まさか、また・・・・・・・・・
bully 再び
最近、とちゃんの様子がおかしいと気づきだした。
今まで昼休みになると一緒に食事したり、放課後には一緒に帰宅したり・・・
でも、今では私たちが誘っても断ったり・・・一緒に帰る時も何やら国光たちを拒絶したり・・・
「ねぇ、最近達可笑しいよね?」()
「うん・・・はともかくあの愛想の良いが断るなんて・・・」()
「何かあったんじゃねーのか?」(ひのき)
「だとしても、ならあたし達に話してそうだよ?」()
「そうね・・・暫くは様子見かな・・・っていけない。これから生徒会なの」()
「「「「いってら〜〜〜」」」」
私は必要な書類と弁当を持って、4人の下から離れた。
それから生徒会室で食事を取りながらミーティング、書類等の整理に覆われた。
「それじゃ、ちゃん。これのコピーをお願いね」
「はい」
Red Princessこと魚住麻衣先輩に言われ、私は生徒会室を後にする。
教員室のコピー機を使い、仕事を終え戻る途中に2人を見かけた。
それも10数人の女生徒と一緒・・・・
「、ちゃん・・・?」
彼女達に気づかれないように団体を覗いて見ると、2人は味気ない顔をしていた。
そして団体は屋上へと上がっていく。
「あっちは屋上・・・何かありそう・・・」
私は何かある!!と察し、追いかけようとすると・・・・・
「何をしている?」
聞きなれた低音の声が私に降りかかる。
振り向くとそこには・・・
「国光。ゴメン、これ生徒会室に持って行って」
私はコピーしたものを国光に渡すとさっきの団体を追いかけた。
「お・おい・・・・」
そんな私の背中を見ながら、国光が呆然していたことを私は気づきもしなかった・・・・・
急いで屋上への階段を上り、ドアの前までたどり着いた。
「ハァハァ・・・やっと着いた・・・」
息を整えながら、ドアを少し開けると2人を中心に女生徒が囲っている。
そして、声も・・・・
『ねぇ、あたしたちの話ちゃんと解ってるのよね?』
『もしかして解っててそんなことしてるの?』
「だから誰もそないなこと言ってへんやろ?変な言いがかりは止めて」
『さん・・・いくら四天王と一緒だからって馴れ馴れしくしないで』
『そうよ。手塚君たちだって貴方と一緒だと困ってるのよ』
「そんな事・・・・」
何人かが2人に問い詰めている。
「国光がちゃんたちと一緒だと困るって何よ・・・。
そんなこと言うわけないじゃない・・・・というより国光は言わない」
そういい私はいつの間にか拳を作り、ギュッと握り締めていた。
『そろそろ四天王たちからも離れてもらおうかしら・・・』
「そないなこと、あんたらには関係ない!!」
『でも四天王といるってことは手塚君たちに近づくってことと同じなのよ・・・』
「それはちゃんたちが彼女だから・・・だから私たちは何も・・・」
『口答えしないでくれる?』
そう言い、ちゃんの腹に拳が当たる。
深いところを衝かれ、うずくまる。
「あんたら、結局暴力かいな」
『私たちに誓えばいいのよ・・・『2度と手塚君たちに近づきません』ってね・・・
そうしたら暴力なんてしないわよ・・・』
そういいの顔を叩く。
「なに、コレ・・・出るしかないわね・・・」
私は意を決し、屋上へと出た。
バンッ!!
ドアの音に、全員が視線を向ける。
「貴方達・・・何をやってるの?」
『さん・・・』
私の顔を見た途端、顔を真っ青にする女生徒が半分。多分、中等部出身だと思う。
だけど後半分は、私を睨みつける。
『あんたには関係ないことよ。帰ってくれる?』
「そうも行かないわ・・・そこに蹲ってる2人は私の友人なの。返してもらえるかしら?」
私に刃向かってきた1人の女生徒は思いっきり威嚇してくる。
その後ろで、真っ青な顔をした彼女達がなにやら話していた。
『どうしよう。さんにばれちゃったよ・・・』
『2年前の契約、破ることは出来ないもんね・・・』
『それに・・・今じゃ生徒会役員だし・・チクられたら停学ものだよ・・・』
『さ・逆らえない・・・』
その話を聞いた彼女は・・・
『ちょっと・・・なにコイツみたいなのにビビッてるわけ?冗談じゃないわ・・・
萩野。あんたも何か言ったら?』
彼女は河村ファンと名乗った萩野えみに問いかけるが、彼女も青い顔をしていた。
『で・でも・・・・』
『さっきの勢いはどうしたのよ!!』
『だって・・・・四天王には・・・・』
彼女達が騒いでいる隙に、2人のもとに行った。
「、ちゃん。大丈夫?」
「あたしは頬を叩かれただけやから、大丈夫やけど・・・」
「ちゃん。痛む?」
が押えているお腹に手を置くと、ビクッと反応する。
「動かせへんね・・・」
「うん・・・、あとでこのこと話してよ」
「わーった・・・」
『もういい!!あたし1人でもやるから!!』
そう言いきり、私たちをギロリと睨みつける。
『四天王だろうが、Princessだろうが関係ないわ・・・・あんたみたいなの・・・・』
「何が言いたいの?」
1トーン低く問いかけると、彼女は鼻で笑いこういった。
『あたしはね、あんた見たいなのが手塚君たちといるのが気に食わないの。
別れてくれない?』
その言葉に、思わずため息をついてしまった。
『な・何よ!!あたしをバカにしてんの!?』
ため息にカッと着たのか、怒鳴り始める。
「そんな事無いわ・・・ただね・・・」
『何よ・・・?』
「またか・・・って思っただけ・・・それより貴方、外部から来た生徒ね?」
『そうよ、それが何よ?』
「別に・・・確かめたかっただけ・・・それと言っておくけど、国光と別れるなんてさらさら無いから」
そう言いきると、彼女はまだ認めないという顔で睨む。
『あたしは認めない・・そんな事・・・絶対別れるまで纏わりついてやる』
「まるでストーカーね・・・もし別れたとしても、国光はすぐ何か遭ったと察して
探り始めるわよ・・」
『そうかしら・・・彼、こういうことには鈍そうだけど・・・』
「それは貴方が国光を知らないだけ・・・経歴が違うわ」
『そんなの関係ない!!』
そう言い彼女は私の頬に思いっきり叩いた。
「「(ちゃん)!!」」
叩かれたと同時に眼鏡が外れた。
『口答えしないで!!これ以上やられたい訳?』
「さっきも見てたけど、暴力で済まそうってこと?最低ね・・・」
『う・五月蝿い!!』
そういいの眼鏡を踏みつけた。
それは鈍い音がし、割れる音・・・
眼鏡の無い私は見えないが、音で判明した。
「眼鏡・・・割ったの?」
『そうよ・・・これ以上されなくなかったら、別れることね・・・』
そう言い、彼女は屋上を去っていった。
残りのメンバーも彼女の後を追い、去っていく。
「、大丈夫か?」
とちゃんが、つかさず私のもとに駆け寄る。
「大丈夫・・・コレくらい・・・それより、お腹は?」
「平気・・・もう治まったから・・・」
「よかった・・・最近、付き合いが悪いって思ってたけど、こういうことだったのね・・・」
が低くそう呟くと、
「ゴメンね。ちゃん・・・黙ってて・・・」
目には見えないけど、ちゃんの言葉に
「謝ることは無い・・・言いがかりつけてるのはあっちなんだから」
とそう言った。
「あーあ、眼鏡バランバラン・・・、スペアとか持ってん?」
が眼鏡を拾い、私のところへ持ってくる。
「今日は持ってきてない・・・作り直さなきゃ・・・」
そう話していると、昼休み終わりのチャイムが鳴り響いた。
「あっ、昼休み終わった・・・」
「どないしよ・・・あたしもも叩かれたさかい・・・授業出れへん・・・」
「サボっちゃおうか・・・」
私は携帯を取り出し、メールを打ち出す。
送ってすぐに返事が帰って来た。
送り主はひのき。
『了解!!バーニングと大仏、データに言っとく!!
ちゃんがサボるなんて珍しいな。オレもサボりてー』
携帯を出来るだけ目に近づけ、ひのきの返事をみて思わずクスリと微笑んでしまった。
「ひのきが河村君と乾君に言っとくだってさ。さーてと・・・・」
「解ってる・・・」
私の言葉にちゃんが小さく呟いた。
「、あたしが話すわ」
がそういい、今回のことを全て話してもらった。
萩野えみに呼び出され、『河村君に近づくな!』と断言。そして暴力・・・
それを見た尚子は助けようとしたが、逆に口止めされ今に至る・・・・
「そっか・・・・確かに乾君や河村君にFCあるのは知ってたけど、ここまで・・・」
えげつないとは知らなかった・・・・
まさか国光たち以上に性質が悪いとは思わなかった。
「それで今回で何回目?」
「3回目・・・あの人たち何いっても、解ってくれない」
「それで暴力に行くッちゅうわけや。しかも解りづらいところばかり。
特に腹部やね」
その話の後、暫く沈黙が流れた。
「そういえば・・・・さっき言ってた事気になったんやけど・・・」
「ん?」
「なんでらにバレタらやばいん?」
の質問に、私は思わず考え込んでしまった。
確かにあのこともあったけど、バレタら・・・・・・?
「え〜っと・・・・解んない・・・」
「「はぁ?」」
私の答えに、2人は声を合わせた。
「どういうこと、ちゃん・・・?」
「あの娘たちが言ってた事・・・2年前に確かに私たち4人、呼び出しとかに遭ってたけど・・・
実は解決する前に、倒れちゃったのよ・・・・だから契約とか知らないんだって!!」
「なら達が知ってるちゅうことやね?」
「多分・・・」
それから6限目もサボり、HR時に教室に戻った。
教室に入ると、周りからざわざわと騒ぎ出す。
大方、ひのきが入ってきたとでも思ったんだろう・・・
確かめるように、橘君が話し掛けてきた。
「さんだよな?」
「うん。ちょっと眼鏡壊れちゃって・・・」
「一瞬ひのきかと思ったぞ」
HRも終わり、目を細めながら移動の準備をしていると達がやってきた。
「っ!!ってあれ?」()
「眼鏡は?」()
「ドジッちゃって壊れたの・・・」()
「今、どれくらい見える?」()
「う〜ん・・・3人の顔はギリギリって所かな・・あっ、そうだ・・・」
私は3人にあのことを聞いてみた。
「ねぇ、思い出したくは無いんだけど・・・・」
「なに?」
「2年前・・・私が倒れた後、どうなってたの?」
その質問に、とは黙秘し始める。
「どうして、そんな事聞くの?」
は逆に聞き返してきた。
「ほら、あんな事あっても納得いかないって人もいるでしょ?
どうしてあれ以来何もなかったのか、不思議で・・・3人なら知ってるかなって」
私の言葉に3人は顔を見合わせる。
「解った・・・あの日、が倒れた後・・・・・」
があの日のことを話し出した。
「先生に注意を受けたFCたちは、そのあと周助君たちと契約したの・・・・」
『もし1度でも4人に危害を加えるようなことがあれば、僕たちに近づく事は一切許さない』
「しかもちゃんと書類に書かせたの。というより、それが英二達の目的だったみたいで・・・」
の語りにも加わっていく。
「それ以来、テニス部レギュラーのFCに伝わってなくなったわけ。
まっ、リョーマのFCはこのことを知らないと思うけど・・・・」
「そうだったんだ・・・・ありがと、教えてくれて・・・
今日はコーラス部出れないから・・・」
「生徒会は?」
に問いかけられ、「顔出すだけ」と答えた。
それから生徒会室に向っていったんだけど・・・・
なんせ周りが良く見えないことで、ふらふらと廊下を歩いてなかなか生徒会室にたどりつけなかった。
大体5分もあれば着くのに、今日は10分かけてやっとたどり着いた。
「やっと着いた・・・遅くなってスミマセン」
そう言いながらドアを開けると・・・・何も聞こえなかった。
可笑しいと思って、よく見てみると人はいる。
「あの〜〜〜」
声をかけてみると・・・・
「ちゃんだよね?」
Red Princeこと駿河悠一先輩が問いかけてきた。
「ハイ・・・遅れてスミマセンでした」
「いや、良いよ。それより眼鏡はどうしたの?」
「ちょっとドジしちゃって、割れちゃったんです。今日、スペアも持ってませんから・・・」
そう言い、自分の席に座った。
座った途端、「遅くなりました」と聞きなれた声が聞こえる。
「いや、良いよ。さっきちゃんも着たところだったしね・・・」
「そうでしたか・・・」
そう言い、国光は私の隣に座る。
「練習してたの?」
横目で問いかけてみると、国光は何も答えない。
「国光?」
名前を呼ぶと・・・・
「・・・眼鏡はどうした?」
「割れちゃった・・・」
そう言うと、急にガタンっと音を立てた。
「帰るぞ!!」
「えっ?」
「スミマセン。俺たち、今日は帰らせてもらいます」
そう言い、私の腕を引っ張り荷物を持って生徒会室を出た。
「ちょっ・・・国光!!痛いっ」
私の声なんて聞こえてない振りして、ドンドン先に行く。
「国光ってば!!」
そういうと、急に止まった。
「何故、言わなかった?」
「だって・・・」
「授業はどうしたんだ?」
「さすがに黒板は見えないから、明日橘君にノート見せてもらう・・・」
さすがにサボりましたなんていったら、怒鳴るに決まってる・・・・
「そうか・・・・」
そう言いながら、私の頭を撫でる。
「帰りに眼鏡ショップに行くぞ・・・」
「うん・・・」
今度は腕でなく、手を握った。
そのまま、手を引かれ下駄箱まで着いた。
「俺は一度、部室に行って来る。校門まで行けるな?」
「うん・・・」
そう言い、一度別れた。
私はふらふら歩きながら、なんとか校門まで歩いていく。
やっとたどり着いたと思ったら、背後に国光がもういた。
「危なっかしいな・・・1人で歩かせると・・・」
そう言い、また手を握り歩き出す。
すぐ眼鏡ショップに行き、壊れた眼鏡を差し出すと直るのに3週間掛かるといわれた。
「3週間か・・・」
「まだ直るって言われるだけましよ・・・新しいのにって言われたら・・・」
「そうだな・・・だがあの壊れ方、異様に不自然だったな・・・」
「うッ・・・」
国光の言葉に口ごもってしまった。
「?」
「な・なんでもない・・・帰ろっ」
そう言い、前に歩き出す・・・がやはりふらついてしまう。
「お前は・・・ほら、掴まれ」
そう言い、国光は手を差し伸べてくれた。
「ありがとう」
それから数十分くらい歩き、自宅に着いた。
「送ってくれてありがと」
「いや・・・気をつけろよ」
「大丈夫・・・すぐコンタクト入れるから・・・」
「そうか・・・じゃあな」
そう言い国光は家路に歩いていく。
「国光!!」
変える背中を見ながら、つい名前を呼んでしまった。
「ん?」
私はふらふらしたまま、国光に駆け寄り抱きついた。
「?」
「国光・・・私、国光のこと大好きだから・・・大好き・・・だから・・・」
泣きすがるような声を出して、そう言った。
国光は何も言わず、ただあやす様に頭を撫でる。
「解っている・・・俺もと同じだ・・・」
そう言い私に唇を落とした。
「また明日な・・・」
「うん・・・」
国光の背中を見送りながら、家に入った。
ゴメンね、国光・・・・嘘をついて・・・
今回のことは知らないでほしい・・・だから察したとしても踏み込まないで・・・
自分で・・・・解決・・・・させて・・・・
部屋に入り、想いが込み上げてきてそのままベッドに横たわり、涙を流した。
あとがき。
巻きこまれの巻きこまれ〜〜〜〜!!やっちゃいました。bully(意味:虐め)
実は悩んだんですよ。不二ヒロインなら必ずもう言ってそうだし・・・リョマヒロインは関係ないし・・・
菊丸ヒロインか、手塚ヒロインか・・・で、やはり独断上手塚で・・・
『彼が好きだから、言わない・・・』彼女の思いが積もってます。
ってか眼鏡壊れたら大変なんです。本当に数週間は掛かるんですから・・・
一度瀬川も壊されたことが有ります。あっ、コレと同じじゃありませんよ。アクシデントだった・・・あれは・・・
さて乾夢、河村夢とお送りしました。これからまたシリアスになっていきます。
楽しみにしてください。
このドリームに関するご意見、ご感想等をBbsにて受け付けています。
気軽に書き込んでいってください。よろしくお願いします。
著者:瀬川音符
Dream Topへ戻る