今年は・・・・・



渡したいのに、渡せない





GWも終り、菊丸はなにやらニヤニヤしていた。

「どうしたんだ、ニヤニヤして・・・」
部活中、ずっとニヤニヤしている菊丸に大石が話し掛けてきた。
「にゃはは〜。もーすぐの誕生日にゃんだ〜」
「そうか・・・だからといってずっとニヤニヤしていると手塚にどやされるぞ」
「うえ〜〜、それだけはイヤだにゃ〜・・・やっぱ副部長はたっちーのほうが・・・」
菊丸がそういうと、真後ろから仁王立ちで立っている・・・・

「菊丸、走って来い・・・20周だ」
手塚が眉間に皺よせながら菊丸に宣告した。

「にゃ〜〜、手塚!!それは多いよ〜〜〜」
「なら30周にするか?」
「20周いってきま〜〜っす」
菊丸は逃げるようにグラウンドを走りにコートを出た。



「全く・・・」
「まぁ、いいじゃないか・・・英二も楽しみにしているんだから・・・」
大石の言葉に手塚は疑問を持ち、
「楽しみ?」
と問いかけてきた。
さんの誕生日だよ。18日・・・」
「そういうことか・・・」
「まぁ、ずっとニヤニヤでいた英二も悪いけどな・・・」



そして、走っている菊丸は・・・相変わらずニヤニヤ顔のままでいた。
「やっぱアレだよね〜〜。にあげるの」



部活が終ると即行で菊丸は街へと飛び出していった。


「あれ?英二・・・?」(
「どーしたんだろ・・・なんか急いでたみたいだけど・・・」(
「それに、見つけたらすぐ飛びつくのにね・・・」(


そう、菊丸はたち3名の前を素通りしてしまったのだ。





素通りして菊丸は即本屋に入り、新刊の本を買った。

「お〜っし。あとは・・・」
アクセショップに入り、去年同様バレッタコーナーでが気に入りそうなものを買った。
店員に頼み込み、バレッタと一緒に本もラッピングしてもらい店を出た。


「あとは18日を待つだけだにゃ〜」



そして、当日を迎えた。
朝は朝練もあるから、一緒に登校は無理。

「授業前でいいよね〜〜〜」
朝練も終り、早速の居る9組に移動しようとすると・・・・


『菊丸先輩、何処行くんですか?』
『あの・・・いつも見ています。これからも頑張って下さい』

なんと、菊丸ファン(1年生)たちがやってきて菊丸を囲ってしまった。

「あっ、ありがとにゃ・・・俺、急いでるから・・・」
そこ退いて・・・と言おうとすると、逆に
『何処にいくんですか?』
『私たちも一緒にいいですか?』
と逆に纏わりつかれてしまった。

「えっ、ちょっとそれは・・・」
断ろうとすると、丁度チャイムが鳴り響く。



「あにゃ・・・、まだチャンスはあるにゃ。休み時間に絶対渡すもんね〜」





そう断言したが、休みの時間になると濃く如く1年の菊丸ファンに取り囲まれてしまって
結局渡せないままでいた。


昼休み、菊丸は何とか振り切っての居る教室に顔を出した。

「あれ?タカさ〜ん、は?」
「さっき男子と一緒に出て行ったよ」
「にゃ!!タカさん、どっち行ったか解る?」
「多分、屋上じゃないかな・・・」
「サンキューー」
菊丸はプレゼントを持ったまま、屋上へと駆け上がった。


は・・・・あっ、いたいた・・・ほえ?にゃにあれ・・・・」
音を立てずにそっとドアを開け、と1人の男子生徒の様子を見た。



『お願いです。僕と付き合ってください』
「そう言われても・・・私には英二がいるから・・・・」
『それでも!!僕は諦めません・・・本当に先輩のことが好きだから!!』




「うっそ!!が・・・・」
菊丸は屋上に出て、男子生徒の肩をポンと手を置いた。



「ダメだよん。俺のに手を出しちゃ・・・」
『菊丸先輩・・・でも、僕!!』
「君の気持ちは、にも伝わってるよん。
 んでもね、無理強いはダメだよ。もちゃんと断ってるんだから潔く諦めなって」
菊丸の説得により、男子生徒は2人に頭を下げ屋上から去った。



「あの男子・・・外部の生徒だね」
が冷静に喋ってると、
「んも〜〜、にゃんでそんな時まで冷静で居られんの!!俺はハラハラしてたのにさ〜」
と声を荒げる菊丸。
「コレでも・・・動揺したけど?」
「そなの・・・でもこれで諦めてくれるよね〜」
「だといいけど・・・・ところで英二、なんでここに居るの?」
「にゃ!!忘れる所だった・・・」


菊丸は手に持っていたプレゼントをに渡した。

「ほい、17歳の誕生日・・・おめっと」
「ありがとう、英二。開けていい?」
「もち!!」

が器用にラッピングを剥がして行く。

「あっ、新刊の本とバレッタ」
「気に入った?」
「うん。この本読んでみたかったんだよね〜、ありがと」
「どういたしまして」



こうして2人は昼食も取らず、その場で昼休みを過ごしたのであった。



「あっ、そだ!!」
「ん?」
菊丸はそっとの首元にキスを落とす。
「ちょっ、英二!!」
「にゃはは、俺のって印。今度告られたら見せ付けてにゃ」
「もう・・・」

あとがき。

遅くもなりながら、5月までにUP出来たことに自己満足w
やっぱ真っ暗なお部屋に突入したカップルはいちゃつき濃度がUPしていく・・・そして壊れて・・・(をい)


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著者:瀬川音符

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