それは2年前の夏・・・・・



2nd Game 〜2人のリョーマ?〜 




青学テニス部は全国に向けて激しい練習を繰り広げている時、
竜崎先生にレギュラー人が呼び寄せられた。
何故か、私たち4人も呼ばれ・・・・


「豪華客船で・・・テニス!?」
竜崎先生のいきなりな発言に私たち12人は声を荒げた。


なんでも、『桜吹雪彦麿』っていう大富豪が大のテニス好きだそうで・・・・
今回主催する船上パーティーのイベントでレギュラー人が招待されたという。


「でも、先生・・・何故、私たちを呼んだんですか?」
そうそう!!なんであたしたちが・・・・
の問いかけに、竜崎先生は話を続けた。

「この招待状に、レギュラー人のほかに数名連れてきてもいいと書いてあってね〜。
 こいつらと来たら、お前さんたちだろ?というより、ココにいる越前、不二、菊丸は
 何が何でも連れて行くって言いそうだけどね〜〜〜」

そう言いながら竜崎先生はニヤリと3人を見る。途端にリョーマは下に俯き、
菊丸君はニカッと悪戯笑い、不二君は穏やかに微笑み、

「でも、客の上でテニスも面白そうだね・・・」
と本題に戻した。
そして『豪華客船』という言葉に、河村君、菊丸君、さらには桃城君まではしゃぎだした。




桃城君のはしゃぎように海堂君が口を出す・・・そして喧嘩が・・・;
それを抑えようとする大石くん。


「なかなか出来ない体験だ、ここはご好意に甘え招待を受けたいと思うが・・・」
手塚君の発言に、全員が「意義な〜〜〜しっ!」と答え、私たち13人は招待を受けることにした。



といって、手塚君・・・・がいるから余計に行く気になったんじゃないの?
あんな無表情からじゃ良くわかんないけど・・・・ってそんな詮索をしながらも招待された日がやってきた。





真っ青な空に白い雲・・・そして海・・・豪華客船には気持ちいい潮風・・・・
あたしたちは豪華客船に乗り込み、部屋に荷物を置くとそれぞれに船内を歩き回り始めた。



ってあれ?リョーマ・・・・何処に行ったの?部屋に顔を出したら同室の桃城君も居ないし・・・
船内を歩きながら探してると、に出会った。


「あっ、!!」
!!ねぇ、リョーマ見なかった?」
「越前君?ああ〜〜」


プールサイドのリクライニングベンチで寝てる!?ったく何処行っても同じなんだから・・・

「英二と桃城君も居たから・・・一緒に行く?」
「うん!!」


とともに船内を歩き続け、後部側にあるプールサイド上のデッキに出ると・・・いたいた・・・
しかも暑さしのぎに顔に帽子をかぶせてるし・・・・

「どうする?」
「どうするって・・・・・・??」


あれ?あの人・・・誰?太陽の光で顔が見えない・・・でも、あたしたちと同年代くらいでオレンジ?を持ってる。
潮風が吹き、リョーマの帽子が飛んで行くと彼はゆっくりとリョーマに近づいて行く。



「あっ!!英二と桃城君居た!!」
彼に見ていると隣からが声をあげてきた。
「えっ・・・?」
とっさに逆方向を見ると、こそこそとリョーマに近づいている。
「また悪戯しようって魂胆だね・・・あの2人」
「そう・・・だね・・・」
そう言いながら、リョーマのほうを見るとさっきの彼は居なかった。



何処いったんだろう・・・・?
近くを見渡しても彼の姿はなかった。

「っ!!ちょっ・・・なにするんっすか!?桃先輩っ!」
リョーマの荒げる声に目線を下に戻すとそこには桃城君とリョーマの背後に菊丸君・・・・
「なにするんっすか・・・じゃねーよ」
飛んでいった帽子を被せ
「そうそう!!せっかくのクルーズなのに居眠りなんて・・・こういうところに来たら・・・・」
ばっとリョーマのシャツを脱がしてしまった。
「楽しまなきゃ損、損ー!」
さらに2人して変な抱き方してリョーマをプールに連れて行ってしまった。


「あ〜あ、あれじゃ落とす気満々だ・・・;」
3人の姿に、呆れてしまう
「いこっか・・・」



下に降りようとしたとき、1人の男性をすれ違った。
その人からは、甘酸っぱいオレンジの匂いがかすかにした。




えっ・・・・?



とっさに振り向いてみたけど・・・船上パーティーに参加する客しか居なかった。


?」
「あっ、なんでもない・・・って手塚君と・・・誰?」
目線を戻すと、リョーマ達の前には知らない葉巻をくわえた大人と手塚君が居た。
「なんか見た感じ悪役!!って思えるよね・・早く行こう」
「うっ、うん・・・」



デッキから降り、そっと近づくと葉巻をくわえた大人の名前が分かった。
というより・・・・リョーマ、もうプールに落とされてるよ・・・・;


「桜吹雪彦麿です、よろしく」
葉巻をふーーっと吹きながら、そう言った。



じゃあ、あたしたちも一緒に招待してくれた大富豪!?この悪役みたいな人が・・・



「コートでは明日の本番に備えてお仲間たちが練習試合を始めておられますよ?」
桜吹雪さんがそう言うと、2人は目をキラキラさせて、
「そうっすか!?じゃ、俺達も」
「行く行く〜〜!!」
はしゃぎながら走っていった・・・けど、
「先輩、コートあっちっすよ・・・」
リョーマが指摘すると、苦笑いしながら戻ってきて・・・即座にコートへと走っていった。


「お嬢さん方も行かれては?」
なにやらにやりという感じであたしたちに問いかけてきた桜吹雪さんに、
「いこっか・・・」
「リョーマ。コートのほうで待ってるね・・・」
と逃げるように2人の後をついていった。




船上にあるコートに着くと、周りはお客で埋め尽くされていた。
そしてコートの中では・・・ダブルスの練習試合をやっていた。


ってこんな所に居たんだ・・・・・・
そういえば、手塚君もさっきジャージ姿だったからここで軽く打ったのかな・・・


!!」
一番前の席で座っている2人のとこに駆け寄り、声を掛けた。
・・・・・・」
あたしの声に一番に振り向いたのはだった。
「惜しかったね。さっき手塚君と周助君がシングルスやったばっかりで大盛り上がりだったのに〜〜」
「へぇ〜〜〜。で今やってるのが、大石君、海堂君ペア」
「そして、乾君と河村君のペア対決なんだ〜〜」


話しながら試合を見てると・・・


「ガッデーーーーーーーーーーーーーーーーーーームッ!!」


バーニング状態で膝まづき、ラケットを振り回していた。
どうやら、河村君と乾君のペアが負けちゃったみたい・・・


そして観客席から拍手が彼らに向けられた。


「よーっし。次は俺たちの番っすよ〜〜!!英二先輩、相手して下さいよ〜」
あたし達の横で張り切る桃城君。
「いいけど・・・ダブルスだよん!!」
「望むところっすよ・・・じゃあ、越前。俺と組め!!」
菊丸君の返事に、桃城君はパートナーをリョーマに指名してきた。
「いいっすけど・・・足ひっぱんないでくださいよ・・・」
「なにぃ〜〜〜・・・」
リョーマの生意気な言葉に桃城君、カチンと来ちゃったみたい・・・・;

「お〜い、不二不二ぃ〜〜」
そんな2人を背に、菊丸君はコート脇にいる不二君に話し掛けていた。
「ん?」
「俺とダブルス組まない?相手は・・・こいつらだけど!!」
そう言い、菊丸君はリョーマ達を指差した。
「クスッ、面白そうだね・・・いいよ!」


こうして、ダブルスの第2試合・・・桃城君&リョーマペア対不二君&菊丸君ペアの試合が始まった。


「あっ、越前君・・・右手・・・」(
「さっそくやっちゃうんだ・・・リョーマらしいw」(


リョーマを見て、不二君と菊丸君はにやりと微笑んでいた。

「右手ってことは、いきなりツイストだね・・・」
「こーーーい、オチビ〜〜〜!!」


ボールをつきリョーマは高くトスを上げ、ツイストサーブを繰り出した。

「うわぁっ!!」
菊丸君に向かって跳ね上がり、体勢を崩した。
そして観客席からは、リョーマのツイストサーブに呆然している。


「次は返してやるからな〜〜〜!!オチビ!!」
そんな菊丸君に不二君はクスッと微笑み、
「英二、次のレシーバーは僕だよ・・・」
と言いながら移動し始める。
「分かってるよ〜〜。次の次に返してやるってことなの!!」


「英二・・・;」(
「頑張って〜〜〜〜、周助く〜〜〜〜〜〜〜〜んvv」(



「じゃあ、次・・・いきますよ・・・」



そして、ラリーが続いていき・・・・・・・・・・
試合は混戦で終了した。


「やりぃ〜〜、俺たちの勝ちぃ〜〜!!」
勝ったのは不二君、菊丸君ペア。菊丸君は嬉しそうにコート上を飛び跳ねた。
「はいはい、参りました。完敗っすよ・・・」
「ちぇっ、桃先輩がでしゃばらなきゃ勝てたのに・・・」
「なんだど、こらぁ〜〜!!」
またもリョーマの生意気発言で、桃城君に刺激与えちゃって^^;
「お前が協調性無いからだろ〜〜〜〜」
うん、それは間違いないわ・・・
「越前はシングルス向きだからね・・・」



そんな4人の姿に見いっていると、脇から高校生?の人たち数名がコートに入ってきた。


「どきな、ガキども・・・」
「遊びの時間は終わりだぜ・・・」


いきなり現われた彼らに、桃城君は問い掛けると・・・

「あとでお前らと試合する相手だよ・・・お前らが中坊だからって容赦しねー」
長身の2人を割って、オレンジを持った手が出てきた。




「オレンジ・・・・・」




そして、現われたのは・・・・・



「よう、久しぶりだな。チビスケ」


リョーマにそっくりな人だった。
彼の顔を見て、リョーマの顔が鋭くなった。


「なんなんだ?越前の知り合いか?」
桃城君にそういわれ、リョーマは全く知らないと応えた。
途端に、彼の顔が驚いた顔をする。
「おいおい・・・なんだ?兄貴の顔を忘れちまったのか?」
「ええっ、オチビの兄貴ぃ!?」
菊丸君が声を張り上げ、ネットを飛び越えた。



彼は自身満々に、オレンジを皮からかぶりついた。
途端にリョーマの表情が変わったのが分かった。
そして、彼は自分の名前を名乗った。




「越前リョーガだ、よろしくな!」




「越前・・・・」
「リョーガ!?」
彼の名前に不二君も桃城君も驚いている。



「「「うっそ・・・・・・・」」」




そう、コレが彼との最初の出会い・・・・・・・・・・・・