その夜・・・・・・



3rd Game 〜桜吹雪の野望〜




試合前夜ということで、夕食会に招かれた。
といっても、やっぱり私たちはおまけだけどね・・・

「でも、サマードレスまで貸すなんて・・・ねっ・・・」
「何処まで裕福なんだろ・・・あの人」
着替えながらが話していると、
「跡部君ほどじゃないことは確かだけどね・・・」
も髪を結い上げながら話していた。


丁度着替え終わる頃、ドアからノックの音がした。
返事をしあけてみると・・・見事に着飾った青学レギュラー人が迎えにきていた。

「夕食の時間だ・・・いくぞ」
単刀直入に手塚君がいい、すぐ歩き始めた。

「へぇ、似合ってんじゃん・・・」
白のスーツを着たリョーマが話し掛けてきた。
「ありがとっ、リョーマ・・・孫にも・・・ってああ、ゴメン・・・」
「別に・・・」


〜〜、かわいいニャ〜〜〜」
菊丸君は格好が変わってもに抱きついている。
「解ったから・・・あつい・・・」


「行こう・・・手塚の機嫌が悪くなる前に・・・」
穏やかに微笑みながら不二君がそう言うと、
「手塚君のことならに任せたら?」
が悪戯口調で話すとは、重いため息を着いた。





貴賓室に入り、あたし達13人は桜吹雪さんに案内され席に着いた。
目の前には昼間、リョーマ達に挑発してきた対戦相手が座っていた。
あたし達が食事を取りながら、桜吹雪さんは長々と話を始めた。
いつまで続くのか・・・・そっとリョーマそっくりな越前リョーガを見てみると・・・
両手に女性・・・といったように楽しく話していた。

「それでは我チームのキャプテンを・・・」
桜吹雪さんの言葉に気づかず、あいつはずっと女性と話している。
咳払いをしてもう一度彼を呼ぶと、気づき立ち上がった。

「越前リョーガ、ヨロシク!」
あいつが挨拶すると手塚君が立ち上がった。
「うちの越前と縁ある間柄と聞きました、奇遇ですね」
「ホント、偶然って怖いねー!よー、チビスケーーー!!
 みなさ〜ん、弟がお世話になってます」
リョーマに向かって大きく手を振り、あたしたちに頭を下げた。
「だから違うって・・・」



それから食事会は終わり、手塚君と大石君は早々と桜吹雪さん達と別部屋へと行った。
残った私たちも着替える為に一度、部屋に戻ろうしていた。

「なんか、料理あんまり美味しくなかったな〜。
 見た目はすんごい豪華で美味しそうだったのに〜」
歩きながら菊丸君が愚痴っていると、桃城君が挨拶が長かったからと冷めたんだと言った。
だが、その言葉に河村君がつかさず指摘してきた。
「いや、それだけじゃない・・・あれはレトルトの味だ・・・」
「マジッすか・・・?」
河村君の指摘に海堂君が聞き返した。
「天下の河村寿司二代目タカさんが言うんだから、間違いないようだね…」

乾君がトイレに行くといったらリョーマも着いて行っちゃった・・・
にしても、さっきからずっと黙ってる1人・・・

、どうかした?」
話し掛けたら、「ちょっとね・・・」と返事が帰ってきた。
ちょっと引っ掛かるけど・・・いいか。
「にしても、あまり食べなかったから小腹空いた:」
「私も・・・」
「同じく・・・」
あたしの言葉にも同意してきた。
〜〜〜・・・」
「調理場借りれるか解らないけど・・・行ってみようか・・・」
不二君たちにちょっと行ってくるといい、あたしたち4人は別行動を取った。
まさかこのとき、手塚君たちに良くないことが起きていたなんて・・・・




調理場に行き、なんとか借りることが出来てはすぐ作業に移った。
もちろん、あたしたちも不器用ながらも手伝って・・・約5分・・・

「これだけあれば大丈夫でしょ・・・」(
「だね・・・桃城君が多く食べそうだけど」(
「言えてる・・・皆食べ盛りだもんね・・・」(
「じゃあ、戻ろうよ!!」(

作ったサンドウィッチをバスケットに詰め、あたし達は皆の下へと戻った。
暫く歩き、皆を見つけたときにはなにやら深刻そうな顔をしていた。

「何が遭ったの・・・?」
彼等に合流し、今回の試合のことを手塚君が話してきた。
「八百長を・・」
「越前リョーガもグルだったよ・・・」
大石君の言葉に、リョーマは目線を合わせず愛想のない返事を返した。
「恐らく他のメンバー・・・いや、あのシェフといい、この船に乗っている全員が
 桜吹雪彦麿の仲間だろう・・・・・・俺たちは無事日本に帰りたければ言うことを聞け、と言われた。
 皆の意見を聞きたい」
手塚君はレギュラー人を見渡した。


「俺たちの意見?」(乾)
「クスッ・・・」(不二)
「そんなの決まってるじゃないっすか」(海堂)
「おうよ!」(桃城)
「八百長なんか・・・」(河村)
「誰がするかっての!」(菊丸)

彼等の言葉に大石君は嬉しそうに頷き「決まりだな」と言った。
「だが、ここは連中の船の中・・・・いわば敵の懐の中だ。逃げ場はない・・・・
 不本意だが賭け試合は行ったほうがいいだろう・・・」
「うむ・・・・だが、八百長は絶対しない。それでいいな」
乾君が最後に付け加え、手塚君が全てをまとめた。
そしてリョーマ以外が力強く頷いた。


「ところで・・・・・」
話を変えるように、手塚君があたしたちを見てきた。
「お前たち4人、さっきまで何処に行っていた・・・」
ああ・・・・そういえば行き先も言わずに別行動しちゃったものね・・・

「そう、威嚇しないで・・・ちょっと厨房を借りてこれ作ってたの。
 みんな、さっきの夕食にあまり(極一部除く)食べてなかってでしょ・・・」
があたし達の前に達、皆の前でバスケットを開けた。


「うわ〜〜〜、サンドウィッチだにゃ〜〜」(菊丸)
「美味そ〜〜〜〜〜〜」(桃城)
「テメーはさっきまでバクバク食ってただろうが!!」(海堂)
あ〜、また喧嘩モードに入ってるよ・・・
「これ、愛香たちが作ったのかい?」(不二)
「もちろん・・・といってもの手伝い程度だけど・・・」(


「ふ〜ん・・・・」
リョーマは1つ手にしてあたしたちから離れていった。
「リョーマ・・・」
呼び止めたけど、振り向かず「練習してくる」と言ってまた歩き始めた。
食事会から機嫌が悪いリョーマが気になって、追いかけた。






追いかけていると、2人ほどの声が聞こえてきた。
1つはリョーマ・・・そしてもう1つは・・・・
プールに出ると、リョーマとアイツが話していた。

「八百長持ちかけたアンタに言われたくないんだけど・・・」
リョーマの言葉にアイツは浅笑いをして、フェンスに上り話し始めた。
「お前んち飛び出してから行く当てもなく町を歩き渡ってたときあの桜吹雪のおっさんに出逢ってな・・・
 八百長テニスもいいって思ってよ・・・」
「そんなのどーでもいいよ・・・どうせオレ、アンタに勝つから」
どーでもいいって言いながらもしっかり、闘志燃やしてる・・・・
だけど、あいつは・・・・
「それは残念だったな・・・俺の相手はやけに爺むさいお前んとこの部長だ。
 お前じゃないんだよな〜〜〜」
「えっ・・・・・・・・」
「おっと、ガキはもう寝る時間だぜ・・・じゃーな」
ニヤリと笑いながらリョーマの元から去っていった。


リョーマのところに行こうとしたら、とっさに腕を捕まれ振り向くと・・・
・・・」
が居て・・・「今は行かないほうがいいよ・・」と言ってデッキ上を見ていた。
あたしも見上げてみると、さっきの一部始終を見ていたのか・・・
手塚君がこっそりとアイツを追いかけていた。
「ねっ・・・」
「うん・・・・」




あたしはとともに部屋に戻る為、廊下を歩いていると船員さんに呼び止められた。
『桜吹雪さんがお呼びです・・・こちらへ』
なんで今更・・・・
「解りました・・・」
船員さんの後ろをついて行き、桜吹雪さんのいる部屋に通された。
そこには既にが居た。

「それで・・・なんですか?私たちを呼んで・・・」
が立ったまま、問いかけた。
「まぁ、座りたまえ・・・君たちを呼んだのには訳がある。
 私は彼等にも言ったんだが・・・タダで乗せてやってんだ・・・彼等に・・・」
桜吹雪の話しに、はつかさず断りを入れた。
「お断りします。たとえ私たちが八百長をしろと言っても彼等はしませんよ・・・
 というより、私たちも彼等に八百長試合はしてもらいたくありません」
あたしもと同意見・・・もちろん、もそう・・・
「失礼します・・・」
立ち去ろうとしたら、入り口にはあのシェフが包丁をあたしたちに突き出してきた。


「「「「っ・・・・」」」」


そしていつ、部屋に来ていたのか・・・あいつがあたし達を見て言った。

「無事に帰りたかったら、言うこと聞いた方がいいぜ・・・」
その言葉にあたしはカチンッと来て、声をあげた。
「なによ・・・アンタ、それでもリョーマのお兄さんなわけ!!最低・・・」
それを聞き、アイツは達を割ってあたしの前に来た。
「なんだ?チビスケの女かよ・・・威勢いいじゃねーの・・・」
アイツに睨みつけると今度は顔を近づけさせられた。

ホントリョーマそっくりなのに・・・最低だよ・・・


「兎に角、お断りします!!」
部屋を出ようとするに、1人の船員がスタンガンを持ちの首に当てた。
途端に、バタリとがその場に倒れた。

「なっ、言ったろ・・・怪我したくなきゃ、大人しく言うこと聞けって・・・」