翌日・・・



5th Game 〜闘いの始まり〜





波間を進む豪華客船・・・昨日の夜、咲良吹雪さんに呼ばれた私たち・・・
八百長をリョーマ達、レギュラー人に仕向けるように言われたが、
がズバッと断りをいれると、彼等は私たちに攻撃をしてきた。



気がつけば、窓から明るい日差しが入ってきている。

「んっ・・・・・・?」
重い瞼を擦りながら起き上がると、昨日まで着ていた私服から・・・
誰かに着替えさせられたのか・・・ドレス姿になっていた。

「起きた・・?
状況があまり把握できてない私にが声を掛けてきた。
・・・・・・これ・・・」
「私たちも目が覚めたらこの格好だった・・・これもあの人が仕向けたことでしょ?」
「桜吹雪さん・・・か・・・っては?」
一番被害にあったの声も聞こえない・・・
は何も言わず、指を指した。
指した指をたどると・・・・隣のベッドでまだ眠っていた。


「あれから目覚めてないの?」
問いかけると2人は頷いた。
「そっか・・・簡単に抜け出せれないよね・・・やっぱ;」
「うん・・・この部屋の外には監視が2人・・・」
「それに・・・時間的にそろそろ試合が始まっちゃう・・」

の話を聞いていると、ドアが豪快に開いた。
あのコックが、包丁を手に現われた。

「オーナーがお呼びだ・・・なんだ、1人目覚めてないのか・・・」
そういい、1人の監視に命令しを軽々と持ち上げられた。
「着いて来い・・・」


ここでは逆らったら命の保障はない・・・
あたし達3人は、小さく頷きコックの後ろを着いていった。




〜リョーマside〜

朝になって朝食の時間になっても達が現われないのに俺たちは不審を持った。

「にゃんでたちいないのさ〜〜!?」
「まだ寝ているってことはなさそうだけど・・・迎えに行ってみようか・・」

オレたちだけで良いのに・・・何故か桃先輩たちまで着いてきてきた。


部屋について、ドアをノックしても返事すら帰ってこなかった。
・・・入るよ?」
「いつまで寝ているんだ?」

不二先輩と部長が2つのドアを開けると・・・
そこには誰もいなかった。


「いにゃい・・・」(菊丸)
「すれ違いになったってことは無いよね?」(不二)
「いや・・・待ち合わせていたホールからココまで一本道だ・・・すれ違う確率など0だ」(乾)
「じゃあ、何処に行ったんだ?4人とも・・・」(大石)
「解んないよ・・・探しに行こう!!」(河村)
「でも、試合始まるっすよ!!」(桃城)
「・・・・・フシューーー」(海堂)


「どうするんすか?部長・・・」
オレが何と無しに問いかけてみると、いつも以上に眉間に皺を寄せ
「時間ギリギリまで探すぞ!!試合5分前になっても見つからないようならコートに集合だ!!」
部長の言葉とともに、オレたちは達の捜索を始めた。
だけど、船内中・・・何処にもいない。
時間は過ぎていき、試合5分前になった。


「越前・・・時間だ。コート行こうぜ・・」
「桃先輩・・・オレ・・・もう少し・・」
探したい・・・なんかやな予感するし・・・
「んでも、先輩たち待たせるわけにもいかねーしよ・・・試合、デフォにする気か?」
「解ったっす・・・」


試合に負けるわけには行かない・・・デフォになるとあいつ等の言いようにされる。





ラケットを持ちコートに行くと、先輩たちは既に集まっていた。
結局、誰も4人を見つけることは出来なかったみたいだ。
そして、向かい側にはアイツと・・・対戦相手が待っていた。


『えー、それでは皆様お待たせしました。
 これより青春学園テニス部対桜吹雪テニスチームのエキジビジョンマッチを行います!』

司会者の声に回りは歓声が沸きあがる。
どっかにいるかと思って回りを見渡してみたけど・・・やっぱいない。

初戦・・・桃先輩と海堂先輩のダブルス・・・
まっ、負けるってことはないけど・・・


って・・・思わず上を見上げたらいた・・・服装違ってたから気がつかなかった。


「あんな所に・・・」
オレだけじゃない。不二先輩も英二先輩も・・・部長も・・・


「まさか人質になってたなんて・・・」
「そこまでさせたいのかよ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
あーあ・・・部長、キれてる・・・オレ、しーらない・・・
でも、その気持ち・・・オレも同じだし・・・



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簡単にあたしたちは食事を食べ、監視つきのまま一番高いデッキまで連れてこられた。
でも、昨日スタンガンの電流を受けたはまだ目を覚まさなかった。
あたし達の両腕は背中で縛られ動けない状態。
ましてや、眠ってるなんて椅子に座らされ椅子ごと縛られてしまった。


「さて・・・どうするかな・・・彼等は・・・」
桜吹雪さんは、にやりと企み顔でリョーマ達を見下ろしていた。
あたし達は、絶対八百長なんてして欲しくない・・・
そう思いながらコートを見ていると、フッとリョーマと視線が合った。


こっちに気付いたのか・・・不二君、菊丸君・・・そして手塚君もこっちを見ていた。




ってかアレ、かなり怒ってるよ・・・絶対;




そして、ダブルスの試合が始まった。
いくら相手が高校生だろうが・・・皆は負けない!!
桃城君と海堂君のダブルス・・・
相手に一歩も譲らず、決め技を繰り返していく。


『ゲーム&マッチ!青春学園、桃城&海堂!』

第1戦、青学が勝利を掴んだ。
途端に桜吹雪さんの顔が歪みだした。



第2戦目・・・青学が誇るゴールデン・ペア・・・
コートで挨拶を交わし、菊丸君がこっちを観てきた。

「英二??」
不審にが菊丸君の名前を呟く。


そして、下のコートから菊丸君が飛び跳ねながら宣言した。


「この試合、俺たちが勝ったらを返してもらうよん!!」
自信満々に言い切り、ラケットを上にかざした。
「・・・・・・・・・よかろう・・・」



ダブルス2の試合が始まった。
ゴールデンペアは初っ端からオーストラリアンフォーメーションを使い、
試合を繰り広げた。


「残念、無念、また来週!!」
菊丸君のアクロバティックと大石君のムーンボレー・・・
どれもキレがあり、ポイントを取っていく。


「やった、決まった!!」
ラブゲームで青学の2勝目を取った。
は即座に桜吹雪さんのところに行き、
「私は・・・解放されるんですよね?英二との約束・・・破らないでしょうね?」
そう問いかけた。
「仕方あるまい・・・」
1人の手下には縛られた縄を解いてもらい、あたし達に頷いてコートへと向かっていった。



が・・・全部話すよね・・・今のコレ・・・」
「うん・・・」



第3試合、乾君と河村君のダブルス試合・・・
試合は青学リードで進んで行っている・・・
が丁度青学ベンチ側の客席についてあたし達にことを話していた。



午前のダブルスの試合、青学の全勝となり嘆く客や喜ぶ客とで別れた。



「んっ・・・・ってあれ?」

聞きなれた声が、聞こえ愛香と振り向くとが目を覚ました。
両腕を縛られたままだったけど、駆け寄った。

、大丈夫?」
「痺れ、ない?」
あたし達の言葉に、は一度首をかしげた。
・・・・・・なんとか・・」
ホッと息をつき、状況を話すとは桜吹雪さんを睨みつけた。



そして、あたし達は縛られたまま・・・桜吹雪さんたちとともにコートを去った。