5月中旬は、大切な日がある。



海堂の優しさ




4月末に桃城にアドバイスをあげたは、次のことを考えていた。
それは、今コートで神尾とラリーを続けている海堂のことだ。
5月11日は海堂の誕生日。
去年は、ミクスドパートナーとしてプレゼントをあげたが・・・


「今年はカレカノだもんね〜。またバンダナってわけにも・・・
 海堂、アクセつけなさそうだし・・・テニス用品?といっても結構そろえてるもんな・・・」

う〜んと悩んでいると、の前に1人のテニス部員がやってきた。

「やぁ、
「あっ、乾先輩・・・」
現われたのは、相変わらず背中から逆光を浴びている乾。
「海堂のことで悩んでるみたいだな・・・5月も中旬。
 誕生日プレゼントだな」
乾の巧みなるデータを並べられて、はコクリと頷いた。

「なにかいいもの、ないですかね・・・・できればバンダナ以外で・・・」
「そうだな・・・海堂の好きな物か・・・・」
乾はデータノートをパラパラ開いて行く。

「海堂の趣味はマラソン、バンダナ集め・・・
 食べ物にしても、とろろそば(ざる)、ヨーグルト、100%フルーツジュース。
 やはり、プレゼントに最適なのはバンダナって言ったところだな・・・」
「そうですか。参考になりました・・・」




「やっぱバンダナか・・・・帰り、寄っていこ・・・買い物もあるし・・・」
は結論を出し、部活に戻った。





時間は経ち、テニス部の活動は終わった。
、お先〜〜!!」
「また明日ね・・・」
は部室に入り、即行着替え学校を去った。
夕飯の買い物を済ませ、はバンダナ探しにいろいろな店に入っていった。

「う〜ん、コレも持ってるでしょ・・・あっ、コレも・・・
 海堂、いろんなの持ってるもんな・・・ピンク・・・カワイイけど・・・なんか・・・ねぇ・・・・」
はいろんなバンダナを探して行くが・・・いい物といっても当の本人がもう使用しているものばかりだった。
そんなとき、店員さんが新しいバンダナをだしてきた。


「あの・・・それ、新作なんですか?」
『はい、今日入荷なんですよ。どうですか?』
手にとって見てみる。生地もしっかりしてて・・・なにより青!!

「決めた・・・コレ下さい!!」
『ありがとうございます。プレゼント用でよろしいでしょうか?』
「はい」



店員にラッピングしたバンダナを受け取り、は急いで自宅へと急いだ。





そして、11日。
テニス部は朝から練習を行っていた。もちろん、女テニも同じだ。
だけど・・・・

「海堂君。コレ受け取って」
「誕生日、おめでとう」
とまぁ・・・少数の海堂ファンがプレゼント攻撃をしていたのだ。


「ほえ〜、海堂もモテモテだにゃ〜」(菊丸)
「クスッ、もの好きもいるんだね・・・」(不二)
「おい、英二・・・不二。やめないか」(大石)
「ほう、海堂ファンの攻撃か・・・海堂は相変わらず威嚇・・・っと」(乾)
「またデータっすか・・・抜かりねーな、ねーよ・・・」(桃城)


海堂は、ファンを横切りコートへと入ってきた。


「フシューーーー;」


「あ〜あ、青学っていつもこうなんだ・・・練習できるのかな・・・」
「でも、海堂でああだもんな・・・・」
ファンの恐ろしさに不動峰出身ズ(笑)は唖然としていた。



そして、騒がしいファンを一気に黙らせるのが・・・・・


「用が済んだなら、教室に行け!!練習の邪魔だ!!」
と手塚が叫ぶ。
手塚の声に怯み、ぞろぞろと校舎の方に移動し始めた。




・・・海堂ファンも以外に凄いみたいだね・・・」
「うん・・・でも、海堂睨みつけてる・・・機嫌悪いみたい・・・;」
「そうだね・・・」





朝練が終っても、海堂の機嫌はますます斜めになっていった。
休みに入ると、1人1人とプレゼントを渡しにくるファンに苛立っていたのだ。


「かいど〜〜・・・」
「っあ゛!!」
「ゴメン・・・なんでもない・・・」
が宥めようとしてみたが・・・無駄に終ってしまう。



そしてただ時間が過ぎて行く・・・
さすがに放課後の部活ではファンもやってこなかった。


だが・・・・
「っ!!!!」
「おわっ!!おい、海堂!!てめー・・・いてーじゃねーか!!」
ラリー中、海堂のブーメランスネイクは起動を変え、桃城の頭に直撃した。
「・・・・すまねぇ・・・」
海堂はラケットを持ち、コートを出てグラウンドを自ら走り出した。




海堂が走り終わる頃には部活は終了した。


「海堂・・・はい、お疲れ」
走り終え、その場に座り込んでいる海堂にがタオルとドリンクを差し出してきた。
「ああ・・・」
「ずっと機嫌悪いままだね・・・せっかくの誕生日なのに・・・」
「しらねー奴から祝われたくねー・・・」
「確かに・・・でも、海堂が好きだから、あ〜してくるんだよ。その気持ち解ってあげなよ」
が言うと、海堂はタオルを頭に掛けたまま顔を上げた。

「お前は・・・・そうして欲しかったのかよ・・・」
海堂の放つ言葉には唖然とする。
「えっ・・・・?」
「そうして欲しかったのか?と聞いてるんだ・・・・」
「それは・・・・・・・・・・・・・・・ヤダ」
「ならいいじゃねーか・・・」
海堂はそう言いながら、立ち上がりの頭をポンと手を置き部室へと戻って行く。


「それって・・・・・//待って、海堂!!」
の言葉で海堂は背を向けたまま立ち止まった。
「あたしの・・・ためだったの?全部・・・・」
「・・・・//・・・あの連中がウザイだけだ・・・」
頬を染めながら、海堂は部室へと戻っていった。
「海堂!!着替え終ったら待ってて!!一緒に帰ろっ!!」
「ああ・・・」




帰り道・・・・


「誕生日おめでとっ・・・薫・・・」


プレゼント渡したは、そっと海堂の頬にキスを落としたのであった。
その後、海堂はと眼を合わさなかったが嬉しそうな顔をしていた・・・そうだ(乾によると・・・)

あとがき。

海堂、ハピバ〜〜〜wってかな〜り遅くなってゴメンね〜〜〜〜>□<
(実は誕生日前には出来上がってたのに・・・・;)
ということで、海堂の優しい一面を今回出してみました。でも・・・ピンクのバンダナ巻かせてみたいw(コラ)

Happy Birthday!! Kaoru Kaidoh

このドリームに関するご意見、ご感想等をBbsにて受け付けています。
気軽に書き込んでいってください。よろしくお願いします。(最低限のマナーは守ってくださいね)

著者:瀬川音符

Dream Topへ戻る