それはある日のことだった。



Dr.sadaのデータ帳





俺は去年・・・・いや、一昨年前からよくあるチャットルームに通っていた。
そこには、今や手の届かないの姿があったからだ。
前からはチャットによく通っていると調べ上げ、色々なチャットルームを散策していき、
とうとう、彼女を見つけた。



《Dr.sadaさんが入室されました》
俺のウィンドウに表示され、チャットにいるメンバーは俺を歓迎した。


《dropshot:こんばんは、いらっしゃいませ》


dropshot・・・これがのIDだとすぐに解った。



それからチャット内でDr.sadaとdropshotはよく話すようになった。
だが、はDr.sadaは俺だとは見破らなかった。





それからもう2年がたつ。今じゃ、このチャットルームの常連だ。
ともう1人、という女性がメインパーソナリティーとなってラジオをやっている。
2人の話しに俺はつい笑ってしまうこともあった。


『dropshot:それじゃ、今週は何の話をしましょうか?』
いつもなら話題を2人で用意して来るんだが、今日はリスナーに問いかけてきた。
:何でもいいんやで。誰か話題くれ〜〜!!』


チャットのメインウィンドウは《悩み中〜〜〜》という文字が散乱していた。
「そうだな・・・・ならこんなのはどうかな?」
俺はキーボードを打っていき、話題を提供した。

《Dr.sada:今、受験シーズンだけど皆は受験生かい?》


『dropshot:あっ、Dr.sadaさん。話題ありがと。え〜っとdropは受験生です。
 この前、やっと入試が終わったんです〜〜〜』

:お疲れさん、あたしも受験生や。試験はまだやけどな〜〜。
 Dr.sadaはどうなん?』

が俺に話を掛けてきた。

「俺もと同じなんだけどな・・・」
《Dr.sada:俺も受験生だ。dropと同じでこの前試験があった。》

:へぇ〜〜、Dr.sadaもお疲れさん。余裕やった?』
《Dr.sada:手ごたえはあったさ。だけど内部推薦だからね・・・》
『dropshot:dropも内部推薦で受けたの。でも結構面白かったvv』
:面白かったんかい!?』
『dropshot:ま〜〜ね〜〜』

又もや2人の会話に笑ってしまった。
時間も過ぎ、ラジオを終えると文字打ちやボイスで駄弁りが始まる。
深夜に差し掛かると、メンバーもまだらにいなくなっていき、3人だけになった。


:なぁ、聴いてや・・・》
《dropshot:どうしたの?》
:あんな〜〜〜、あたし東京に引っ越すねん・・・せやから、受験遅れてん》
《dropshot:、東京に来るんだ。どこら辺になるの?》
:あんな〜、『青春台』ってとこなんや!!名前からしてなんやねん!!って感じ》



「青春台・・・近くに来るのか・・・」



《dropshot:えっ!?青春台に来るの?》
:せや・・・》
《dropshot:ならdropと家、近いよ》
:マジ!?》
《dropshot:大マジ!!青春台に来るとしたら、高校は?》
:え〜っとな・・・パンフによると『青春学園 高等部』やって》



「ほう・・・が受かれば、同じ学校か・・・」



《dropshot:!!絶対合格して!!》
:なんやねん!!いきなり》
《dropshot:だって受かればdropと同じ学校だよ》
:よっしゃ!!それ聴いてやる気出てきたわ》
《dropshot:頑張れo(^^)o》
:おうよ!!》



「少し手を貸してやるか・・・」
俺は2人の会話に割り入っていった。



《Dr.sada:、入試に向けていい資料があるんだがいるか?》
:うっそ!!マジ!?嬉しいわ>▽<》
《Dr.sada:なら転送するぞ》
:サンキュ〜〜〜!!sada》
《dropshot:でもDr.sadaさん、青学の入試問題わかるの?》
の問いかけに「これくらいはいいかな?」と呟きながらタイピングしていく。



《Dr.sada:ああ、実は俺も青学を受験した>drop 転送したぞ>
:了解!!》
《dropshot:えっ!?じゃあ内部推薦って事は青学中等部の生徒なの?>Dr.sadaさん》
《Dr.sada:そうだが・・・》
《dropshot:うわ〜〜〜。身近な人がここに来てくれてたんだ・・・
 もしかしたら、逢ってるのかな?》

の問いに、クスリと笑った。



「確かに逢っているな・・・乾貞治ととしてな・・・」



《Dr.sada:どうだろうな・・・・もしかしたら逢っているかもな》
:おっし!!sadaから来た対策問題受信完了!!恩に着るm(__)m》
《Dr.sada:別にいいさ・・・受かれよ》
:もちや!!受かったら3人で逢おうで》
《dropshot:賛成!!が来るまでにDr.sadaさんを見つけよ》
《Dr.sada:それは挑戦状とみなしていいんだな?>drop》
《dropshot:もちろん。絶対見つけ出すから!!少しヒントくれる?》
《Dr.sada:そうだな・・・・dropの大事な人に関係があるな》
《dropshot:大事な人・・・・》
《Dr.sada:それ以上は言えない。これがヒントだ・・・見つけ出してみろ》
《dropshot:頑張る・・・》
:あたし受験対策のため落ちるわ。お疲れさん>drop&sada》
《dropshot:お疲れ様。頑張って受かってよ!!》
:もちろんや!!ソンでもって春からはdropとsadaでランデブーや》
《Dr.sada:それは楽しみだな。頑張れよ》
:sada、問題集サンキュー!!マジで助かる〜。ほなな〜〜〜》

さんが退出されました》

《Dr.sada:それじゃ俺も落ちるよ》
《dropshot:お疲れ様。明日からDr.sadaさんを探し始めるから》
《Dr.sada:それは楽しみだな・・・またな》


俺はチャットから落ち、パソコンの電源を切った。



翌日、は休み時間になると3年の教室を覗くことが多くなった。
本気でDr.sadaを探している。


「で、見つかったの?その『Dr.sada』は?」()
とともに行動していた。いや、だけではない。
も一緒だ。
「それがさっぱり。ヒントは『私の大事な人に関係がある』なのよ・・」()
にとって大事な人って、手塚君でしょ」()
「うん・・・だから国光に関する人を結構絞れたんだけど・・・・」
「『Dr.sada』ね〜〜。誰だろ?テニス部か生徒会、あとクラスだよね?」(
彼女達はう〜んと悩んでいた。
俺はその姿にクスリと笑ってしまった。


「何、悩んでるの?
不二が彼女達に声を掛けた。
「あっ、周助君vvあのね・・・・」
はどうやら不二に話したらしい・・・・
「へぇ〜〜、さんのチャット友達か・・・」
「にゃににゃに?」
不二に続き、菊丸まで話しに入っていった。
しまいには手塚と越前まで・・・・・

「『Dr.sada』ね〜〜」
「俺に関係するやつか・・・・」



これは少し・・・・規模がでかくなってないか?


「生徒会とクラスにはそれらしき人はいないし・・・」()
「ならテニス部だな」(手塚)
「でも・・・・検討する人いる?」()
「いたっすかね??」(越前)


いただろう・・・俺が!!
越前の言葉に俺は心で突っ込んだ。


「でも『Dr.sada』って・・・・」(菊丸)
「何かわかったの?」()
「う〜ん・・・でもあいつがチャットに行ったりするのかな?」(不二)
「どういうこと?周助君・・・」(



「sada・・・・・sada・・・・・貞治・・・・乾か?」
手塚が俺の名を上げた。
「乾君?」
「そうか・・・乾ならありえるにゃ〜〜」
「でも『Dr.』って・・・」
「そうだね・・・そこにいる本人に聞いてみようじゃない。ねっ、乾??」
不二はそういうと、俺が隠れている角に顔を出した。
「不二・・・・」
「乾、めーっけ!!(抱き)」
菊丸は俺を見つけるなり、思いっきり飛びついてきた。
そしてが俺に近づいてきた。

「もしかして・・・・・『Dr.sada』?」
は恐る恐る俺に問いかけた。
「ああ・・・よく見つけたな、『drop』」
俺は眼鏡を逆光させながら、そう言った。
「なんだ・・・乾君だったんだ・・・」
はホッとし、俺に微笑んだ。
「でも、いつから私が『drop』って知ってたの?」
「初めてチャットで逢ったとき。なんせ『dropshot』だったからね・・・
 このIDに気づいたさ」
「そっか・・・・」



「チャットって面白そ〜〜私もやってみようかな?」()
「あたしも!!、どこのチャットルームでやってるの?」(
「えっとね、Ya●OO!!でチャットがあるから・・・
 ID登録したらメールで部屋名教えてあげる」()
「それじゃ、帰ったら即登録しよ」()
「にゃあ、乾?その部屋って誰でもOKなわけ?」(菊丸)
「ああ、俺に聞くよりマスターのに聞いたほうが早いぞ」(乾)
「へぇ〜、さんが管理してるんだ。ねぇ、僕も行っていいかな?」(不二)
「もちろん!!でも部屋名が・・・」
「その点は俺が教えるさ・・・」
「俺も帰ったら即登録するッス。俺も参加するんで」(越前)
8人でチャットの話をしている間、手塚は何も言わなかった。


「手塚は参加しないのか?」
「いや・・・」
「もしかしてパソコンがないのか?」
「あるにはあるが・・・」
「そうか・・・!!」
俺はを呼び寄せた。
「なに?」
「手塚の話を聞いてやってくれ」
そう言い、俺は2人から離れた。


「どうしたの?」
「いや・・・」
「もしかしてチャットの話、嫌だった?」
「そんな事はないが・・・だ・誰でも参加できるのか?」
「うん・・・ID登録さえすれば・・・」
「やり方が解らん。教えてくれるか?」
「うん。じゃあ、授業が終わったら国光のパソコンにメッセンジャーをDLしよう」
「ああ」






それからのチャットルームには必ず10人以上は来ていた。
それぞれ特有のIDで・・・・
その後知ったが、まさか大石、河村、海堂、桃城も来ていたのには
さすがの俺も吃驚されられた。




本当に、理屈じゃないな・・・・



そうそう、だが受験にむけて暫くはチャットに来ないらしい・・・
それはdropから聞いた話だが・・・・
に逢うのが楽しみになってきた。

いよ、初乾夢〜〜〜!!とうとうヒロインがまた1人増える〜〜〜!!
ただいまのとこ、登場しているヒロインは6人。
まだまだ来るぞ・・・新たなヒロイン達が・・・
え〜〜予定でした残りの青学メンバーにとうとうヒロインをつけることが決まりました。
残りはマムちゃん、桃、タカさん・・・もうそれなりに設定は考えてありますから、楽しみにしていて下さい。
春には9人固定ドリームになる・・・でもメイン的にはいつもの4人ですから。

はい、話を戻しましょう。今回のテーマは『チャット』として書きました。
瀬川はよく某チャットに出現します。もちろんテニプリ関係>m<
乾さんはチャットとか行くのかな??う〜ん、謎だ・・・
え〜っと新たなヒロインはまだ名前を明かしてはいませんが、春には正確に名前を入力できるようにしますんで・・・
ああ、この次は受験結果とバレンタインデーが待ってる・・・

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気軽に書き込んでいってくださいね。よろしくお願いします。

著者:瀬川音符

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