さて、今年はどうしよう・・・・・・
思い知ったファンからの重圧
11月下旬、修学旅行も間近に迫った土曜日・・・・
「あっ!!!!!いけない・・・;明後日、英二の誕生日」
修学旅行や学期末考査があるためにすっかり菊丸の誕生日を忘れていた。
毎年、欠かさずに覚えていたのに・・・・
「迂闊だった・・・。どうしよう・・・」
一方、菊丸というと・・・・
「ほいさ!!」
「あーーーらよっと!!」
テニスコートで暴れていた。
「英二、調子よさそうだね・・・」
そんな菊丸の姿に、不二は感心しながら見ていた。
「ああ。修学旅行だと一番はしゃいでたのはアイツだからな」
小さなため息をつきながら橘も話しに加わって行く。
「だが・・・・・・」
つかさず乾が言葉を放ち、不二と橘は耳を貸す。
「それだけじゃないはずだ・・・。今日が11月26日だからな・・・」
「なるほどね・・・」
2人だけが納得している隣で、橘1人だけが疑問を抱いた。
「おーーーっし!!リョーガ、いっくよーーーん!!」
「いつでも来い!!」
菊丸の誕生日を思い出したは、急いで街へと出かけた。
「どうしよっかな・・・。去年は刺繍のリストバンドだし・・・一昨年はテディでしょ・・・」
商店街のウィンドウを見ながらプレゼントを考えていると、に声が掛かった。
「あれ?先輩??」
が振り向くと、買い物を既に済ませたが居た。
「さん・・・。買い物?」
「はい!ちょっと修学旅行で必要なものを・・・先輩も買い物ですか?」
「まーね・・・。でも良いのが見つからないの・・・;」
「そうですか・・・。あっ、さっき通りかかったんですけど・・・」
の話しには食いつくように聞き、そこへ向かうことにした。
「こんなところが出来てたんだ・・・」
ガラス細工が飾られている雑貨店。店内には女性客で賑わっている。
店内に入ると幻想的な世界が広がったようにも思える。
「へぇ〜・・・いろんなのが・・・ってこれいいなww」
店内を回っていると、テディ型のガラス細工があった。
「テディ第2弾でいいかなww」
会計にもって行き、青を基調としたラッピングをしてもらい店を出た。
11月28日。
毎年恒例となっているテニス部(レギュラー)の誕生日・・・。
それも今回は愛嬌満載の菊丸の誕生日と知ったファンたちは朝も早くからフェンス越しにコートをぐるりと囲っていた。
菊丸の登場にファンはぐる〜っと囲い、プレゼントを渡し始めた。
「今日は菊丸さんか・・・」
もう慣れてしまったのか、朝練に一緒に出てきた神尾達がおもわず呟いていた。
「今月は深司、河村さん・・・そして菊丸さんか・・・」
指を立てながら石田が言ってると後ろからクスクスと笑う1人。
「今年の12月は中等部大変だろうね・・・。ああ、こっちもそうか。クリスマスがあるからね・・・」
不二の言葉に、2人はゾクゾクと体を震わせコートへと入った。
「ありがとにゃ・・・解ったから、押さにゃいでよ〜〜〜〜〜!!」
その頃、一般生徒とともにも登校していた。
「〜〜〜!!おっはよ〜」
中等部方面からが声を掛けてきた。
「・・・おはよ。今日も仲良く登校?」
「まーね・・・リョーマ、引退してからずっと朝迎えに来てるの・・」
「いいじゃない。仲いいんだからwそれに・・・修学旅行も一緒だしね〜〜」
惚気話しにからかう1つの声に2人は振り向くと、
「おはよ!、」
がいつのまにかやってきていた。
「おはよ。・・・・丸見えよ、と」
「「あはは・・・;おはよ」」
5人で校舎に向かっていると、やはり聞こえてくる黄色い声。
「そっか・・・今日、菊丸の誕生日やったな・・・」
一年前の事を思い出し、が話し出した。
「ちゃん・・・?」
囲う団体をただ見つめているにが話し掛けた。
「あっ、なんでもないよ・・・。今年もすごいなって・・・まっ、不二君や手塚君ほどじゃないけどね・・・」
あからさまに浅笑いをしながら、は校舎へと入っていった。
その後も・・・手塚の時同様、休み時間になるとファンが尽きることなく押しかけていた。
「にゃらんでよーーー!!ちゃーんと受け取るから!!」
去年より数が多くなった為か、菊丸にも疲れが見え始めていた。
渡り終わる頃には既に休み時間は終っていた。
「お疲れさん。今年の0.5倍増えたな」
プレゼントの数を調べノートに書き込む乾に菊丸もため息を着いてしまう。
「どうしたの?いつも、嬉しそうに貰ってたのに〜〜」
に言われ、菊丸はべたっと机に顔を伏せた。
「さすがに手塚や不二の辛さが解ったみたいだな・・・」
データデータというくらいに、乾は今の状況をノートに書き込んで行った。
昼休みになると、菊丸はサッと弁当箱を手に教室を飛び出した。
9組前に着くと、丁度教師が出てきてドアをバンッと開けた。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
突然現われた菊丸に誰もが驚き、は固まっていた。
ズカズカとの前まで歩き、ひょいと腕を掴んだ。
「なっ、なに!?」
「今日、弁当?それとも購買?食堂!?」
焦るように菊丸はに問いかける。
「お弁当・・・だけど・・・」
の答えに菊丸はさっと鞄から弁当箱を取り出し、腕を引き教室を出て行った。
「ちょっ!!英二!?」
「いいから!!!」
菊丸の行動に9組は呆然としていた。
一方、焦り急いでる菊丸にはずっと止まるように言うが一向に止まらなかった。
そして、着いた場所はテニス部の部室。
「ここなら安心だにゃ・・・って?」
強引に連れてこられた所為ではすっかりと機嫌を悪くしていた。
「ゴメン・・・。昼休みまで押しかけられたくなくてさ・・・・」
まるで耳を垂れ下がったように、謝罪する菊丸には優しく撫で、
「解ったから・・・そんな顔しないで」
そう言うと、一気に顔が明るくなりに抱きついた。
「ありがとにゃ!!んじゃ、2人でご飯食べよ!!」
「うん・・・」
食事を取りながら、は菊丸の話をじっくりと聞かされ・・・
「そっ・・・じゃ、私からはいらないわね・・・。それだけ貰ったんだから」
と悪戯を交えた言葉に、表現豊かに菊丸が反応する。
それが面白くてつい笑うと、
「ああ〜〜〜!!笑うなんてひっでーーー!!」
と今度は怒り出した。
「ゴメンゴメンw私のはちゃーんと用意してあるから、下校まで待ってて」
「解ったにゃ」
放課後になり、さすがにほとぼりも冷めたのか菊丸の前・・・いやテニス部には女生徒の姿はなかった。
「で、英二先輩!!いったいどれくらい貰ったんすか?」
部活中、興味津々で桃城が話し掛けてきた。
「なーいっしょ!!」
隠すようにいうと、つかさず真後ろから逆光してくる1つの影。
「今日1日にして、英二が会得した数は総計45個。だが、その中にはまだ本命はない」
「い〜〜ぬ〜〜〜い!!」
あっさりと周りに明かされ、桃城たちは唖然とした。
「英二・・・まだ貰ってないのか?」
大石が心配そうに問いかけてくると、Vサインを見せ
「大丈夫だよん!もー、約束してるもんね〜〜〜」
とニカッと笑いながら菊丸は答えた。
その言葉に大石もホッと息をつく。
部活終了時間になり、菊丸は急いで部室に入り着替えた。
「英二、もしかしてこれからデートかい?」
からかい口調で不二が話し掛けると、
「内緒だよーーんwまったね〜〜〜〜!!」
うきうき顔で答え、早々と出て行った。
「お〜〜〜〜い!!〜〜〜〜〜!!おまたへw」
校門前で待ってるを見つけ、声をあげながら駆け寄った。
「そんなに待ってないよ。イコ」
「もっち!!」
菊丸は嬉しそうにの手を握り学校を後にした。
「ホント、凄い数だね・・・。プレゼント・・・」
「本当だよ〜〜;んでも、俺・・・のがあればそれだけで十分なんだけどな〜」
「英二・・・。公園、入ろう・・・」
「いいよんw」
公園に入り、近くにベンチを見つけ2人はそこに座った。
即座には鞄から、以前買ったプレゼントを菊丸に渡した。
「サンキュー!あけていい?」
「いいよwけど、慎重にね・・・」
するっとリボンを解き、ゆっくりと包み紙を開けプレゼントを見た菊丸。
「うわ〜〜〜・・・キレイだにゃ〜〜」
「結局テディーベアになっちゃったけど・・・気に入ってくれてよかった」
「ありがと!!!!もー大好き!!」
ガラス細工のテディーベアを握り締めたままをぎゅっと抱きしめる。
「英二・・・苦しいよ・・・」
「いいの!!今日は俺の誕生日にゃんだしw」
「もう・・・まっ、いいか・・・今日だけね。英二・・・・・」
「にゃ?」
はそっと触れるかのキスを送り、小さく呟いた。
「おめでと・・・英二・・・」
あとがき。
ゴメンよ・・・菊ちゃん・・・。誕生日2日後に書き上げてUPしなくて・・・;
ってことでやっぱりテディに走っちゃう瀬川でした・・・。
おめでと・・・遅くなったけど;
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著者:瀬川音符
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