設定:氷帝3年



何をしてるの?








関東大会1回戦で跡部とあたり、私の彼、手塚国光は肩を痛めてしまった。
その為、国光は治療のためドイツへと旅立った。




それから約数ヶ月がたった。
彼からは全く連絡のひとつも無い。自分からしてもいいんだが、連絡先さえわからない。
私は寂しさの限界を感じ始めた。






――――教室


「おい・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「おい、!聞こえねーのか?」
私を呼びかけるのは・・・・・・・頭を上げてみると、目の前に跡部がいた。



「はぁ〜・・・・・なんだ、跡部か・・・・」
「お前、俺がいたらいけねーのか?」
「そんな事は無いけど・・・・・」
「お前・・・・・そんなに寂しいなら手塚やめて俺様のとこに来い」



――――手塚やめて俺様のとこに来い・・・・――――




全くなんていう奴だ・・・・・・




「ヤダ・・・・・・」
「そうかよ・・・・・・」
跡部はそのまま私の前から去っていった。









次に私の前に現われたのは・・・・・・・

――――廊下

「なんや、やないか・・・・なに溜息ついてんねん・・・・・」
「今度は忍足か・・・・・別に・・・・」
「別に・・・・って事は無いやろ・・・・・また手塚かいな?」
「だから関係ないでしょ・・・・・」

私は即座に忍足から逃げるように廊下を走った。


「そんな、寂しかったら俺ンとこきーや!!」
走る私に忍足は、大声でそう叫んでいた。






もう、跡部にしろ忍足にしろなんてこと言うんだ・・・・・







――――お昼休み、中庭


跡部と忍足の接触から逃げ切り、あまり人気の無い中庭で昼食をとっていた。




・・・・・・今、ドイツは朝の6時くらいかな・・・・・・






日本とドイツは約8時間の時差がある。


・・・・・・・そろそろ起きたかな・・・・・・・・




そう思いながら食事を取っていると、ある人物が私の目の前に現われた。



「あれ、先輩じゃないですか?ここで昼食ですか?」


そいつは、1学年下の癖にバカでかい鳳だった。


「鳳・・・・・・そうだよ」
「俺も一緒していいですか?」
鳳は弁当箱を差し出し、私に問いかけてきた。


まぁ、跡部や忍足と違って鳳は礼儀を知ってるからな・・・・・・



「いいよ」
「ありがとうございます」



それから暫く鳳と食事を楽しんだ。
その中・・・・・・

先輩・・・・・最近、元気ありませんね・・・・・」
「そう・・・・・?」
「相談とかあれば、俺聞きますよ」
鳳はにっこりした顔でそう言った。



「そうだな・・・・・・聞いてくれる?」
「もちろん!」


私は鳳に今、悩んでいることを打ち明けた。

「鳳はさ、もし好きな人と離れ離れになって、連絡もこない状態だったらどうする?
 もちろん、こっちも向こうの連絡先は知らないんだよ」
「そうですね・・・・連絡先も知らないとすれば、待つしかないですね」
「鳳は我慢できるの?」
「さぁ・・・・・でも、その人を信じることは出来ますね。必ず連絡来ると・・・
 信じていれば必ずいいこともあると思いますよ」



――――信じれば・・・・・・・か・・・・・――――




「鳳・・・・・・・・」
「なんですか?」
「ありがとう・・・・・私、信じてみるよ・・・・・」
「そうですか・・・・来るといいですね、手塚さんからの電話」
「・・・・・///し・知ってたの///」
「はい、跡部さんたちも知ってましたよ。かなり言ってましたが・・・・・」
「そ・そうか・・・とにかく相談に乗ってくれてありがと!」


私は鳳にお礼をいい、校舎へと戻っていった。





「僕もお人よしですね・・・・・・まぁ、先輩が幸せならそれでいいですけど・・・・・」
鳳は彼女が去った後、小さく呟き校舎へと戻った。










――――放課後


いつもの帰り道・・・・・・今までは手塚も一緒だった。
なんか、寂しいな・・・・・手塚がいないだけでもこんなに風景も違うんだ・・・・・・







――――――今頃、何してるんだろ・・・・・・・・




私は空に向ってそう呟くと携帯が鳴りはじめた。


♪〜〜〜〜


「私のだ・・・・・・」

携帯を開き、ディスプレイを見る。
そこには知らない番号でかかってきていた。


大体知らない番号は出ないようにしていたが、そのときはすぐに電話に出た。


「はい、もしもし・・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』


電話に出たのはいいが、相手は全く喋らない。



――――間違い電話か?



再度問いかけても、無言のまま。
さすがの私でもとうとうキレてしまい、

「ちょっと、何かいったら!!間違いなら間違いって!!」
少し怒鳴るように言った。








『すまない・・・・・・久々にの声を聞いて懐かしいと思っていた』










聞きなれた声、まさか・・・・・・・


「手塚・・・・?手塚なの??」
『ああ』


落ち着いた声、確かに手塚だ・・・・・・・私はそのまま言葉を失ってしまった。


?おい、聞いているのか?』

私が何も話さないのが不審に思い、手塚が声をかけてくる。
だが私は、手塚の声を聞いただけで涙が溢れてくる。


「ゴメン、手塚・・・・・私、なんて言ったらいいのか解んない・・・・・
 ただ嬉しくて・・・・・・・」
私は少しかすれた声でそう言った。

・・・・・・泣いているのか?』
なんで解るの?


「な・泣いてなんか・・・・・・・」
『いや、泣いているな・・・・・何かあったのか?』
「ううん・・・・そんな事無い・・・・・」
『だったら何故泣いている?』
「だって・・・・」



――――手塚の声聞いて泣いてるって言ったら・・・・



『どうした??』
「だから、なんでもないって!!それより、なんで今頃になって連絡するの?」
「すまない・・・・時間が無くてな・・・・・」



――――言うと思った・・・・



『今なら大丈夫だ、それにの声も聞きたかった・・・・・』
「手塚・・・・・・・」

あまり喋らない手塚がそんな事言ってくれてることに、また涙が溢れてくる。


「リハビリ・・・・どう?」
私は涙を拭きながら、手塚に問いかけた。
『ああ、あと少しで完治すると言われた』
「そっか・・・・・よかったね」
「もう少しで退院し、帰国する・・・・・・それまで待ってれるか」
「ウン・・・・・・」




『すまないが、そろそろ・・・・・』
「あっ、うん。これ国際電話だもんね・・・・・」
『ああ。帰国する前に、また電話する』
「解った・・・・・それじゃ・・・・・」


手塚がもう少しで帰ってくる。もう嬉しくてまた涙が溢れてきた。
近頃、涙腺が緩くなってきたのかな?





家に向かい帰り途中、よく公園を通って帰ってたな・・・・・・
その公園に入り、ゆっくりと進んでいった。




公園を歩いていくと、何故かここにいない人がベンチに座り本を読んでいる。
私は何かの幻覚だ!!と思い、目をこすり、よく見てみた。



まぁ、よく似た人は3人はいるって言うし・・・・・・・
そう思いながら、通りすがった時―――――







「まさか通りすがる気ではないだろうな・・・・・」





さっきまで携帯で話していた声と一緒。
落ち着きがあり、低い声。




私はとっさに振り向いた。
声かけた人は、立ち上がり私と向き合う。




「て・手塚・・・・・・・どうして、今さっきまで・・・・・・・」
「実は一昨日退院し、今日の朝帰って来た」
「だって、さっき国際電話だって・・・・・・」
「あれは嘘だ。ここで話していたからな・・・・・」
「うそ??」
「本当のことだ」



私は何がなんだか解らなくなり、そのまま座り込んでしまった。


「本当のことをいえなくて悪かったな・・・・・・」
謝罪する手塚に私は、首を振るだけ。




手塚はしゃがみ込み、私を腕の中にしまった。

「ただいま・・・・・・・・」
「お帰り・・・・・・・」


私は手塚の腕で涙を流した。
手塚はその涙を拭う。



そして、2つの影はひとつとなった・・・・・・・・・・・・・・・・






026.何をしてるの?  お相手:手塚国光

よっしゃ〜〜〜、やっと出来た〜〜〜〜!!初の相互リンク記念として書きました。
しかも、手塚ドイツより帰還!しかも彼女は他校生!
リクでは甘〜い手塚ドリといってましたが、最後だけだね・・・・・・甘いのは・・・・(汗)
しかも跡部様、侑士、チョタはヒロインに惚れてるという前提アリで(>m<)

こんなもんでどうでしょう??お気に召してくれればいいんですが・・・・
栖蘭遼華(せいらんりょうか)様に捧げます。
どうぞ、連れて帰ってください。(画像以外ね・・・・・)


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著作:瀬川音符

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