ついに頂上決戦が始まる・・・・・・・・







青学の柱







シングルス2の試合が終わり、いよいよシングルス1の試合が始まろうとしていた。
アップから返ってきた手塚君。

「ベンチコーチは引き続き、越前に頼む」
「ウィーッス」


そして氷帝側から跡部君が登場してきた。



『氷帝、氷帝、氷帝、氷帝、氷帝、氷帝、氷帝、氷帝・・・・・・・・』
氷帝コールとともに。

跡部君が上に向って指を指すと
『跡部、跡部、跡部、跡部、跡部、跡部、跡部、跡部・・・・・・・・』
跡部コールになり、更に横に振ると
『勝つのは氷帝、勝つのは氷帝・・・・・・・』
次はラケットを横に振ると
『勝者は跡部、勝者は跡部・・・・・・』
ドンドンコールが変わっていく。
そして、腕を両方振ると
『勝つのは氷帝、勝者は跡部・・・・・・・』
そのコールが暫く続き、最後に
『勝つのは氷帝、勝者は・・・・・』


パチンッ!!


跡部君が指を鳴らすと、周りが静かになり、ジャージを脱ぎ

「俺だ!!」

その声とともに歓声が上がる。




歓声の中、私は手塚君を呼んだ。

「手塚君・・・・・・」
「どうした」
「頑張ってね・・・・・・」
「ああ、行ってくる」
そういい手塚君は私に羽織っていたジャージを渡した。



彼らはネットを挟み拳を軽く当てていた。

「もういいのか」
「ああ、満足だ」



そして試合が始まった。



『ザ・ベスト・オブ・ワンセットマッチ、氷帝跡部、トゥサーブ!!』

コールがなった。





「お前とは初対戦だな」
「あ〜ん、お前が避けてたんだろう?行くぜ!」

跡部君がサーブを放った。
暫くラリーが続き、跡部君の打ったボールがネットに当たり、そのまま落ちそうになったが、
手塚君が何とか相手コートに返したが、ドライブボレーで難なく打ってきた。
手塚君は腕を伸ばし、ラケットに当てたが、ボールの威力が強く弾き飛ばされた。


「手塚君・・・・・・・」(
「うそ・・・・・・」(
「あの手塚君が・・・・・・」(
私達は唖然としていた。



「俺様の美技に酔いな」
氷帝側から歓声が上がる。




「どうした、手塚よ。スピード落ちたんじゃねーか?」
「いいドライブボレーだ」
「そうかい、ありがとうよ・・・・・次、行くぜ!!」


跡部君がサーブを放った。
暫くラリーが続き、今度は手塚君の打ったボールがネットに当たった。
そしてそのまま相手コートに落ちていったが跡部君は返してきた。
手塚君がドライブボレーの体制に入った。

「手塚君、さっきのお返しをするつもりだ」(

そしてドライブボレーを打った。
だが跡部君は両手のバックハンドで返し、またラリーが続く。

ラリーの中、私はふと手塚君を見た。
彼は徐々に移動距離が短くなっていた。
そしてその場所から動かなくなった。
逆に走らされているのは跡部君のほうだ。


「手塚ゾーンだ・・・・・・・」


彼の手塚ゾーンを見るのは初めてだった。
乾君が解説している間もずっと手塚君に見入ってしまう。



『15−15』



跡部君が不意に笑い始めた。
「やるじゃねーのよ、手塚。そんな腕で・・・・・・」



跡部君の言葉に周りがざわめきだした。


「う・腕??」(
「一体どういうことなの?」(
、知ってる?」(
「ううん、知らない・・・・・・」(

そう私は全く知らなかった。
そのときとっさに大石君が叫んだ。

「いや、手塚の肘はもう完治している!!」
「なるほど、肘なわけね・・・・・」
跡部君はニヤリと笑い、大石君は『しまったっ』と言う顔になった。
そんな大石君に桃城君が問いかけた。
「大石先輩、本当なんですか?」
「すまない、手塚は確かに最近まで肘を痛めていたんだ。・・・・・・・・・・」
大石君は内緒にしてほしいと頼まれ、黙っていたことを離した。

「でもなんで肘を??」(
の問いかけを大石は語り始めた。
「2年以上も前のことだ。まだ俺たちが中学に入学した頃だ・・・・・・・」
大石君の話を聞き、私は思い出した。




(あの時だ・・・・・・・あの時、先輩に・・・・・・)



大石君の話がその話に入った。
私は意を決して、話に出た。
「大石君・・・・・それって、あの時先輩にラケットで・・・・・」
私が話し出すと大石君は驚いた顔をした。
さん、知っていたのか・・・・・」
「うん・・・・・あの時、そこにいたから・・・・・・」
つかさず、達も話しに入ってきた。
「それって、あれだよね・・・・・」(
「思い出した!あのとき、話してくれたよね」(
「うん。でもあれって打撲だったんじゃないの?」(
の言葉に大石君が再び、語り始めた。

「ああ。あの時はすぐに痛みも引いたんだ。しかし、腕に違和感が出始めたのは昨年の秋頃。
 とにかく手塚の練習量は半端じゃない。毎日のハードなトレーニングや、零式ドロップ、
 それらによって人一倍、筋肉疲労が蓄積されていたんだ。
 そして古傷とあいまって完全に痛めてしまってたんだ」




そんな話をしていると、手塚君がドロップショットを決めた。



「零式か・・・・・」




『ゲーム青学、手塚!1−0』


「遠慮するなよ跡部。本気でこい!」



そしてゲームは続いた。



『ゲーム青学、手塚!3−2 チェンジコート!』



「完治してるんだね」(
「ホント、あのナルシー君の言ってることに少しビビッタもん」(
「ナルシー君か・・・・跡部にぴったりだね」
「うんにゃ、その通りだにゃ」
私達に話に入ってくる不二君と菊丸君。
「大丈夫そうだね・・・・・??」(
が私に問いかけてきた。
「でも・・・・・何かがあるかもしれない・・・・・跡部君だって並みの選手とは違う」(
「そうだね。跡部も手塚と同様、全国区だ。油断はできないよ」

菊丸君がベンチに座っている2人を見て、桃城君に話しかけていた。
「おい、桃。それにしてもあの2人・・・・・」
「会話なしかよ」

不二君はクスと微笑み、大石君はため息をついていた。

「リョーマ・・・・・」(
「ベンチコーチになってないよね?」(
「うんうん」(



試合は進んでいく。


ラリーが続き、手塚君がロブを上げた。
スマッシュが来ると思ったが、普通にリターンしてきた。


「この試合、まずい」
いきなり不二君が呟いた。
「不二、お前もそう思うか・・・・・」
私には一体何のことなのか、分からなかった。


ラリーをしながら跡部君が語り始めた。
「確かに肘は完治したかもな、手塚・・・・あの零式、完璧だったぜ。
 怪我した肘じゃ、あんなドロップショットはまずは打てねー。
 だが、その肩はどうだ?俺には見える。」

そして跡部君のリターンで手塚君のラケットをはじき飛ばした。



『0−15』



またラリーが続く。






また不二君が語り始めた。
「跡部は、わざと試合時間を延ばしている・・・・」
私はとっさに不二君に問いかけた。
「試合時間延ばしている?何故??」
「持久戦で手塚の腕を潰す気だ・・・・・・」
その言葉に唖然としてしまった。
「で、でも周助君。手塚君の肘は完治してるはずじゃ・・・・」
愛香がそう言うと、大石君が話し出した。
「手塚の肘は完治している。だが、手塚にとって持久戦が腕に何らかの悪影響があれば、
 長時間のプレイは命取りだ」
私達はじっと手塚君を見入ってしまう。




ラリーを続けながら、跡部君がまた語り始めた。
「貴様の肩は、もって1時間もすれば限界だ。このゲーム、完全に俺が支配した!」







「手塚君・・・・・・・・」

焦って攻め急いだら、隙が出る。でもあの跡部君は、それを見逃さない。
彼も手塚君同様、全国区。






私はただ見ているだけ・・・・・・・・・







まだまだ激しいラリーは続いた。






「あえて持久戦に望むのね・・・・・・」
私は小さく呟いた。
試合の中で手塚君の思い、『全国へ行く事』・・・・・少しずつ伝わってくる。






そして試合は続いた。


『ゲーム青学、手塚!6−5』




「やった!後ワンゲーム!!」(
「凄い凄い!!」(
「でもワンセットマッチでこんなに長いなんて・・・・・」(
「うん・・・・・」(






サーブを打った手塚君。この終盤にきてあのコントロール・・・・・・
なんて人なの・・・・・・
そしてリターンで仕掛けた。ボールはライン上、それも外側へ逃げるボール。
だが跡部君は追いつき、返す。
それをロブで上げた。
跡部君は前に走りジャンプし、スマッシュを打つ。
手塚君のグリップめがけて・・・・・・
手塚君は何とかラケットに当てていた。
だが次のスマッシュを打つ跡部君。
だけどボールは、手塚君のもとへと行く。


「手塚ゾーン・・・・・・」
スマッシュのリターンで手塚ゾーンを繰り出し、そしてドロップショットで決めた。





そして『40−0』になり、あと一球・・・・・・
あと一球でこの試合が終わる。





手塚君がボールを上げ、ラケットを上げようとした時・・・・・・
起こってほしくないことが起きた。
とうとう、肩に限界が来て手からラケットを落としてしまった。
そしてそこに蹲り、肩を抑えている。


「「「あっ!!」」」


私は唖然とただただ見ているだけ・・・・・・・

「て・手塚君・・・・・・」


大石君たちが手塚君に駆け寄ろうとした時、

「来るな!!戻ってろ、まだ試合は終わっていない」
そういって、1度ベンチの方へ戻ってきた。


皆が手塚君を試合を棄権するようにいうが、彼は全く聞いていなかった。
そして肩の調子を見る。

彼が審判のとろこに行こうとする。
私はとっさに彼を呼び止めた。


「手塚君!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
私は彼をじっと見て、彼も私を見る。
彼は止めるなという雰囲気を出していた。それに気づいた私。
「大和先輩との約束、果たすつもりなの?」
手塚君はじっと黙っている。
私はため息をつき、手塚君に言った。



「やるのね?」


いきなり応援サイドのほうから『青学〜〜〜〜!!』という声が上がった。
その声は河村君。青学旗を振りながら、応援している。
腕のほうは大丈夫見たい・・・・・


その中越前君がベンチから立ち上がり、
「俺に勝っといて、負けんな」
といった。


「俺は負けない」
手塚君もそういった。

そしてコートから去っていった越前君。







試合が再開された。




そして『6−6』になり、タイブレーク突入した。



跡部君のサーブにリターンエースで決める手塚君。
次は手塚君のサーブ。やっぱり肩はあがらなく、跡部君にリターンエースを取られる。

「あのサーブじゃ、決められないよ」(
「うん・・・・もしレシーブだけでポイントが取れないとしたら・・・・・」(
「圧倒的にふりだよ」(
「手塚君・・・・・・・頑張って」(
もう私には祈ることしが出来ない。そして試合を見届けるしか・・・・・・



そして、終わりないタイブレークが続く。












『35−36 氷帝跡部リード』


そして熾烈なラリーが続く。






『37−36 青学手塚リード』







「手塚の肩はもう上がらないはずなのに・・・・・・・」
私達は手塚君をただただ見ているだけ



「ねぇ、。止めないの?」(
「そうだよ、もう止めようよ」(
ってば!!」(



「止められると思う?手塚君が・・・・・跡部君が・・・・・2人がテニスを通して魂をぶつけ合っている。
 見て分からない?この試合はもう誰にも止められない・・・・・・・」



ラリーの中手塚君が仕掛けた。零式ドロップショット。
跡部君は前へ走った。そしてボールは落ち、バックスピンで戻ると思ったが、そのまま跳ねてしまい、
跡部君のラケットに当たった。でも確実に返したわけじゃない。
でも打球は手塚君のもとへ帰っていく。手塚ゾーン・・・・・・
そしてリターンした・・・・・・・・・・・・・けど・・・・・・・・・・・・・ネットにかかり、そのまま手塚君のいるコートへ落ちた。







『ゲームアンドマッチ氷帝、跡部!7−6』







手塚君が負けた・・・・・・・・
2人はネットを挟み、握手を交わす。そして跡部君が腕を上げた。
歓声が上がる。



コートから離れた場所に手塚君はいた。

「手塚君、お疲れ様」
私は手塚君のところへいき、タオルを渡した。
・・・・・・・・・・・・・」
「カッコよかった・・・・・」
「だが・・・・・」
「悔いはないんでしょ?」
「ああ」
「ならいいじゃない・・・・・・・・」
私はとっさに手塚君を抱き締めた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ほ・本当はね、止めたかった・・・・・あのまま手塚君が壊れるんじゃないかって思って。
 でも、手塚君の思いを知っていたから・・・・・・・だから・・・・・・・」
私は泣きながらそういった。
手塚君は私の腕の中でこういった。
が止めてくれなかったお陰で、俺は頑張れた。ありがとう・・・・・だから、泣くな」
「国光・・・・・・・・・・・・」
私達は暫く抱き合っていた。




そして控え選手、越前君の試合を見るためコートに戻った。


お久しぶりです。やっと、書けた!!手塚VS跡部!!
話が今回は長い、長い!!アニプリ『青学の柱になれ!〜終わりなきタイブレーク』までを書きました。
というわけで、あとがき終了!お疲れです・・・・・
ではでは、最後のリョーマ夢でお逢いしましょう。読んでくださってありがとうございました。
このドリームに関するご意見、ご感想等をBbsにて受け付けています。
気軽に書き込んでいってください。よろしくお願いします。

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