設定:氷帝3年
硝子
「なぁ、水族館行かねー?」
いきなりのことは唖然とし、口が開いたまんまになった。
「えっ・・・?どうしたの、岳人?」
「だから、とデートしてやるっていってんの!!
嫌なのかよ!?」
「嫌じゃないけど・・・」
「なら決まり!!明日の10時に駅でな」
向日はそういうと、走って去っていった。
「もう・・・・行くって言ってないんだけど・・・」
はそう呟きながら、走り去る岳人を見送った。
「なぁなぁ、侑士。あんなんでどうだった?」
向日はデートに誘ったことを忍足に話した。
「まぁ、岳人にしては上出来やな。明日、頑張り」
「ああ」
そして当日、朝9時30分。
待ち合わせ場所にはもう向日がいた。
「エヘヘ・・・早く着ちまった」
向日は今日が楽しみでいつもより早く待ち合わせ場所に来たのだった。
約束10分前に、がやって来た。
「もう来てたんだ?」
「あ、ああ・・・。それより行こうぜ」
向日はの手を握った。
「うん///」
電車で何個が乗り継ぎ、目的地である水族館へ到着した。
「ほら、行こうぜ」
向日は手を繋いだまま、を引っ張っていく。
「が・岳人///」
「なんだよ?」
「手・・・///」
が顔を赤らめ、下に俯く。
「あ・・///」
向日も今の状況に気づき、顔を赤くする。
「い・嫌なのか?俺と手を繋ぐの・・・・」
「そ・そんな事・・・・ないけど///」
「ならいいじゃん。行くぞ」
向日は無理矢理引っ張り、中へ入っていった。
は引っ張られるまま、中に入り周りを全く見ることが出来ずにいた。
「おい、。見てみろよ」
向日に言われ、は前をみるとそこには大きな円柱の水槽が立っていた。
「うわ〜〜〜〜〜〜」
「綺麗だろ?」
「うんうん」
「もっと奥に行ってみようぜ」
向日は無邪気に奥へと走っていった。
「待ってよ〜〜〜〜」
も向日を追う。
奥に行くと深海に住む魚達がうようよと泳いでいた。
「スゲーな」
「うん・・・まるで海の中にいるみたい・・・」
ドーム型になっている水槽の中を歩いている2人。
は歩きながらも魚たちに魅了されている。
彼女を見た向日は、そっと手を再度握り始めた。
“嫌って言ってねーし、いいよな///”
そう思いながら、手に力が入る。
ギュッと握られ、は少し顔を赤らめる。
そのまま2人は、水族館の奥へとどんどん進んでいった。
「おっき〜〜〜〜!!」
「デカッ!!」
2人が見ているのはスナメリ。
体長何メートルもあるスナメリを見た2人はただただ圧倒された。
そんな2人をストーカーしているものが2名・・いや3名・・・
「なんや、岳人。ええ感じやないか」
「おい、忍足。なぜ俺様が付き合わなきゃいけねーんだよ、あーん?」
「ええやん。岳人の門出なんやで、見守ってやらんとな」
「俺様には関係ない。なぁ、樺地?」
「ウスッ!!」
「そんな事言わんといてや・・・ほら、岳人たち行ってまうで」
そんなストーカーもいるのを知らずの2人は、水族館内のイルカショーのある
ステージに移動していた。
「岳人とイルカ、どっちの方がアクロバティックが凄いのかな?」
「そんなの俺に決まってんだろ!?」
「イルカと対抗してみる?」
「んなの出来るわけねーじゃん!!くそくそ」
「冗談だって」
『これよりイルカショーを始めます』
アナウンスとともにイルカが水面から飛び出てきた。
「うわっ、凄い水しぶき」
「スゲーな。俺のムーンサルト、改良してみようかな?」
「あれ以上、跳ぶの?」
「いいじゃん。俺は跳んでなんぼなんだよ!!」
2人が話している間にイルカショーはどんどん進められていった。
『はい。ではここにいるイルカ君たちにコミュニケーションをとりたいと思います。
イルカに触りたいお友達はいるかな?』
司会のお姉さんがそういうと、どうしようという子ども達の中、
「岳人、行ったら?」
「こそ行ったら?」
『う〜ん、誰もいないのかな?』
「はいはーい!!イルカに触りたい!!」
向日が勢いよく手を挙げ、声をあげた。
『それじゃ、おかっぱのぼくは降りてきてください!!』
「おかっぱの僕・・・・」
向日はムスッとしながら、ステージに移動し始めた。
はそれをクスクスと笑っていた。
『はい、では君の名前を教えてくれるかな?』
「ム・向日岳人です」
向日は照れながら質問に応えた。
「それでは岳人君、まずはイルカの頭を撫でて下さい」
お姉さんがホイッスルを鳴らすと、イルカの一頭が水面から頭を出した。
向日は屈み込み、頭を撫でた。
「うわ〜〜、ヌルヌルしてる」
向日は興味心身にイルカに触れる。
『では最後にここに出てきてくれた岳人君に、イルカからのお礼キッスをあげましょう』
5・4・3・2とカウントされ、1・0と叫ぶとイルカは飛び上がり、
向日の頬にキスをした。
それを見ていたは・・・・
「カ・カワイイ・・・」
と思わず呟いてしまった。
『それでは、岳人君。ありがとうございました。岳人君に大きな拍手を』
盛大な拍手の中で、向日はまた照れながらステージを降りた。
「お疲れ様、いいもの見せてもらったわ>m<」
「なんだよ〜〜〜>3<」
「次、行こうぜ」
「うん」
2人は自然と手を繋ぎ、また水族館の中に入っていった。
全てを見終わり、お土産コーナーに行った。
色々見回っていると、さっきのイルカショーのお姉さんがやってきた。
「岳人君、さっきはありがと。渡し忘れたの、これ」
お姉さんは向日に小さな箱を渡し、去っていった。
「なんだろう?」
箱を開けてみると、ガラス細工のイルカのキーホルダーだった。
「あっ、カワイイvv」
の笑顔に顔を赤らめ、ほいっと差し出した。
「やるよ」
「えっ??」
「だから、やるって言ってんの!!」
ほらっと言わんばかりにに渡した。
「ありがと・・・」
「そろそろ帰ろうぜ」
「うん」
水族館を後にし、2人は家路に向って歩き始めた。
そして分かれ道・・・・・
「今日はありがと、岳人」
「別にいいよ・・・楽しかったし・・・」
「それじゃーね」
が去ろうとしたとき、
「おい、!!」
向日が呼び止めた。
が振り向くと向日は大声でこう言い、走り去った。
「俺、のこと好きだから!!」
「岳人///」
は顔を赤らめ、そのまま立ち尽くしていた。
「あんな告白ありかよ。なぁ、樺地?」
「・・・・・・・・・・・・・・・ウスッ」
「アレが岳人なりの告白やないか。いいんや、あれで」
翌日・・・・
は向日を呼び出し、屋上にいた。
だが2人きりだと何言っていいのか解らず、沈黙が続いた。
「あ・あのね・・・」
「ゴメン!!」
が話を切り出そうとした時、向日は頭を下げ謝罪し始めた。
「岳人?」
「俺、あんときあんな事言ってすぐ逃げて・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「だけど、あの言葉はマジだから!!」
向日はの顔をじっと見つめる。
「私の話・・・聞いてくれる?」
「ウン・・・・・」
は深く深呼吸をし、語り始めた。
「あの時、岳人に言われて考えたの。私、岳人と一緒にいるの楽しいし・・・
だから・・///・・・・・・・・・私も岳人のこと好き///」
が思いを告げると、向日は無我夢中でを抱き締めた。
「今の、マジだよな?」
「うん///」
「大事にするからな・・・・のこと」
そして2つの影は、1つに重なった。
「よかったな〜〜〜、岳人」
忍足は結ばれたことに涙する。
まるで母が子を話すときのように・・・・・
035:硝子 お相手:向日岳人
ああ、やっと書き終わった。久々のキリリク。しかもがっくん!!初がっくん!!
いや〜〜〜、書き応えがありましたわ〜〜。こんなんでどうでしょうか?
このドリームは13500HITをきった羽飛麻蓮様に捧げます。
お気に召してもらえるといいんですけど・・・
もしよろしかったら、つれて帰ってください。その点で解らない場合はメールでもいいんで知らせて下さい。
もちろん、ここからつれて帰ってもいいですよ。
ただし、背景に使っている画像は持って帰らないで下さい。これはお借りしているものですから。
このドリームに関するご意見、ご感想等をBbsにて受け付けております。
気軽に書き込んで行ってくださいね。よろしくお願いします。
著者:瀬川音符
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