新しい学園に行く前・・・私は片方の翼を失った。



天使





桜舞い散る4月、私のところにあの有名なプラチナレターが届いた。
私は、仲のいい幼馴染みに内緒で前の学校を去った。


私立MyTime学園。ここは特別選ばれた人間しか入れない学校。
家族もろくに来れない場所・・・・

テニスで呼ばれ、指定の会議室に入るといろいろな人がいた。

「ココだよね。教室・・・・。失礼します」

学校等の説明も終り・・・たまたま隣にいた子に話し掛けた。
「ココ、座ってもいい?私は森下加代!!よろしくね。名前聞いてもいい?」
問いかけると、メガネをかけた子は答えてくれた。
「ええ・・・私は瀬川音符。貴方たちは?」
そして音符は他のメンバーにも話し掛けていった。

話して行くうちに、皆と仲良くなった。


3年は皆同じクラス、寮の部屋では最初にかけた音符と一緒になった。


そんな中・・・・
「先ほどから黙っているが・・・どうしたんだ?」
落ち着いた声が後ろから聞こえた。
「えっ?別にだだ少しボーっとしてただけです」
「そうか。ところで・・・名前を訊いても良いか?」
彼は私の名前を聞いてきた。
「えっと・・・・森下・・森下加代・・・・宜しく。名前聞いていい?」
にっこり微笑み、名前を言うと今度は私から問いかけた。
「俺は、真田弦一郎。中3だ。宜しく」

真田君・・・・同級生?
到底思えない・・・・いくらなんでも・・・・・;;


その後、何できたか話題が繰り広げられる。
そして、真田君は幼稚舎からずっと学園にいることを知った。

「真田くんはテニスするの??」
「あぁ」
私が真田君に問いかけて、返事を貰うと大石君から凄いことを聞いてしまった。

『手塚も真田もテニスにかけては全国レベルだよ』


「えーーーーーーー!!すごーーーーい!!私もがんばらなくっちね。これから部活でも宜しくね。真田くん」
思わず、大声をあげてしまった。
そして自分では極上の笑顔を真田君に見せた。
「あ、あぁ・・宜しく・・」




お昼も過ぎて、寮に入り食堂で昼食をとった。
食べ終わる頃・・・
「音符ーーーーー。何処に行くの?」
颯爽と食堂を出て行く音符に話し掛けた。
「2階のホール。加代も行く?」
「行くー!!」

ホールに着くと、中心にピアノがあった。
音を出し、音符が軽く弾き始めるとホール中に響く。

「ねぇねぇ!!歌っても良い!!」
音符はもちろんといって、WHITE LINEを奏で出した。
ピアノにあわせ、私は歌い始めた。
ピアノと歌声がホール内を響かせる。

そんな中・・・ちょっと真田君をみた。
途端、視線があってしまった。

「加代、よかったね〜〜」
それから音符に真田君がどうのこうのって茶化された・・・・





その日の夜・・・・・
初めての寮生活で緊張してて、眠れなかった。
音符が窓を覗いていると、外に弓月さんが見えた。
早速外に行くと、桜乃、美亜、聖華とも合流した。

あれこれ話していると、キレイな月をみて・・・
思わずうたった。




そして、数十日たったある日・・・・
新たな特待生たちが入ってきた。

彼を見た瞬間・・・・・・・・・・・私は、目を疑ってしまった。


あっ亜樹・・・・・・・・・・・・・・・・・


でも、違った。彼は跡部景吾君・・・
亜樹とは違う・・・
でも・・・・口調や・・・顔が・・・亜樹と重なって見える・・・・


その後、ホールで音符にピアノをまた弾いてもらった。

「・・歌は光に・・・愛は大気に・・・」
ジングスを唱え、私は歌った。


でも、私の心は歌に集中できなかった。



亜樹・・・・どうして・・・私を・・・おいてちゃったの・・・




それからまた数ヶ月がたった。
でも相変わらず、跡部君と遭遇するとどうしても亜樹と重なってみえてしまう。



そんなとき、運悪く跡部君と遭遇してしまった。


はぁ〜・・・跡部くんは・・・亜樹じゃあないのに・・
そう思いながら、トボトボと歩いていた。

「あっ・・・・・・・・・・・・・!」

「アン?加代じゃねぇか」
「えっ・・・あっ・・うう・・・もう・・・不二くんとの試合終わったの・・・・」
「ああ、終わったぜ」

跡部君と話してても、やっぱり重なって見えてくる。
私の翼の片方・・・亜樹と・・・・

私はその場から逃げようとすると、
「おい、待てよ!!」
跡部君が腕を掴んできた。
「・・・・・!・・・何・・離して・・・」
「お前よぉ、何でいっつも俺様の前から逃げようとするんだよ。
 何か、俺が悪いことしたのか?」
「・・・・それは・・・・・」

言えない・・・亜樹と重なって見えてるなんて・・・


そんなとき、
「跡部!!森下!!!」
真田君が私たちに声を張り上げてきた。

「あっ・・・・真田くん・・・」
「真田・・・」


「何をやっている」
真田君がそういいながら、跡部君を威嚇する。
「・・・・・・・・・」
「別に、ヤバイ事はしてねぇから安心しな」
私は黙り込み、跡部君は逆に威嚇し始める。
「見ている感じでは、森下が拒否しているように思える」


「・・・真田くん、なんでもないよ・・・・なんでもないから・・・」
「・・・・・・森下・・・」
「腕を離して・・・跡部くん・・・」
跡部君にそういうと、今思い出したように私の腕を離した。
「わりぃ。痛くなかったか?」
「うん、大丈夫・・・私こそ・・・ごめんなさいね。・・」
「いや、俺こそ悪かった」
跡部君は謝り、頭を下げきた。
「えっ・・・頭を上げて・・・跡部くんは何も悪くないから・・・」
「だが、無理に理由を聞こうとしたんだ!何も悪くないですまされねぇ!!」
「・・・・・本当に跡部くんは悪くないんだよ・・・・わるいのは・・わたしだから・・・。真田君もごめんね」
「いや・・・別に構わん。だが、どうしたんだ?」
真田君にも問いかけられたけど・・・
「・・・・・・・・・・・ごめんね。・・・今は・・・・・まだ・・・話せないの・・・・」
今はこう答えるしかない・・・・
「・・・でも・・・・きっと・・・理由を・・・話すから・・・・」
「そうか・・・。別に構わんが・・・。聞ける話はいつでも聞く。遠慮なく話してくれ」
「うん・・・・・・ありがとう・・・・」



そう、いつかは・・・・話したい・・・・



また数日たった頃・・・・
私は何となく庭に出た・・・雨が降っていたにも構わず・・・


雨で・・・・全部・・・流れたらいいのに・・・


「どうして・・・・私を・・・・置いて・・・亜樹・・・・

降ってくる雨の中・・・亜樹を思い出しながら・・・涙を流した。



「森下!!!」
「・・・・・・・えっ・・・・・・・」

真田君・・・・・

「・・真田くん・・・どうして・・・」
「こんな雨の中何をしているんだ!!!」
真田君は雨に打たれている、私の姿に怒っていた。


「・・・・・・・・・雨で・・・・・・やな事が・・・流れてくれるかと・・・思って・・・」


「・・・跡部と何か関係でもあるのか?」


跡部君じゃない・・・でも・・・・真田君なら・・・・・


私は意を決し、真田君に話すことにした。

「・・・・・真田くん・・・・話を・・・聞いてくれる・・・・」
「あぁ・・・。どうしたんだ?一体」

私は、真田君に亜樹のことを話した。
もちろん、亜樹が跡部君にそっくりなことも・・・・

「跡部くんはその人じゃあないのに・・・・・その人が・・・・生きていたのかと・・・思ったの・・・」
「・・・・・死んだのか・・?」
「うん・・・・病気でね・・・」
「・・・・・そうか・・。だから、跡部に会ったとき・・・様子が変だったんだな?」
「・・・・・うん・・・・」


「どうしても・・・・跡部くんを・・・・その人に・・・・重ねてしまって・・・・

 忘れたいのに・・・・忘れられなくて・・・・泣く事も・・・・出来なくて・・・・

 雨が・・・・流してくれれば・・・・って思ったの・・・・」


雨が・・・・雨が流してくれれば・・・・・・・


「・・・辛いなら、泣けば良い」

それは出来ない・・・・亜樹との約束が・・・・


「死んだ人間との約束を、いつまでも守り続ける必要は無い。
 それに・・ソイツは、森下がそうやって追い詰められたところで喜ばないだろう
 今なら、俺以外見ていないからな・・・」
真田君はそう言いながら、私の背中に腕を回してきた。

「・・・・・・・私・・・・泣いても・・・・いいのかな・・・」
私も真田君の背中に腕を回した。
「泣いても良いんだ」
真田君の言葉と、腕の力に声をあげて・・・彼の腕の中で泣き崩れた。

「・・・・・・ヒック・・・ヒック・・・あぁーーーーー!!!」





数分、泣き続け・・・大分落ち着いてきた。

「ごめんね・・・・みっともないとこ・・・見せちゃって・・・」


「もう、独りで苦しむな」


えっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「いや・・・人間誰でも泣くことはある。気にするな」
そういい、真田君は優しく微笑んでくれた。
そして・・・・

「俺が・・傍にいてやるから・・・///」


雨が止み、星空が広がる。

「・・・・・好きだ、森下。もし・・・・俺でよければ付き合って欲しい///」

真田君からの告白を受けた。
「えっ・・・・・・・でも・・・・・・・わたしなんか・・・何も取りえがなくて・・・・」
「取り得がある・なしで俺が好きな相手を決めるとでも思ったか・・」
「そんなこと!そんな事・・・思ってないよ・・・
 ただ・・・真田くんがはじをかいてしまうかもって・・・・」
「俺が恥を?・・・別にそうは思わない。俺が選んだ相手だ。誰にも文句は言わせん」


本当に私でいいの・・・・・

でも、そういってくれてる・・・・・

「は、はい!宜しくお願いします////////」


恋人同士になり、寮に戻ろうとしたとき

「・・・・っ加代!!!」
「えっ・・・・・・」

真田君から少し強引にキスをされた。

「//////////んっ・・・・」



失った天使の翼・・・・・亜樹の翼は失ったけど・・・・・


今は、弦一郎の翼が・・・・私に来た・・・・・


もう、失いたくない・・・・天使の翼・・・・・・・


040:天使  お相手:真田弦一郎  MyTime学園ダイジェスト(?)

はい、4カップル目は真田&加代。
加代には辛い過去があり・・・・ってここでは話しきれない。
ゲンゲン・・・・いや〜、やるね〜〜〜ww

真田弦一郎:飛花様
真田ヒロイン:加代様(森下加代)

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