とうとうファイナル・・・・・




Sound選手権ファイナルと副賞




12月に入り・・・・・・


「それにしても、ピアノ部門・・・おしかったね」(
音楽室でいつものように部活動をしている4人。
がそういうと、が頷く。

「ピアノ部門はベスト8」(
「ベスト尽くしたんだから・・・悔いはないわよ・・・」(
「でも、あと歌部門が残ってるね」(
の言葉に、はコクリと頷く。

「そんで、最後は何歌うん??」
彼女たちの後ろからが声をかけてきた。
「いままで、バラードが多かったからまたそっちの方で行くの?」
の後ろから現われた。

「わーってないな・・・ちゃん、もう曲ずいぶん前から選んでたぜ」
終いにはひのきまでもが音楽室にやってきた。


「「「「「そーなの?(ちゃん)??」」」」」

「うん・・・・・」



それからの耳には必ずとしてヘッドフォンが片方についていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・♪〜〜

!!聞いているのか!?」
もちろん、授業中も・・・
「あっ、すみません」
ガタッと音を立てながら立ち上がる。
「理由は知っているが、ちゃんと授業に参加しろ」
「はーい・・・」


そして、生徒会でも・・・・

は小さく口ぐさみながら生徒会の仕事をこなして行く。

「そっか・・ちゃん、もう少しで大会最後なのよね〜」
Yellow Princessこと、小笠原灯がそういう。
「そうだったな・・・」
Yellow Princeこと、小池藍輝も頷く。

Red Prince=駿河悠一とRed Princess=魚住麻衣は文化祭を区切りに
生徒会を引退した。
会長を小池が、副会長を小笠原が引き継ぎ、
書記が、会計が手塚となった。

だが、そんな彼女に1つの視線・・・・・・



放課後・・・・・・・・

・・・・」
手塚が声をかけても、彼女は反応すら見せない。
よくよく見てみれば、両方にヘッドフォンが着いていた。

手塚はため息を着き、の肩をポンッと叩く。
何かを感じたは振り向き、ヘッドフォンを取る。

「なに?」
「いつも方耳じゃなかったのか?」
「あっ・・・ゴメン。国光待ってる間にでもって・・・」
「お前らしくないな・・・」
手塚の言葉には黙秘する。

「黙秘か・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・だって・・・・」
「なんだ?」
手塚はドンドン問い詰めてくる。
「いままでバラードで上にあがったけど・・・上手く行くか・・・不安なの・・・」
そういい、は下に俯いた。
そんな彼女に手塚は、頭に手を置きなでながら、
「大丈夫だ・・・あまり歌関係に詳しくはないが・・・なら大丈夫だ」
優しく声をかけた。
「国光・・・・ありがとう」
手塚の言葉には穏やかに微笑んだ。


「ところで、今回はバラードじゃないのか?」
「うん・・・聞いてみる?」
「ああ・・・」

はヘッドフォンの片方を手塚に渡す。
無難そうにつける手塚。つけたことを確認するとはMDを再生した。


スピード感、リズムともに早い曲が手塚の耳に流れる。


「コレを歌うのか・・・?」
「うん・・・前々から決めてたの・・・」
「そうか・・・次の日曜日だったな・・・ファイナルは」
「国光?」
「応援に行く・・・いつも来てもらってばかりだったからな・・・」
「ありがとう」



次の日からは猛練習に励んだ。

「へぇ〜、僕達も応援に行くよ」(不二)
「オッレも〜〜」(菊丸)
放課後、達がファイナルのことを話すと、みんな来ると言い出した。
「ガンバってね、さん」(河村)
「ありがとう、皆・・・」
「じゃあ、日曜日は会場集合だな・・・」(乾)
「越前、寝坊するんじゃねーぞ!!」(桃城)
「しないっすよ・・・」(越前)


「もちろん、私たちもいきますから!!」(
「頑張って下さいね」(
そしていつもおなじみの団体で帰宅。
でも、と手塚の耳にはヘッドフォンがついていた。

「なぁ、なんで手塚までヘッドフォンをつけてるんだ?」(大石)
「ああ・・・に両方持たせていると、気づかぬうちに両耳につけてしまうからな」(手塚)
「無意識にですか・・・?」(
「・・・・・・・・・・・フシュ〜」(海堂)


「めっ、めんぼくない・・・」





そして、とうとう当日の日がやってきた。
それぞれの部門のファイナルがホールにて行われている。

「ふふふっ・・・・・・ピアノ部門、落ちたらしいわね・・・」
控え室にて、をあからさまに挑発する女生徒。

「だから・・・・?」
「いい気味・・・」
「そういう愛こそ、私より先に落ちたじゃない・・・ピアノ部門・・・」
は冷静に彼女の急所を着く。
「っ!!!いいのよ!!今回はお預けになったけど・・・
 次こそアンタを倒すわよ・・・覚悟してな!!」
そういい、彼女は控え室を去って行った。


「何あれ・・・」(
「ってか相変わらずだね・・・」(
「古本さん・・・;」(

そう、いままでを敵視していた聖ルドルフ高校に通う古本愛。
彼女は、のライバルだと思いこんでいる。
当然、は全く無視状態。

ちなみにと愛は幼い頃、同じピアノ教室だった。
最初は仲良かったのだが・・・と比較されるにつれ敵視し始めたのだった。


時間が経つにつれ、はめったに起きない緊張に包まれていた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ゴメン、ちょっと気分転換してくる!!」
椅子から立ち上がり、は控え室を出た。

「「「ちょっ!!!!!」」」
を追う3人。



がツカツカと廊下を歩いていると、丁度会場に着いた彼らと遭遇した。

「あっ、〜〜〜!!」(
が呼ぶが、は返事をしない。
ちゃん?」(


は手塚を見つけた瞬間・・・・・・・・・・


「おっ、おい・・・・・・」
手塚に抱きついた。


「どーしたのかな?」(
「さぁな・・・」(桃城)
「ってココ人前だよ・・・気づいてないのかな?」()

2人を姿に周りも騒ぎ始める。


「どうした・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
手塚が問いかけてもは何も言わず、抱きついている。
そんなに手塚は彼女を抱き上げ、その場から離れた。



「話は外で聞く・・・」
「ありがと・・・・」




2人が去ったのを見送ったメンバー・・・・

「どうしたんだろう?」(河村)
「さぁ・・・俺にも予想がつかない」(乾)
先輩・・・・」(
「今は、手塚に任せるしかないよ・・・」(大石)


「「「〜〜〜〜〜〜!!」」」

数秒後、3人も合流した。

さんなら手塚と一緒に外に行ったよ」(不二)
「そうなの?」(
「うんにゃ〜〜。んで突然手塚に抱きついたんだよ〜」(菊丸)
「えっ・・・・」(
「ということは・・・・・まさか・・・」(
「なんか思い当たる所とかあんの・・・?」(越前)


「「「珍しい〜〜。あのが緊張してるなんて・・・・」」」





そして、2人は・・・・・・誰もいない静かな庭にいた。

「何があった・・・」
手塚はをおろし、理由を聞き出した。
「・・・・・・・・・・・自分でもよく解らない・・・これ、緊張だとは思うんだけど・・・」
「そうか・・・・」
手塚は優しく微笑み、を抱き寄せ背中をさすり始める。

「大丈夫だ・・・・」
「ありがとう・・・いつもは団体で出てたから・・・それにいままで舞台に一人って
 ピアノ演奏のときしかなかったから・・・いままでの予選、本選はこんなことなかったのに・・・
 いざ、ファイナルになると・・・・・」
は震えながら、手塚に言う。


手塚は深呼吸して・・・・・

♪〜その光の中に君がいるから 隠してた闇に本当の心がある〜♪

今回が歌う曲をくちぐさんだ。

「国光・・・・」
「だてに毎日聞いていたんだ・・・歌詞を覚えてしまった・・・」
「さすが・・・・・」
「もし舞台で緊張しても、大丈夫だ。お前には俺がいる・・・
 俺も・・・・お前がいるから安心してプレイできてるからな・・・」

手塚の言葉に、はギュッと手塚を抱き締めた。


「ありがとう・・・・でも、もう少しこのまま充電させて・・・」

「ああ・・・・」




暫く抱き合って、会場に戻ると・・・・・

「「「!?大丈夫??」」」
颯爽と達が駆けてきた。
「うん、大丈夫。心配かけてゴメンね」
はいつもどおり、にっこり微笑んだ。


「よう、元気そうじゃねーの?あ〜ん」
「応援にきたで、ちゃん」

なんと彼女の後ろに氷帝の跡部、忍足が・・・・


「お〜い、ちゅあ〜〜〜〜ん!!!」
ひのきを筆頭に不動峰のメンバーが・・・


終いには・・・・
さ〜〜〜ん!!」
、真田、幸村までもがやってきた。

「皆、どうして・・・・・」
が不思議そうに問いかけると・・・・
「ふふっ・・・ファイナルに残ったからって聞いたから皆で応援に来たんだ」
幸村がそういい、穏やかに微笑む。
「精市君・・・」


は深呼吸をし・・・・

「ありがとう、皆。私、頑張るから!!」




『まもなく、歌部門のファイナルを開始します。出場選手は控え室にお戻り下さい』
会場内に、アナウンスが鳴り響く。


「じゃあ、行ってくるね!!」
はガッツポーズを皆に見せ、去っていった。

そして、歌部門のファイナルが始まる・・・・・・・・

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