の出番は、一番最後・・・・




ファイナルに残ったのは4名の男女。
ほとんど歌手を目指して上に上ってきた兵揃い。

それぞれの発表内でも・・・・・

「うわっ。すんごい迫力・・・」(
「うん。さすがファイナルだけあって・・・」(
先輩。大丈夫でしょうか・・・?」(
「これで3人目だけど・・・どれも上手いものね・・・」(
「大丈夫だよ!!先輩は!!」(
「そうよ!!なら必ず・・・」(
「一番になる!!あたしらは確信してるんや!!」(
「ですね・・・・」(


曲の合間に声援OKなこのファイナル。
まるでアイドルのコンサート並み。

「これってさ・・・本当に全国大会なわけ?」(越前)
「まるでコンサートだよな・・・」(桃城)
「フシュ〜〜〜〜〜〜〜」(海堂)
「ところで手塚・・・さっきと何かあったのか?」(乾)
「そうだにゃ〜。達は緊張のせいじゃって言ってたけど・・・」(菊丸)
さん、大丈夫なのか?」(大石)
「アイツは大丈夫だ・・・・」(手塚)
「ということは、手塚が安心させたって事だね」(不二)


そう話していると3人目の発表が終わった。

「次だね・・・」(河村)
河村が呟くと、皆同時にコクリと頷く。


『それでは、最後の発表に参ります。東京 青春学園高等部1年、さん』
アナウンスとともに、が舞台に出てきた。


「あれ?さん・・・メガネしてない・・・」(神尾)
「ホントだ・・・あれだったらひのきさんと間違えても・・・」(伊武)
「ココまで来てぼやくな!!」(橘)

「へぇ〜、メガネ無しでも可愛いじゃねーの・・・」(跡部)
「そやな・・・惜しい娘、逃してしもうたわ」(忍足)

「お前ら・・・・」(真田)
「でもなんでメガネしてないのかな・・・?」(
「ふふっ、・・・本気モードだね・・・」(幸村)


「よっし、テメーら。精魂込めてちゃん!!応援するぞ!!」
ひのきのコールで周りはに声援を送り始めた。

みんなの声援に気づき、は軽く頷いた。

『それでは開始します。曲名は【Prism】』

バックバンドが演奏を始めた。



(大丈夫・・・・私には皆が・・・国光がいる・・・)



心で念じ、発表が始まった。


♪〜目覚めたその瞬間から何かが音を立てて動き出す
   誰に何を言われようとかまってなんかいられない

   走ってかなきゃ おいてけぼりにされてしまう
   頼れるのは 自分だけだと信じて

   過去と今が繋がってく 流れ落ちる汗のプリズム
   一瞬だけ輝きだす 7色のまばゆい可能性

   その光の中に君がいるから 隠して闇に本当の心がある
   さあ手を伸ばしてみよう蒼い空へ 望む夢があるならば必ず届く〜♪



がいつもの冷静さを保ち、歌ってるのに歓声が上がる。
歓声の中・・・

「その調子だ・・・」

と手塚は呟いていた。


♪〜日が射す場所求めている現実から逃げる弱者たち 
   計り知れぬ傷を抱え今僕らはここに立っている

   諦めなきゃいけないこともあるけれど
   麻痺するのはマイナス思考と気づいて

   願い込めた遠い明日にどれだけの時間がいるのだろう
   前だけ見て行けばいいさ限りなく広がる可能性

   降りそそぐ光を拾い集める 手にしてた闇に本当の君がいる
   さあ凍りついた涙輝かせて 透明な天使の羽この手に掴む〜♪




(ちゃん)、その調子!!」(
「頑張って、さん!!」(
「いけ〜〜!!先輩!!」(



♪〜過去と今が繋がってく 流れ落ちる汗のプリズム
   一瞬だけ輝きだす 7色のまばゆい可能性

   その光の中に君がいるから 隠して闇に本当の心がある
   さあ手を伸ばしてみよう蒼い空へ 望む夢があるならば必ず届く〜♪



演奏が終り、の発表が終わった。
それとともに、席を立った女性・・・・

「おやおや、どうしたんです?」
彼女にかける声。
「どうもこうも・・・グランプリ、のものだな〜って」
「刺激を受けましたか・・・」
「まぁ〜ね・・・来年は必ずピアノ部門でアイツを叩きのめす」
「いい心がけですね、古本さん・・・」
「ありがと、観月・・・」
そして観月とともに会場を去っていった。



全ての発表が終り、結果を待っている。

「まだでねーのかよ・・・・」
審議が長くなっているのにひのきは苛立ちだす。
「まぁ、落ち着きなよ・・・ほら、司会者が出てきた」
幸村が落ち着かせようと話し掛けるとタイミングよく、司会者が出てきた。

『それでは歌部門のグランプリを発表します・・・・・・・・・』
場内は効果音が鳴り響き、結果を引き伸ばす。


『グランプリは・・・・東京 青春学園高等部1年、さん』



「うっ、うそ・・・・・・」
はこの結果にまだ現実には思えない状態にいた。
だけど、と競り合った3名は拍手を送っていた。

『では、さん。舞台へどうぞ!!』
は3名に会釈をし、舞台へ出た。
出ると観客全員から拍手がに降りそそぐ。


そして、準グランプリの発表があり・・・受賞式を行った。


『では、グランプリの副賞を発表しましょう。
 今年は・・・プロデュース、クリスマス野外ライブ主用権です』



えっ・・・・・・・・・・・プロデュース!?



「まっ、まさか・・・・・」
が横目で舞台袖を見てみると、の父貴久が現われた。

「おめでとう。・・・」
「あっ、ありがとう・・・ございます・・・」
貴久はに野外ライブの主用権を渡し、の肩をガシッと掴んだ。

「さすが我が娘・・・・」
「パパ・・・この事知ってたのね・・・・」
「当然・・・・まっ、審査に僕は参加しなかったけどな・・・」
親子の小声に司会者が気づき・・・

『あの〜〜、もしかしてプロのお嬢さん・・・ですか?』

司会者の問いかけに、貴久はにっこりと微笑み、と一歩前に出た。

「そのとおりです。今回グランプリに受賞したは僕の娘です。
 ですが、親子とはいえヒイキな審査はしませんでしたので、ご了承を・・・」
そういい、後ろに下がった。



こうして、今年度のSound選手権はすべて終了した。




控え室に戻り、メガネを装着した・・・とたんに・・・・

「やったな〜〜〜ちゅあ〜〜〜〜ん」
ひのきの思いっきりのタックルがに降りそそぐ。


【ドゴッ!!】


「いった〜い・・・何するのよ!!」
「メンゴ!!というより、おめでとうさん!!」

ひのきの後ろからまたぞろぞろとやってきた。

「やったね・・・」(
「おめでとう」(
「これでがNO.1だね」(
「なんか、実感ないけど・・・・」
「そんなことないよ!!凄く良かった」(
「そうですよ・・・」(
「あたしなんか、感動しちゃって・・・」(
「あ〜あ・・・はい、さん・・ハンカチ・・」(
「ホンマ、カッコよかったで」(
「本当におめでとうございます」(


そして一緒に見守ってくれた彼らからもお祝いの言葉がに降りそそぐ。


「ありがとう、皆。ところで・・・・国光は?」
そう、なぜかこの団体の中にいない手塚・・・

「ああ、もう少し待ってな・・・すぐ来るからよ・・・」
跡部が割り入ってに告げる。

【ガチャ】
「遅くなってすまない・・・」
タイミングよく手塚が控え室にやってきた。

「えっ??」
は手塚の姿・・・いや、持っているものに唖然していた。
、グランプリ受賞おめでとう・・・」
そういい、手塚は大きな花束をに差し出した。

「ほえ??」
いきなりのことで、フリーズしかけている


「コレは・・・ここに居る皆からだよ」(不二)
「受け取ってにゃ」(菊丸)
「ってかほとんど手塚センパイと跡部さんが出すってうるさかったけどね・・・」(越前)
「せやせや・・・止めるの苦労したわ・・・」(忍足)
「まぁ、そういうなよ・・・2人とも」(大石)
「そうだぞ。今日はめでたい日なんだから」(乾)
「ということだ。、受け取れ」(真田)
「さぁ、・・・」(幸村)


は手塚から花束を受け取り・・・・

「ありがとう・・・・」
メガネ越しに涙を流した。

「あ〜、泣かないで下さいよ〜〜」(神尾)
「泣いたらひのきさんとの区別・・・」(伊武)

「ゴメン・・・嬉しくて・・・・」
そう言いながらも涙が止まらない。
手塚は自然とを引き寄せ、落ち着かせようとする。



「皆〜〜!!オヤジが今日は休みにするって!!」(河村)
「ってことは・・・・・」(海堂)
「かわむらすしで祝いッスね」(桃城)



「だが、こんなに大人数で良いのか?」
今の人数考えただけで、店はパンクしてしまう。
手塚はを抱き寄せたまま、河村に問いかける。
「う〜ん・・・どうしようか・・・」
悩んでいると、真田たち、跡部たちは辞退するといってきた。
「俺達もな・・・」
不動峰+橘も辞退するといってきた。

「オレは行くぜ!!ということで青学メンバーだけだな」
ひのきが言い切ると・・・・


「ちょっと待って!!」
手塚の腕の中からが声を出した。
涙を拭き、手塚の腕からでると、皆と真正面に向き合う。

「私、皆にお礼したい・・・・」
「けどよ、この人数じゃ・・・・」
「副賞・・・これを皆で・・・やろうよ・・・」



の発言に周りはシーンとなった。


・・・正気?」(
「まだ頭可笑しいんじゃないの?」(
「ちょっと・・・それ、酷いんじゃ・・・」
「だって・・・せっかくが取ったものを・・・」(
「せやで。これはが有効に使うべきや」(
ちゃん・・・・」(


「だって・・・グランプリ取れたの皆のお陰だもん・・・
 だから、野外ライブ・・・皆でやりたい・・・」


「いいんじゃない・・・」(越前)
「俺、賛成ッス!!」(桃城)
「オッレも〜〜!!」(菊丸)
「僕もだよ・・・」(不二)
「俺もだ・・・」(乾)
「なんだか、去年の文化祭に戻ったみたいだな・・」(大石)
「そうだね」(河村)
「っす・・・」(海堂)


先輩・・・・私たちも?」(
「いいんですか?」(
「もちろん」
「やったww」(


「もし、ちゃん?もしかして俺らも入るん?」(忍足)
「ダメかな・・・もちろん、跡部君も真田君達も・・・」
「俺様はいつでも大丈夫だぜ」(跡部)
「だがな・・・・」(真田)
「弦一郎君・・・やろうよ!!」(
「そうだよ・・・せっかくの好意、甘えさせてもらおうよ」(幸村)


「ひのき、もちろん出るんでしょ?」
「とーぜん!!ついでにこの3人引き連れてくるらな」(ひのき)
「おい、ひのき!!」(橘)
「あ〜あ、またひのきさんの餌食に・・・」(伊武)
「だからぼやくなよ・・・俺はOKっすよ」(神尾)


そして、たちもやると言ってきた。


「国光は?」
「俺は・・・・・・・・・・・・・」
手塚は口ごもってしまう。
「私・・・一番国光に助けられた・・・今日歌った【Prism】一緒にやりたい」
「・・・・・・・・・・・・・・・・解った・・・」


それからかわむらすしで祝勝会が開かれた。

こうして、クリスマスの野外ライブは大勢で行うことになったのであった。

あとがき。
はぁ・・・今週、手塚帰ってきて(原作)瀬川溶けてます@▽@ノシ
ということで、お帰りって訳じゃありませんけど・・・ひっさびさの塚塚夢ww(をい)
Sound選手権終わりましたよ・・・んでもって久々のパパさんもww
クリスマス・・・長編になります。かな〜りの・・・

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気軽に書き込んで行って下さいね。よろしくお願いします。

著者:瀬川音符

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