高等部に入って2週間がたった。
いつも1人の君
大体高等部に慣れてきたこの頃、やはりそれぞれのグループが出来てくる。
だが、彼女だけ・・・・いつも1人だ。
・・・・・
彼女は入学そうそう騒がれ、女子から軽蔑の目でいつも見られている。
そして誰も近づこうとはしない。
俺、河村隆はテニスは止めたが、不二たちとは相変わらず仲良くしている。
もちろん、クラスにも友達はいる。
だけど・・・・やっぱり気になってしまうんだ。
俺は思い切って彼女に話しかけた。
「ちょっといいかな?」
俺の言葉に彼女はふっと見上げてきた。
「え〜っと・・・」
彼女はまだ名前を把握していないみたいだ。
「河村隆だよ。さん」
「ゴメンね・・・まだ全員の名前、覚えてなくて・・・それでなに?」
俺はどういっていいのか分からないまま、
「うん・・・いつも1人だから・・・気になって」
詰まり詰まりにそう言った。
「1人なんていつものこと・・・もう慣れちゃった」
そう言い、彼女は窓の外を見る。
「友達とか・・・・作らないの?」
「別に・・・私と友達になりたい人っていない・・・」
彼女の流すような言葉につい声をあげてしまった。
「そんなことないよ!!」
「えっ・・・」
「なんでそう思うのさ!!」
「か・河村くん・・・」
俺の名前を呼ばれ、ハッと我に返った。
「ご・ゴメン・・・つい・・・」
「いいよ、別に・・・」
「でも・・・・寂しくない?」
俺の言葉に彼女は目をそむけた。
それはそうだと言う反応だったのだろう・・・・
「よかったら俺と友達になってくれないかな?」
そういい彼女に微笑んでみた。
俺の言葉に彼女はあっけらかんとした顔で俺を見る。
「ねっ?」
彼女は顔を赤らめ始め、下へと俯いた。
「ダメかな・・・?」
俺がそういうと彼女はそのまま首を横に振った。
その姿に俺は思わず心の中で喜んだ。
「タカさん」
急に名前を呼ばれ、廊下の方を見ると不二が来ていた。
「不二。どうしたの?」
「今、いつもの所で皆集まってるよ。タカさんもどう?」
「行くよ。先行ってて」
「解った。待ってるよ」
不二はそう言い、俺のクラスから去っていった。
俺は彼女の方を再度向き、
「今から一緒に来てくれない?」
突然かのように言うと、彼女はパッと顔を上げた。
「ねっ?」
「う・うん・・・」
俺たちは教室からでて、不二たちが待ついつもの場所へと移動した。
「河村くん、どこに行くの?」
「すぐそこだよ」
そういっていると、いつものメンバーが集まっていた。
「ゴメン。遅くなって」
俺が声掛けると即座に、
「おそ〜〜〜い。にゃにしてたんだよ〜〜」
「英二・・・」
と不貞腐れる英二の姿とそれを呆れてみているさん。
「英二・・・俺たちだってさっき集まったんだから、そう言うなよ」
英二を宥めようとする大石に、
「そうそう、このなが〜い自由時間に集まろうといったのはさっきだもんね」
大石の言葉を追加するように言うさん。
「それにしてもよ、いくら離任式だっていうのにオレら帰れないなんてさ」
「仕方ないだろう・・・まだ授業は残っているんだ」
そう、今の時間は離任式が行われていて、1年生は教室等で待機なのだ。
それを愚痴るように言うのがさんの双子の妹、ひのきちゃん。
ひのきちゃんの言葉に橘が冷静にそういう。
「ねぇ、河村君。後ろの子は?」
「見たことのない生徒だな・・・」
俺の後ろにいる彼女に気づいたのか、さんと手塚が問いかけてきた。
「俺と同じクラスなんだ」
「さっきタカさんの前に座っていた子だよね?」
「うん・・・さっき友達になったんだ」
「へぇ〜〜」
不二とさんがそういうと・・・・
「なぁ、あたしらと話すの嫌なん?」
さっそく彼女の方に周り、さんが問いかけていた。
どうやら、人見知りをしたようでずっと俺の後ろに隠れていたらしい。
「まぁ、。そういうな・・・誰しも最初は人見知りをするもんだ」
そう言いながら乾はなにやらノートに書き込んでいる。
「さん・・・俺の後ろにいないで前に出ようよ」
「でも・・・」
「大丈夫だよ。みんな君を偏見としてみないから」
そう言い、俺は少し強引に彼女をみんなの前に出した。
彼女が前に出ると、突然、さんが声をあげた。
「ああっ!!あのときのブロンド少女!!」
さんの言葉に彼女はビクッと反応する。
「・・・彼女が吃驚しているよ」(不二)
「あっ、いけない・・・ゴメンね、驚かせるつもりはなかったんだよ」()
「でも、。さっきの言葉どういうこと?」()
「あたしも知りたい!!」()
「あたしもや!!」()
「実はね、入学式に時に桜満開の中で彼女が立っていたの」()
「それを見た僕らはすっかり目に焼きついていてね・・・すぐ思い出したってことなんだ」(不二)
「へぇ〜、それっていわゆる一目惚れってことかにゃ?」(菊丸)
「英二・・・そういうなよ・・・」(大石)
「だが意外だったな。タカさんが女性を連れてくるとは・・・データの書き直しが必要だな」(乾)
「なぁなぁ、名前なんていうんだ?」(ひのき)
「おい、ひのき・・・いきなり失礼だろう・・・」(橘)
「いいじゃんかよ〜〜>3<」(ひのき)
「お前は礼儀も知らないのか・・・」(手塚)
「へいへ〜い。どうせオレはバッカですよ〜だ」(ひのき)
「はいはい・・・言ってなさい・・・それじゃ、お互いに自己紹介しよう」()
さんの意見に全員賛成し、自己紹介が始まった。
「私は。10組よ」
「オレはひのき。見ての通りちゃんとは双子!!8組だぜ!」
「5組の手塚国光だ・・・」
「ちなみにこいつはちゃんの彼氏さまさま」
ひのきのからかい口調に手塚の鉄拳がひのきを降す。
「10組の橘桔平だ。ヨロシク」
「ちなみに大仏っていうんだぜ>m<」
その瞬間、またもやひのきに鉄拳が喰らっていた。
「次あたし!!いいます。9組やで」
「乾だ。と同じクラスだ。それにしても新たなデータが必要だな・・・」
「7組の大石秀一郎です。なにかあったらいつでも頼っていいから」
「さすが青学の母と言われただけあるね・・・あっ、あたしは。3組だよ」
「さん・・・『青学の母』って・・・」
「いいじゃない・・・」
「ほいっほ〜い、次は俺たち!!ひのきと同じ8組の菊丸英二だにゃ〜」
「1組のです。よろしくね」
「ちなみに俺とはラブラブだにゃ〜〜(抱き)」
「はいはい・・・解ったから抱きつかないで」
「嫌にゃ〜〜〜」
「2組の不二周助です。よろしく」
「6組のだよ。仲良くしようね」
一通り、11人の紹介が終わった。
彼女はみんなの歓迎に彼女は柔らかい表情をしていた。
「ねっ、大丈夫でしょ?」
「うん・・・クラスの人たちとは全然違う・・・」
「俺の最高の仲間なんだ・・・」
「いいね・・・」
「おい、今度は君の番だぜ」
ひのきちゃんが少しきつい口調で言うと、彼女は怯んだ。
その口調に気づき、すぐさまさんが注意する。
「ひのき!!今の言い方はキツイわよ」
「へ〜い・・・どうぞ・・」
「4組の・・・・・・です」
彼女は照れながら皆に自己紹介をした。
俺は、彼女が少しでも皆に慣れて欲しいと思う。
だがそれは時間の問題だろう・・・・
それもそうだ。さんを中心に女の子達はすぐ話をしていた。
もちろん、さんもその中に入っている。
「タカさん、ホッとした?」
いきなり不二に問いかけられ、ビクッと反応してしまった。
そんな俺の姿に不二はクスリッと微笑んでいた。
「で、どうなの?」
「うん・・・安心したよ・・・皆に紹介してよかった・・・」
「でも〜、タカさんが女の子連れてくるとは思わなかったにゃ〜」
「意外だ・・・データの書き直しだ」
「乾・・・・」
「ところで河村。俺たちに紹介するほどだ、何かあったのか?」
さすが、手塚・・・鋭い所をついてくる。
「ああ。実は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
俺は入学早々、クラスで起こった話題を話した。
「そうか・・・クラスが彼女を偏見に・・・・」
橘がそういい彼女を見る。
「クラスはもう誰も彼女とは話そうとはしない。だから俺が・・・」
「タカさんらしいね・・・」
「だがよ〜〜、それも時間の問題じゃねーのか?」
俺たちの話にひのきちゃんが割り込んできた。
「う〜ん・・・それは難しいことだからね・・・」
「まっ、オレたちといればそんな事もねーだろ・・・
なんせ、ちゃんらの知名度は高いんだし・・・次第にそれはなくなってくると思うぜ」
そう話していると校内放送が流れ、全員は一路教室へと戻った。
担任が来るまでの待機時間・・・・・
俺はさんと別れ、それぞれ席に座った。
このときの俺は気づきもしなかった・・・・
まさか、クラスの女の子達が彼女に向ってこんなことを言っていたなんて・・・・
『ねぇ、あのブロンド・・河村君と友達になったみたいよ・・・』
『え〜〜、なんであいつが・・・』
『しかもさっきまで手塚君や不二君たちとも一緒だったのよ。私この目で見たんだから』
『うわ〜〜。なにそれ・・・許せない・・・』
『外部から来た子にも彼らのFCに入った人もいるし・・・どうする?』
『やっちゃう?』
『それいい・・・だいたいあの6人に話しかけるなんてどうかしてる、あいつ』
『決まりだね・・・あっ、そうそう!一緒にいる四天王はどうする?』
『四天王には手を出せないよ・・・いくらなんでも敵わない・・・』
『そうそう・・・とにかくブロンドだけを集中攻撃ってことで』
『うん・・・・』
あとがき。
瀬川:よっ、初タカさん!!
河村:俺が最後か・・・でも個人で出れることは嬉しいよ
瀬川:タカさん・・・あなたはなんてお優しい方vv
河村:ええっ!?そんなこと・・・
瀬川:もう!!はい、ラケット!!
パシッ!!
河村:よっしゃ〜〜〜!!褒めてくれてサンキュー!!これからもガンガン出まくってやるぜ!!
瀬川:それでことタカさん・・・ってもうテニスしないんだったよね・・・?
河村:ショッキーーーーーーーーーング!!
瀬川:はい、バーニング終了(ラケットを取り上げる)
河村:兎に角、俺は板前修業に入るからね。仕方ないよ
瀬川:そうだね、頑張ってタカさん!!いつかそのシーンの話も書く・・・・と思う・・・
河村:あはは、思うか・・・それもそうだよね、メインは手塚たちだし・・・
瀬川:でも書いていくよ。君たちがラブラブになるまでは。
河村:期待しているよ
ということで久々に対談式にやってみました。タカさん、これから少しシリアス系に入っちゃうけど絶対ハッピーにするからね!!
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著者:瀬川音符
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