あの試合から数日がたった。





彼の決心、そして旅立ち





青学恒例、球技大会も終わりいつもどおりの学校生活を私達は送っている。
だけど、手塚君はなんか物足りなさそうだ。
跡部君との試合で肩を痛め、暫くはテニスが出来ないと思うとつらいのだろう。
そしてある日、手塚君は竜崎先生とともに会議室に入るところを私は見た。
そのときはきっと部のことだろうと思って、あまり気にはしていなかった。
手塚君からあの言葉を聞くまでは・・・・・・・



コーラス部の練習を終えた私達は、正門に向かいながら話をしていた。
「ふぅ〜〜〜〜、今日も疲れた〜〜〜」()
「仕方ないよ、次の予選も近いんだから」()
「でも、次に入選すれば全国だね」()
「そうだよ、だからこうして猛練習してるんでしょ」()
「そうだよね〜〜〜〜〜〜〜」


そんな他愛のない話をしていたところに、大石君がやってきた。
「おーーーい、さんたち!!」
「大石君、どうしたの?」()
「いや、今日の夜は暇かい?」
「暇だけど・・・・・ねぇ?」(
「「「うん・・・・・」」」
「よかった、だったら・・・・・・・」

大石君の話はすこしみえなかったが、私達は行くことにした。
何故かって?それは彼氏たちがいるから・・・・・・





「あっ、そうだ!あたし買い物があったんだ!」(
「えっ、じゃあここで解散だね」()
「愛香、あたしも一緒に行っていい?買いたいものもあるし」(
「いいよ、一緒に行こう!!」
も?じゃあ、。途中まで一緒に帰る?」()
「そうだね、じゃ夜に・・・・」
「「「またね・・・・・」」」



私達はそれぞれ分かれた。

「それにしても2人で帰るのって初めてじゃない?」
「そうだね、いつも4人だったしね。それに手塚君たちも入って大人数だったし」
「うん・・・・・私達が練習終わるくらいにテニス部も終わっていたからね」
「で、菊丸君に抱き付かれるのよね?
「もう、!それ言わないでよ!!」
「ゴメンゴメン」




そのとき携帯着信音が鳴り始めた。

じゃないの?」
「えっ?」
は鞄から携帯を出した。
「本当だ・・・・・しかも英二からだし・・・・・」

ピッ

「英二?どうしたの」
〜〜〜、今帰る途中?』
「そうだよ、も一緒だよ」
『にゃらこれから合流しない?』
「ちょっと待ってよ・・・・・・、英二が合流しないかって言ってるんだけど・・・・・」
「別にいいよ。まだ時間はあるし・・・・・」
「そうだね・・・・・英二、どこで合流するの」
『えっとね・・・・・・』


電話を切り、私達は合流する場所へと移動した。
そこには菊丸君だけじゃなく、桃城君、乾君、手塚君もいた。

〜〜〜〜〜〜〜(抱き)」
「もう・・・・・重いってば・・・・・・」
「にゃはは・・・・・ゴメンにゃ」


「で、どこかに行くの?」
「なんだ、は何も聞いてないのか?」
乾君の問いかけに私はコクリと頷いた。
「うん。『合流しよう』としか聞いてなかったから」
「そうか、今からかわむらすしに行くんだ」
「かわむらすしって・・・・・・・河村君のところ?」
「ああ」
「早く行きましょうよ!!」
「おっ寿司、お寿司〜〜〜〜〜」

こうして6人でかわむらすしへと移動した。
移動の途中、なぜかいつも以上に無口な手塚君に問いかけた。

「ねぇ、今日はいつもより無口じゃない。どうしたの?」
「そんなことはない、いつもと同じだ」
「そう?ならいいけど・・・・・・」


そして、かわむらすしで河村君が握ったお寿司を食べて、騒いで・・・・・・・
夜を迎えた。



「で、大石先輩の用ってなんなんすか?」(越前)
「さぁ、なんだろうね?」(菊丸)
「なんだ、英二も知らないのか」(乾)
「タカさんは?」(桃城)
「いや、俺も知らない・・・・・・」(河村)
「手塚、何か聞いてる?」(不二)
「いや・・・・・・」(手塚)

「私たちも・・・・・・ねぇ?」(
「「「うん・・・・・・知らないよね・・・・・・」」」


「皆、知らないで集まったんすか・・・・・」


そのとき、大石君が走って皆のもとへやってきた。
「おーい、ゴメンゴメン」
「あっ、来た」(河村)
「ゴメンゴメン、遅くなって」
「もう、遅いぞ!自分から呼び出しておいて」(菊丸)
「で、用ってなんなの?」(不二)
不二君が問いかけると大石君はにっこりと微笑んで、

「皆で山に登るんだ!」
その言葉に皆は吃驚した。

「「「「「「「「「「「えっ!?」」」」」」」」」」」

「い・今からっすか?」(桃城)
「山っすか?」(海堂)

「皆で朝日を見るんだ。皆一緒だ。きっと気持ちいいぞ」
その言葉に少し引き気味の1・2年生。

「どうしたんだ、皆?」

「あーあ、急に呼び出すから何かと思ったら・・・・・」
「マジでいってんすか?」
「時々青春モードに入るとは思ってたが・・・・・」

「どうする、越前?」
「オレ、パス!」

「なんで?皆、行きたくないのか?」
そして少しの間、沈黙が流れた。

大石君は悲しげに俯くと、

「いいじゃない、山頂からの朝日って見たことないし」(不二)
「俺も・・・・」(河村)
「そういえば、俺も見たことがないな」(乾)
「私も見たことない」()
「あたしも・・・・」(
「あたし、朝日を見たことない」()
「見てみたいな、朝日・・・・・」()

その言葉に大石君に笑顔が戻ってきた。

「どうするよ、越前?」
「桃先輩こそ、どうするんすか?」
桃城君と越前君はまた相談をしていた。

「大石は氷帝戦に出場できなかったのも無念だろうし、関東大会後半に向けて
 気持ちを引き締めたいんだろう」(河村)
「よーしっ、決まり!皆で山へ登ろう!!」(菊丸)

皆の行動に、越前君、桃城君、海堂君は
「ふしゅ〜〜〜〜〜」
「これは逃げられねーな、逃げられねーよ」
「はぁ・・・・・」
といい、行くことを了承した。


「よーし、山へ行こう!!」
「「「「「「「「おーーーーー!!」」」」」」」」

そして駅の方へと移動した。


電車の中で・・・・・・・・
「にゃにやる?」(菊丸)
「やっぱポーカーでしょ?部長もやりましょうよ!」(桃城)
「やろうよ、手塚?」(不二)
「順番、順番」(河村)

そしてゲームが始まり・・・・・・・
「う〜ん・・・・迷うな・・・・・・チェッ、1ペアだ」(菊丸)
「俺、2ペア」(桃城)
「フルハウス!!」(不二)
「さすが周助君!!」(
「ありがと、vv」
「手塚は?」
「ロイヤルストレートフラッシュ!!」(手塚)
「「「「「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」」」」」
「手塚には敵わないね・・・・・・」




そして山に登り始めて数時間・・・・・
「皆、もうすぐ頂上だ・・・・・」


頂上に近づいてきたとき、手塚君にいきなり腕を引っ張られた。
「国光??」
「少しいいか?」
「うん・・・・・・」
皆から少し離れ、私達はちょうど座れるところを見つけ座った。

「どうしたの?」
「本当は、早く話したかったのだが・・・・・・」
私は何も言わず、黙っていた。
「今回、肩を痛めてしまった。このままテニスが出来る状態じゃない。
 だから、長期でドイツに治療をしに行くことにした。
 まだ、ここで終わりたくはないからな・・・・・・・・」

いきなりのことで私は何も言えなかった。
ただただ吃驚している。


「皆のところへ戻るぞ・・・・・ん?どうした、
「あっ・・・・・ううん・・・・・」
「そんな顔をしないでくれないか・・・・・」
「国光・・・・・」
私はさっきまでとは言えないが、明るく彼に微笑んだ。
そして、皆のもとへと急いで登った。


そして皆で朝日を見た。それは綺麗であったが、私には悲しくみえた。


青春台に戻り、それぞれの家に帰った。
そして、そのまま学校へ登校した。


手塚君がドイツへ行くことがあっという間に学校中に広まった。

!!聞いた?」(
「手塚君、ドイツに行くこと・・・・・」(
「ちょっと・・・・・・」()
「知ってた・・・・・・・学校中に広まる前にね・・・・・」()
私は後数日で手塚君がドイツに行ってしまうと考えただけで、気持ちがブルーになる。




そして、手塚君が旅立つ1日前・・・・・・・
私はいつもと同じように生徒会室で仕事をしていた。
いつの間にか他の生徒会役員は仕事を終え、退出していた。

コンコン――――
ドアを叩く音がした。
「開いてますよ」
そういうとドアが開く音がし、誰かが入ってきた。
私はパソコンに向っているため、誰が入ってきたかは分からなかった。

・・・・・・・」
いきなり下の名前で呼ばれて、パソコンの横から顔を覗かせてみると、そこには手塚君がいた。
「国光・・・・・どうしたの、テニス部は?」
「後で行く。どうしてもと話したくてな」
「そっか・・・・・ちょっと待ってて、もう少しで終わるから」
「ああ」
私は急いで仕事を終えた。






「いよいよ、明日だね」
「ああ、には悲しい想いをさせるとこになる。本当にすまない」
「何言ってるの、国光が決めたんでしょ。国光がそう決めたんなら私は何も言わない」
「だが・・・・・・」
「私は大丈夫だから!ねっ?」
私は今できる精一杯の笑顔でそういった。
「そうか・・・・・・」









「俺はこれからテニス部のほうへ行って来る」
「無理はしないでね」
「ああ」
「国光・・・・・・」
「なんだ」
「出発の日は見送りには行かないから・・・・・
 多分見送りに行ったら、その場で泣いちゃいそうだから・・・・」
私は俯いてそういった。
「泣かれたら、たまったもんじゃないな」
手塚君はそういうと、私を腕の中に収めた。
そして耳元でこう呟いた。
「俺は必ず戻ってくる。待っててくれるか?」
私は言葉に出さず、コクリと頷いた。
手塚君は安心したのか、私を離し、生徒会室から出て行った。




私はそのまま俯き、声に出さずに泣いてしまった。





暫く泣き、気づくと空は暗くなり始めていた。
「いけない、帰らなきゃ・・・・・」
急いで帰る準備をして、窓を閉めようとした時、コート内に2つの影があった。
そして周りを囲んでいるギャラリー。
まだ練習をやってるのかと思えば、試合をしていた。
しかも、手塚君と越前君。
私は窓を閉め、電気を消し、ドアに鍵を掛けて急いでコートに向った。




コートにつくとの姿もあり、私は3人に問いかけた。
「ハァハァ、ねぇ、これどういうこと?」
「あっ、」()
「実は、手塚君が越前君に試合を申し込んだらしいの!」()
「しかも手塚君、右でやってるんだよ!しかも力は左の時と同じだし・・・・」()
「凄すぎだよ、手塚君・・・・・」()


ゲームカウントを見てみると5−4で手塚君がリードしていた。
そして、手塚君が右のドロップショットで試合は終了した。


周りは拍手が上がった。

「リョーマ、お疲れ様」
「サンキュー、


「手塚君・・・・・・」
・・・・・」
「お疲れ様・・・・」
私は持っていたタオルを手塚君に渡した。
「ありがとう。いつから見ていたんだ?」
「さっき来たばっかり」
「そうか・・・・・もう、帰るのか?」
「うん」
「送ってやるから、少し待ってろ」
「いいよ・・・・そんなことしなくても」
「いや、この時間で1人で帰すわけにはいかない」
「分かった・・・・待ってる」


手塚君は急いで着替えに部室に入り、数分後に私のところへきた。

「待たせたな」
「ううん、そんな事ないよ」
「帰るか」
「うん」


一緒に帰ってはいたが、互いに何も話さずにいた。
そしてあっという間に私の家についてしまった。

「ありがとう、送ってくれて」
「いや、最後にと帰れてよかった」
「国光・・・・・・」
「ドイツから帰ってきても、俺と一緒に帰ってくれるか?」
いきなりそう問いかけられ、吃驚した。
「うん。もちろん」
「そうか・・・・・」
「気をつけて行ってね」
「ああ」
そして私達は互いを確かめるように口付けをした。





次の日、手塚君はドイツへと旅立って行った。


あとがき
ほい、やっと手塚ドイツへ行く話しを書き終わった(一安心)
いや〜〜〜〜帰って来た話はあるのに行く話しがないのは不自然だと思い、書きました。
それより、手塚よ・・・・・君はいつになったら帰ってくるの??
瀬川は手塚不足で寂しくて、たまらないよ・・・・・とうとう再放送でもドイツに行ったし・・・・
君が早く帰ってくるとことを願うよ・・・・・

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