これは1本の電話から始まった。
仕組まれた出来事
時は3月下旬に入ったある日のこと。
達、卒業生達は次の高校のための準備に覆われている。
そんなある日のこと、久しぶりに皆揃って高等部の制服を取りに行った。
だが、そのなか河村だけがいない。
彼は、店の仕事で業者に届けてもらうようになっていたからだ。
「でも、タカさんが一緒できないって寂しいな」
いつもいたダブルスパートナーだった不二は少し寂しげにそういう。
「仕方ないよ、周助君。河村君が選んだ路だもん」
不二を励ますようにがそういう。
その言葉に不二も明るさを取り戻した。
「だけど、この人数はちょっと・・・・」
がこのメンバーは多いんじゃないの?と思いながら言うと・・・
「いいじゃ〜ん。俺ら、いつも一緒だったし(抱き)」
と抱きつきながら菊丸がそういう。
「それにしても大石は上手くいったんだな」
ただいま一人身の乾はデータ帳に記入しながらそういう。
「乾・・・まさかとは思うが、のデータまで入っているんじゃないよな・・・?」
乾に問いかける大石。だが少し胃の方を押えながら・・・・
「抜かりはないさ・・・」
「乾先輩のそのノート、見てみたいです〜!!」
小さな身体で乾にいう。
「ダーメ」
「それにしても越前君、背伸びたね」
いつの間にか同じ目線になっていることに気づいた。
「まだ伸びるっスよ・・・近頃、間接痛くて・・・」
「あ〜あ、今度はリョーマに見下ろされるのか・・・」
「別にいいじゃん・・・」
計、11人が制服業者の店へ行き、9人が制服を受け取った。
「これで後は入学説明会だけね」
「ああ・・・・」
と手塚が話していると、携帯がなり始めた。
♪〜〜〜〜〜〜
「じゃないのか?」
「そうみたい・・・はいっ!」
はそのまま電話に出た。
『あっ、?もう制服取りに行った?』
「ママ・・・今、受け取った所。どうしたの?」
『今、国光君と2人だけ?』
「ううん・・・達も一緒だけど・・・」
『全部で何人いる?』
の母、凪にそういわれ疑問を持ち始める。
「どうしてそんな事聞くの?」
『あとで教えるから・・・何人いるの?』
「11人」
『男の子もいる?詳しく教えて!!』
「男の子は国光入れて6人。女の子は5人よ」
がそういうと、電話の向こうで『よしっ』という母の声が聞こえる。
「ま・ママ・・・?」
『、ママの事務所知ってるわよね?』
「う・うん・・・」
『全員連れて、事務所に来て!!』
「えっ!?」
『お願いね〜〜〜〜!!』
そう言い電話を切られた。
「ちょっと・・・ママ!?」
は携帯を持ったまま、唖然とする。
「どうした?」
唖然とするに手塚が問いかける。
「う〜ん・・・なんかまた何かがありそう・・・」
「?」
「行くしかないのかな・・・」
「おい・・・」
手塚の問いかけを全く聞いてないのか、はずっと独り言を言っている。
「!!」
手塚は怒鳴るように名前を呼ぶ。
「なに?」
「俺の質問に応えろ!何があった?」
「実はね・・・・」
はさっきの会話を手塚に話した。
「そうか・・・」
「パパ同様にママも何か考えてそうだったし・・・どうする?」
「あいつらに聞くか?」
「それが一番ね・・・」
2人は9人にこのことを話すと・・・・
「はいは〜い。俺、行って見たいにゃ〜」(菊丸)
「僕も興味があるな」(不二)
「確かのお母さんって・・・ウェディングドレスのデザーナーだったよね?」()
「ウェディングドレス!?」()
「あたしも行きたい!!」()
「私も行ってみたいです」()
「だけど、なんで俺たちが・・・」(大石)
「さぁな・・・だがいいデータが入りそうだ」(乾)
「だそうだ・・・」
手塚はみんなの意見にそう言った。
「仕方ないか・・・何があるか知らないけど行こう」
はため息をつき、皆を事務所に連れて行った。
着いた場所は、いたって普通のビル。
について、彼らはビルの中に入る。
「すみません。○×の凪を呼んでもらえるでしょうか?」
『少々お待ち下さい』
がフロントで母を呼び出してもらうと、嵐がきたように母が現われた。
「ママ!一体どういう・・・・」
が言いかけると母は即座に彼らを見回しはじめた。
「う〜ん・・・容姿等はOKね・・・うん、皆いい顔ぞろいじゃない」
を無視し、何かを確信した母。
「もう、ママってば!!」
「ゴメンゴメン。皆、合格ね。これより皆をモデルにしちゃいま〜す!!」
「「「「「「「「「「えっ!?」」」」」」」」」」
母の発言に皆同時に声をあげる。
「どういうこと!?説明して!!」
が声を張り上げ、母に問い詰める。
「実は・・・春の新作、モデルが急に休んじゃって・・・ねっ、協力して?」
「なんで最初に言わないの・・・?」
「だって〜〜、のことだから『却下!!』って言われそうだし・・・」
母の言葉には下に俯いた。
「ちゃ〜〜ん!!お願い!!」
母はに頭を下げる。
さすがにも諦めたらしく、「解った」といった。
「もちろん、国光君もね。お願い、協力して」
「・・・・・・・・・・はい・・・・」
「おばさん、モデルってことはウェディングドレス着れるんですか?」
が問いかけると、母は親指を立て「もち!」といった。
その言葉にを除く彼女達はキャ〜〜〜と嬉しがる。
結局、不二たちもモデルになることを了承した。
「それじゃ、決まりね。国光君とちゃんは知ってるけど・・・名前と年齢、教えてくれる?」
母の言葉に彼らは自己紹介をした。
「不二周助です。さんと同級生です」
「です。同じく同級生!!」
「菊丸英二です。俺も同級生!!」
「です。ちなみに3年のときと同じクラスでした」
「大石秀一郎です。俺も同級生です」
「乾貞治です。俺も不二たち同様同級生です」
「越前リョーマ。俺は4月で中2・・・」
「です。私は越前と同級生で〜す」
「なるほど・・・越前君とさん以外はみんなと同級生なのね!?
さっ、時間もないからさっさとやっちゃいましょう!!」
パチンッ!!
母が指鳴らしをすると、スタッフが何人か出てきた。
「それじゃ、指示したとおりに!」
「「「はい、先生」」」
スタッフ達は男女別れさせ、控え室へと連れて行った。
「さぁ、ショーの始まりね」
母はそういい自分の持ち場に戻っていった。
連れて行かれた男性陣・・・・・
『それじゃ、まずはメイクをするから椅子に座って』
スタッフに動かされるまま、彼らは椅子に座る。
そしてメイクが開始される。
時間もないので1人に1人といったように、マンツーマンでメイクが進んで行く。
『それにしても皆、カッコいいわね』
「そうですか?」(不二)
『結構、人気とかあるんじゃないの?』
「俺はともかく手塚や不二、英二は・・・」(大石)
「いや、大石にもFCはあるぞ」(乾)
『FCまで出来てるんだ〜〜』
「まぁ〜ね〜。でもがいるのにひ〜つこいんだにゃ」(菊丸)
『もしかして皆、彼女もち?』
「乾先輩以外ね・・・」(越前)
『ねぇ、凪先生・・・あっ、先生ね。先生のお嬢さん・・・
ちゃんだっけ?5人の誰かとくっついてるの?』
スタッフの問いかけに手塚以外の5人が手塚を指差す。
「・・・・・・・・俺です・・・」(手塚)
そんなわきあいあい状態でメイクは進んでいった。
メイクがすむと、母が入ってきた。
「く〜にみつ君!!」
猫撫で声で手塚の名前を呼ぶ。
「なんですか?」
「君、今日はコンタクトね」
「・・・・・・・・・・・・・・・ですが・・・」
「大丈夫よ。ちゃんと用意してるから」
極上の微笑をしながら、コンタクトをスタッフに渡す。
「あと、乾君だっけ?君、視力どれくらい?」
「今の視力は・・・・」
乾は自分のデータを述べるように話す。
「それくらいならサンプルがあったわよね?」
『はい、ソフトとハード。両方あります」
「じゃ、決まり。乾君もコンタクトね」
そう言い、母は控え室から去った。
「へぇ〜、手塚と乾がコンタクト・・・楽しみだな(にっこり)」
「さん達、吃驚するだろうにゃ〜〜」
「頑張って下さいね、先輩たち・・・(ニヤリ)」
「おいおい・・・」
一方、彼女達もメイクを済ませ、衣装に着替えていた。
タキシードとは違い、ウェディングドレスは着るのに結構時間が掛かる。
メイクは彼ら同様、マンツーマンでやっていたが、着付けは1人にスタッフ全員で取り掛かっていた。
2時間掛りで彼女たちの変身は終了した。
それとともに母、現われる。
「うん、よく似合ってる〜〜」
にっこり顔で彼女達を見る。
「あっ、そうそう。、あんたはコンタクトするのよ!!」
「と言われても・・・持って来てない・・・」
「安心しなさい。ここにあるから」
そういい、の眼鏡を取り上げコンタクトを入れた。
「よし、これで準備OK!!撮影現場に移動しましょう」
母の言葉とともにスタッフは彼女たちのサポートをしながら移動し始めた。
「でも久々だね。の素顔」()
「なんでコンタクトにしないの?」()
「それにはふか〜〜〜い事情があって」()
「なになに?」()
「教えて欲しいです〜」()
「こ・今度ね・・・」
彼女達が現場に着くと、2人の男性が待っていた。
「やぁ、」
「せ・精市君!?」
「久しぶりだね」
そう、現場にいたのは手塚たちじゃなく立海大の部長(いや元)幸村精市だった。
もちろん、彼も白のタキシード姿。
「どうして・・・・」
「叔母さんに頼まれたんだ。俺ともうひとり連れてきてくれって。
だからブン太をつれてきたんだ」
「シクヨロ!」
達が話していると、タキシード姿の手塚たちも現場にやってきた。
「vvよく似合ってるよ」
「ありがとvv周助君もカッコいい」
「うにゃ〜〜、、カワイイにゃ〜(抱き)」
「はいはい・・・英二も似合ってるよ。だから抱きつかないで」
「秀ちゃん、カッコいいよ」
「そうか・・・も似合ってるぞ」
「似合ってんじゃん・・・」
「ありがと。リョーマもカッコいいよ」
「ところでと一緒にいるのは立海大の・・・」
「幸村か?」
「どうやらそうみたいだな」
手塚はに近づいていった。
「でも、よく似合ってるよ」
「ありがとう、精市君も似合ってるよ」
2人が話しているところに手塚が声を掛けた。
「・・・」
聞きなれた声が聞こえ、は振り向き
「国光!」と言った。
だが次の瞬間、は口を抑えながら驚いていた。
それもそうだろう。
素顔の手塚を目の当たりに見てしまったのだから。
「どうした?」
「カッコいい・・・クリスマスもそうだったけど、コンタクトにしたの?」
「ああ・・・」
「もしかして、青学の手塚かい?」
幸村が手塚に話しかけた。
「久しぶりだな、幸村」
「眼鏡掛けてないから、解らなかったよ」
「そうか・・・それより・・・」
手塚は幸村を凝視する。
「なんだい?」
「国光?」
「何故、幸村がここにいる?」
手塚の問いかけににっこりと微笑み、答えた。
「叔母さん・・・あっ、のママに頼まれてな。ブン太と一緒に来たんだ」
「そうか・・・」
「そんなに気になるかい?と俺の関係?」
幸村はそう言い、手塚ににやりと見つめる。
その姿に手塚は眉間に皺を寄せる。
「気になるんだ・・・」
「だったらなんだ?」
幸村はクスリと笑い、こういった。
「俺とは従姉弟だよ。大丈夫、恋愛感情とかはないからさ」
そういいブン太のところへと戻っていった。
手塚はすぐにまた問いかけた。
「幸村と従姉弟なんだってな?」
「う・うん・・・ママの旧姓『幸村』だもん・・・」
「そうか・・・よく似合ってるぞ」
「ありがと」
それから撮影が行われた。
もちろん、それぞれのカップル同士で。
だが余っている乾に幸村、丸井はとあわせて撮影されていった。
ときには彼女達だけでブーケを投げるシーンとかも撮っていった。
「それじゃそれぞれラストシーン、行こうか!!」
まずは不二たち。
好きなようにやっても言いといわれていたので
「それじゃ、行くよ。」
「うんvv」
不二がの頬にキスをし、それをカメラに収められた。
次は菊丸たち。
「、やって見たいことあるんだよね〜〜」
「なに?」
「あんね〜〜」
菊丸はに小さな声で話すと、「え〜〜〜!!」と声をあげた。
「問答無用!!」
そう言い、を抱き上げた。
いわゆるお姫様抱っこvv
もちろん、その姿もカメラの餌食に・・・
次は越前たち。
「椅子、使ってもいい?」
『ああ』
越前は椅子を持ってきて、を座らせた。
「覚悟してよね、」
「リョ・リョーマ?」
越前はふいにのおでこにキスをした。
この行為には顔を赤らめる。
その瞬間にカメラのシャッターが・・・
次は大石たち。
「秀ちゃん、抱っこ!!」
「仕方ないな」
大石はを抱き上げ、『たかいたかい』状態にする。
見た目は兄妹に見えるが、それもカメラに収められた。
幸村、丸井、乾はパートナーがいないのでラストはなしとなった。
そして最後、手塚たちの番。
「どうする?」
「そうだな・・・」
2人は悩み始め、暫しの沈黙が流れる。
そして結論を出さない2人に、母が
「そんなに考えるんなら、バージンロードでキスしちゃいなさい!!」
と言い切った。
その言葉に2人は顔を真っ赤にするが、自分達で決めれない以上従うしかなかった。
「なんだか本当に結婚式みたい・・・」
「ああ」
そして自然と2人の唇は重なり合った。
そのシーンをしっかりとカメラが収めた。
こうして長い1日が終わった。
ちなみに撮った写真達は、4月号のブライダル雑誌に掲載された。
「彩菜さん。お約束通り、やらせましたよ>m<」
「ありがとうございます。やっぱり似合うわね〜」
あとがき・・・
はい、どこから突っ込みましょうかね・・・これはずいぶん前から考えてた話なんすよ・・・
瀬川の母とこういう話になって、構成が出来たというところです。
初!!ブンちゃ&幸村君ですよ。出したかったんだ〜〜この2人。
本当は真田に・・・とも思ったんですけど、やっぱブンちゃだねvv
親父顔よりカワイイ方に限るよ、うん。
結局はラブラブ〜〜って感じですけどね・・・
さてさて、本格的にこの中学生物語の執筆はここまで。
次からは高1物語が4月より掲載していきますので、楽しみにしていて下さい。
これで中学掲載は終わりか・・遅かったようで早かった・・・
このドリームに関するご意見、ご感想等をBbsにて受け付けています。
気軽に書き込んでいってください。よろしくお願いします。
著者:瀬川音符
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