設定:新婚、母の日に子どもが出来る
最近の周助は、忙しい・・・・
アイタイ。
私、不二は今年の3月に周助と結婚をした。
結婚したての頃は、周助も早く帰ってきて幸せだった。
だけど・・・今は休み明けの所為か、仕事がたまっているみたいで・・・
帰りも遅い。
今日も・・・・
『ごめん、。今日も遅くなるから』
「解った・・・夕飯、どうするの?」
『こっちで食べて帰るよ。それじゃ・・・』
周助は言うことを言ったらすぐ、電話を切った。
せっかくの土曜なのに・・・一緒に食べれないのがつまらなかった。
1つのテーブルに2つの椅子・・・だけど、そこには私しかいない・・・
食事も2人分・・・・
仕方なしに、周助の食事にラップをかけ明日でも食べよう・・・・
そう思いながら、冷蔵庫に収めた。
「いただきます」
1人寂しく、食事を取っていく。テレビをつけていても何か味気がない。
夕飯を食べ終わり、簡単に片づけをしてお風呂に入った。
「はぁ〜〜あ・・・連休明けだから仕方ないよね・・・」
さすがの私も連休明けはかなり忙しいのをしっている。
なんせ、周助と結婚するまでは某会社のOLをやっていたんだから・・・
でも、周助の場合は違う。彼は弁護士。
大学生のときに、司法試験を受けて一発で合格した天才。
今も、彼が入る裁判は必ず記事にされたりもしている。
そんな周助と私が出逢えるなんて、そうもないと最初は思っていた・・・・
そう、あの日までは・・・・
++++++回想++++++
まだ私が大学2年生のころだった。
友達に勧められて、テニスサークルに入った。
なんでも、そのサークルにはテニスの上手い男がいっぱいいるというのだ。
その上、マネージャーやテニスをやりたがる女が相次いで現われていた。
友達の話によると・・・・
『あのサークルは、ここの大学の付属高校で全国までいった強豪なんだって。
しかも、自分たちのことは自分たちで!っていうのがモットーで、マネージャーなんて
雇わないんだってさ。それなのに、女達はどんどんマネージャーになりたい!!
って・・・押し掛けてるらしいの・・・あっ、でも私はテニスやりたいから入るんだよ。
にも一緒に〜〜〜って・・・お願い!!』
「でも、私・・・初心者よ?そんな強豪がいるんなら、ダメじゃないの?」
『それはあたしが補ってあげる。授業のない日や、バイトのない日・・・
練習して上手くなろ?ねっ!!』
私は彼女の頼みに断りきれず、テニスサークルに入ることを了承した。
そして、そのテニスサークルに私たちは足を踏み入れた。
「「こんにちは〜〜」」
ドアを開けると、そこには6人の男がいた。
「なんだい?俺らはマネージャーは雇わないよ・・・」
最初に私たちに話しかけてきた・・・というよりもう断り体制の口調で言った
ヘアースタイルの特徴がある人。
『私たち、マネージャー志望じゃありません。テニスやりたくて来たんです!!』
彼女がそういうと、頭がツンツン立った彼が
「大石先輩。これはマジみたいっすよ」
私たちの顔を見て、さっきの人にそう言った。
「へぇ〜〜、テニス志望ってひっさしぶりじゃにゃい?」
ツンツン頭の次に猫口調で問いかける人に・・・・
「ふしゅ〜〜〜〜」
と息をはいて、私たちを蛇のようににらみつける人。
「テニス志望と言うことは、経験者かい?」
今度は私たちに迫って眼鏡をキラリンと光らせる人。
『私は高校から・・・あっ、こっちの娘は初心者です』
彼女がそういい、私を指差す。
「ちょっと・・・」
私はあたふたしながら、顔を真っ赤に染めた。
「へぇ〜〜、大石。いいんじゃない?彼女たちを迎え入れても・・・」
そう、このにこやかに微笑む彼こそ、今の夫周助。
彼の言葉に、他のメンバーも私たちを迎え入れることに賛成する。
「ああ・・・君達の入部を許可しよう・・・」
「「やった〜〜」」
私たちは認められた。それがただ嬉しかった。
そして、彼らは私たちに自己紹介をしてくれた。
「俺はこのテニスサークルを管理している大石だ。よろしく」
「ほっほーい。俺は菊丸英二!!大石とダブルス組んでんだよ。よろしく!!」
「乾だ。歓迎するよ」
「俺、桃城武!!桃ちゃんって呼んでよな。よろしく」
「海堂薫だ・・・」
「僕は不二周助。よろしく」
そして私たちも彼らに自己紹介をして、すぐ仲良くなった。
彼女はテニス経験もあったために、専門用語とかいろいろテニスの話で話していた。
私は初心者のため、なにがなんだか・・・・さっぱり><;
「ねぇ、君・・・」
いきなり呼ばれて、とっさに振り向くと周助がたっていた。
「な・なんですか?不二君・・・」
「あっ、驚かせちゃった?」
彼の言葉に私は横に首を振った。
「そう?ならよかった。さん・・・だっけ?」
「はい」
「君、初心者なんだよね。ラケットとかはどうするの?」
「え〜っと、次の日曜日にあの娘と・・・」
「そっか・・・君さえ良ければ、ラケットやシューズ、それからこれから面倒見て行きたかった
のにな・・・残念・・・」
「えっ・・・・不二君?」
「やっぱり女の子同士のほうが、気軽に出来るよね・・・」
「あの、不二君。それって私を指導してくれようと・・・」
「うん・・・君を見たとき、教えたいな〜って思って・・・でも、彼女が・・・
『あの娘には私がしっかりテニスを教えますから!!』
って言っちゃって。すっかり出遅れてしまったよ」
彼の言葉に私は、言葉を失った。
「あっ、ゴメン。愚痴を言うために君のところに来たんじゃないんだ。
彼女が指導するって言ってるけど、僕も君のサポートしたいんだ。
上手くなろうね・・・お互いに・・・」
「はい・・・・」
彼は私の返事を聞くと、嬉しそうに彼らのもとに戻っていった。
翌日、私は彼女と一緒に大型のスポーツ店にテニス用具を買いに出かけた。
ラケットにしても色々な種類、メーカーが揃っていてどれがいいのか解らなかった。
彼女は私に、初心者でも使えるラケットを色々出してきたが、いいと思ったのがない。
時間だけがドンドン過ぎていく。
私がラケットを見ている間、彼女は自分の買い物があるとか言って他のコーナーに行ってしまった。
「これじゃ、決まらない・・・」
私が困り果てたとき、肩をポンッと叩かれた。
「やぁ。ラケットを選んでるのかい?」
聞きなれた声に、振り向くと周助がいた。
「不二君・・・」
「やっぱり気になってね・・・来ちゃったよ」
「でも・・・よくこの場所が・・・」
「うん。メーカーや種類の豊富なここかなって思って・・・どう?いいの見つかった?」
「それが・・・」
私は周助に自分にあったのが見つからないと話した。
それを聞いた彼は「そうだな〜・・・」といいながら、1本のラケットを渡した。
「どう?」
ラケットを持ち、振りぬくと今までと違う感覚があった。
「あっ、さっきと全然違う・・・」
「今までのはどれを見ていたの?」
彼に問いかけられ、私は彼女に紹介されたラケットを指差した。
「なるほど・・・そういうことか・・・」
「なに?」
彼は納得するようにいうと、私にはなんのことかさっぱりでつい問いかけてしまった。
「君の友達・・・いくら初心者用だからって、サーブ&ボレーヤータイプのラケットを
君に渡したんだよ。自分と一緒にしちゃったみたいだね・・・
僕が渡したのはオールラウンダータイプ。1からテニスをやるならこっちがお勧めだよ。
ガットもそれなりにテンションが違うんだ」
彼の解説に私はキョトンとしてしまった。
「それから・・・・・あれっ、どうしたの?」
「えっ、ああ・・・ゴメンなさい」
「ちゃんと聞かなきゃ・・・これも勉強の1つだよ」
「うん・・・」
それから私たちは彼女をほっておき、ガットやシューズを選んでいった。
「うん、これで準備はOKだね」
「本当にありがとう、不二君」
「どういたしまして。それじゃ、サークルで」
彼は私から去っていき、それとすれ違うかの用に彼女が戻ってきた。
テニスを始めて数ヶ月がたち、私もすっかりテニスにはまり込んでいった。
彼女の指導もあったけど、周助との練習がなにより楽しくて仕方なかった。
あっ、もちろん菊丸君や大石君たちとやるときも楽しい。でも・・・・
周助とやるときはなぜだか・・・・落ち着いてプレイできる・・・
気づくと・・・いつの間にか彼女は私から離れ、1人でプレイする姿を見るようになってきた。
私は休憩中に彼女にそのことについて話してみた。
『だって〜、ったら不二君とプレイしている時楽しそうなんだもん』
「それは・・・」
『あたしよりも不二君のほうが上手いしね・・・なんていったて天才だもんね〜。
それに・・・・』
彼女は私に近寄るように手サインをした。
耳を傾けると・・・・
『乾くんデータによると・・不二君、どうやらに興味があるらしいよ・・・』
「えっ?」
『それに・・・中学から一緒にいる菊丸くんや大石くんまでもがこうも言ってたんだよ。
あの不二が本気になるなんて・・・
ってさ!どうやら皆、不二君を応援してるみたい・・・
はどうなの?もし、そうだったらあたしも応援するけど・・・』
彼女の言うことに、私は信じられなかった。
確かに乾君のデータは確実・・・だけど・・・私を??
もう頭の中パニックになってきた・・・・
「ねぇ、ちゃん。ちょっといいかな?」
「不二君・・・」
パニックになりながらも、不二君に私はついて言った。
そして・・・・とうとう私は彼の言葉にフリーズしてしまった。
僕と付き合ってほしい・・・・・
私は暫く時間が欲しいといって、返事を延ばした。
考えに考えて、自分も周助が好きと気づいた。そして、練習に入る前に周助を呼びだした。
自分のありったけの想いを彼につげ、私たちは彼氏彼女となった。
このことをサークルメンバーに話すと、おお盛り上がりなり暫くは話題の元となった。
そして3年に上がった頃・・・周助は無難に司法試験を受け・・・・
なんと最年少でトップ合格をやり遂げてしまった。
「周助って何でもできちゃんだね・・・テニスも勉強も・・・」
「クスッ・・それなりに頑張っているから・・・でも・・・」
彼が口ごもった。
「どうしたの?」
「いや、あいつがいたら・・・僕なんてまだまだって思ってさ・・・」
「あいつ?」
「は知らないよね・・・手塚のこと」
「うん・・・・」
それから周助は手塚君のことを色々と話してくれた。
でも、最初は信じられなかった。
サークル1強い周助が、敵わないなんて・・・
しかも、話が続いていく中で手塚君はなんとプロのテニスプレイヤーになっているといった。
さすがにプロには敵わないなと、改めて知った。
それから数年、私たちは無事に大学を卒業しそれぞれ職についた。
周助はあれ以来、司法会議所、弁護士事務所から色々スカウトが来ていた。
でも彼なりに選んで、小さな弁護士事務所に入った。
それを知った会議所等はかなり騒いだらしい・・・・
そんな世の中でも、私たちの関係は現在進行形。
昼休みになると、私が働いている会社の近くで一緒にお昼を取ったりしていた。
さすがに裁判と重なる日は、出来ないけど・・・その夜は絶対私と一緒にいてくれた。
そんな日が続く中・・・・
「・・・僕と一緒になってほしい・・・」
とうとう周助からのプロポーズを受けた。
告白のときは返事を延ばしてしまったけど、今回はすぐに返事を返せた。
「はい・・・」
私も貴方と一緒にいたいから・・・・
++++++回想終了++++++
「あれからすぐに両親達の所に行ったのよね〜〜。それで家の親なんて
『あの不二周助ならうちのを任せられる』
とか言って、あっさりOK出したもんな〜。まっ、嬉しかったけど・・・」
両親も周助のことはニュース等で知っていたもので、つれてきたときは、
『が有名人を連れてきた』とまで、騒いだ始末・・・・(汗)
それから周助のご家族にも逢って・・・・暖かく迎え入れられたのよ・・・
儀父さんに儀母さん、由美子さんに裕太君。
本当に暖かかった・・・・
今でもいい付き合いをしている。
そして3月に結婚。サークル仲間から中高の友達、そして周助が話してくれた手塚君に
越前君も祝いに来てくれた。そういえば・・・・
「へぇ〜、不二先輩もやるっすね・・・」
「お褒めの言葉として受け取っておくよ」
周助と話していたはずなのに、彼はいつの間にか私の前に来て・・・
「ねぇ、今からでも遅くないよ。不二先輩やめてオレのところに来ない?」
その言葉に私は唖然としてしまった。
「越前・・・式前なのに何てこと言うんだい?君は全く変わってないようだね・・・」
私を後ろに隠すように周助は彼に言った・・・・・んだけど、なぜか私には周助に
黒いオーラが見えるような気がした。
「そうそう・・・あの後、越前君から全くたよりもないんだよね・・・
まっ、手塚君情報によると元気にしているみたいだし・・・」
式の後、ガーデンパーティー状の披露宴の中、私は手塚君とも仲良くなった。
周助がいってた通り、真面目で見るからに『ミスター・パーフェクト』だった。
でも、そのなかでの優しさも見えた。そのことを周助に話したら・・・・
なんとヤキモチを焼いてしまったのだ。
披露宴も終わり、それぞれを見送った後、私たちはホテルでくつろいでいた。
だけど、周助はさっきのヤキモチで私と身体を重ねることになった。
その行為は嫌じゃなかった。これは周助が私を愛してくれてるからだと・・・・
連休の時も・・・・本当は仕事が忙しくて、休みなんて取れないくらいだったはずなのに、
無理してまで仕事を終らせて、ずっと一緒にいてくれた。
そして、一緒に料理したり、じゃれあったり・・・愛し合ったり・・・
この繰り返しが続いた。
「そろそろあがろ・・・」
すっかり茹で上がった身体を覚ますように、上はタンクトップ下はパジャマのパンツをはき
寝室にあるダブルベッドへとダイブした。
「周助・・・今日も夜中かな・・・」
私が気づくと、夜中にこっそりと帰ってきて隣で寝てるんだよね・・・
その寝顔見てると・・・疲れてんだな〜って思う。
そのとき・・・何かお腹に違和感が感じた。
不意に起き上がり、お腹をさすってみる。
その瞬間、物凄い吐き気に私はトイレに駆け込んだ。
いつもはこんなのなかった・・・・風邪?とも思ったけど・・・それほど熱くもない・・・
吐き終わり、口を綺麗にしたとき、玄関があく音がした。
「ただいま・・・といってはもう寝てるかな?」
周助は気を使ったのか、小さな声でそういっていた。
「周助・・・?」
私は洗面所から出て、明かりの付いているリビングに顔を出した。
「おかえり・・・」
「あれ、起きてたの?」
「うん・・・ちょっと気持ち悪くなって・・・吐いちゃった」
そういうと、私に駆け寄り
「大丈夫?今から病院にいく?」
と私を大事に抱き締め、そういってきた。
「大丈夫!!吐いたらすっきりした・・・それに風邪でもなさそう・・熱ないし・・・」
「でも、無理しないでよ」
「うん・・・」
次の日、周助のために朝ごはんを作っている途中にも吐き気が襲ってきた。
こんなのは初めてのことで、なにがなんだか・・・
「やっぱり病院にいこう・・」
周助は車のキーを取り出し、保険証と財布を持って近くの病院にいった。
そして・・・・医師の診断により・・・・・
『おめでとう・・・3ヶ月ですよ』
なんと、私のお腹に新しい命が宿っていたのだ。
「まさか妊娠してたなんて・・・」
「僕も吃驚だよ・・身体、大事にしてね。もう1人の身体じゃないんだから」
「うん・・・」
車で家に戻っているとき、急に車を止めた。
「周助?」
「ちょっと待ってて・・・」
車から降り、周助は花屋に入っていった。
暫くたち、周助は車に戻ってきた。それも大きなカーネーションの花束と一緒に・・・
「周助・・・」
「はい。今日、なんの日か知ってるよね?」
今日?今日は・・・母の日!?
「母の日・・・」
「うん。だからちょっと早いけど・・・御礼だよ」
「周助・・・ありがとう・・・」
「今日は、僕が家のことをするから・・・」
そう言い、車を走らせ始めた。
母の日・・・・この日は私たちにとって、新しいことの始まりだった。
そして、あと約7ヵ月後に逢える2人の愛の結晶に逢える日を楽しみにしているから・・・
元気に生まれてきてほしい・・・そしてあなたの笑顔を私たちに見せて・・・
052:アイタイ。 お相手:不二周助
ホントは母の日にUPしたかった。原書は出来てたのに・・・・ほかの事ですっかり忘れてた(滝汗)
ということで、母君。これを母の日のプレゼントだ!!でも、プレゼント何がいい?って聞いたら
『不二夢!!』だもんな〜〜〜。まっ、今回は新婚に妊娠。さらに大学時代の回想付き。
こんな不二子もどう?
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著者:瀬川音符
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