ホワイトデー・・・・すっかり忘れていた。
手作りを君に・・・
中等部を卒業し、暫しの休み。
休みといわれても手塚は何もすることもなく暇をもてあましていた。
そのとき、不二からの電話があり街へと出た。
何の用かと思えば、ホワイトデーに彼女達に上げるものを買うらしい。
「手塚、ちゃんとお返しとかしてるの?」
「さんばかりに貰ってばっかりじゃダメだにゃ〜〜」
不二と菊丸にダメだしをされ、手塚ものために何かを買うことを決めた。
その後すぐに大石も合流した。
大石の事情は知っている手塚。
そのことで街のど真ん中で話していると、聞き覚えのある声がした。
だ。も春菜のことを気にしていたのか、いろいろとアドバイスをしていった。
「買い物か?」
「うん。新しい楽譜を取りにね。あっ、もう行かなきゃ。それじゃーね」
そう言い、はすぐ去っていった。
「さすが女の子だね。愛香に僕の気持ちをあげるとしようかな?ホワイトデーは」
「でも〜、俺にあげるもん考えてるし〜〜」
「それはそれでいいんじゃない?」
「だよね〜〜。手塚はどうすんの?」
「さんのあの言葉を聞いてどうする迷ってるでしょ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
手塚は何もいえないまま、ずっと考え込んでしまった。
“気がつけばがいつも俺に何かをくれてたな・・・
お返しか・・・・”
手塚はそのまま買い物をせず、家に帰った。
食事時・・・今日は手塚の父も祖父も不在のため、母と手塚の2人で食事をしていた。
だが、手塚は食事をしながらでも、お返しのことで頭がいっぱいだった。
「国光、どうしたの?」
さすがにおかしいと思ったのか母、彩菜が問いかけてきた。
「いえ、何も・・・」
手塚はポーカーフェイスを保ち、そう答えるが、
「いいえ、何かあったでしょ?母さんに話してくれない?」
と常に手塚の表情を読み切ってる母だ。
手塚はため息をつき、今日のことを母に話した。
「そう・・・それで国光はちゃんに何かあげたいのね?」
「はい。ですが、が喜ぶものが・・・」
「ちゃんだから、何でもいいと思うわよ」
「?」
「貴方から貰えるんですから。それだけで嬉しいはずよ」
「はぁ・・・」
「まぁ、ホワイトでーにクッキーやマシュマロをお返しにするのは多いから、
思い切って作ってみる?」
「俺が・・・・」
「手作りなら愛情もこもってるし、どうかしら?
母さんも手伝うから」
ねっ!?とにっこり微笑む母に、手塚もコクリと頷いた。
そして夜な夜なに手塚と母はクッキー作りに励んでいった。
そして14日。
前日に手塚はに連絡し、午後3時に公園で会うことを約束した。
約束10分前に手塚は公園に着いたが、すでにがもう着ていたのだ。
「ずいぶん早いじゃないか」
「あっ、国光」
「お前より早く着いておくつもりだったんだが・・・何だか悔しいものだな」
手塚の姿にはついクスクスと笑ってしまう。
「何を笑っている?」
「ゴメンゴメン・・・国光がそんな事言うなんて思わなかった・・・」
と言いながらもクスクスと笑っている。
「笑うな・・・」
手塚はの姿に気が触ったのか、眉間に皺を寄せていた。
「ゴメン・・・で、用ってなに?」
「ああ、これを渡そうと思ってな」
手塚は綺麗にラッピングされた袋を渡した。
「ありがとう。開けていい?」
「ああ」
はリボンを解き、中身を見る。
「・・・・・・クッキー。しかも市販じゃないよね・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「まさか・・・手作り?」
の問いかけに手塚は顔を赤くし照れた。
手塚の顔を見たは、にっこりと微笑み、クッキーを1枚口の中に入れた。
「美味しい!!」
「そうか・・・」
「うん。これ、国光1人で作ったわけじゃないんでしょ?」
「ああ、母さんに手伝ってもらった」
「そうなんだ・・・おば様にもお礼言わなきゃね」
「・・・・」
「なに?」
「・・・・いや、なんでもない」
「何それ・・・」
「まだ時間があるな。どこかに行くか?」
「うん」
それから2人は街へと出かけていった。
はい、久々の個人夢・・・まず、これは本当に手塚なのか?って感じですね。
我ながら・・・手塚の手作り・・・・欲C〜〜!!
でも形は凸凹かな?
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著者:瀬川音符
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