設 定:彼女・青学1年
テーマ:雪






体温





12月に入り、寒さが一層増してきだした。
凍える指先、息を吐けば白い。空はどんより曇り空。
冷たい風の中、私は大好きな人といつも一緒に下校する。



「はぁ〜〜、指先が冷たい」
私はそういいながら手をこすり合わせる。
「どうした、寒いのか?」
顔は無表情だけど、声に優しさが溢れてくる。
私はコクリとその人に頷く。
そして私の手を握り、ポケットの中に入れる。
「これで、寒くはないだろう」
「うん、手塚先輩vv」
ときどきこう大胆とした行動をとるときは吃驚するけど、嬉しい。
そう、私の大好きな人は手塚国光だ。



「どうした、今日は異様に機嫌がいいんだな」
「そうかな、でも嬉しいんだ。こうして手塚先輩と手が繋げるのが」
私はにっこり微笑みながらそういう。
「そうか・・・」
手塚先輩はまるで子どもをあやすかのように私の頭を撫でる。
でもその姿は周りから見ると仲のいい兄妹なのだ。


――それにしても、寒いな・・・手は温かいけどvv雪でも降りそう・・・


私はそう思いながら空を見上げる。
「雪、降るのかな・・・・」
つい、思わず声に出してしまった。
その声は手塚先輩にも聞こえたみたいで・・・・
「そうだな・・・もしかしたら初雪が降るかもな」
「だったら降って欲しいな!!真っ白な雪」
は雪が好きなのか?」
「うん、真っ白な雪が街を染めていくのが凄く綺麗だから」
私はにっこりと笑いながらそういうと、手塚先輩は少しながら微笑んだ。



暫く歩き、公園を通った。
「ここで少し待ってろ」
手塚先輩は私の手を離し、何処かへと行ってしまった。
数分待つと手塚先輩は戻ってきた。
2つの缶を手に。
「待たせたな。手ではもう温まらないだろう、これを買ってきた」
そういい、私に渡す。
「ありがとう、手塚先輩」
受け取ってみると、その缶はホットココアだった。



――憶えててくれたんだ、私がコーヒーや紅茶が駄目なの・・・



近くにあったベンチに座り、それを飲み始めた。
「ふは〜〜、温か〜〜い」
ココアの温かさに浸る私の姿に、また手塚先輩が微笑む。
今日は表情が柔らかい・・・・
会話はないけど、その場が暖かいって感じがした。

そして、空から白いふわふわとした雪が降り注いできた。
最初は?マークを飛ばした私だけど、空を見上げればどんどん白い雪が街に降り注ぐ。

「うわ〜〜〜〜、雪だ!!手塚先輩、雪が降ってきた」
「ああ」
雪にはしゃぐ私をじっと見ている。


「綺麗・・・初雪がこんなに綺麗・・・ねっ、手塚先輩」
私がそういうと手塚先輩は返事を返さず、とっさに私を腕の中に収めた。
そして・・・・
「初雪も綺麗だが、も綺麗だ・・・」
私の耳元で呟いた。
その言葉が私の体を熱くする。
「手塚先輩///」
「嫌だったか・・・」
私はそんな事ないと思いつつ、先輩の腕の中で首を横に振る。
「ううん、嬉しい。なんか手塚先輩、私といるといつも子ども扱いするから、
 私のこと”妹”と思ってるのかなって・・・」
はそう感じていたのか?」
私は黙ってコクリと頷いた。
「それは大きな間違いだ。俺はそんな風には一度も思ったことはない。
 だが、俺の態度がいつの間にか”妹”としてなっていたんだな・・・すまない」
「手塚先輩が謝ることないよ・・・ホントのこと聞けてよかった」
・・・もう子ども扱いの態度も取らないように努力する。それと・・・・」
手塚先輩は私の体を一度離し、そのまま屈み私の唇に重ねた。


「これくらいはいいだろう」
そういいまた重ねる。
それも長くてじれったくて・・・・手塚先輩の体温がゆっくり私に伝わってくる。




「大好き、手塚先輩」
長い口付けが終わり、私は抱きついた。
手塚先輩はそれを受け止め、抱き締めてくれた。
「俺もだ、・・・・」



2人の体温が重なりつつも、雪はしんしんと降り注いでいた。






10,000HITのキリリク、完成!!いや〜〜僕のMyTime!!もとうとうここまで来たか・・・
これも皆さんのお陰でございます。
しかも今回は報告があったことに感激ッス(>▽<)ノ
さて、このドリームはどうでした?テーマまで用意されて嬉しゅうございます。
こんな手塚見てみたいっすね・・・
このドリームを10,000を踏んだ小春様に捧げます。よろしかったらつれて帰ってください。
これからもMyTime!!をよろしくお願いします。

このドリームに関するご意見、ご感想等をBbsにて受け付けています。
気軽に書き込んでいってくださいね。よろしくお願いします。

著者:瀬川音符

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