設定:年上、OLで結婚を控えている あのときのネガは・・・・・何処へ行ったんだろう・・・・・・・ 僕がカメラを構え、ファインダーを覗く。 いつもは風景を撮影しているが、最近ある人を写すようになった。 いつの頃だろう・・・・・・貴方にあったのは・・・・・・・ 僕はいつも休みの日は必ず出かけていた。 もちろん、あの日も・・・・その日は海に行った。 まだシーズンじゃなく誰もいなかった。 僕は、いろいろな角度から撮影をしていった。 そして、砂浜をファインダーで覗くと、1人の女性がぼーっと立っていた。 僕は不意にカメラを下ろした。そして、彼女に見入った。 そして彼女は、砂浜から去っていった。 それから僕は、あの場所に通い続けた。 僕がそこへ行くと必ず彼女がいる。そして悲しそうに海を見続ける。 僕はそれを見ているだけ。声も掛けなかった。 そんな日が続いたある日・・・・・・ その日も彼女はいた。でも悲しそうな顔じゃなく、嬉しそうな顔だった。 僕はファインダーから彼女を覗き、シャッターを切った。 それは彼女の顔が今までで、最高の顔をしていたからだ。 そして僕はいつものように風景を撮影した。 「あの〜・・・・・」 いきなり問いかけられ、後ろを振り向くとあの彼女がいた。 「なんでしょう?」 「あなた、私の知る限りここに来ていたわね」 見ていたんだ、僕のことを・・・・・ 僕は、頷いた。 「ふふふ・・・・ごめんなさいね、いきなり声掛けちゃって・・・・ お邪魔だったわね、それじゃ」 そういって彼女は去ろうとした。 このチャンスを逃すわけには行かない!! 僕は意を決して彼女を呼び止めた。 「あ・あの!!もしよかったら僕ともう少し話をしませんか?」 彼女は吃驚した顔をしたが、クスクスと笑い 「なんかナンパされてるみたいね」 といった。 「嫌ですか?僕と話すのが・・・・・・」 とにっこり笑い愛想を振った。 彼女もにっこりと笑い、首を横に振った。 彼女からOKサインを貰った僕は、嬉しかった。 「え〜っと、僕は不二周助です。中3の14歳です」 僕はまず自己紹介をした。 「私はよ。21のOLで明日、結婚するの」 彼女は結婚という言葉に嬉しそうに笑った。 「そうですか、おめでとうございます」 「ありがとう、周助君ってなんか大人っぽいわね。中学生に見えない」 そういうとまたクスクスと笑っていた。 「いえ、僕よりもっと見えない人はいますから・・・・ それよりさん、僕が最初にみた貴方は悲しそうだった。 何かがあったんですか?」 僕が問いかけると沈黙が走った。 いけないことを聞いてしまったのかな・・・・・・ 僕がそう思っているとさんが語り始めた。 「あの時は何故か海が見たくて・・・・・ここは彼との思い出の場所でもあるから。 ここは私と彼が育った場所。彼がアメリカに留学と聞いたときは、悲しかった。 だから私はここに来れば彼に会える!って思ってずっとここに来ていた。 でも、その彼が帰ってきてくれた。だからもう寂しくないよ」 さんは遠い目をしながら語り、『寂しくないよ』といった時は 優しく微笑んだ。 僕はただじっとして聞いていた。 「それじゃ、さんのお相手って・・・・・」 「そう、その彼なの」 さんはそういうと立ち上がった。 そして背伸びをした。 「う〜ん・・・・・いろいろ話したらすっきりした。ありがとうね、周助君」 さんは僕に微笑んでくれた。僕もにっこりと微笑み 「いいえ、僕はただ聴いていただけですから」 と言った。 「さ〜ってとそろそろ帰るかな・・・・・今日は本当にありがとう」 「いいえこちらこそ。さん、お幸せに」 さんはにっこりと笑い、海岸を去っていった。 僕はそのまま砂浜に座り込んだ。 何故か涙が出てくる。 悲しい・・・・・・それとも・・・・・・・ もしかして、これが僕の初恋だったのかも知れない・・・・・・・・・ 050:写真のネガ お相手:不二周助 不二君の初恋話を書いちゃいました。いや〜年上設定は難しい。 このドリームは18日に誕生日を迎えた瀬川の母君に捧げます。 誕生日物にしようと思ったけど、やめちゃった。テヘッ☆ このドリームに関するご意見、ご感想等をBbsにて受け付けていますので、 気軽に書き込んでいって下さい。よろしくお願いします。 ![]() |