もう、男性は信じられない・・・・そう思っていた。


螺旋




桜舞い散る4月、私のところにあの有名なプラチナレターが届いた。
今の学校にいるのが辛い・・・この辛さから逃げるように・・・
転入を決めた。


私立MyTime学園。ここは特別選ばれた人間しか入れない学校。
家族もろくに来れない場所・・・・もちろん、外部の人間も…


指定された会議室に行くと、私と同じように呼ばれた特待生で
溢れていた。
もちろん、その中に苦手な男性も・・・・

自己紹介をしてても・・・・

「あ、えと・・・華僑・・聖華です。宜しくお願いします」

どうしても、男性がいるだけで怯えてしまう。


私よりちっさい男の子が視線をこっちに向けたとき、怖くて一歩後ろに下がってしまった。


ここの学園の人、大人びてる人多いな・・・


そう心で呟いていた矢先・・・・

「君どうかしたの?」
いきなり声かけられた。
「!?・・・え、いえ別に・・・」
頭に特徴のある男性からまた数歩後ろに下がってしまう。
彼は不思議そうに私を見てくる。

「・・・気まずい;」
とっさに下に俯いた。


「いや・・・無理しなくていいよ・・・男子が苦手みたいだね?」

!!!!!!

「すみません;」
「いやいいよ^^少しづつ慣れればいいんだから」

今までとは違う何かが私に流れてきた。

「あ、私華僑聖華って言います。名前お聞きしてもいいですか?」
「俺は大石秀一郎。よろしく^^」

大石君・・・・このひとが、私の何かを変える人物になるなんて・・・このときは気づきもしなかった。



それから何できたかと話題になって・・・・

「私はCOBOL・・・プログラミングで呼ばれたの」
「へ〜すごいな〜そんな特技があるのか」
私の特技に一番最初に声をあげた大石君。
「う・・ん、珍しいですよね?・・・女子で情報系が特技なんて・・・」
なんだか嬉しくて・・・・顔を赤く染めた。
「そんなことないと思うよ^^」
「そう・・かな?そう言って貰えると嬉しい」




その日の夜・・・・・
気分もよく、外へと出た。
同室の桜乃ちゃんに内緒で・・・・

でも、今日一緒に来た皆と鉢合わせになってしまった。
せっかく踊ろうかと思ってたのに・・・・;

そのお陰で友達が増えた。
名前でも呼ぶようになったし・・・・でも、すこしあの大石君が頭の中で過ぎってしまう。


皆が話し込んでいるうちに私は、その場から離れた。


【シャラン】
祖母からもらった、特徴ある鈴付きのブレスレットをつけ月夜の中で踊った。

【シャララ〜ン】
鈴の音を鳴り響かせ、踊り続けた。


「・・・・・・ふう・・・満足v・・・っ!?」
十分に踊り、満足した時視線を感じた。
その視線から私に拍手が送られた。

「瀬川さん?・・・と、お・大石くん・・・・・・ミラレタ?」
2人に見られ、顔は真っ赤に心は冷や汗だらだらでフリーズしそうになる。
「凄いわね・・・見てて感動したわ・・ねっ、大石君?」
「///あっごめん///!!別にそういう・・・・」
「いつの間にかいなくなって心配したわよ。大石君も探してくれたんだから」
「心配って俺はただ////点呼のために・・・」

「・・・・・っ!ナニカゴランニナリマシタ?」
言葉も片言になる。

「しっかりと・・・踊ってる姿を見させていただきました。キレイだったわよwwねっ、大石君?」
音符はそういい、また大石君に話し掛ける。
「・・・・///あっああ・・綺麗・・・だった///」

「あ・・・・アリガトウゴザイマス。ツイデニ、ミナカッタコトニシテクダサイ・・・」


ただでさえ男の子苦手なのにこんなとこ見られるなんて・・・


そう呟いた。誰にも聞こえないように・・・


「か・・・華僑さん///ごめん・・・見られたくなかったんだよね・・・」
「え?!あ・・・いや・・・」
もう何処まで赤くなるのか自分でも解らない。そしてフリーズも・・

桜乃ちゃんと加代に名前呼ばれてもフリーズはなかなかと・・・・
でも、真っ赤な私を音符が倭を迎えにいくって私を連れて行った。
そのあと、音符にも男性恐怖症を見抜かれ、あれこれ話していると・・・

「さぁ・・でもそれは、大石君が見てたからじゃないの?」

ただでさえ、大石君って言葉で顔が熱くなる。

「・・・え?・・・え?そ・そんなことはないカト・・・」
「そう?」
「・・・どうだろう?いままで、踊り見つかったことなんて祖母以外いなかったし、男の子と接触ほとんどなかったから」




学園にきて次の日。
まさか、こう来るとは思わなかった・・・・;;
加代・・・恨むよ・・・

なんでこんなときに、大石君と真田君を誘っちゃうわけ??
ってか真田君に声かけられても、フリーズしちゃうし・・・

加代さんよ・・・あんた鬼か!?


3人が朝練で去った頃・・・タイミングよく音符が食堂に来た。
挨拶して、私の顔が赤いのを指摘してきた。

「キイテクダサイ音符さん今朝鬼がいました・・・」

私の言葉に?マークを浮かばせていた。
それで事情を話した。まぁ、済んだことだからどうにも出来ないけど・・・




それから数十日たったとき、私は男性恐怖症になった原因を加代に話した。

中学生の頃、PC部に所属してたの。その頃も男子は苦手なほうでね、部活も男の人が多かった
なかなか馴染めずにいた私に声をかけてくれた先輩がいたの。すごく優しくて、信頼してた
しばらくしてその人が部長になって、先生に頼まれて資料を届けに行ったの。その時に他の人と・・話し・・てて

『なんで、華僑のこと構ってるのか?』

『ああ、ダシだよ』

この会話聞いているのに気づかれて・・・

『ああいたんだ。まぁいいや、随分と知識吸収したし。女子なのにでしゃばるな、知識持ってなかったら相手になんかしてない』

そう言われた。
信頼・・してたぶん、あの言葉はこたえた・・・


そんな話を聞いてくれた加代・・・は酷いといい、私の味方だって言ってくれた。

「正直、あの人の優しさに触れるのが怖い・・・また、裏切られそうで」
「もしかして・・・・・大石くん」
大石君の名前がでて・・・コクリと頷いた。
「聖華・・・・その気持ちを大事にしてね・・・・・・きっと聖華に・・・・力をくれるから・・・」

ありがとう、加代・・・・・・




また数日たった頃・・・プログラム作成中にどうもエラーが発生して、
ほとんど徹夜状態が続いていた。

「華僑さんどうしたんだい!?目・・・すごく赤いよ」
私にあった瞬間、大石君はビックリして問いかけてきた。
理由を話すと・・・・大石君はまた心配そうに私をみる。


そしてまた夜・・・というより夜明け・・・

「・・・はぁ、うまくいかない;スペルミスだけだよね。後考えられる原因は・・」
何がいけないのか、悩んでいると・・・
「あ・・・いた・・・華僑さん」
大石君が点呼を取るためにきた。
また徹夜したって言ったら・・・・

「あんまり根をつめすぎるとかえってよくないぞ!ちゃんと睡眠と休憩を取って」

ホント優しい・・・・
謝ってみると・・・

「いや別に叱ったわけじゃないけど・・・・・もう遅いから部屋まで送るよ^^行こう」
「ありがとう、これくらいの体調不良だったらいつものことだから・・・心配しないで」



大分、大石君といてもフリーズしなくたっとき、後ろから・・・


「秀ちゃ〜ん!!」
大石君の腕に巻きついてきた少女。
「わ・・・・・・!!!なんだ萌か」
「・・・え?大石君の知り合い?」
私はただ彼女に呆気をとられた。
「秀ちゃん何処に行ってたの?探したんだよ!」
萌という女の子は私を睨みながら、大石君と話を進めた。

「あっ!華僑先輩ですよね。わたしは草薙萌っていいます」
どうしたら良いのか悩んでいたら、彼女から自己紹介された。
「あ、華僑聖華です。よろしくね、草薙さん」
私も自己紹介すると、軽く流され・・・

「萌、秀ちゃんに勉強の事で教えて欲しいとこが在るの〜いいでしょ」
そういい、大石君の腕を引張る。
大石君は戸惑っているのに、
「えぇーお願い秀ちゃん、明日小テストがあるの数学の・・・・ねぇっお願い!」
とだだをこねる。

行ってあげたら・・・って言ったら、私を送るっていったからちゃんと送る!!ってそう言ってくれた。


結局草薙さんも一緒に、私を部屋まで送ってくれた。
でも・・・・・

「華僑先輩、あんまりよる、ちろちろ出かけないでくださいね。迷惑って秀ちゃんも言ってたし」
草薙さんが去り、部屋に入った私はドアにもたれつつ座り込んでしまった。

「・・はは;・・・・・そうだよね・・迷惑だよね・・・・・なんか、もう・・何を信じていいのか、どうしたらいいのかわからなくなっちゃった」



せっかく信じていた大石君。やっぱりあなたも先輩たちと同じなんだ・・・・
もう・・・・・・誰も・・・・・・


真っすぐの道が螺旋状道ににまた変化した。




それから・・・・ただボーっと日々を過していた。
草薙さんがそう言ったことをたまたま出くわした加代、
そして盗み聴きされていた音符に話した。

「草薙めーーーー聖華をこんなにしてーーー・・・ゆるせない・・・」
加代は彼女に怒りを、
「そうよ・・・大石君本人が言ったんじゃないんだから・・気を落とさないで」
音符は何か考えながら、私を慰めてくれた。

「うん、ありがとう。・・・これ以上傷つくのが怖くて・・必要以上に近づけなくなってる。だめだってわかってるのに」


このときからちょっと、風邪気味になってしまった。
風邪なんて私にとっては日常茶飯事だし・・・・


でも、こんなときにまさか草薙さんたちの会話を聞いてしまうなんて・・・

「部屋に先輩が入る間際に秀ちゃんが迷惑がってるって言ってやったのよ〜」
「それで先輩何か言ったー?」
「いいや〜青い顔してドア閉めてたよ〜傑作だった〜」
「あはは、先輩かわいそ〜!」
「私から秀ちゃんを取ろうとするのがいけないんだよ〜」
「そうだよね〜」


ただ会話聞いて何もいえなかった・・・
誰もいないホールに1人・・・・・

「けほけほっ!・・・ダル・・イ・・・喉・・本格的に痛くなってきたし」
風邪も本格的に酷くなってきた。
「・・・風に当たっていたほうが頭がはっきりする・・・」
窓辺に立っていると、ドアが開き
「あっ、居た・・・聖華!!」
音符がやってきた。

何か解ったのかと聞いたけど・・・さきに私の額に手をあて、熱があるのを指摘された。
後で医務室に行くこと!!って言われて、頷き・・・本題を戻した。

音符は表から裏まで彼女のことを調べてきてくれた。

草薙萌はテニス特待生として入学。
それも大石君と同時入学。テニスセンスは抜群。
人懐っこい性格でいつも輪の中心に居る存在。

ココまでは表・・・・


なお、草薙萌はある感情で被害妄想又はヒステリックに入りがち。
自分が手に入れるまでなんでもやってしまう傾向あり。
仲間を募って傷害事件未遂まで起した始末・・・・

コレが彼女の新の姿なんだ・・・・

「・・・・・っ!?・・そう・・なんだ・・・彼女大石君のこと好きなんだね・・・だからさっき・・」
「さっき?なにかあったの?」
「・・・さっき・・食堂でね・・彼女が友達と・・話してるの聞いたの・・・
 彼女・・笑いながら・・・大石君が・・私に迷惑してることを・・言ったこと・・話してた」

音符はそんなことで気にしてたら倒れてしまうって言ってくれたけど・・・
体はもう限界だった。
音符にもたれかかるようにその場で倒れてしまった。

「せっ、聖華!!ちょっと!!聖華!!」
音符の声と、ドアが大きく開いた音・・・そして聞こえるはずもない大石君声・・・
「華僑さん!!!!」
体温がドンドンあがり、息があがる。
そして、意識を失った。




目が覚めた時は、ベッドの中だった。

・・・ここは?・・・医務室?・・・だれかいるの?

「・・・・・・ん・・・音・・符?・・私・・・」
「あっ、気づいた?聖華、熱が39度も出たのよ・・倒れたの覚えてる?」
「・・・・・・そっか・・あの後・・・ごめんね・・迷惑かけて」
「ホント、ビックリしたわよ・・その後、大石君が聖華をここまで運んでくれたのよ」
そういい、耳元で・・・


しかもお姫様抱っこ


「また・・迷惑かけちゃったんだ・・・・・・え?お姫様抱っこ?・・・・!?//////」
その言葉に顔を赤く染めてしまった。
「そうよ・・・それと///////////////////////////////」
話を続ける音符だけど・・・なぜか音符まで顔が赤くなっていた。
「聖華・・・聞いて失神しないでよ・・」
「え?・・・・・・何が・・あったの?」
恐る恐る聞いてみると、音符はまた耳元で呟いた。


大石君が、聖華にクスリを口移しで飲ませたの////


驚きのあまりに起き上がったけど・・・

「あ・・・」
熱の所為でふらついてしまう。
本当のことなのか、確かめて聞いたけど・・・答えはYesだった。
「なんせ、目の前で見ちゃったから・・・あっ、見るつもりはなかったのよ。大石君が行動移してたから・・・」
「//・・・いいよ・・・・・・倒れるまで・・無理してた私も・・悪かったし;・・・・・・どんな顔して・・会えば・・・」


いつも通りにって言われても・・・・でも体力の限界が来て、また眠りに入った。



朝がやってきて目覚めてもまだ体がだるかった。
タイミングよく大石君が来た。
でも、上手くいつものように・・・・出来るのか・・・・

医務室から部屋に戻るとき、毛布をくるませられ大石君に抱き上げられた。

「きゃっ?!・・・・お・大石君///・・あ・あの!・・・」
「ん?毛布ないと寒いだろ?」
「・・・・そう・・じゃなくて・・・・////」
なんていったら言いの??でも、大石君は抱き上げたまま部屋に移動し始める。

部屋に戻って、ベッドに入った。

「・・・あ・・大石君・・・あの・・草薙さんの・・ことなんだけど・・・」
「?・・・・・・・・ああ・・・・・萌のことか・・・・・・・ちゃんと言っといたよ・・・・迷惑かけてごめんな」
「・・・ううん・・いいの・・・あまり・・怒らないであげてね・・・」
「いや、華僑さんをこんなふうにしたのは俺の責任でもあるから」
「・・・私・・もっと精神的に強かったら・・こんなこと・・ならなかったと・・思うから」


そんな風に話していたら・・・・

「こんなときに不謹慎かもしれないけど・・・・・・先に言っておいたほうが・・・・・・」
もうこのとき何言われるか、自分でも解っていた。

「・・・・・・・・好きだ」

その気持ち、本当に嬉しい・・・でも、私は・・・・

「私・・・あなたには・・迷惑しか・・かけてない!」
そう言うと、大石君は部屋から去ろうとした。
「・・・・・・時間もらえる?・・・気持ちの・・整理つけたい・・・今・・いえるのは・・・迷惑だなんて・・・思えないこと・・・」
私の言葉を聞くと、大石君はホッとした顔で
「ありがとう」
とさわやかな笑顔でいい、部屋を出て行った。


大石君は、本当の気持ちを私にぶつけてきた・・・
今度は私の番・・・・




一晩考え、整理させることが出来た。
もちろん、答えも・・・・

「・・・・・・私の・・気持ちは・・・答えは出たけど・・・いつ伝えよう・・部屋に・・来るかな?」
出てみようと思い、ドアを開けると目の前に大石君がいた。
「・・・・!あ・・・・大石君////お・おはよう・・」
「あ・・・・・・・・・・・かかかかかかかか・・・・・・華僑・・・さん///お・・・おはよう・・・」
「・・・・・・・・昨日の返事・・・答え・・だしたから・・・部屋・・入って」
大石君を部屋に招きいれた。


「・・・1つ・・いいかな?・・・・・・なんで、私なの?・・・他にもいい人はいたはずなのに・・・」
問いかけてみる。どう返事が来るのか・・・・

「華僑さんの・・・・・・・踊りを見てから・・・・・・・・」
「私の踊りを?」
「あのときの華僑さんは・・・・・幻想的で綺麗で・・・・・・・でもどこか悲しそうで・誰かに助けを求めていた感じがした」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ずっとそんな華僑さんが踊っているのをみていて・・・・・気づいたら華僑さんに引かれていた・・・・・・同情とかそんな意味じゃなくって
 おれ自身として・・・・・・本気で華僑さんの力になりたい・・・・・・・・もちろん華僑さんがよければなんだが」

本当に優しい大石君。

「・・・まだ、男の人は苦手で・・・戸惑うことも・・多いわ・・・・・・迷惑・・かけるわよ?それでも・・いい?」
「構わない・・・・・・・むしろ迷惑かけて欲しい・・・・・頼って欲しい・・・・・」

深く深呼吸をして、
「私は・・・あなたの事が・・好き・・・」
今、大石君に想いを告げた。
「つ約束して・・・これ以上私を傷つけないで・・・これ以上傷ついてしまったら、この先ずっと誰かを好きに・・
 信じられなくなりそうだから・・・お願い」

もう、傷つきたくない・・・ただ、それを願うだけ・・・・

大石君はふわりと優しく抱き締めてきた。
「わかった・・・・・・約束する・・・・・・絶対に・・・」
私と真正面を向き、
「・・・・・・君を・・・裏切らない」
堅く約束するように言うと、私にそっとキスをした。
「ん・・・あ/////風邪・・・移るよ?」
「華僑さんの風邪なら・・・・・喜んで引き受けるよ^^」



こうして、私たちは両思いになった。



一度螺旋状の道がまた一本の道になった。
大石君という存在が、いたから・・・・
これからどんなことがあるかは解らない。
でも、大石君なら信じれる・・・・ただ、そんな気がして嬉しかった。


064:螺旋  お相手:大石秀一郎  MyTime学園ダイジェスト(?)

5組目のカップルは大石&聖華。
ホントグネグネといってるカップル・・・
聖華・・・私から言えるのは・・・大石壊れてもめげるな・・・・コレ一言ww

大石秀一郎:弓月倭様
大石ヒロイン:エビ様(華僑聖華)

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