2月14日、この日は女の子に魔法がかかる日・・・・




Sweet Valentine 大作戦!!






2月に入り、女の子はなにやらそわそわしている。
いや、女の子だけではない。男の子もそうだ。


彼女達は“好きなあの人へ・・・”と思いをよせ、
彼らは“あの子から貰えるか・・・”と思っている。




もちろん、4人もその中の1人でもある。



「ねぇ、今年のバレンタインはもちろんあげるよね?」
お昼休み、彼女達は音楽室で昼食を取っていた。
愛香の問いかけに、3人は「もちろん!」と声を張り、応える。

「今年は初めてリョーマにあげるんだvv」()
「そっか・・・にしては本命は初めてなんだよね・・・」(
「でもも一昨年まではそうだったじゃない?」(
、人の事言えるの?」()
「いえません・・・・」
食事しながらも笑い声が耐えない音楽室に、1人の生徒がやってきた。


「あの〜〜〜」
ドアをゆっくり開け、4人に話しかけてきた。
「あれ、貴方は・・・・」
が言いかけると・・・・
「はい、1年2組のです」
と彼女は応えた。
「大石君の幼馴染ちゃんだね」
「どうしたの?私たちに何か用?」
に問いかけると、



「あの、先輩たちは彼氏サンたちにチョコあげるんですか?」
と顔を赤らめながら問いかけた。

がクスリと笑い、「もちろん周助君にあげるよ」と応える。
「それで相談なんですけど・・・・」
「相談?」
が?マークを出しながら聞くと、は更に話し出した。

「実は、私・・・秀ちゃん・・・にチョコ渡したいんです。
 でも市販のチョコじゃ、なんか物足りないって言うか・・・・」
「もしかして手作りチョコを作りたいの?」
の問いかけに、は頷く。
「私、料理とか苦手で・・・・それで先輩が料理上手って知って・・・・」
「あっ、解った!!それでに教えてもらおうってことね!?」
「はい。先輩・・・ダメですか?」
の問いかけに、は少し考え始める。
そしてしばしの沈黙が流れた。





「解ったわ、さん。私でよかったら・・・・」
ににっこりと微笑み、そう応えた。
「ありがとうございます、先輩」
に深く頭を下げた。
「いいの?
が問いかけると、は「うん」と応え、話し出した。
「実は私も手作りでやろうと思ってたの。甘いの苦手な国光に食べさせるには
 それしかないし・・・・」
「ねぇねぇ、あたしも参加してもいい?」
の話に、が問いかけてきた。
・・・・」
「あたしも周助君に手作りチョコあげたい!!いいでしょ?」
に続き、もそう言ってきた。
「それじゃ、皆で作ろう。さんもそれでいい?」
「はい。よろしくお願いします」
「じゃ、予定をたてよ・・・・」

こうして5人は、スケジュールを立て、バレンタインに向けて準備を開始した。





「な〜〜、不二・・・」
「なに、英二?」
「今年も凄いことににゃるのかな?」
菊丸は去年の騒ぎに吃驚し、今年も・・・と不二に問いかけた。
「さぁ〜・・・それは僕にも解らないよ・・・」
「だよにゃ〜〜」
「でも今年もだけでいいんだけどな」
「それは俺も一緒!!のだけで十分だも〜ん」
じゃあ、今年は本命一本で行く?と不二がそう言うと、もち!!と応えた。

「でも手塚も大変だよにゃ〜〜」
「そうだね・・・・あと越前もそうじゃないかな?」
「オチビのファンクラブもあるしね〜〜」



不二と菊丸が2人の噂をすると同時に「クチュン!!」とくしゃみをした。


「なんだ・・・風邪ではなさそうだ・・・」
手塚がそう呟いていると、目の前に大石が現われた。
「手塚!!」
「大石か・・・なんだ?」
「さっき職員室に行ったら、先生に頼まれたんだ」
そう言い、書類を渡す。
「すまないな・・・」
「そういえば、もうすぐバレンタインだな」
大石の発言に手塚はピクリと動く。
「去年は手塚は大変だったもんな」
「それは大石も同じだろう・・・」
「あはは・・・でも今年はどうするんだい?」
手塚は何も言わず、沈黙した。

「まぁ手塚のことだから、断るんだろうな・・・」
さんのために・・・・
そう言い、大石は手塚の前から去った。



「そうだな・・・・今年は断るとしよう・・・・」






その頃、越前は屋上で寝転がっていた。
ひとときの休みの途中に、2人の女生徒がやってきた。
「リョーマ様!!リョーマ様!!」
「ん?」
起き上がると、そこには小坂田朋香と竜崎桜乃がいた。
「なに?」
「リョーマ様は甘いものは大丈夫ですか?」
いきなり顔を近づけ、問いかける。
「別に・・・・大丈夫だけど・・・」
「やった、桜乃。これで作れわるね」
「うん、朋ちゃん」
喜ぶ2人に、更に問いかける。
「だからなに?そんな事聞いてどうするわけ?」
その言葉に小坂田はクスクスと笑い、竜崎は顔を赤らめる。
「やだ〜〜〜、リョーマ様。バレンタインを知らないんですか〜〜。
 兎に角、期待してて下さいね〜〜」
そう言い、2人は去っていった。


「それくらい知ってる・・・バレンタインデーか・・・
 でもなんで甘いものになるんだ?」
越前に疑問が浮かぶ。
それもそうだ。越前は去年の今頃はアメリカにいた。
アメリカでは男でも好きな人に告白することが出来るのだ。
それも甘いチョコでなくても、カードや花束などで・・・・・・


そのあと越前は桃城に『なぜ女子がこんなに騒いでるのか?』と問いかけたところ、
大いに笑われ、説明してもらった。


「ふ〜ん・・・そういうことか・・・はどうするんだろう・・・」






それから日が経ち、2月11日。
祝日を気に、5人はの家に集まった。
チョコを作る材料を前もって購入し、只今キッチン&ダイニングでチョコ作りの真っ最中。

「そう、お湯を入れないように・・・」
「はい・・・」
について、一緒に作っていた。
達も不慣れだが、チョコ作りを続けて行った。
「ねぇ、さっきから思ったんだけど・・・・」
が話し出す。
はなに作るの?」
と問いかけると、続けても話し出す。
「そういえばさっきからさんに着きっきりだし・・・」
だけ自分の作業してないのよね・・・」
「そういえば・・・・先輩、先輩のはどうしたんですか?」
まで問いかけられ、はクスクスと笑いながらこう言った。
「大丈夫。今、焼いているの」
「「「「焼いている??」」」」
の応えに4人は?マークを上げる。
そういえば、の家に入ってからいい匂いが漂っている。
「なに焼いてるの?」
が問いかけると、「シューよ」と応えられた。
「シューってシュークリームの?」(
「うん」
「だからいい匂いがしてたんだ」(
「まーねvv」
「それじゃ手塚先輩にシュークリームあげるんですか?」(
「そうよ。しかもミニサイズ。さっ、早く終わらせてお茶にしよ」
の言葉で作業が再開された。


時間は経ち、4人はチョコを型に流し込み冷蔵庫に収めた。
その頃にはオーブンから綺麗に焼きあがったシューが出来上がった。

「よし、綺麗に焼きあがった」
がオーブンから鉄板を取り出すと、そこらじゅうに匂いが広がる。
「「「カワイイ〜〜〜」」」
鉄板の上には一口サイズのシューがあり、3人は見た途端声をあげる。
器用に鉄板からシューを取り、受け皿に乗せると、
「それじゃ、お茶にしよう。すぐ用意するから」
そう言いはお茶の準備を始めた。
「あっ、手伝います」
を追うようにがそう言い、手伝いはじめる。


「お待たせ」
はお茶を渡し、はテーブルに小さな1ホールのケーキを出した。
「「「ケーキvv」」」
「しかも特別Version!!」
「どうして特別なんですか?」
が問いかけると、に向ってこういった。
「ちょっと早いけど、のBirthday祝おうと思って」()
「そっか・・・受験やバレンタインにむけての誕生日忘れるところだった」()
「そうね・・・プレゼントも用意できなかったし・・・」()
「いいよ、別に・・・のケーキで十分vv」(
「おめでとうございます。先輩」(
「ありがと」
「それじゃ、切るわね」
は6等分にケーキを切った。

「でも先輩。どうして6等分にするんですか?」
今いるのは5人。普通なら5等分なんだけど・・・・と不思議に問いかけてきた。
「実はもう1人、ケーキ好きなのがいるのよ・・・」
「もう1人?」
が?マークを飛ばしていると、玄関から物凄い音が聞こえた。
「ほら、帰って来た!!」



「たっだいま〜〜〜〜!!ケーキ!!」
豪快にドアを開け、ひのきがダイニングルームに入ってきた。
「お帰り。もう切ってあるよ」
「サンキュー。達、いらっさい」
「やっほ、ひのちゃん」
「「久しぶり」」

ひのきの登場には唖然としていた。
それもそうだ。と全く同じ顔した人間がもう1人いるからだ。
「えっ?えっ!?え〜〜〜〜〜〜っ!!」
が叫び、ひのきはを見る。
「ん?ちゃん、この子は?」
ひのきがを見て、に問いかけた。
さん。1年生よ。やっぱり驚くわよね・・・」
「ふ〜ん、後輩か・・・おい、驚いているところ悪いけど俺はちゃんとは双子だぞ。
 そこんとこヨロシク!!」
ひのきはにそう言うとケーキを持ち、2階へと上がっていった。


「・・・・・・・・・・・・・・・本当にセンパイにそっくり・・・」
は片言で呟く。
「ゴメンね、吃驚させちゃって・・・」
「・・・いきなり先輩が2人になったかと・・・」
「それは絶対にないことだから・・・さっ、早くケーキ食べて再開しよ」
彼女達はケーキを食べ、チョコ作りのラストスパートに入った。


はチョコペンでデコレーション。
はシューにカスタードクリームをいれ、チョコペンでデコレーションしていく。


「「「「「出来た!!」」」」」
テーブルにはラッピングされたチョコの箱が5つ出来上がった。

先輩、ありがとうございました」
「いえいえ、お役に立ててよかった」
は嬉しそうにチョコを抱き締め、お礼を言う。
「でも今年のバレンタインは土曜日なのよね〜」()
「そうそう・・・13日が凄いことになりそうだけど・・・」()
「でも周助君、全部断ってくれそうだしvv」(
「はいはい、惚気てなさい・・・」()






そして、2月13日・・・・・・
案の定、手塚たちの周りには女生徒たちが囲んでいた。
それを離れてみていた彼女達は・・・・・

「毎年思うけど、凄いよね・・・・」()
「でも周助君、全部断ってくれてるvv」(
「それは英二も同じ・・・あと手塚君と越前君も」()
「うん・・・・」()


彼らの物陰から1人の少女が見つめていた。
それは
いつチョコ渡そうか、迷っている。
それに・・・・・・
「秀ちゃん、受け取ってくれるかわかんないし・・・」




彼らに巻き起こった嵐が収まり、彼女のもとへ戻ってきた。
「ふえ〜〜、今年も酷かったにゃ〜」
「女って恐いッスね・・・」
「でも全部断れてよかった」
「そうだな・・・」


「「「「お疲れ様」」」」
それから彼女達は明日会おうと誘い、彼らもそれに賛成した。

バレンタインデー、キッス!!♪
はい、跡部様が出されるバレンタイン・キッスからあとがき始めます。
あ〜あ、瀬川には到底ない話やね・・・・バレンタイン・・・学生の時は青春・・・・してたかな?微妙や。
一度チャレンジはしたことはあったけど・・・(滝汗)
はい、この続編はバレンタイン当日に公開します。クリスマスでそれぞれ個人でやるのはかなり堪えたので、
今回は4人の方で公開します。
もちろん、大石の幼馴染みちゃんもちゃんと出しますんで、楽しみにしていて下さいね。

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気軽に書き込んで行ってくださいね。よろしくお願いします。

著者:瀬川音符

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