コテージに残った手塚&は・・・ 「全くあいつ等は・・・・」 3カップルの背中を見送りながら、手塚はため息をついていた。 「何処行っても変わりはないのね・・・はいっ」 も呆れ顔で、手塚にカップを渡す。 「ありがとう・・・」 「どういたいしまして」 近くの椅子に座り、コーヒーを口にする2人。 「それにしても・・・」 周りを見ながら、が話し始める。 「さっきまで騒がしかったのに、静か・・・」 の言葉に、手塚も同意する。 「ああ。特に騒がしい菊丸もいないからな・・・・」 「菊丸君、本当にムードメーカーだもんね・・・」 はクスクスと笑いながら、そう言った。 「選抜の時もそうだったな・・・」 「うん・・・それに・・・」 「ん?」 が良いかけた言葉が、気になり始める。 だが、次の言葉が出てこない。 「どうした・・・」 手塚はカップを置き、に声をかける。 「あっ、ううん・・・なんでもない」 「なんでもないわけないだろう・・・さっきの続きはなんだ?」 手塚が問いかけ、は黙秘する。 そんな態度に、手塚もため息をついてしまった。 「・・・」 「ゴメン・・・だってテニスで国光と過せるなんて思っても見なかったから・・・」 そう言い、下に俯いた。 「その・・・・え〜っと・・・」 表情は見えないが、『嬉しかった』という心は手塚にも伝わっている。 手塚はポンッと手をの上に置き、撫で始めた。 「俺は嬉しかった・・・お前とテニスが出来て・・・」 「国光・・・」 手塚の行動に、下に俯いていた顔を上に上げた。 「お前はどうなんだ?」 「私は・・・嬉しかった。もうテニスは・・・って思ってたから・・・ それに試合にも勝てたしね」 そう言い、にっこりと手塚に微笑んだ。 「ああ。そうだな・・・・」 「お互いシングルスだったしね・・・」 「もうやらないのか?」 手塚の問いかけに、はきょとんとした顔をする。 「えっ?」 「テニスだ・・・」 「ああ・・・さすがに合宿みたいに毎日テニス漬けは無理・・・コーラス部もあるし・・・ でも、趣味がてらまたやろうかな・・・」 「そうか・・・そのときは相手になる」 「ありがとっ。そういえば、あれ以来試合すらしてないのよね〜」 「そうだったな・・・今度はラリーで終らないようにしよう」 そう言い、に挑戦的な目を見せる。 「うわっ・・・やる気満々;;」 「当然だ・・・」 手塚はそのまま、を自分に引き寄せる。 そして自然と、2人の唇は重なり合う。 それも時間をかけ、深く・・・・・・・・・・・・・ 「何か・・・凄い場面見ちゃった・・・」 「やっぱり手塚もやるもんだね・・・」 「ほえ〜〜。にゃんか戻るタイミング悪かったみたいだにゃ〜」 「うん・・・・」 「それにしても・・・長い・・・」 「しっかりと自分たちの世界に入ってるね・・・」 6人がその姿を見ながら、そういっていると互いに目を合わせる。 2人の口づけが終り・・・・・・ 「・・・まだ聞きたいことが・・・・」 手塚がまた話し出すが、隣から寝息が聞こえてきた。 よく見てみると、は手塚の肩に頭を乗せ、スースーと眠っていたのだ。 「寝てしまったのか・・・」 手塚はその姿に小さくため息をつき、の頭をなでた。 その瞬間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「お前たち、帰ってきているなら入ってきたらどうだ!?」 開いている窓に、手塚が声をかけた。 結局、手塚は6人が出刃ガメをしているのに気づいていた。 不二、菊丸、越前は手塚をからかい始める・・・彼女達は眠っているを起した。 そして菊丸たちが買ってきた花火をやり、1日が終わったのである・・・・・・・・・・・・ あとがき。 著者:瀬川音符 ![]() |