私には景吾とはじめがいれば、それだけで良いと思っていた。



怖い




さわやかな風が通り抜ける5月。こんな時期に自宅に有名なプラチナレターがやってきた。
演劇で私は学園の入学許可書を手に入れた。
このことを幼馴染みの跡部景吾と観月はじめに話すと・・・

「俺のところにも来たぜ・・・テニスでよ」
「んふっ。僕も景吾と同じですよ・・・」
「じゃあ、3人で転入だねww」


私立MyTime学園。途中編入なんて日常茶飯事の学校。
だけどここは特別選ばれた人間しか入れない学校。
父兄もそうろくには来れないといわれている。


学校に着き、私たちは生徒会室にいった。
(というより、生徒会室に集まるように書いてあった)
私たちが生徒会室に入ると、女生徒と・・・キレイな顔立ちをしている男子生徒いた。
女生徒は生徒会副会長の瀬川さん。

そして・・・・もう1人の男子生徒は・・・私たちと一緒に転入。
簡単に説明を受け、これから住む寮に案内してもらった。
瀬川さんの言葉に、景吾はめんどくさがる。

「チッ、面倒だな・・・・・」
「景吾!そんな事言わないで、行こうよ!!」
私が景吾にあーだ、こーだと言っていると・・・

「これから共同生活していくんだ。こういうのはなれたほうがいいと思うよ」
と彼は景吾にそう言ってきた。

でも、寮に入っても景吾の俺様ぶりに
「ごめんなさい。皆さん」
私は謝罪した。
そして、また景吾が・・・・(endless)

「僕は気にしてないよ。君も大変だね・・」
そんな景吾を見て、彼は私に話し掛けてきた。
「そうなんです、幼馴染ですからね」
そして、初めて彼の名前を知った。


不二周助君・・・・・


寮等の説明も受け、食事場所を何処にしようかと迷っていた時、
視線に不二君が見えた。

「あの、不二君。隣に座ってもいいかしら?」
「僕の隣で良いなら・・・どうぞ」
不二君は穏やかに微笑んで、椅子を引いてくれた。
「ありがとう、不二君」
椅子に座り、景吾も誘ったけど・・・勝手に庭に出て行った。


「不二君って、何か趣味とかあるの?」
「僕はカメラかな・・よく休日になるとカメラを持って出かけるんだ。松井さんは趣味はなにかな?」
「ん〜・・・。演劇かな?昔はテニスだったんだけどね」
テニスという言葉に、
「テニスやっていたんだ・・僕、テニスでここに呼ばれたんだ。今度の休み、僕と打ち合わない?」
と不二君から誘いを受けた。

だけど・・・・・・
「あ・・・。ごめんなさい、無理なんだ・・・・・・」
「あっ…僕、聞いちゃいけないことを言ったみたいだね・・・ゴメン」
不二君は何かを察したのか・・・私に謝罪してきた。
「あっ、ううん。気にしてないから。こっちこそ、ごめんなさい!」
私はなんとか流そうとして、作り笑いを不二君に見せた。
「良ければ、話してくれないかな・・・?僕でよければ聞くよ。なんでも」
「じゃ、じゃあ・・・・2階、行かない?」
「解った・・・行こう・・・」
「ええ・・・・」


2階に上がり、運良く空き部屋を見つけた私たちは、そこで話すことにした。
「話してくれるんだよね?」
不二君は真っすぐ私を見る。
「はい」
私は大きく息を吸い・・・・不二君に話した。


昔、私は景吾ともう1人の幼馴染のはじめと一緒にテニスをしてた
当時はトップへ行けるほどの実力があったん・・・・・けど・
ある事件が原因で・・・・・テニスの道を強制的に閉ざされてしまった

「だからテニスはできないってことなんだね」
不二君は悲しそうな顔をしながら、呟いた。
「そうなんです・・・・。やりたいって気持ちは有り余るほどあるのに・・・・・」
私も思いだすように下に俯いた。

「でも怪我でできなくなったわけじゃないよね?」
「怪我、したんです。それから、精神的にも・・・・・・」
「そうか・・・ゴメンね、僕何も知らずに…」
「こ、こっちも・・・ごめんなさい!話していなくて!!」
「良いんだよ・・誰も話したくないってことはあるんだから・・・謝らなくていいよ」
そういって、不二君は私の肩にポンッと手を乗せてきた。




それから数十日がたった、ある日のこと・・・・
たまたま寮で不二君と遭遇した。

「今日は、跡部や観月は居ないんだね」
「うん。2人で話してるんだ、テニスの事で」
そういうと、不二君はなにか思いつめている顔をしていた。

そして・・・・・
「うん・・・僕ね・・君に一目惚れしちゃったんだ・・。まだ出逢って間もないのに・・・君のことが好きになったんだ」

いきなり不二君からの告白を受けてしまった。
「・・・・・・・・・えっ!?ほ、本当なの!?」
初めて告白を受けて・・・反応が・・・
「うん・・・できれば僕と付き合って欲しいんだ。どうかな?」
「・・・・・・えっと、あの・・・私も、ずっと不二君の事、見てたんだけど・・・・こう言うの、初めてで・・・・・・・どう答えたら良いのかな?」

本当に初めてのことだったから、どう答えて良いのか戸惑ってしまう。

「無理に答えようとしなくてもいいよ・・・僕が気持ちを言っちゃったんだから・・・でも、いつでもいい。返事をください」
不二君は優しくそう言い、私に頭を下げた。
「はい・・・分かりました・・・・。だから、頭を上げて?不二君」
「いい返事、待ってるから・・・」
不二君は顔を上げ、私に今までに見せたことのない笑顔を見せた。




どうしよう・・・・・・初めて告白されちゃった・・・・・。はじめと景吾とは違う感情が・・・・。これは何だろう・・・・・



告白を受けた後、景吾とはじめが私たちの前に現われた。
なんでも一部始終を見ていたとか・・・
そして2人の前で・・・・

「そう・・・じゃあ、君たちに言っておこうかな・・彼女は僕が貰うよ」
と宣言した・・・。


兎に角、頭の中を整理して・・・・数時間・・・・

「・・・・松井さん・・」
不二君が声かけてきた。
「はい?あっ、不二君」
「さっき・・・跡部達の前で言った事は本気だよ・・・返事を聞かせてもらえるかな?」
「うん、良いよ。私、松井聖名は不二周助君の事が好きです!!」
私の返事が聞けた不二君は私を抱き締めた。
「嬉しいよ・・・大事にするから」
「私も・・」
自然に私の腕は不二君の背中にまわしていた。

不二君がゆっくりと顔を近づかせてくる・・・
「・・聖名・・」
そして私たちの唇が軽く重なり合った。

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唇を放し、赤くなっている私を見て・・・
「赤くなった聖名もカワイイよ」
そう言い、不二君はにっこり微笑んで私の頬にキスをした。
「///あ、赤くなんか・・・!」
反論はしたけど・・・事実上何も言えずに俯いた。
「クスッ・・絶対手放さないからね・・・聖名」
「か、覚悟する・・・・」


こうして、彼氏彼女の関係となった。


でも、私はまだ不二君に全てを話したわけじゃない・・・
いつか・・・・全てを・・・・・


「聖名、お待たせ・・・」
「ううん。今日は何処に行く?」
「聖名の行きたい所で良いよ・・・」
「じゃあ〜〜〜・・・・」
付き合い始めて、さっそく街に2人で出かけた。
(いわゆるデートww)

「決まりだね・・・行こう」
不二君は私の手を握り、前に進みだした。
「ウン////」


いつまでも、こんな幸せが続けばいいな・・・・・


060:怖い  お相手:不二周助  MyTIme学園ダイジェスト(?)

2組目のカップルは途中から入ってきた不二&聖名。
意外や意外。超スピードカップル。
設定等はドリチャルームを見てください

不二周助:瀬川音符
不二ヒロイン:松井聖名様

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