かわむらすしから去った越前とは・・・



2人の一番大切な場所




「あ〜、お寿司美味しかった」
はにっこりと微笑みながらそう言う。
「そうだね。まぁオレは祝勝会でよく行ってたけどね・・・」
そう話しながら手を繋ぎ、の家に向って歩いていく。




「ねぇ、寄っていかない?」
越前が急に立ち止まり、公園を指差す。
「リョーマ?」
「たまには寄り道もいいっしょ?」
「そうだね」
2人は公園に入る。
夜の公園は物静かで、誰もいなかった。
暫く歩き、近くのベンチに腰を掛けた。

「ここにくるの、クリスマス以来だね?」
「そうだね・・・なんもない日はこうなんだ・・・」
それから少し沈黙が流れる。



「オレ、飲み物買ってくる!!」
越前は立ち上がり、から離れていった。
その姿を見送りながら、

“どうしたのかな?いつものリョーマと違う・・・”

はそう思う。
数分たっても越前は戻ってこないのに不審を抱き、が立ち上がろうとした時、


『ねぇ、君1人?』
『よかったら俺たちの相手、してくんない?』


2人の大学生がに話しかけてきた。

「悪いけど、帰るから」
と強気な発言をし、その場を去ろうとしたら1人の男性がの腕を無理やり引っ張った。
「痛ッ!!」
『逃げないでよ。俺たち彼女と別れて寂しいんだ、構ってくれよ?』
腕を引っ張った男性は、そう言うとを自分に引き寄せた。
「ちょっと・・・ヤダ!!」
『ヤダって言われても、俺たち止まんないよ?』
もうひとりの男性がに迫る。


“ヤダよ・・・リョーマ、タスケテ!!”
がそう強く念じた時、




バコッ!!




に迫ろうとした男性が急に倒れた。
『おい、どうしたんだよ?』
もうひとりの男性が問いかけても返事はない。
そして倒れた男性の横には、黄色いテニスボールが・・・・




「ねぇ、オレの彼女になにしてんのさ?」
暗闇の中から越前がラケットを肩にかけ、の腕を引く男性に問いかける。
「リョーマ!!」
が声を上げ、男性は越前を見る。
『はん!?なんだよ、ガキじゃねーか?ガキはとっとと寝んねしな!』
男性は越前をけなし、挑発する。
「・・・ガキで悪かったね」
そういい、ボールを上げ男性の腕を狙って打った。



ドゴッ!!



「いって〜〜〜!!」
見事腕に命中し、男性はの腕を放し蹲る。
「人の彼女に手を出すから、こんなことになるんだよ・・・
 まだ懲りてないって言うんなら、次は顔を狙うよ?」
越前が思いっきり睨みつけると、倒れた男性を引きずるように去っていった。
「りょっ、リョーマ・・・」
気が抜けたのか、はそのまま地面に座り込んでしまった。
越前は座り込むにゆっくりと近づき、座る。
そしてふわりと頭を抱きかかえるようにを抱き締めた。

「ゴメン・・・もっと早く帰ってくればよかった」
抱き締めながら謝罪する越前。
「急いで帰ってみれば、絡まれてて・・・ホントゴメン!!」
そういい、更にきつく抱き締める。
「ううん、リョーマが助けにきてくれた・・それだけで嬉しい」
・・・」
「でも怖かった・・・・」
は越前の腕の中で泣き始める。

「無事でよかった・・・・」
「リョーマ・・・」
それから暫く2人は抱き合う。買ってきた暖かい飲み物が冷たくなるまで。






「オレ、明日からを迎えに行くから」
「えっ!?朝はさすがにあんなことはないよ・・・」
「オレがそうしたいんだから!!」
越前はの眼を真っすぐ見つめる。
「解った・・・」
も越前の熱意に了承し、
「でも朝練、あるでしょ?」
と問いかけた。
「明日は朝練ないし・・・あとは海堂部長に言う。は心配しなくていいから」
「でも・・・・」
「オレがいいって言ってんだから、素直に聞いてよね」
越前が生意気にそういうと、クスクスと笑い
「はいはい、リョーマ様」






そして28日の日・・・・
AM7:00
はいつもどおり、朝食を取っていた。
“迎えに来るって言っても、リョーマはネボスケだし・・・”
とそう思いつつ、つい笑ってしまう。
それを見ていた母親と妹は不思議そうにを見る。
姉、大丈夫?」
「受験で疲れてるんじゃないの?」
「ん?大丈夫だよ。何心配してんのよ?」
はにっこりと微笑み、そう応える。


その時、


――ピンポーン!!


家のチャイムがなった。

「はい?」
母親が問いかけると、


『青学の越前ッス。先輩を迎えに着ました』


「はいはい、待っててね」
母親はインターフォンを切り、
、お迎えが着たわよ」
「え!?もう!!」
は鞄を取り、玄関を出ると越前の姿があった。
「おはよう、
「おはよっ!ちょっと早くない?」
「別にいいじゃん・・・ちょっと寄るところもあるしね」
「寄るところ?」
「兎に角、行こうよ?」
「うん、お母さん!!いってきまーす」
「はいはい、いってらっしゃい!!」
2人は学校に向って歩き始めた。



「ねぇ、リョーマ・・・寄るところってどこ?」
「着いて来れば解るよ・・・」
そういい先先と進む越前。それを追う
そして着いた場所は・・・・・


「ここ・・・・」
「昨日絡みにあった場所・・・のことだから悪い印象がついていそうだったしね・・・
 だから今日はここは一番いい印象の残る場所にしようと思ってさ」
「リョーマ・・・」
そう昨日が2人の男性に絡まれた公園だった。


昨日と同じベンチに座り、越前が語り始めた。
「昨日さ、オレ飲み物会に行く前あしたのことばかり考えてたんだ。
 に喜んでもらえるか不安もあった」
越前が語るのを黙っては聞いた。


「そんな事考えていたら、に何言っていいかも解んなくなって
 それでオレ、その場から逃げ出してしまった。
 帰ってみればは野郎2人に絡まれてて・・・・
 見ててムカついてきて・・・オレがラケット振ったとき思ったんだ。
 オレの考えてることはこんなに小さなことだったってね。
 オレ、今以上にを守っていかなきゃって思った」


「リョーマ・・・」
「これが今のオレの気持ち・・・受け取ってくれるよね?」
越前はバックから1つの箱を取り出した。
は頷き、受け取ると、
「開けていい?」
「もちろん!」
はゆっくりと包み紙をはがし、開けてみると
ビーズのヘアピンが入っていた。

「リョーマ・・・これ・・・」
「買うのに結構苦労した・・・あんな店もう入ることないと思うけど・・・」
越前は照れ隠しをしながらそう言う。
「ありがと、リョーマ・・」
「つけてみてよ・・」
「うん」
は水色のピンを髪に止めてみた。

「どう?」
「似合ってる・・・やっぱにはその色だね」



「Happy Birthday・・・
越前はそっとの唇に口付けを交わした。





それから、2人は学校へダッシュで向ったが案の定遅刻をしてしまったのであった。

瀬川:はいは〜い、リョマたん偏や〜〜〜。一度やってみたかったのよ、このパターン!!
越前:ふ〜ん・・・それでが犠牲になったんだ・・・
瀬川:あれ、リョマたん。来てくれたんだ
越前:まーね・・
瀬川:やっぱ嫌だった?
越前:当たり前じゃん。でも、オレがいい所取りだったし・・・
瀬川:そうよ、リョマたんをカッコよくしたんだから!!
越前:あいつら、今度に近寄ってきたらただじゃ置かないから・・・
瀬川:うわっ、リョマたん本気モードだよ・・・
越前:ねぇ、瀬川?
瀬川:なに?
越前:のオリジナルにアニプリ見せたんだってね。どうって言ってた?
瀬川:うん。リョマたんが一番好きだって言ってたよ
越前:っし!!(ガッツポーズ)

瀬川:ありゃりゃ・・・リョマたん、相当嬉しいのね・・・このドリームに関するご意見、ご感想等をBbsにて受け付けています。
   気軽に書き込んで行ってくださいね。よろしくお願いします。
越前:次のドリームも期待してるから・・・21になる瀬川!!
瀬川:ぜ・善処します・・・

著者:瀬川音符

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