貴方を見てて、いつも思う・・・・
フェンスの向こう
彼の1日は規則正しく始まる。
朝、6時に起床。制服に着替え、家族とともに朝食を取る。
6時半、愛用のテニスバックと学校指定の鞄を持ち自宅を出る。
7時、テニスコートにて部長の貴方がいつものように指示を出す。
こんな完璧人間、存在してもいいのだろうか・・・・・
そんな彼と、全く正反対な私の話・・・・・・
その私、と言うんだけど・・・・・
彼のように規則正しくは過してない、だらだらとしていた。
彼が部長の姿を見せている時間、まだ夢の中なのだ。
7時半を過ぎても、一向に目を覚ますつもりもない私に・・・・・
「こら!!いい加減起きなさい!!」
と、母親からの雷鳴が耳元で大きく響く。
それとともに、ぼけながらも起床。
パジャマのまま、ダイニングで朝食を取る。
そして意識が回復する頃・・・・・時間的には8時半を迎えようとしていた。
「うわ〜〜〜〜〜!!ち・遅刻〜〜〜〜〜>△<;」
そう叫びながら、部屋へと駆け込み一目散と制服に着替える。
リボンを結び、簡単にクシを通すと鞄を持ち、自宅を飛び出すように出た。
もう、ここからは走るしかない!!バスにも間に合うか・・・・
そう考えてる隙に、バスは私を無視し出発してしまう。
「あちゃ〜〜〜;;」
そして、青学まで一気にダッシュ!!
キーンコーンカーンコーン・・・・・
青学では予鈴が鳴り響く。
「何とかSHRまでには間に合って〜〜〜〜」
そう叫びながら、校門を潜り抜ける。
そしてSHRの本鈴が校舎内に鳴り響いた。
「わっ、わっ・・・・」
急いでシューズに履き替えると、職員室から続々と教員達が出ていた。
ヤバ・・・・そう心で言いながら、階段を一気に上る。
3階まで上がり、自分の教室に駆け込んだ。
「お・おはよーーーー」
私のぜーぜー声で友達は手を振る。
『今日も、ギリギリだね』
『もう少し、余裕もって来たら?』
「そんなの・・・・無理・・・;」
息を整えながら、そういうと・・・・・・
『またギリギリか・・・・』
聞きなれた声が聞こえ、振り向くと・・・・・
「あっ・・・・オハヨウゴザイマス・・・」
『おはよう。さっさと席に座れ』
「はーい」
そう言い、自分の席に座った。
周りは茶化すように笑ったりしていたが、ただ1人、隣に座っている彼は違う。
この人物だけは呆れたような顔をしているのか、眉間に皺をよせていたのだ。
そう、彼こそが私と正反対の手塚国光!!
ちなみに・・・・・私の彼氏さまさまでもあるんです。
「またか・・・」
彼はため息を小さくつきながら、そう言った。
「エヘヘ・・・おはよっ、国光」
「おはよう。いい加減に直らないのか?」
「だって〜〜・・・」
それから授業が始まるけど・・・・・・さすがに3・4限目ともなると、眠気が襲ってくる。
しかも今の授業は古典。寝るなって言うのがおかしいくらい・・・・
それに私の席は窓側。初夏で陽射しは強いけど、窓を開けているから風通しが良い。
それとともに・・・・・熟睡・・・・・・
コツッ!!
私の熟睡を邪魔するのは、隣から先生の目を盗み教科書を当てている国光がいた。
「寝るな」
「無理〜〜〜」
そういいうつぶせになり、そのまま夢の中に入っていった。
お昼休み・・・・
友達2人と、1つの机を囲い仲良く食事をする。
もちろん、隣には国光が黙々と食事を取っている。
『でも、が手塚君と付き合うなんてね〜〜〜』
「な・なによ・・・?」
『そう、怒らない。こっち的には得してるんだし・・・あの手塚国光と昼食!!だもんね〜。
手塚ファンが見たらどうなることやら・・・・』
『そういえば、嫌がらせなかったの?ファンクラブから』
その言葉には国光も耳を澄ませていた。
「え〜っと・・・・一応あったよ。呼び出しとか・・・」
『『えげつないね〜〜。女の嫉妬は!!』』
そういい2人はけらけらと笑う。
そして国光はというと・・・・・私の発言になにやら嫌な顔をしていた。
『ねぇ、手塚君』
「なんだ」
『を助けたりしてるんでしょ?』
その質問に国光は黙秘する。
黙秘する国光に2人は私を見て、手招きした。
『ねぇ、もしかしてさっきのヤバかった?』
「そんな事・・・・」
『、話してなかったの?』
そう問いかけられ、私も黙秘をした。
そんなこんなで午後の授業も終わり、放課後がやってきた。
SHRが終ると、
『明日は遅刻するなよ!!』
と先生からの釘が・・・・・
「はーい」
生徒がまばらになってきたころ・・・・
「・・・・」
「なに?」
荷物を持ち、私に話し掛けてきた。
「話がある」
そう言い、教室を出て行った。
『、大丈夫?』
「なにが?」
『もう、手塚君と!!お昼休みからずっと怒ってたみたいじゃない。
まさか、別れ話とか・・・・』
「ちょっと・・・」
私は鞄を持ち、「じゃーね」といって国光を追った。
教室を出ると、壁のもたれて待っていた国光がいた。
「行くぞ」
「うん・・・」
私たちは3年の教室を横切り、生徒会室へと行った。
国光がドアを開けると、「入れ」という。
私はただそれに従うだけ。
生徒会室には2人きり。
「国光・・・・」
「なんだ?」
「生徒会の仕事は?」
そう聞くと、鞄を置き「今日はない」といい椅子に座った。
それから暫く沈黙が流れる。
夕焼けの中・・・・・国光が話し出した。
「何故・・・・」
国光の声に私は彼を見る。
「何故、教えなかった・・・・」
呼び出しにあっていたことを・・・・そういわんばかりに目で言う。
「それは・・・・」
私は彼との目線を逸らした。
「俺は頼りないか・・・・?」
彼の問いかけに、首を横に振る。
「そんなわけない!!」
「なら何故!!」
そう言い、国光は私の肩を掴み問い詰めてきた。
「だって・・・・」
「だって・・・なんだ?」
「迷惑・・・・掛けたくなかったんだもん」
そう言い、私は下に俯いた。
その言葉を聞き、国光ははぁ〜っとため息をつき、私を抱き寄せた。
「お前は・・・・・」
「///」
「迷惑なのは、あっちだ。は関係ない」
「でも・・・」
「まだ言うか!!」
そう言い、国光は更にきつく私を抱き締めた。
「言っておくが、俺はお前に迷惑掛けられようが全然構わない」
「ホント?」
「ああ・・・」
「私が何しても?」
「ああ」
「じゃあ、テニス部見に行ってもいいの?」
その言葉に、何も答えなかった。
「全然構わないんじゃなかったの?」
今度は私が国光に問い詰めた。
「だが・・・あいつらが・・・」
手塚の思いはこうだ。
――もしがテニス部に来て見ろ。不二や菊丸、乾に越前といった要注意人物がゴロゴロいる。
「国光、知らないと思うけど・・・時々、フェンス越しで見てるんだよ」
私がそういうと、顔を覗かせてきた。
「なに!?」
それもいつも見せない、驚きの顔で。
「やっぱり知らなかったんだ。まぁ、そうだよね。離れた場所だったから・・・」
「そうか・・・」
「けど、不二君と菊丸君。後・・・1年生のルーキー君は気づいてたよ」
その言葉に、左寄りに眉間に2・3本皺が寄る。
「さっ、これは迷惑になるのかな?」
「いや・・・来るならくれば良い」
私の問いかけに、意外にもさらりと応えてしまった。
「だがな・・・」
国光は、私の耳元でこう囁いた。
見る場所はフェンス内だ・・・・・
「いいの?」
「ああ。俺は部長だからな・・・」
「それって職権乱用じゃ・・・」
「いいんだ!!」
そういい、私の唇に国光の唇が重なった。
唇が離れると、国光は更にこういった。
「不二と菊丸、越前には注意しろよ」
「うん・・・」
「それと・・・何かあった場合は俺に話せ。いいな」
「解った」
翌日、さっそくテニス部に顔を出すと即座にレギュラーが使うコートに招かれた。
フェンス外ではファン達のブーイング。
フェンス内では、相変わらず不二君と菊丸君、越前君が私のところにやってくる。
だけど・・・・・すぐ国光に見つかって、グラウンドを走らされていたのだった。
「手塚、最近柔らかくなったよね(クスッ)」
「やっぱちゃん効果だ〜にゃ」
「でも、あの部長と付き合ってるなんて信じられないっす」
「「確かに〜〜」」
3人は走らされながらも、話している。
「不二、菊丸、越前。10周追加だ!!」
どうやら国光に聞こえてたらしく、周回数を増やされた。
いつもは国光との境がこのフェンスだった。だけど・・・打ち明けてこっちに来れた。
そう思って、クスリと微笑んだ。
「なにがおかしい?」
「べ〜っつに〜〜」
032:フェンスの向こう お相手:手塚国光
いや〜〜〜、リクが来るってええね・・・。最近ネタが薄れてきた瀬川には・・・
今回は26000を見事踏んだ静華様からのリクエスト。手塚で日常学校生活がテーマでした。
一度やってみたかったんですよ。手塚と全く正反対なヒロイン。メインじゃ2人して真面目!!でしたから・・・
それじゃ、このドリームを静華様に捧げます。リクエスト、ありがとうございました。
このドリームに関するご意見、ご感想等をBbsにて受け付けています。
気軽に書き込んでいってください。よろしくお願いします。
著者:瀬川音符
100のお題に戻る