新学期も始まり、黒い影が近づいていた。
越前に忍び寄る影
1年も入り、中等部のテニス部にも仮入部が始まっていた。
だが、越前は最近どこからか視線を感じ周りを見渡す姿が見られた。
「また・・・・なんだよ一体・・・」
気になりながらも、テニス部の活動をしている越前。
実は・・・・・・・
「いたいた。お姉ちゃんの彼氏・・・本当にあのオチビさんなんだ〜〜」
ふふふっと言わんばかりに薄笑いをしているこの女生徒。
そう・・・越前の彼女、の妹である淳子だ。
今年の春から青学の1年生として入学したのだ。
一度、付き合い始めた頃逢っていたのだが・・・・ちょっと回想してみよう。
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が誕生日前日にナンパされたあの翌日から越前は時間のある限り、
登下校を一緒にしていた。
そんな時・・・・
「お姉ちゃん!!」
2人の背後から幼い声が掛かる。
越前は不思議そうに彼女を見るが、がすぐ名前を呼んでいた。
「淳子・・・今帰り?」
「うん。今日はクラブあったもん・・・ってこの人は?」
淳子は越前に指差し、問いかけてきた。
「ああ、まだ紹介してなかったよね・・・」
納得するようにが言うと、つかさず・・・・
「お姉ちゃんの彼氏でしょ・・・」
とズッパリ言い切った。その途端は頬を赤く染める。
「当たったwやっぱお姉ちゃんのタイプってこんなだよね〜」
ランドセルをしょったまま、淳子は越前の前までやってきた。
「淳子っていいます。お姉ちゃんより年下でしょ?」
「まーね・・・越前リョーマ・・・ヨロシク」
「ドーモ・・・・でも・・・・・」
越前をジーーーーーーーっと見て、
「な〜んだ。私よりちっちゃ〜〜〜〜〜〜〜い」
と声を上げ、指を指した。
その言葉に、越前はショック・・・だが顔には表さなかった。
「じゅっ、淳子!!」
つかさずが名前を張り上げるが、
「だって、小5の私よりちっちゃいんだも〜ん」
とあっけなく言い続ける淳子。
当時、越前リョーマ・・・中1、160cm。淳子・・・小5、163cmだった。
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それから2年が経ち、今の状態になっている。
越前はアレ以来、身長を伸ばす為牛乳を乾に言われたとおり毎日2本ずつ投与していた。
その成果がでて、今じゃ170cmを越えていた。
「なんか最初逢った時より、大人びてて背も私より高くなってる・・・・」
暫く越前ウォッチングをして淳子は校内を出て行った。
越前は部活を終え、部室で部長業をこなしていた。
「おい、越前。先に帰るぞ〜」
「はいはい・・・・」
堀尾たちも部室から出て、1人きりの所にドア音がした。
「誰だよ・・・ったく」
無愛想に返事を返しドアを開けると・・・・
「やってる?リョーマv」
そこにはが立っていた。
「・・・・」
「さっき堀尾君たちに会って、リョーマまだ部室だって言ってたから・・・来ちゃった」
その言葉に、心の中でガッツポーズしを部室に招いた。
「もう少しで終るから…今日、送る」
「アリガトっ。どう、大分慣れた?」
「まーね・・・そっちは?」
「効果で1年生が爆発しそう・・・でも楽しくやってるよw」
そう話して行くうちに、越前は部長業を終らせ部室を後にした。
それから数日立っても、越前に当たる視線は途絶えることは無かった。
移動教室中でもそうだ・・・
バッと振り返ると誰もコッチを見ていない・・・
「越前?なにやってんの・・・?」
そんな越前にたまたま隣に居たが問いかけてきた。
「別に・・・・」
「変なの〜〜〜〜」
「なんだよ・・・」
舌打ちしながら、越前は歩き出す。
「あ〜、ビックリした。目線あっちゃうかと思った・・・
でもそろそろやめないとな〜〜」
淳子が呟いていると・・・背後から、
「なにを?」
と低い声が轟いた。
淳子はビクッと反応し、そーっと振り返ると・・・
「あっ・・・・・・・;」
そこにはさっき移動教室に向かっていったはずの越前がたっていた。
「ねぇ、ココ最近ずっとオレのことみてるけど・・・なんかあんの?」
「えっと・・・その・・・」
淳子が冷や汗を掻いていると、越前が「あっ」と声を出した。
「アンタ、の妹・・・・」
「あはは・・・・そうです。お久しぶりです・・・越前先輩・・」
「で、なんでオレのことつけてたわけ?」
本題に入ると、淳子は黙り込む・・・がタイミングよくチャイムが構内に鳴り響いた。
「「あっ・・・」」
それと途端に、2人は各教室に向かい走っていった。
そして昼休み・・・
「そーいえば、何組なんだよ・・・」
越前は1年生の階に行ったのはいいが、淳子のクラスが解らずそして下の名前をすっかり
お忘れ状態でその場にたたずんでいた。
テニス部の1年生と遭遇し、挨拶をされ返すと聞こう・・・っとすると部員は居なくなっていた。
「どうしたらいいんだよ・・・あっ!!」
越前は携帯を取り出し、に電話を掛けた。
「サンキュー、」
『ううん。別にいいよ・・・でもなんで淳子?』
「後で話すよ・・・にも知っててもらいたいし・・」
『解った。今日も終ったらそっち行ってもいい?』
「ううん。今日はこっち早く終るからそっちに行く・・・」
『了解。それじゃ放課後にね』
電話を切り、越前は1−4に向かっていった。
教室に顔を出すと、黄色い声が上がる。やはり1年にも越前人気は爆発中。
「ねぇ、・・・呼んでくれない?」
近くに居た男子生徒にいい、淳子を呼び出してもらった。
校舎から出て裏庭に着いた2人。
「さっきは、移動だったから聞き逃したけど・・・なんでオレのことつけてたわけ?」
「えっと・・・・お姉ちゃんの彼氏のこと良く知りたかった・・・・から?」
疑問系で答える淳子に、越前は小さくため息をつく。
「だっ、だって・・・1度逢ったくらいでどんな人かなんて解らないんだもん。
それに、越前先輩!!一度も家に来たこと無いでしょ?」
「・・・・・・・・・・1度はあるけど・・・まぁ、そんときは誰もいなかったけどね」
「だからですよ!!前は私よりちっちゃかったのに・・・ここ着たら、思いっきり変わってるし・・・
その・・・・ゴメンなさい」
「まっ、これからはつけたりしないでよね・・・このこと、に話しておくから」
「ええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
「今日、授業終わっても待っててよ・・・なんならテニスコートに着ていいから」
そして放課後、淳子は大人しくテニスコート脇で越前を待っていた。
部活中、が駆け寄ってきて、
「越前、越前!!今日、高等部行く?」
「行くけど・・・」
「じゃあ、秀ちゃんに伝えて。先に帰るって・・・よろしく!!」
用事を済ませるとさっさと帰っていった。
「なんだよ・・・って時間だ」
部活終了とコールを出し、急いで越前は帰り支度を済ませ待っている淳子のもとへと行った。
「行くよ」
「はぁ〜い」
2人が高等部につくと、タイミングよくたちが現われた。
「あれ、淳ちゃん?」
越前の隣に居る淳子を見つけ、即座に声かけたのはだった。
「ちゃん、ひのちゃん。ひさしぶり〜」
「なんだよ、淳子。お前、中等部合格したのかよ?」
「へへ〜ん。これも実力だもんね〜〜〜」
「でも、なんで淳子と一緒なの?」
が問いかけると、越前は今まで遭ったことを全部話した。
「はぁ?淳子が・・・・;」
「まぁ、本人からは謝罪してもらったからこれ以上は無いと思うけど…」
「そっか・・・ゴメンね、迷惑かけちゃって」
「いいって・・・」
越前は周りをちょっと見渡し、そっとの頬キスを落とした。
「コレでオレは十分だからさ」
「もう、リョーマってば///」
「いいじゃん・・・誰も見てないんだし・・・今度また家に遊びに行ってもいい?」
「うん・・・いいよ。淳子に言われたってことは親が居る時?」
「出来ればね・・・丁度1年目だし、挨拶もしてなかったしね・・・」
「リョーマ・・・」
こうして、淳子のストーカー行為?は消え失せた。
「でも・・・・・越前先輩ってカッコいいよね・・ってお姉ちゃんとライバルになるの
いやだから・・・ヤメテおこ;」
あとがき。
はい、せっかくリョマヒロインの妹が青学に入ったんだから・・・これやらないとw
でも最終的にはリョマたんに引かれる妹ちゃんw姉とのバトルも面白そうだけど・・・諦めました(笑)
さぁ、リョマはヒロインの家族公認になるか・・・w
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著者:瀬川音符
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