梅雨に入ってから、もうすぐ7月になろうとしたとき・・・・
1st Game 〜突然の転校生〜
「あ〜あ、雨ばっかりでつまんないね〜〜」
外は真っ黒な空、雨は止むことなしに降り続いている6月下旬。
あたしたちは休み時間、いつもように廊下で話していた。
そんなあたしたちに、学年主任の先生が割って入ってきた。
『すまないけど、手塚。。ちょっと着てくれ』
2人は一度顔を見合わせ、学年主任に着いて行ってしまった。
「何なんだろうね・・・?」()
「さぁ・・・」()
「また生徒会の仕事かいな・・・」()
「大変だよね・・・2人とも」()
あたしたちがそう話しているとひのちゃんと、がやってきた。
「なぁ〜〜〜!!さっき職員室で聴いたんだけど、明日転校生来るらしいぜ!!」
ひのちゃんの言葉に、皆が横目でひのちゃんを見た。
「なっ、なんだよ・・・」
「いや、お前のことだからウソだと思ってな・・・」
橘君がそう言うと、思わず皆が首を縦に振る。
「ひっで〜〜〜〜!!」
「ひのきってそんなに信用度少ないんだ・・・まぁ、それは置いておいて・・・
転校生が来るのは本当みたい。さっき手塚とに話してるとこあたしたち見たもん」
の言葉に呆然とする。
「ほえ〜〜、珍しいにゃ〜」(菊丸)
「そうだね・・・期末考査前近くに転校なんて物好きも居るんだね」(不二)
「ふっ、不二・・・・」(河村)
「転校生か・・・データの取りがいがありそうだ」(乾)
転校生ね・・・・あまり興味ないけど・・・・
皆を横目にあたしはリョーマのあの一言を思い出した。
『ねぇ、その転校生って男だったりする?』
の転校してきた時リョーマに話したら・・・そう問いかけられた。
あのときは何故あんなこと言って来たのか・・・解らなかった。
「あっ、!!」
さっき学年主任と離れた手塚君とが戻ってきた。
「えっと、と・・・大石君。橘君。明日アメリカからの転校生が来るから、
クラス内では面倒見てあげてね」
の言葉に、乾君は早速ノートに書き込み始める。
「ちなみに男だそうだから、頼んだぞ・・・あとテニス部にも入るらしい・・・」
そして、転校生が来る日がやってきた。
校内中に今日やってくるアメリカからの転校生の噂で持ちっきりだった。
『なんか、話しによるとその転校生カッコいいらしいわよ!!』
『しかもテニス部入るんでしょww絶対観に行く〜〜〜w』
一体何処からその情報を手に入れたんだか・・・・;
雨が降ってるのに、構内は晴れ間が広がってるみたい・・・
教室に入ると、一番後ろに新しい机があった。
「おはよう、大石君。橘君・・・」
席に行く途中、大石君と橘君に話し掛けた。
「ああ。おはよう、・・・」
「おはよう、さん。もう転校生の話で持ちっきりだよ・・・」
「あたしと席近いな・・・」
自分の席に座り、2つ後ろの新しい机を見る。
数分後、校内に予鈴が鳴り響き生徒はあせあせと席、クラスに戻って行く。
そんな頃・・・・と手塚君の前に・・・思いがけない人物が現われててたなんて・・・
「うそ・・・・」
「お前が・・・・」
「よう、久しぶりじゃねーか・・・」
SHRの本鈴が鳴り響き、担任教師が教室に入ってきた。
クラス全員がじっと教師を見つめる。
『じゃ、噂の転校生を紹介しよう・・・』
教師の言葉にクラスに声が沸きあがる。
『入ってこい!!越前・・・』
えっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・越前!?
教師の放った名前に疑問を覚え、近くに居る大石君と橘君と目を合わせた。
そして豪快にドアが開き、ズンズンと教室に入ってきた。
リョーマ・・・・・じゃない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あいつは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『じゃあ、挨拶してくれ』
教師に言われ、「はいはい・・・」と面倒くさそうに、黒板に英語で自分の名前を書いていった。
「越前リョーガだ。よろしくな・・・」
彼の声、容姿にクラスの女子は声を高々とあげて行く。
『じゃあ、越前の席は、あそこの一番後ろだ』
「ああ・・・ってちょっと待ってくれ!!あいつの隣にしてくれねーか?」
えっ、あ・・・・・・あたし!?
越前リョーガがあたしに向かって指を指した。
その瞬間、女子の鋭い視線があたしにズサズサと突き刺さってくる。
何考えてるのよ・・・あいつ・・・・
『か・・・知り合いか?手塚とに合った時もそう思ったが・・・』
「まぁ、そういうこと・・・いいだろ?」
『、いいか?』
・・・・・・・・・・・・・・・って言われても・・・・・
「べっ、別に構いませんけど・・・・」
そう応えると、私の隣の列は1つずつ下がって、あいつがあたしの隣にドカッと座ってきた。
「よう、久しぶりだな・・・」
「馴れ馴れしく呼ばないでくれる?」
「相変わらずつれねーな・・・まっ、ヨロシクな」
なんで、またこいつに出会わなければならなかったの・・・・
このとき、あの夏の日・・・・2年前のあの夏の日のことが頭に蘇ってきた。
あの、とてつもないバトルを・・・・あたしは忘れたことは無い。
全力で戦った越前兄弟の試合を・・・・