もうすぐ、君の誕生日・・・・ 高等部に入って、の誕生日がやってくる。 菊丸は、誕生日1週間前から、何をあげたらいいか悩んでいた。 そして、相談をしに行く。 その相手とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「ねぇ〜〜、ふ〜っじ!!」 不二のところだった。 「なに?」 「にさ、何あげたらいいと思う〜〜〜?」 「またそのことかい・・・英二も懲りないね」 「そんにゃこと言わにゃいでよ〜〜。ほっんとーに困ってんだからさ」 「さんのことは、英二が一番良く知ってるんでしょ?」 「そ・そうだけど・・・・さすがに15年も一緒だからさ〜〜」 「それは僕とも同じだよ。思い切って聴いてみたら?」 「ダメ〜〜〜!!お楽しみがにゃくなる〜〜!!」 「じゃ、頑張って考えるんだね・・・」 「うにゃ〜〜〜・・・こうなったら大石や手塚にも聞いてみよっと!!」 菊丸はそういいながら、2人の教室へと移動した。 「大石はともかく・・・・手塚は上手く応えられないんじゃないのかな・・・・」 不二は菊丸の背を見送りながら、そう呟いたのだった。 案の定、手塚はノーコメント、大石は不二と同じような答えをしていた。 「去年は本だったしな〜〜〜。今年もそうしてもいいんだけど・・・ 俺、あんまりわかんにゃいんだよね〜〜〜〜」 それから数日たったある日・・・・ 「ねぇ、。結構伸びたね」() 「うん。まだまでは行かないけど・・・肩までたどり着いたよ」() 「この調子だと、夏までには結構伸びるんじゃない?」() 「そうね・・・念願だったもんね〜〜」() 「せやけど、何で伸ばそうと思ったん?これから熱くなるっちゅうのに」() 「実は・・・生まれてからこのかた、ず〜〜〜〜っとショートだったの。 まぁ、上にお兄ちゃんが2人もいたから私もそういう風にやられてた。 私ね、ずっと髪の長い女って憧れだった。だから・・・・」 「そうなんだ〜〜〜。私の場合、ダンスとかで邪魔!!って思って短くしてるだけ・・・」() 「あたしもそうやで」 菊丸は廊下で話している彼女達6人の姿を見つけた。 「・・・・」 「なに?」 「バレッタ・・・・予備の持ってる?」 「持ってるけど・・・」 「貸してくれない?一度つけてみたかったの!!」 はに手を合わせ、そう言った。 「いいよ。何ならつけてあげる」 はポケットから1つのバレッタを取り出し、につけてあげた。 「どう?」 「まだ少し足りないって所かな・・・でも似合うよ」 「ホント?」 「うん。、もしかしてバレッタで・・・」 「出来ればね・・・ゴムでもいいんだけど・・・が持ってるバレッタカワイイし・・・」 の言葉に、菊丸はコクリと頷いた。 「これだにゃ!!」 菊丸は部活終了後、街の1つにあるアクセのお店へといった。 「ほえ〜〜、バレッタってこんにゃにあるの〜〜〜」 色、形、大きさ、それぞれに種類があるとはわからず、菊丸は呆然としてしまう。 「どうしよ〜〜〜」 目の前がグルグルしてきたときに、2つの声がかかった。 「菊丸、何をしている?」 「それにバレッタコーナーで・・・」 手塚とだ。 「うにゃ〜〜、手塚〜〜〜〜」 菊丸は思わず、手塚に抱きついた。 「どうした」 手塚は菊丸をはがしながら、問いかける。 「あんね〜〜〜〜〜・・・・」 菊丸は2人にのことを話した。 「前にもそんな話をしていたな・・・・」 「それでプレゼントを・・・・」 「うにゃ・・・バレッタって色んなのがあって俺、が好きそうなのわかんにゃいよ・・・」 菊丸は落ち込み、下に俯いた。 「菊丸君。落ち込まないの!!の好みは知ってるんでしょ!?」 が少し声をあげ、菊丸にいいかけた。 「もち!!はピンク・・・それも薄めの」 そういうと、はう〜んと見ながら・・・1つのバレッタを持って 「これなんかどう?」 と菊丸に勧めてきた。 「ちっちゃいね・・・」 「ならこれで今は十分よ。まだ短いんだから」 「さん・・・・」 「こういうのを見て、最後は菊丸君が選べばいいと思う・・・」 「ありがとにゃ・・・」 そして当日・・・・・ 「〜〜〜、ちょっといいかにゃ?」 菊丸はポケットに先日買ったプレゼントを入れ、のいる教室に顔を出した。 「英二?」 は席を立ち、菊丸のことろへと向った。 「なに?」 「ここじゃ・・・、屋上いこ!!」 菊丸はの手を引き、屋上へと向っていく。 「英二!!もう、なんなの!?」 屋上に着き、菊丸はの手を離さず周りを見渡す。 「よっし!誰もいない」 「英二?」 「!!」 菊丸はと向き合い、ポケットからプレゼントを取り出した。 「誕生日、おめっと」 そう言い、プレゼントを渡した。 「ありがとう・・・開けていい?」 「もち!」 は袋を覗いて見ると・・・・・・ 「これって・・・・」 手のひらに出すと、薄ピンクのミニバレッタが2本あった。 「欲しかったでしょ?」 「どうして・・・・」 「俺はのことなら、にゃ〜〜んでも解っちゃうんだよ〜〜」 そう言いながら、にゃはは〜〜と笑った。 「ありがと・・・・」 は下に俯きながら、そう言った。 「?」 菊丸が顔を覗かせると、は不意をつき菊丸の頬にキスをした。 「うにゃ!?」 「ありがとう、英二・・大好きだよ」 そういい、いつもは菊丸から抱きつくのだが、今日はから抱きついたのだ。 その瞬間、校舎内に本鈴が鳴り響いた。 「、このまま次の授業サボっちゃおうか?」 「うん・・・」 翌日、は菊丸から貰ったバレッタを着け登校する姿があったのだった。 あとがき。 著者:瀬川音符 |