よいしょ・・・っと。ありがとう、国光君」
「いえ・・・」
「そういえば、といい付き合いしてくれてるようだね。
 凪・・・妻からよく聞いていてね」
「そうですか・・・・」
が彼氏作ったと聞いたときは吃驚させられたよ。
 でも君でよかった。もし馬鹿でちゃらんぽらんな奴だったら、打ちのめそうかと思ってね」
パパはそういうが、なぜか黒いオーラを纏っていたらしい。(国光談)
その言葉に国光も固まった。
「そんなに固まらなくてもいいよ。これからもと仲良くな」
「はい」



♪〜〜〜〜
私は飾り付けをしながら、車の中で聞いた曲を口ぐさんだ。
「おっ、早速口ぐさんでいるな。曲的にはいいだろう?」
いつの間にかパパと国光が戻ってきた。
「うん、クリスマスには関係ないけどいい曲」
「そうか、24日は国光君同様、頼むよ」
「はいはい・・・」




それから夕食を楽しみ、温泉に入り就寝した。

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