これが彼女のたった1つの弱み・・・・
ひのきの弱点
それは3月の祝日前日のことだった。その日は天気もあまりよくなく、
夕方からは雨雲になり、雷が遠くに聞こえた。
【ビクッ!!】
その雷に一番に反応したのは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「なぁ、ちゃん・・・今、鳴らなかったか?」
ひのきだ。
「鳴ったけど・・・大丈夫?」
「わかんねー・・・けど・・・やっぱ怖い」
そう言い、家事に専念しているに抱きついてきた。
「苦しいって・・・・」
「だって・・・・;」
ひのきといえば・・・・ガキ大将のように不動峰で大暴れし、
特にテニス部員とよく遊んだりしていて・・・・橘と口喧嘩してボコ・・・・;
そんなひのきにたった1つだけ、苦手なものがある。
そう・・・・今、空で轟いている雷。
まだ双子が幼い頃・・・目の前で雷が落ちたところを目撃し・・・
それ以来、雷を怖がっている。もちろん、もそうだが・・・ひのきほどじゃない。
時間が経つ度に雷の音が近づいてくる。
「ちゃん・・・今日、ずっと一緒にいてくれよ・・・」
風呂も一緒、食事もピッタリとくっつき離れようとはしなかった。
「まさか・・・ベッドも?」
の言葉に、コクリと頷く。
「さすがにシングルベッドに2人はきついでしょ;ひのきが眠るまで一緒にいるから・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
そのとき、物凄い雷音が轟いた。
「うあ〜〜〜〜〜〜〜!!」
「きゃ〜〜〜〜〜〜〜!!」
双子揃って、抱き合いその場に蹲った。
その頃・・・・・
「さっきのはかなり酷かったな・・・急がないとあいつパニック起してそうだ・・・」
雷音と雨の中、橘が双子の家に向かっていた。
そしてもう一方・・・・
「いきなり行くものどうかと思うが・・・今は2人だけと言ってたしな・・・」
手塚も双子の家を目指していた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「「ん??なんだ、お前もか・・・・」」
ハモル声。
2人は足踏み早く、双子の家に急いだ。
「ややややややや、やっぱ一緒に寝よ!!こえーよ!!」
「ううううううう、うん・・解ったから・・・解ったから〜〜〜〜><;」
双子はひっついたまま、ひのきの部屋に入った。
だが、雷は無残にも轟いて行く。そのたび2人はビクッと反応してする。
その時、双子の家にチャイムが鳴り響いた。
【ピンポーン】
「だだだ、誰だよ・・・こんな時間に・・・・パパとママは仕事で帰ってこねーしよ;」
暫くほおっておいても、チャイムは鳴り響く。
「ひのき・・・ちょっと待ってて・・・行ってくるから」
はひのきから離れ、部屋を出た。
「そんな!!オレを1人にしないで〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
【ガチャ】
「はーい・・・」
は恐る恐るドアを開けると、雷越しに2つの影。
「・・・・・・・・・・・・あっ、国光・・・それに橘君・・・」
「さん、ひのきは?」
「あっ、部屋・・・・」
橘は一気に上へと上っていった。
「ひのき・・・・」
ドアを開け、橘はひのきの部屋に入ってきた。
「たっ、たちば・・・・な・・・・」
涙流してるひのきに、一瞬心を奪われる橘。
「ひの・・・・・」
橘が手を差し伸ばそうとした瞬間、一番大きい雷が轟いた。
「っ!!!!イヤ〜〜〜〜〜、きっぺ〜〜〜い」
怖さのあまり、ひのきは飛びつくように橘に抱きついた。
「うわっ、ひのき・・・・」
「怖いよ・・・怖いよ〜〜〜」
泣きつくひのきに、優しく抱きしめ背中を撫でる。
その頃・・・ひのきと同じようにも手塚に抱きついていたのは・・・間違いない!
「大丈夫だ・・・俺が側に居てやる・・・」
「ヒック・・・ヒック・・・きっぺー・・・」
「大丈夫だ」
橘の声にひのきはコクリと頷き、身を預ける。
暫く経って、手塚とがひのきの部屋に顔を出してきた。
「ひのきは・・・?」
問いかけるに、橘は無言でひのきをみせる。
「眠ったのか・・・」
「ああ・・・」
「橘君・・・ひのきが、雷ダメなの知ってたのね・・・」
コクリと頷き、橘は語りだした。
中3の時、朝から雷にビクビクしているあいつに気づいた。
「おい、ひのき・・・どうした?」
肩をポンとたたき、話し掛けると、
「っ!!!!なななっ、なんだ・・・大仏かよ・・・驚かせるんじゃねーよ」
耳を押さえながら、俺の前から去っていった。
そのまま時間が過ぎていっても、ひのきは空を見上げてはビクビクしていた。
そして、放課後に大きな雷が落ちたとき・・・・
1人教室に残っていたひのきが机の下で泣いていたんだ。
俺もたまたま忘れ物を取りに教室に戻ったときに、泣き声が聞こえてみてみれば・・・・
「ひのき・・・お前、どうしたんだ?」
「たっ、たち・・・ばにゃ・・・」
「お前・・・・・まさか・・・・・」
苦手なのか!?と聞こうとすると途端に、雷が轟いた。
その瞬間、ひのきは俺に飛びついてきた。
「ひっ、ひのき!?」
「おっ、オレ・・・ダメなんだよ・・・・雷!!」
理由までは知らなかったが、とりあえず抱きしめて落ち着かれるようにした。
「それ以来、俺も雷には敏感になってあいつの側に居てやっていたんだ・・・」
橘の言葉に、2人は黙って聞いていた。
「そっか・・・なのに、ひのきったら橘君の気持ち知らずに・・・;」
「いや、気長に待つことにした。こいつが自分の事に関しては鈍いことは十分承知だからな」
「橘君・・・・ひのきに付き添ってくれる?このまま・・・」
「そのつもりで着たからな・・・」
「じゃあ、ヨロシクね・・・」
と手塚は部屋から去ると、橘はひのきをベッドへと移した。
「ったく・・・お前は俺の気持ちを知ってるのか知らないのか・・・解らないな・・・」
そしてその朝、添い寝している橘のさわやかな?朝を迎える・・・・かな?
なんせ・・・・
「なんでてめーーーーがここで寝てるんだ〜〜〜〜〜〜〜〜!」
と物凄い声をあげ、ドゴッと殴っていたのだから・・・・==;
あとがき。
さぁ、とうとうひのきの弱点が露となりましたw以外だったでしょう・・・
これでたっちー報われる・・・かな〜〜〜〜(をい)
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著者:瀬川音符
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