ゴールデン・ウィーク・・・2人に2体の怪獣が襲い掛かる!?
Little Children
5/3 手塚家
今日は部活もないため、ゆっくりと睡眠をとっている手塚。
その手塚の部屋のドアが、ゆっくりと開いた。
ドアが開くと、小さな影が手塚に近づく。そして・・・・・・・・・・・
「くにみつお兄ちゃん〜〜〜〜!!」
なんと手塚の上にのしかかってきた。
手塚はその重さに、?マークを出しながら、手探りで眼鏡を探し始めた。
すぐ眼鏡を見つけ、掛けるとそこには1人の少女がにっこりと微笑んでいた。
「おはよっ、くにみつお兄ちゃん」
「雛子か・・・いつきたんだ?」
そう言いながら、起き上がり問いかける。
「え〜っとね〜〜〜、さっき〜〜〜」
あいまいな答えに、手塚は雛子を抱き上げベッドからおろした。
「雛子がいるとすれば、おばさんも一緒だな」
「うん。ママといっしょにきたよ」
「降りるぞ」
「お兄ちゃん、抱っこ〜〜〜」
そう言い、両腕を精一杯伸ばす。
その姿に手塚は、小さくため息をつき雛子を抱き上げ、下へと降りていった。
その頃・・・・・家では・・・
も久々の休みで、まだベッドの中だった。
ここにも1つの小さな影が・・・・に迫ろうとしていたのだ。
そして、手塚同様・・・・・・
「ねーちゃん!!おっきろ!!」
そう言うと、ベッドの上でピョンピョンと飛び跳ねだした。
「えっ・・・」
は寝ぼけたままで、眼鏡を掛けると1人の少年がに飛びついてきた。
「ねーちゃん!!」
「うわっ、稜くん・・・」
「ねーちゃん、あそぼっ!!」
そういい無邪気な笑顔をに見せる。
その笑顔につられ、も微笑み
「稜くん、ママと来たの?」
「うん。いま、なぎちゃんとおなはししてる」
「そう、じゃあひのきは?」
「ひのちゃんはまだ」
「じゃ、ひのきも寝てると思うから稜くん、起こしてあげて」
「は〜〜〜い」
そう言い、てくてくと向かいの部屋へと行き、ひのきも同様
ベッドで飛び跳ねられ、抱きつかれたのだった。
そんな姿には思わずクスッと微笑み、ひのきの部屋に入り、稜をつれ、下に降りた。
「国光。今から2泊3日旅行に行くから雛子ちゃんのお世話しっかりしてね」
「。悪いんだけど仕事休みに今から2泊3日の旅行に行くの。
稜くんの世話、しっかりね」
2人は下に降りた途端、両親と雛子、稜の母親にそういわれ、2人の手を繋いだまま、フリーズ。
「「どういうこと(ですか)!?」」
そして両親達の話に2人は納得し、幼いいとこを預かることになった。
「そうそう、ちゃん」
「なんですか?」
「稜の服、そろそろ色あせてきて新しくしたいの。このカード使っていいから、
ちゃん、選んでやってくれない?」
そう言いながら、稜の母親はにクレジットカードを渡した。
「解りました・・・」
「「いってらっしゃ〜〜〜い」」
こうして両家の大人たちは旅行へと出かけていった。
ついでに言うと、ひのきは不動峰の友達の所に泊まるといい、さっさと家から去っていった。
それではそれぞれのsideで見てみましょう。
―――手塚side
「くにみつお兄ちゃん。はやくあそぼうよ」
手塚の腕にぶら下がりながら、催促する雛子。
「ああ・・・何して遊ぶんだ?」
「う〜んとね〜〜〜・・・お人形さん!!」
お人形さん!?
お人形で遊ぶのは女の子にとって定番の遊び。
それに慣れてない手塚は、またもやフリーズしてしまう。
「雛子・・・それがやりたいのか・・・?」
「うん」
手塚は仕方なしに、お人形さんを手に持ち2人で遊びだした。
雛子はキャッキャッと言いながら、お人形を扱っていくが、手塚はなぜか眉間に皺を寄せていたのだった。
―――side
「さってと、稜くん。何して遊ぶ?」
は稜と同じ目線になるよう、屈んだ。
「え〜っと、こうえんいきたい!!」
「じゃ、行こうか」
「うん」
2人はスコップ等の遊具を持ち、近くの公園へと出かけた。
公園に着くと、さっそく公園においてある遊具で遊んでいる子どもたちのと、
子どもたちを見守るように、おしゃべりをしている母親たちの姿があった。
「ねーちゃん。すなばいこ!!」
稜はさっそくの手を引き、砂場へとかけった。
「はいはい・・・」
は稜に引かれるまま・・・
そして2人は砂場でスコップとバケツを使い、砂山を作り始めた。
山が出来上がると、次は、下からトンネルを掘り出す。
お昼になるごろには2人とも砂だらけになってしまった。
その頃の手塚たちは・・・
「くにみつお兄ちゃん・・・おなかすいた〜〜〜」
人形遊びにも飽き、時間的にもお昼に近かった。
「そうだな・・・母さん達がなにか・・・」
そう言いながら、台所に歩いていく。
冷蔵庫を覗いて見ると、
「なにもないな・・・・」
と呟く。
「なんにもないね」
雛子も手塚の前でひょこっと冷蔵庫の中を見る。
「どうするの?」
「そうだな・・・・買い物にいって・・・」
「くにみつお兄ちゃん、りょうりできるの?」
雛子のさりげない一言に手塚は3回目のフリーズ。
フリーズ中、手塚は母彩菜に言われたことを思い出した。
『もし、料理とかで困ったらちゃんにでも頼っちゃいなさい』
しかも、にっこりと微笑み顔で・・・・
そのあとのことであれこれと話題に・・・・
「仕方ないな・・・」
手塚は雛子を抱き上げ、2階に上り部屋に入った。
携帯を取り出すと、に掛け始める。
「おでんわするの?」
雛子の問いかけに、頷いた。
「稜くん。少し休憩しよ」
「やだ!!まだやるの!!」
そう言いながら、まだ穴を掘る。
がため息つくと、携帯がなり始めた。
♪〜〜〜〜〜〜
「あっ、誰だろ・・」
携帯のウィンドウを見ると『手塚国光』と表示されていた。
「国光・・・・はいっ」
は電話に出た。
『すまない、急に』
「ううん、どうしたの?」
が携帯で話しているのに気づいた稜は、興味心身にの会話を聞く。
『実は・・・・・・・・』
手塚は今の状況をに話した。
『出来ればでいい・・・助けてくれないか?』
手塚のあまりに聞くことのない言葉に、はクスリッと笑った。
「解った。じゃあ、今からおいでよ。その従兄妹ちゃん連れて」
『ああ』
そういい、手塚は電話を切った。
「稜くん、お家帰ろ」
「え〜〜〜〜!!まだやりたい!!」
「今からお客さんがくるの。お家で準備しなきゃ、ねっ?」
にそういわれ、不貞腐れながらもコクリと頷いた。
そして2人は公園を出て、家に向っていった。
「雛子、出かけるぞ」
「おでかけ、おでかけ」
手塚たちも、家の戸締りを確認するとの家に向っていった。
達は、家に帰ると砂まみれになった体を払い取り、お風呂場へと直行した。
「稜くん、いいこしててね」
はシャワーで稜の体を綺麗に洗い流し、自分の体もシャワーで洗い流した。
簡単に洗い流したら、すぐ出て綺麗な服に袖を通した。
「よし、これで終わり」
そう言い、2人はお風呂場から出た。
タイミングよく、家のチャイムが響き渡る。
「はーい」
が玄関に駆け寄りドアを開けると、手塚と話していた幼い少女が手塚と手を繋いでいた。
「いらっしゃい」
「すまないな・・・」
「いいのよ・・・今、家にも怪獣がいるから・・・」
そう言いながら、は少女と目線を合わせるため屈んだ。
「こんにちは」
が話しかけると、人見知りをしたのか手塚の後ろに隠れた。
「雛子!!」
「いいのよ、国光。怖がらなくても大丈夫」
そう言い優しく微笑むと、前に出てきた。
「雛子ちゃんっていうんだね。いくつ?」
雛子は不器用に3歳と指で表示しようとするが4本になったりしてる。
「3さい・・・」
「3歳か・・・家の稜くんも雛子ちゃんとおなじ歳なんだよ」
「りょうくん?」
「そう。男の子だけどね・・・さっ、上がって」
は2人を家の中に入ってもらい、リビングに案内した。
リビングに入ると、稜が待ちきれないかのように椅子に座りばたばたしてた。
「こら、稜くん。椅子でばたばたしないの」
「は〜〜〜い」
「国光も雛子ちゃんも座って。すぐ作るから」
「ああ・・・・」
は手際よく、昼食を作っていく。
「ねぇ〜〜〜」
稜が雛子に興味を持ったのか、話しかけだした。
「なぁに?」
「なまえなんていうの?」
「ひなこ・・・」
「おれ、りょう!いま、だいどころにいるのがねーちゃん」
「さっきおはなしした・・・」
「ねーちゃんはおれのさいこーのねーちゃんなんだ」
稜が自慢げにを評価すると、
「ひなのくにみつお兄ちゃんがいちばんだもん!!」
今度は雛子まで手塚を評価し始める。
「ねーちゃんがいちばんだ!!」
「くにみつお兄ちゃんがいちばんなの!!」
2人はどんどん張り合っていく。
「こら、稜くん。大声上げないの」
「雛子もいい加減にしろ」
2人の口論に終止符を打ったのは、手塚と。
「「だって〜〜〜」」
2人は頬を膨らませながら、不貞腐れる。
「雛子ちゃんも稜くんも私たちのこと大好きなことは前から知ってる。ねっ」
そう言いながら、手塚にも言った。
「そういうことだ・・・一番とか関係ない」
「でも・・・」
「これ以上、言うならお昼のラーメンなしでいいのかな?」
「「やだ!!」」
「だったらいい子にしてようね」
そういい、はまた台所に入っていった。
「はい、おまたせ」
の特性具沢山ラーメンを食していった。
食後の後・・・
「くにみつお兄ちゃん、ねむい・・・」
おなかもいっぱいになり、眠気が雛子に襲ってきた。
「ねーちゃん・・・ねむたい・・」
それは稜もおなじこと。
は2階のゲストルームを開け、2人をベッドに入れた。
ベッドに入ると、2人はすぐ夢の中に入っていった。
その姿に手塚とは微笑みあい、ゆっくりと部屋を後にした。
「寝顔はかわいいのにね・・・・」
「そうだな・・・起きているとあんなに賑やかだからな」
「でも、まさかこんな偶然があるなんてね・・・」
「ああ・・・そういえばひのきはどうした?」
「・・・・・・・不動峰のときの友達の所に泊まりにいった・・・多分、子守から逃げるためね」
「あいつは・・・」
「毎回のことだから、もう・・・」
手塚とは下に降り、リビングでくつろいだ。
「ということは、今日から3日間雛子ちゃんと2人きりなんだ・・・」
「ああ。お爺様も柔道の稽古で泊まりだしな・・・」
「お昼は何とかなったけど、夜や明日はどうするの?」
問いかけに、手塚は何も言えなかった。
そして手塚は考えれば、考えるほどに深いため息をついた。
「よかったら、この3日間ここにいる?」
「・・・」
「私も稜くんと2人きりだし・・・」
「迷惑ではないのか?」
「そんなことない。私的には大歓迎だけど・・・」
そう言い、は手塚の肩に頭を乗せた。
「ありがとう・・・」
手塚はお礼をいいがてら、腕をまわし頭を撫でる。
「荷物を取りに行かなくてはな・・・」
「今のうちに行ってくる?雛子ちゃんも寝ているし・・・」
「そうだな・・・」
手塚は立ち上がり、玄関に向った。
「すぐ帰ってくる・・・雛子が起きた時は頼む」
「解った・・・はいっ、自転車の鍵。こっちの方が早いでしょ?」
「すまないな」
鍵を受け取り、手塚は自転車に乗り一路、自宅へと向っていった。
「さってと、2人が起きるまでに作っちゃお」
は手塚を見送ると、台所に入り何かを始めだした。
自転車で自宅に戻った手塚は、2人分の着替えと雛子のおもちゃを用意しバックに詰めていた。
「一応知らせたほうがいいか・・・」
手塚は電話を掛け始め・・・
「すみませんが、そちらに手塚彩菜が宿泊していると思うんですが・・・」
『はい、手塚様ですね。どのような御用で』
「申し訳有りませんが、つなげてもらえませんか?息子の国光といえばわかると思います」
『少々お待ち下さい』
暫くすると、母彩菜が出てきた。
『どうしたの?』
「すみません、急に・・・今から雛子との家に泊まりに行きます。
一応、知らせておこうと思って・・・」
『そう・・・ちゃんによろしく伝えておいて』
「解りました。それでは・・・」
電話を切ると、手塚は急いで荷物を持ちの家へと向かっていった。
一方、は・・・
「よし、後は冷蔵庫で固めるだけ・・・」
冷蔵庫に収めると、2階が気になるのかエプロンを取ると上へと上がった。
「う〜ん・・・くにみつお兄ちゃん・・・」
雛子が目を擦りながら目を覚ました。
だが手塚の姿がないのに、不安を抱きはじめた。
周りをキョロキョロ見てみると、隣に稜が寝ている。
「りょうくん・・・」
雛子が稜をゆさゆさと揺らし、起こし始めた。
「・・・・・ひなちゃん?」
「お兄ちゃんたちがいない・・・」
稜も起き上がると、がいないことに気づく。
「ほんとうだ・・・ねーちゃんもいない」
手塚とがいないことに、更に不安がこみ上げていく。
もう泣きそうになったとき、ドアが開いた。
「あっ、雛子ちゃんと稜くん。起きちゃった?」
が来た。
「ねーちゃん」
「おねーちゃん」
2人は寂しさのあまり、に抱きついた。
「どうしたの?2人とも」
だが2人は何も言わず、にしがみつく。
それは寂しさの表す。
「寂しかった・・・?ゴメンね、側にいなくて」
は2人の頭を優しく撫でる。
「その姿を見ると、母親だな」
その声にが振り向くと、荷物を持った手塚がいた。
「国光・・・お帰り」
「ただいま。玄関で声かけたんだが返事がなくてな」
「そうだったの?」
「ああ・・・」
「くにみつお兄ちゃん!!」
雛子は手塚の足にしがみついた。
「どうした・・・」
「どこいってたの?」
「荷物を取りにいってたんだ」
「にもつ?」
雛子が?マークを出すと、
「今日から3日間、国光と雛子ちゃんはここでお泊りするんだよ」
がそういうと「おとまり?」とまた言ってきた。
「そう。私と稜くんも2人だから・・・今日から4人で過すんだよ」
「ほんと?」
「うん」
「わーい。りょうくん、あそぼ」
「うん」
2人はベッドに上がり、ピョンピョンと飛び跳ね始めた。
「「こら!!」」
手塚とは2人を抱き上げ、ベッドから下ろした。
もう、その姿は父親と母親・・・・・
こうして1日が過ぎていったのだった。
next
Dream Topへ戻る