文化祭も終わり、3年は受験に向って猛勉強を繰り広げていた。
ひとときの休み
文化祭が終わり、生徒会も引退した手塚と。
放課後は皆と図書室で勉強会。
休みになると、図書館やそれぞれの家で受験勉強。
土曜日・・・・
今日も、図書館で受験勉強に励んでいた。
「ん〜〜〜〜〜!」
は勉強に疲れたのか、背伸びをする。
「どうした、。疲れたか?」
「うん。さすがに朝からだと疲れが出る・・・」
そう、2人は朝早くから図書館で勉強をしていた。
そして、時間はとっくにお昼を過ぎていた。
「今日はここまでにするか・・・・」
「そうね・・・」
手塚とは荷物を片付け、図書館を出た。
「どうする、これから」
手塚がに問いかけてきた。
は腕時計を見ながら、う〜んと唸っていた。
「そうね・・・家庭教師は3時からだし・・・・そろそろ帰らなきゃ・・・」
「家庭教師を雇っているのか?」
家庭教師という言葉に手塚は再度に問いかける。
手塚は・・・・・
――――が家庭教師を雇うほど、それほど頭は悪くない。
と思っていた。
は手塚の顔を見て、クスクスと笑っていた。
「何が可笑しい?」
手塚は眉間に皺を深める。
「ゴメンゴメン・・・国光、思ってること顔にでてたから・・・」
「だが、何故家庭教師を・・・・・」
「雇ってる・・・・って思ったんでしょ?」
「ああ」
「それは誤解よ。私はともかく、ひのきには必要ね」
そういうとまたクスクスと笑う。
「実はね、私がひのきの家庭教師をしてるの!ひのきも私同様受験生だし・・・
学校が終わって家に帰ったら、2人で勉強してるの」
「そうか・・・・・」
「うん。ひのき、全く勉強の一文字も出さないから面倒みてるの」
「なら帰るか?」
「うん」
手塚はの手を引き、歩き始める。
もそれについて歩く。
「さっきの話だが、明日は一緒に勉強出来ないのか?」
「う〜ん、明日はひのきに付き合うし・・・・・なんなら、一緒に勉強する?」
ひのきを教えながら、一緒に勉強しないかと誘う。
「いいのか?」
「もちろん!どうせなら、ひのきに教えてあげて。厳しく!!」
は手塚に『厳しく!!』を強調させながら言う。
「いいだろう・・・では、明日何時ごろ行けばいい?」
「朝の10時くらいに・・・・お昼は私のお手製料理を出すからvv」
そんな話をしながら、の家に着いた。
「送ってくれてありがと」
「いや・・・明日な」
「うん、待ってる」
手塚は軽くの唇に口付けを落とし、家路へと帰っていった。
「だから、ここは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
夕食を終え、ひのきの部屋で早速双子は勉強をしていた。
「解った?」
「解んねーーーー(即答)」
の説明をモノといわず、解らないと即答するひのき。
さすがのも、これには呆れ果てている。
「解った、もうひのきの勉強はみない・・・・・」
そういい、席を立とうとする。
「わ・わ・わ〜〜〜!!待って、ちゃん。それだけは勘弁して。
ちゃんと勉強するからさ・・・・・」
が去ろうとすると、ひのきは焦り、を引き止める。
「これで何度目だっけ?その言葉・・・・」
「解りましぇん・・・・」
「本当に勉強するの?」
ひのきはに頷く。
は溜息をつき、席に座った。
「今度、同じこといったらもう知らないからね」
「わーった」
そして勉強にまた入っていった。
「よし、今日はここまでにしよう」
の言葉でひのきは背伸びをする。
「あー、やっと終わった。全く受験は嫌だね〜〜〜」
「何言ってるの、これは誰でも通る路なの」
「へーへー。明日もやんの?」
「もちろん!あと特別ゲストもいるから、覚悟しなさい」
「げーーーーーー」
「それじゃ、おやすみ」
は勉強道具を持ち、ひのきの部屋を出た。
「特別ゲストって、どうせ手塚だろ・・・・あーあ、やだなー」
そして、次の日・・・・・
朝9時に双子は目覚めた。
は爽快に、ひのきは不満げに目覚めた。
両親は、休日でも仕事があるため朝早くから出かけている。
軽く朝食を食べ、は居間の掃除をし始めた。
ひのきは、昨日の復習を含めに対策問題を解くため部屋へといった。
10時になり、手塚が双子のいる家へ来た。
――ピンポーン
家のチャイムがなる。
「ひのき、出て!」
「へーーい」
ひのきが玄関のドアを開けると、手塚がいた。
(こいつ、また引っかかるかな?)
「いらっしゃい、国光vv待ってたよ」
ひのきは手塚をまたはめようとする様に、に化ける。
だが、
「ひのきの方だな。俺はもう騙されないぞ」
手塚はあっさりとひのきと見破った。
「ッチェ・・・なんだ、つまんねーの・・・上がれよ」
「ああ、そうさせてもらう」
ひのきは手塚を上げ、居間へ通した。
「おはよう、国光。本当に時間通りに来たのね」
「ああ。時間はちゃんと守らなければな」
「お堅い奴・・・・・」
「ひ〜の〜き〜〜〜!!」
「すんまそん・・・・・」
「謝る前に、勉強道具!持ってきてね。それと私の机の上に今日の勉強する
科目もおいてあるから・・・・・」
「わーったよ。持ってくる」
「よろしく〜」
ひのきは居間から出て、2階へと昇っていく。
「いつもこうなのか?」
ダイニングキッチンでお茶を用意しているに手塚は問いかける。
「そうなの、鍛え応えはあるわよ」
「そうだな・・・それより、ご両親はどうした?」
居間にいながら、両親がいないのを不審に思う手塚。
「仕事!今、2人とも相当忙しいみたい」
はそういいながら、手塚にお茶を出した。
その頃・・・・・
ひのきはの部屋に入り、頼まれたものを取りに行った。
「うげっ!ちゃん、今日だけでこんなにやるのかよ・・・・」
荷物を取り、下へ降りたときまたチャイムが鳴った。
――ピンポーン
ひのきは仕方なしに、玄関のドアを開いた。
「よっ、ひのき」
玄関に立っていたのは、橘だった。
「橘・・・・どうしたんだよ?」
「いや、ひのきと図書館でも勉強をな・・・・」
「それは偉い迷惑な話だな・・・・ちゃんからも逃げること出来ねーのによ」
「お前な・・・・一応受験生だぞ・・・・」
ひのきの態度に橘は溜息をつく。
暫く橘と話しこむひのき。
どうもひのきが戻ってこないのを気にし始め、は居間を出た。
そして、玄関の方から声がする。
玄関を覗いてみると、ひのきと橘がなにやら話していた。
このままじゃ終わりそうも無いと判断したは、2人の前に出た。
「もう、ひのきも橘君も何玄関で話しこんでるの?」
「「ちゃん(さん)!!」」
の登場に吃驚する2人。
「ひのきがいくら待っても来ないから、来てみたの!そしたらこれだもん・・・」
「すんまそん・・・・橘も勉強するためにオレを誘いに来たんだって」
「なら、ここですればいいじゃない?」
「マジかよ!?ちゃん」
の発言にひのきは吃驚するあまり、意見する。
「いいじゃない。ねっ、橘君?」
「いいのか?ひのき」
「あーあ、ちゃんからの呪縛から逃れられない・・・いいぜ、上がれよ」
「ああ」
ひのきに連れられ、橘は居間に入った。
「お待たせ、国光。さぁ、始めよ?」
「ああ・・・」
手塚は暇で自分で持ってきた本を読んでいた。
「手塚じゃないか!!」
橘が手塚を見つけ、声をかける。
「橘か・・・・久しぶりだな」
手塚もさらりと返事を返す。
「さっ、始めよ!国光に橘君。容赦なしでひのきに指導よろしくね」
「ひっでー!!ちゃんの鬼!!」
「何か言った?ひのき??」
ひのきが口答えするが、は少し黒いオーラを出しながらにっこりと笑い、ひのきに話しかける。
「イエ、ナンデモアリマセン・・・・」
「ならよろしい!!」
それからお昼まで、手塚、橘、からの指導のもと、勉強会は進んで行った。
「よし、休憩しましょう」
の言葉にひのきはそのまま後ろに倒れる。
「もう、やだ〜〜〜〜〜!勉強したくね〜〜〜〜〜!!」
さすがに3人から教えてもらい、極度に疲労がたまったようだ。
「はいはい、そこでず〜〜〜っと倒れてなさい。手伝わなきゃ、
お昼ごはんはなしだから」
「それはないよ〜〜〜」
「お昼、お好み焼きだけど2人とも大丈夫?」
ひのきをほっとき、は手塚と橘に問いかけた。
「俺は大丈夫だ」
「俺も大丈夫です・・・・手伝いますよ」
「ありがと、橘君。国光、悪いけどそこのひのきに聞いてホットプレート出してくれる?」
「解った。おい、ひのき・・・・・」
手塚はひのきを起こし、ホットプレートを出す。
橘とは材料を冷蔵庫から出す。
そして4人でお昼を楽しんだ。
「それより、橘君はどこ受けるの?」
食事が終わり、が橘に問いかけた。
「ああ、公立と一応青学の高等部も受けるんだ」
「そっか・・・じゃ、青学受かったら同じになるね」
「ちゃん、オレも橘と同じ進路なんだけど・・・・・・」
その瞬間、沈黙が流れた。
そして3人は同時に・・・・・・
「「「また青学を受けて、落ちる(のか)(の)?」」」
「ひっでーーーーー!!ちゃんも手塚も橘も鬼だ!!」
「なら、これ解いてみろ」
叫ぶひのきに手塚は、問題をひのきに渡す。
そして・・・・・・
「解りましぇん・・・・」
「駄目だな・・・・」
「これからはこの2倍で勉強ね」
その姿に橘とは溜息をつく。
「あーーー、オレ1抜けた!!」
「ちょっと、ひのき!!」
が止める前にひのきは、居間からダッシュで2階に避難した。
「さん、俺が行く」
「部屋、解るよね?」
橘は頷き、2階へとあがって行った。
「どうするんだ?」
「う〜ん、私たちも上にあがろうか・・・ひのきは橘君に任せて」
「そうだな」
手塚とは荷物の整理をし、2階へとあがった。
「それにしても、ひのきがまた青学受けるなんて知らなかった」
「聞いてはいなかったのか?」
手塚の問いかけに頷く。
「別に聞くこともないって思ってたし・・・でも聞いたからにはもう容赦は出来ないわね」
「ああ、俺達もまだ続けるか?」
「・・・・今日はここまでにして、ゆっくりしよ」
「そうだな・・・って!!」
手塚が答える間には手塚の肩に頭を置いていた。
「なんか、国光にこうやって触れるのって久々だな〜って思って・・・」
「ああ」
手塚はそのままの頭を撫でながら、そう言う。
「そういえば、国光に聞きたい事があったの!」
がいきなり頭をあげ、手塚と向き合う。
「なんだ?」
「文化祭のライブの時よ!なんで黙ってたの?」
そう、文化祭でコーラス部とともにライブをやった。
だが手塚はTERUKI達と内緒で、1曲歌った。
「ああ、あれは・・・・・・・・」
手塚は今ならいいだろうと思い、に話した。
「実は合宿が終わり、2日後だった。いきなり俺の携帯がなり、
出てみればTAKUさんだった。それで今から出て来い!と言われ、
ある公園で待ち合わせしたんだ・・・・・」
―――手塚の回想
「おっ、来たな」
公園にはTAKUさんのほかにTERUKIさんもいた。
「何ですか、俺に用って」
「まぁ、用っていうのはライブのことだ」
「だったらに・・・・」
「いや、これはお前しか出来ないことだ」
ライブのことならの方が話がつくと思ってた。
「まぁ、そんなに硬くなるなよ。これ、見てみろ」
TERUKIさんが俺にある1枚の紙を渡した。
そこには1つの曲の歌詞が書いてある。
「内容をよく読んでみろ」
TERUKIさんに言われ、読んでみた。
「どうだ?」
俺が歌詞に没頭してると、TAKUさんが問いかけてきた。
「まるで俺に例えてるみたいです・・・・」
「というより、お前に対する歌詞だよ」
「一体どういうことですか?」
俺はこれはどういうことなのか知りたく、2人に問いかけた。
「歌ってみないか?これをライブで」
「もう、曲も出来てんだ。後はお前次第」
俺はその時悩んだ。
「1つ聞いていいですか?」
「なんだ?」
「これは誰が書いたんですか?」
俺の質問に2人はクスクスと笑った。
「それはな、お前のことをよく見てる奴だ」
「これ言えば解るよな?」
そう言われ、俺は少し考えた。そしての顔が出てきた。
「解りました。やります」
―――回想終了
「・・・・というわけだ」
手塚の話をじっとは聞いていた。
「そっか・・・・どうだった?歌詞見て」
「あの、跡部との勝負を思い出した。それとがどう俺を見ていたのかも解った」
「国光・・・・」
「ありがとう・・・・」
手塚は優しく微笑む。そしてを自分の腕の中に収めた。
「暫く、こうしててもいいか///」
手塚はに小さく耳打ちする。
も腕の中で頷く。
こうしてひとときの休みは終わっていった。
はい、お久しぶりの短編でございます。
しかも手塚夢11本目!!凄い!!よくここまで書いた!!って感じです。
というわけで、燃え尽きました・・・(ぉい
このドリームに関するご意見、ご感想等をBbsにて受け付けています。
気軽に書き込んでいってくださいね。よろしくお願いします。
著者:瀬川音符
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