約束したことを今、行う。
デート!?
「なぁ、〜〜」
今日の授業も終え、が10組に顔を出してきた。
「・・・どうしたの?」
「4月29日・・・祝日なんやけど、暇?」
「ウン・・・」
「ほな、チャットで話した通りデートしよ!!あっ、もちろん手塚も一緒でええよ」
そういい、はにっこりと微笑む。
「乾君には話したの?」
「まだや!!先にに聞いとこうと思ってん・・・ダメ?」
は鞄から手帳を取り出し、スケジュールを見ながら・・・・・
「大丈夫。29日は何にも予定はないよ」
「よかった〜〜。ほな後は乾と手塚やね」
「2人はもうテニス部に行ってるでしょ・・・」
「ほな、下校の時やね。あたしもパソ部に行ってくるわ」
「それじゃ、またあとでね」
2人はそれぞれの部活へといった。
時間は過ぎ、下校時間。
「今日も手塚と帰るんやろ?」
「そうだけど・・・」
「そんときに話そうや!!」
「解った・・・」
そう話していると、早速手塚と乾がやってきた。
「待ったか?」
「ううん・・・私たちも今来た所」
「そうか・・・」
「おや、も一緒か・・・」
「そうや!なんなら一緒に帰らへん?」
「俺でよければ」
いつも一緒の、、は彼氏たちといつの間にか帰ってしまっていた。
「そうそう、乾。次の祝日、暇?」
は早速、乾に話しかけ始めた。
「29日か・・・手塚、練習は休みのはずだよな?」
「ああ・・・」
「ということだ・・・何かあるのか?」
「乾君、との約束・・・・」
がつかさず乾にそういうと、「ああ・・・」と言った。
「俺ととで出かけることか・・・あっ、手塚もだったね・・・
俺は構わないよ」
「やった!!」
「国光は・・・無理して付き合わなくてもいいよ・・・」
「何故だ?」
手塚の問いかけに、は・・・
「この件は私たち3人で!ってことだし・・・」
と控えめに言った。
の言葉に手塚はため息をつき、の頭に手を置いた。
「いらん気をまわさなくていい。付き合う」
「ありがとう」
こうしてダブル?デートが決まった。
そして29日がやってきた。
4人は集合場所に青春駅を選んだ。
約束の10時10分前に手塚とが駅に到着した。
その後すぐに、乾も合流した。
「あとはだけね」
「ああ・・・どこに行くつもりだろうな・・・」
「まだ俺のデータにはないな・・・は」
「お待たせ〜〜〜〜!!」
4人揃い、どこに行くか話し出した。
「、どこ行く?」
「そやね〜〜、あたしまだここあんまり知らへんから、案内してや」
「それなら俺に任せてくれ」
こうして乾のツアー?で4人は街の中へと入っていった。
街を散策しながら、どんどん進んでいく彼ら。
「前にも少し歩いたんやけど・・・いろんなとこがあるんやね・・・」
は興味心身に周りを見て回る。
それについていく3人。
時間も経ち、夕方に差し掛かった。
「なぁ、最後何やけど・・・・」
「なに?」
が問いかけると・・・・申し訳なさそうにある場所に指を指した。
3人は指の先を見ると・・・・・・1つのゲームセンター。
「ゲームセンター・・・」
「やっぱダメ?」
「私は構わないけど・・・・」
の頼みに、はそう言いながら手塚たちを見る。
手塚はため息をつきながら、頷く。
「どこにでも付き合うさ」
乾も行くことを了解した。
3人の返事にの表情も明るくなる。
「ありがとーーー!!」
早速ゲームセンターに入った4人。彼らを迎えいれるような豪快なゲーム音が1つのフロアに広がる。
その音に手塚は眉間に皺が寄る、乾はなにやらまたノートに書き込んでいる。
4人は奥に進んでいくと、上へとあがるエスカレーターに乗った。
2階に着き、同じような機械がぞろりと揃っている。
「、もしかして“プリクラ”撮りたかったの?」
が問いかけると、「もち!!」とニカッと微笑んだ。
「あたしな、プリクラ結構集めててん。大阪でもぎょうさん撮ったよ。
dropとDr.sadaに逢ったら絶対プリ撮ろうと思っててん」
「じゃ、撮ろっ!プリクラなんて久しぶりvv」
とはどれで撮るか話し出す。
そして・・・・・・
手塚は『プリクラ』とはなんだ?と悩みだす。
そんな手塚の姿に、乾はキラーンと効果音をつけるように眼鏡を逆光させる。
「手塚・・・」
「なんだ」
「こういうところは初めて?」
「・・・・・・・・・・・・・ああ・・・・・」
「もしかして、今『プリクラとはなんだ?』って思ってないかい?」
乾の発言に手塚は左寄りに皺を寄せた。
その頃・・・
「これなんていいんじゃない?」
「せやな。これにしよー」
彼女達は色々な機械を回っていき、お気に入りのものを見つけたみたいだ。
「って、乾と手塚は?」
見つけたのはいいが、2人をほっておいたことに気づいた。
「すっかり忘れてた・・・どこにいるんだろう・・」
は周りをキョロキョロ見渡すと、2人の姿を見つけた。
「あっ、いたいた・・・、いたよ」
「ホンマや。あれだけ背が高いと見つけやすいな〜〜。お〜〜〜い」
が声を掛けると、2人は同時に振り向いた。
「いいのが見つかったかい?」
乾は2人に問いかけると、にっこりと微笑む彼女たち。
「もち!あっ、撮るの嫌やったら言ってや!!あたしら強制はせーへんから」
「うん・・・特に国光・・・こういうの嫌でしょ?」
の言葉に手塚は無言。
「なら、こうしないか?1回目はとだけで撮り、2回目に俺たちが入る。
どうかな?」
「あたしは構へんよ」
手塚はずっと無言を続ける。その態度に
「国光はそれでいいの?嫌だったらはっきり言って欲しい・・・」
はそう言った。
「手塚もこういうの経験してもいいと思うよ」
乾の茶々に手塚は「解った・・・」と答えた。
「なぁ、ってめがね取ったらどこまで見えるん?」
機械の中に入ったはそう問いかけてきた。
「う〜ん・・・近くのものだったら・・・」
「このウィンドウ見える?」
そういわれ、は眼鏡を外し定位置からウィンドウを見る。
「うん、何とか見えるよ」
「ほな、眼鏡なしでいこうや」
「そうだね」
2人は300円をいれ、いろいろなパターンのフレームを選択し撮っていった。
撮った写真を選び、デコレーションしていく。
「これ終ったら、国光たちもだね・・・」
「せやけど・・・手塚、嫌そうやったやん」
「う〜ん・・・付き合ってから一歩もゲームセンターに行ったことなかったから・・・」
「珍しいカップルやね・・・普通なら引っ張り込んでも行くんやけどな〜」
「それもどうかと・・・まぁ、私たちはそうじゃないってこと!」
デコレーションが終わり、出来上がるのを待つだけだ。
「お〜〜い。1回目終わったで」
がカーテンから顔を出し、2人を呼んだ。
2人は彼女達が待つプリクラ機の中に入った。そして・・・・
「おや、は眼鏡外したのか・・・」
「うん・・・ここだけだけど」
「なんなら、手塚と乾も外すかいな?」
その言葉に手塚と乾は一歩後ろに下がる。
「さっ、外そうか・・・」
はじりじりと乾に近づく。
だが・・・
「・・・君の身長で俺の眼鏡を取れるのかい?」
と乾の反撃が始まった。
「取れへん・・せやからお願いしとるんやろ?」
「これだけはダメだ」
「なんで!?手塚、外してんやん!!」
に言われ、横を見るとに眼鏡を取られた手塚が立っていた。
にやられたか・・・・・
「なぁ、あの手塚が外したんやで。外そうや!!」
「ダメなものはダメだ」
「ケチやな・・・あっ、まさか・・・眼鏡の裏は・・・・」
3?
は指で3と表示した。
「そんなわけないだろ!!」
「なら外してや!!」
「ダメだ」
「ケチ・・・ええやん、減るもんじゃないんやし・・・」
そう言いながら、下に座り込みいじけだす。
その姿をしっかり見えない手塚とは何が起きているのか、よく解らない状態。
「、どうかした?」
「・・・乾が眼鏡外してくれへん・・・」
そういいに抱きつく。
「乾・・・・」
「なんだ?」
「俺にはなにがなんだか解らないが、1度くらい外したらどうだ?」
「手塚・・・これはさっきの仕返しか?」
「なんのことだ」
やはり俺が言ったことを根に持っているのか・・・
乾はため息をつき、「解ったよ」といい、黒ブチ眼鏡を外した。
はに抱きついたまま、乾を見ると声をあげた。
「なんや、3やないん・・・少し期待して損したわ」
「お前な・・・とにかく撮ろう。、お金を入れてくれ」
「ラジャ!!」
はお金を入れると、どんどんウィザードに従いフレームを決めていく。
「ほな、撮るで。位置は今のままでええね。言っとくけど手塚、少しは笑ってーな」
その言葉にと乾はプッと笑った。
カシャッ!!
「もう眼鏡かけてええよ。取り終わったさかい・・・、デコしよ」
は眼鏡を掛け、「うん」と答えた。
「どれ選ぶ?」
まずは写真選びから・・・・だがは「お〜〜〜」と写真に見入る。
の声に手塚と乾もウィンドウを覗く。
「ほう、乾はこういう顔をしていたのか・・・」
「初めて見た・・・乾くんの素顔・・・」
「3やないのは、期待はずれやったけど・・・カッコええやん」
「うん・・・」
プリクラが出来上がり、4人はゲームセンターを後にした。
「今日はホントーにありがとうさん。あたしなんかに付きおうてくれて」
は3人にお礼を言った。
「ううん、今日楽しかった。またどこか行こうね」
はにっこりと微笑み、そう言う。
「それじゃ、解散するか・・・」
「そやな。ほな、また明日・・・」
「また明日ね」
そう言い、手塚とは2人の前から去っていった。
2人を見送る乾と。
「ほな、あたしも帰ろっ」
「」
「なに?」
「よければ送るぞ?」
「ええよ、そないなこと・・・」
「こんな時間だ・・・いくら明るいとはいえ、危ないからな」
「そんじゃ、お願いします」
乾とはが住む自宅に向い始めた。
「ホンマ、ありがとうな」
歩きながら、が呟いた。
「気にするな」
「優しいんやね・・・ただのデータマンじゃない。
ホンマ、こっちに来て良かったわ。にも逢えたし。
もちろん、Dr.sadaもや」
「・・・」
「これからも仲ようしてや!!」
「ああ・・・もちろんだ」
「ほな、乾。早速やけど・・・」
が乾と向き合った。
「あたしのこと『』やなく『』って呼んで!」
の言葉に乾は一瞬固まる。
「あたしな、大阪にいる時から男も女も関係なしで名前呼び合ってたさかい、
そっちの方が落ち着くんや」
「だがな・・・」
「ゆっくりでええ。下の名前で呼んでくれへん?」
「・・・・・・・・・・仕方ないな・・・」
「ありがとう」
は精一杯の笑顔を乾に見せた。
の笑顔に乾は顔を赤らめた。
「送ってありがとう。また明日な」
「ああ・・・・」
は自宅へと入っていった。
乾は自宅に向いながら、こんなことを考えていた。
“さっきの笑顔には一瞬、心を奪われた。これはの時以来だな・・・”
あとがき。
瀬川:気がつけば、まだ2本目の乾夢・・・
乾:やっと書いたんだな(キラリン)
瀬川:うわっ!!乾・・・
乾:なんだ、おれがあとがきに出ては何かいけないことでもあるのかな?
瀬川:いえ、めっそうもない・・・
乾:それにしても・・・瀬川・・・
瀬川:は・はい?
乾:俺の目を見せようとするとは・・・データになかったよ。
瀬川:そ・そう・・だって、ジャンプ見て、乾の目みて『カッコいい』って思わず思ったんだもん。
それなのに、アニプリじゃ拝める所なかったし・・・
乾:それは残念だったな・・・
瀬川:はい、対談終了!!
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著者:瀬川音符
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