5月も中旬に入り、とうとうお披露目の日がやってくる。
お披露目
あの呼び出しから、ちょうど1ヶ月がたつというとき・・・・・
「おーい。さ〜〜ん」
YellowPrincessこと小笠原灯が10組に顔を出してきた。
「なんですか?」
「はい、これ!!悠一先輩から・・・」
そう言いながら、1枚のプリントを渡した。
はプリントを読んでいくと・・・・・
「やっぱりお披露目やるんですか?」
「当然!!生徒総会の後だから。覚悟してね」
そういい、小笠原は教室から去っていった。
同じ頃、向かいの5組でも小池が手塚にプリントを渡し、同じようなことを言ったのだった。
「藍輝、手塚君の所行って来た?」
「ああ・・・そっちも終わったか?」
「もっちろん!!今週末が楽しみねvv・・・ってさん!!」
小笠原が声かけると、彼女はイラついた顔をして無視したのだ。
「・・・・だよな?」
「そうだけど・・・さっきと雰囲気違う・・・・」
2人は彼女の顔を見て、違和感を感じた。
それもそうだろう。小笠原に声掛けられたのはさきほど橘に殴られたひのきのほうだったからだ。
「あーーー、ちゃんいる!?」
ひのきはこめ髪に亀裂マークをつけながら、10組に乗り込んできた。
「ひのき・・・なに?」
ひのきの顔を見て、1つため息をついた。
「聞いてくれよ〜〜。また橘に拳骨喰らった・・・
オレの頭、壊れる・・・・」
「また何かしたんじゃないの?」
の問いかけに、う〜んと考え始める。
「何かって言ったって、いつもと同じで橘をからかっただけ・・・」
「はぁ〜・・・ホント、懲りないわね・・・殴られて当然!!」
「そんな〜〜〜」
ひのきがその場で屈み込み、しょげる。
「まっ、もう少し橘君の呼び方変えてみたら?」
「え〜〜〜〜〜〜!!」
ひのきは立ち上がり、の机をバンッ!と叩いた。
「あいつは大仏のほかに、なにもないんだぜ!!特徴もあれだし・・・」
そう言いきったひのきの後ろに、1つの影が・・・・・
「ほう・・・お前はまだそんな事言うのか・・・」
「ゲッ!!た・橘・・・」
「どうやらまだ叩かれたいみたいだな〜〜〜・・・ひのき」
「さ・さいなら〜〜〜〜〜〜!!」
ひのきは一目散と教室から走り去っていった。
「ひのきったら・・・ゴメンね、橘君」
「いや、もう慣れてしまって・・・・」
そうしながらも、今週末を迎えた。
金曜日、5・6限目を使って生徒会総会が講堂にて行われる。
昼休憩が終ると、手塚とは生徒会室に行った。
「それじゃ、あれを出そう」
前見せてもらった、王冠とティアラが入っている箱を取り出し4人は取り付けた。
「2人には総会が終り次第、全生徒の前でお披露目する。いいね?」
「いいね?って言われても・・・・強制なんですよね・・・」
「解ってるね・・・さん・・・いや、ちゃん」
駿河がのことを名前で呼んだことにより、唖然としてしまう。
「あ・あの・・・・」
「なんだい?」
「さっきまで苗字で呼んでいたのに、なんで・・・」
が問いかけると、駿河はにっこりと微笑みこういったのだ。
「生徒会・・・・Prince&Princessは下の名前で呼び合うのが原則なんだよ」
その言葉に、手塚とはフリーズしてしまう。
「まぁ、そのうち慣れるわよ」(魚住)
「そうそう!!今までのPrinceたちも下の名前で呼び合ってたんだから」(灯)
「当然、名前の後ろに先輩はつけてもらうけどな」(小池)
「「はぁ・・・・」」
「よし、行こう」(駿河)
駿河は生徒総会の資料を持ち、小池が2人の王冠とティアラを持って講堂へと移動した。
6人が舞台の袖についた頃には、全生徒が集まっていた。
「それじゃ、ここからは麻衣と俺だけ。ここで待機な」
そういい、2人は全生徒の前に出て行った。
「これから30分は暇だな」
そう言いながら小池は欠伸をする。
「そうね。あっ、そうそう。ちゃん」
「なんですか?」
「一昨日、プリント渡した後、あたしと藍輝にあったよね?」
小笠原の言葉には?マークを飛ばす。
「えっ!?」
「ちゃん、あたしたちみて無視したのよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
にはなんのことやらさっぱりで、う〜んと腕を組んで悩みだした。
「あれにはショック受けた・・・」
「ちょっと待ってください、灯先輩。それってプリント渡した後ですよね?」
の問いかけに小池が応えた。
「ああ・・・」
「私、あのあと教室から出てないんですけど・・・・」
の言葉に2人は顔を見合わせる。
そして同時に・・・・・
「「でも、ちゃんだった!!」」
と言い切ったのだ。
2人の言葉に、手塚は・・・・・
もしかして・・・あいつと間違えたのか?
そう思いながら、に話し出した。
「、あいつじゃないのか?」
「あいつ・・・・・・あっ!!」
はひのきの顔が浮かび上がった。
確かに、2人は双子で見た目全くそっくり・・・・・・・・
「思い出した・・・・あのとき、かなりイラついていたから・・・・」
「多分そのときだろう・・・・」
2人はこそこそと話していると・・・・
「ちゃん、どうなの?」
小笠原が問い詰めてきた。
「藍輝先輩、灯先輩。その声を掛けた私、かなりイラついてなかったですか?」
「そういえば・・・・・」
「あのときのちゃん、頭に手を置いてた・・・」
「やっぱり・・・・」
は、2人を無視した彼女のことを話した。
「すみません。その私は双子の妹なんです」
はそう言いながら、2人に頭を下げた。
「「双子の妹!?」」
2人はの言葉に、唖然としてしまう。
唖然としている間に、大まかな総会が終了し駿河と魚住が戻ってきた。
「なんだ?なんだ?」
「4人でなに話してたの?」
2人が4人に話し掛けた。
「「悠一先輩、麻衣先輩!!ちゃんが、双子だったんだって!!」」
小池と小笠原は2人にそう言った。
その姿に駿河はクスクスと笑い出した。
「ちょっと、悠一・・・」
「ああ、ゴメン。なんだ、藍輝と灯ちゃんは知らなかったのか・・・」
そういい、資料をポンポンと肩を叩いた。
「麻衣先輩は?」
小笠原は魚住にも問いかけた。
「知ってたわよ。まだ本人に逢ったことはないけどね」
「なんで教えてくれなかったんですか?」
「ん?まっ、いずれ解ると思っててね・・・そうか、2人はもう逢ったのか・・・
麻衣、先越されたな」
「そうね・・・」
そういい、Rea Prince & Princessはのんきに微笑みあった。
「ということは・・・・国光も知っていたのか?」
小池は手塚まで問い詰めだした。
「はい・・・」
「なんだ・・・知らなかったのは俺と灯だけ・・・」
「なんか仲間はずれされたみたい・・・」
そういい凹むYellow Prince & Princess。
その2人の姿を無視し、駿河は手塚との前に立った。
「この20分の休憩後に、お披露目する。まぁ、挨拶はないから気軽に」
「あと15分もあるから、講堂内いっても良いわよ」
魚住に言われ、2人は頭を下げ講堂へと移動した。
「とうとう、この時間が来るのね・・・」
「ああ・・・」
2人は同時にため息をつく。
「まさかひのきが、灯先輩たちと逢ってたなんて・・・」
「思いもしなかったな・・・」
「うん・・・」
そう話しながら、1年生がいる後ろの方に行くといつものメンバーが集まっていた。
「あっ、手塚。どこ行ってたのさ?」(不二)
「も!!総会のときどこいたの?」()
「ゴメン。この理由はこの後わかるから・・・」()
「なにかあるの?」()
「まぁな・・・・」(手塚)
「それにしても、退屈〜〜〜」(ひのき)
「同感だにゃ〜〜」(菊丸)
「英二・・・」()
「そういうな、ひのき」(橘)
「そういえば、さっき生徒会長が『休憩後、生徒会のレセプションがある』って言ってたな」(大石)
その言葉に、手塚とはビクッと反応してしまった。
2人の姿をしっかり見ていた乾は、ノートを取り出し
「レセプションで2人に関することがあるのか・・・」(乾)
「そうなん?」()
「確率的に90%だ」
「何があるんだろう・・・?」(河村)
「でも乾君の言ってたことも気になる〜〜」()
そう話していると、アナウンスが流れ2人はまた舞台袖に戻った。
『それでは生徒会レセプションを行います。今回は新入生も入り、1年生から
PrinceとPrincessを選出します。2・3年生はお解りだと思いますが、1年生の諸君達に
教えなければいけないので、ここでPrinceとPrincessのことを話しましょう』
駿河はPrince & Princessのことを説明し始めた。
その後ろには3人の姿もある。
『そして我々が選びに選んだPrinceとPrincessを紹介します』
その言葉に、乾と不二は「なるほど・・・」と思いながら舞台を見ていた。
『まず、Princeは・・・・今年の総代を務め、絶大な人気を持つ1−5 手塚国光』
手塚の名前があがると、手塚は舞台に出て行った。
手塚の姿が見えると、手塚ファンは黄色い声をあげる。
『次にPrincessは・・・・・・・彼の右腕として筆答する1−10 』
は深呼吸をすると、舞台へ出た。
の姿を見た男どもは「おお〜〜」と声をあげる。
『以上。この2人にはこれから生徒会を勤めてもらいます。
それでは、儀式を・・・・』
駿河がそういうと、Yellowの2人がBlueの王冠とティアラを持ってきた。
『それでは儀式を行います。手塚国光くん、君をBlue Princeとして認めます』
そういい、駿河は手塚の頭に王冠を乗っけた。
『さん、あなたをBlue Princessとして認めます』
駿河に続き、魚住がそういいにティアラを着けた。
それとともに盛大な拍手が喝采した。
『これにてレセプションを終了します。今日の放課後まで我々は、1年の皆さんに顔を覚えて
もらうため、王冠とティアラをつけています。ぜひ、覚えてください』
こうして、生徒総会&お披露目が終わった。
早く終わったため時間があまり、それぞれの教室へと戻った。
「それじゃ、部活終了後に生徒会室に集合」(駿河)
「国光君、ちゃん。王冠とティアラは丁重に扱ってね」(魚住)
「「はい」」
こうして生徒会も解散した。
講堂を出ると、いつものメンバーが待ち構えていた。
「こういうことだったんだ〜〜」(菊丸)
「手塚がPrince・・・Princeより手塚はKingじゃないの(クス)」(不二)
「王子じゃなく王!?言えてるぜ」(ひのき)
「そういわなくても・・・」(河村)
「そうだよ。ひのきちゃん」(大石)
「だが、テニス部と生徒会。両立できるのか?」(橘)
「手塚なら、中等部と同じようにこなすさ。なぁ、手塚?」(乾)
「でも、また生徒会と掛け持ちなんてね〜〜」()
「またって、中等部もそうだったの?」()
「そうよ。しかも副会長!」()
「ちなみに手塚君が会長」()
「そうなんや〜〜。生徒会の証がそれかいな・・・変わってんやな」()
彼らの言葉に疲れを感じ、2人はため息をついた。
それから教室でのSHRでも、2人は担任からクラスメイトまでに騒がれ、
部活でも話題でいっぱいだった。
部活が終わり、生徒会はまた生徒会室に集まった。
「どうだい?反響は・・・」
駿河が2人に問いかけると・・・・・
「今日1日だけで疲れました・・・・」
とが呟くように言った。
「疲れるのは、まだ早いぞ。これからが忙しくなるんだからな」(小池)
「そうそう。それに騒がれるのだって、時期にやむしね」(小笠原)
「それじゃ、皆。王冠とティアラを元に戻して、解散しましょ。
2人とも、今日はゆっくりと休んでね」(魚住)
6人は自分の頭から王冠又はティアラをとり、箱へと収めた。
こうして1日が終わったのであった・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あとがき。
いや〜〜、相変わらず手塚Loveで書いてる瀬川です。なんていったって一番数が多いvv
さて、Prince & Princessの続編です。とうとうお披露目しちゃいました〜〜〜。
手塚の王冠姿・・・拝みて〜〜〜〜>▽<
多分、PrinceよりKingだよ!!不二が言うように・・・
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著者:瀬川音符
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